新宿連絡会ニュースの年末年始報告の後、対外的に何も報告せず、大変申し訳ありません。本来、ニュースを発行するところですが、多忙につき、この夏の発行は断念致しましたので、この場を借りて、この間の報告をしたいと思います。

 連絡会の活動は相も変わらず、休みなく続けております。連絡会はイベント型の活動を今はほとんどしておらず、地道な活動に徹しているので、ちと物足りないと感ずる方々もいるかも知れませんが、旧来の手法はすべて古くさいと、思い切り捨て去る団体でもありますので、今は地域密着の地道な活動こそが支援活動の進化であると考え、そのようにしております。

 何でも屋で、何でもやって来た連絡会ですが、今はアウトリーチ(パトロール)が活動の基本となっています。待機型の事務所での拠点相談も、もちろん続けています(6月から毎週火曜日を相談日にして強化しています)が、私たちは福祉事務所ではないので、相談即対応できる範囲が限られてしまいます。民間の事務所で出来る活動はシャワーサービス、衣類提供、食事、医療相談会など、物品提供、応急援護的なものが主となります。そこからステップアップさせる先は関係機関との調整などが必要となり、手続きのため、時間、日数がかかったりします。何でもかんでもニーズに即した即決性のある支援の仕方と云うのは理想なのでしょうが、受け皿が少ない中で、そんなことをしたらめちゃくちゃとなります。次に「つなげる」と云うのは言葉で云うのは簡単ですが、実際は大変むずかしいもので、その困難は今も昔もあり続けます。もちろん、民間で受け皿を作る努力も引き続き行っており、越年期に試みた実践の発展も模索しております。とは云え、これは全体からすれば一民間の限られた努力でしかなく、政策として全体化はしていない以上、右往左往していると言った方が良いのかも知れません。

 他方で、路上の現状は刻々と変化し続けています。新宿区内で云えば、大規模公園でのテント問題はほぼ終わり、半定住型、ないしは流動型の生活形態の方々が主流となりつつあります。定住型の方へのアプローチ(信頼関係も含めた)の仕方は、訪問型が可能となります。そこへ行けば合えるのですから、ある意味簡単です。しかし、流動型の方々へのアプローチの仕方は、まだまだ開発途上であると考えています。旧来は「場」を作ってそこに来てもらう仕方が主流でたがし、公園などでは、一瞬の「場」しか作れず、また「場」を知らない人々、必要と思えない人々は、そこには永遠に来ることはないでしょう。
 もちろん「場」を作れば人は来るかも知れません。しかし、そこに特定の人々が来たとしても、 あくまで特定のグループですので、全体は良く解りません。特定の人々を語ることで、それがいかにも全体を示しているかのような問題の立て方は、それ以外の人々を排除する論理でしかないと思います。

 運良く(?)、今は路上生活者の数は減っています。これまで面としてしか見なかったものを、個として見るチャンスでもあります。こちらから、こちらの可能な範囲で、出向く。訪問型ではなく、探索型でアウトリーチを続ける。そのようなスタンスであると、一人ひとりへの時間のかけかたも多くなり、また見えてくるものも違います。そして、そのような人々の中にある新たなニーズもまた理解出来るし、具体的につなげていくプロセスを経験すればアセスメント能力(あんまり適切な表現ではないのですが)も経験則で向上します。

 「屋根へ」と云うベクトルは、「路上へ」のベクトルと同義語であると考えます。この問題は本当に解決したいと思うのならば、路上を常に見続け、そして考え、探求する必要があります。現場に赴くこと、そこで共に考えること、それを基本にするならば、そこからの道筋が自ずから見えてくるものです。

 何をやっています、これをやっていますでなく、そう云う考えで今も日常活動を続けています。