新宿連絡会チラシ集第二十集(2011年1月より2011年6月まで)

 


2011年1月1日新宿連絡会チラシ
2011年1月2日新宿連絡会チラシ
2011年1月3日新宿連絡会チラシ
2011年1月9日新宿連絡会チラシ
2011年1月16日新宿連絡会チラシ
2011年1月23日新宿連絡会チラシ
2011年1月30日新宿連絡会チラシ
2011年2月6日新宿連絡会チラシ
2011年2月13日新宿連絡会チラシ
2011年2月20日新宿連絡会チラシ
2011年2月27日新宿連絡会チラシ
2011年3月6日新宿連絡会チラシ
2011年3月13日新宿連絡会チラシ
2011年3月20日新宿連絡会チラシ
2011年3月27日新宿連絡会チラシ
2011年4月3日新宿連絡会チラシ
2011年4月10日新宿連絡会チラシ
2011年4月17日新宿連絡会チラシ
2011年4月24日新宿連絡会チラシ
2011年5月1日新宿メーデーチラシ
2011年5月1日新宿連絡会チラシ
2011年5月8日新宿連絡会チラシ
2011年5月15日新宿連絡会チラシ
2011年5月22日新宿連絡会チラシ
2011年5月29日新宿連絡会チラシ
2011年6月5日新宿連絡会チラシ
2011年6月12日新宿連絡会チラシ
2011年6月19日新宿連絡会チラシ
2011年6月26日新宿連絡会チラシ


明けましておめでとう

 明けましておめでとう!
 新たな年を今年もまた仲間と共にこの新宿の地で迎えられた事を慶び合いたい。中央公園の越年拠点では残ってくれた仲間と年明けまでお祝いの宴を催した。こうやって仲間と共に喜怒哀楽共に出来る事が新宿らしさでもある。
 全国的には大雪なども降っている年末年始であるが、東京だけは気候に恵まれ、これもまた仲間一人ひとりの日頃の行いか。無事がなによりな俺たちだから、今年もまた何事もなく、無事で居られる事を願いたい。  仲間の新年の誓いは何なのか?一人ひとり、もちろん違うだろうが、今年どんな事があろうとも、この年の始まりを新宿の地で仲間と共に過ごした事を忘れないようにしよう。決して恥ずかしい事でもなく、また隠す事でもない。底辺なれども、俺たちはこうやって助け合いながら、どっこい生きている。世間様はそんな事知らないだろうが、知らない奴は知らなければ良い。ここに居るものだけが知っていさえ居れば、それで良い。  路上とはそんな場所である。
 今年は仕事をしっかりと、と云う仲間も多いだろう。日雇いだろうが、バイトだろうが、缶集めだろうが、派遣だろうが、それは立派な仕事である。正社員がそんなに偉いのか?ハローワークに行けば正社員になれなれと、仕事もないのに職員は一つ覚えである。身体を動かし、汗水流し、デズラをもらえれば、それで良いではないか。大半の仲間が望んでいるの仕事はサラリーマンの仕事ではない。最低限、生きる糧のための仕事である。
 そんな事も知らずに世間様は勝手に同情し、俺たちの思いとは別の社会復帰の理想像を勝手に作りだすが、どんなに制度が整ったとしても、そんなのは一握りの人だけで、人生なんて山あり、谷あり、行ったり来たりの繰り返しである事ぐらい、俺たちは身に染みて分かっている。
 新宿連絡会は「仲間」「仲間」と病気のように言う団体であるが、結局それは独りぼっちにならないため、そして、これからの俺たちの明日を作り出すための最大の武器にしようと云う事である。「引きこもり」なんていう現象が若年層の間では流行っているようだが、何でもかんでも一人で背負って生きていける訳ではない。たった一人で大きなビルは建てられないよう、俺たちの世界はどんな事をやるにせよ仲間が必要だ。そのために話したり、喧嘩したり、色々なつきあいを重ねて、皆、仲間を作る。そして、それが生きるための大きな武器に知らず知らずになる。「お金」と云う力を持たない俺たちだからこそ、底辺の仲間は、今も昔もそうやって信頼と裏切りの俗っぽい「つきあい」の繰り返しで助けあいながら生きている。
 難しいことはどうでも良い。そうやって生きて来れたのだから、これからもきっとそうやっていけば、生きていける。そう信じる事としよう。
 新宿連絡会は今年も新宿の地で、どこにでも顔を出す、地に這う活動を地道に続けて行きたい。  お互い、色々あるけれども、仲間として2011年の荒波を超えていこう。

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今年こそはと
明日は午後1時より戸山公園で青空医療相談会があります。
夜は新宿で炊き出しの後が集中医療相談会となります。

 仲間たち。
 大きな崩れはないものの相も変わらず冷え込みがきつい年始である。それでもまあ、これまで大きな出来事もなく、無事平穏に新年を迎えられたので俺たちにとっては幸先の良いスタートなのかも知れない。こんな調子で一年が回ってくれれば良いのではあるが、こればかりはこれから、何があるかは分からない。
 早いもので、新宿中央公園の越年の取り組みも、残すところ今日と明日を残すのみである。こうやって仲間と過ごしていると時間も早いもので、あっと云う間の一週間である。
 今日あたりから初売りなども始まり、街に活気も戻って来る。仕事は年末年始関係なく、回るところは回っているので、これからいろいろなチャンスが来るとは思う。そう云うチャンスにどう乗れるのか乗れないのかが、今後の勝負の分かれ目になるのだから、他の失業者に負けないよう競争に打ち勝てるだけの力を精いっぱいつけていこう。とは言っても、と云う仲間も大勢居いるだろうが、そう云う仲間のために行政の施設であるが、自立支援センターと云うものがある。まずは身体を休め、技能を習得するなど就職の準備を目一杯し、再就職に臨むと云う仕組みのある所である。この施設は10年来の蓄積をもった施設で、俺らも良く知っている所なので安心は安心である。
 本当はこういう仕組みをもった施設や宿泊所がもっと多く必要なのであるが、今のご時世は安上がりで外向けの見栄えが良い施策が残念ながら主流となっている。その代表格が「住宅手当」と云う制度となるのであろう。半年間家賃は無料であるが、生活費は貸付で、半年後は自分で何とかしなさいと云う仕組みである。
 かつて自立支援センターは野宿の仲間の内エリート層しか対応していないと批判されていたが、「住宅手当」の方ともなればもっと恵まれた仲間しか利用できないのが現状である。
 そんな中で生活保護を乱用しようとする動きもあるが、こちらも高齢の仲間や、病弱な仲間ならまだしも、稼働年齢層の仲間には就労指導が徹底して入るので、お金は他の施策よりは多くもらえるので利用する若者が多いのだろうが、就労支援の実態がない中での尻叩き、すなわち自分で仕事を探しなさいの強制力を覚悟しなければ、夢物語にしかならない。
 いずれの施策も出たり入ったりの仲間は大勢いる。すなわち、仕事探しと云うのはかなりの困難を伴うと云う事である。もちろん失敗はつきものなのでそんな事は水に流してしまえば良いのであるが、役所となれば、そう呑気な事は言ってられない。そこら辺の攻防はちと難しいが、難しいながらも生きていかねばならぬのであるから缶集めやら雑業であるとか、日雇仕事に多くの仲間は就いている。
 とは、云え、チャンスがあればとことんチャレンジしてみる。これが仕事探しの大事なところなのかも知れない。そう云う機会があれば、職場の仲間と共に汗水流して働いてみよう。稼いで暮らすと云う事が、この世の常なのだから。

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無事な冬になれ
医療テントで「紹介状」をもらった仲間は 明日以降、新宿福祉で通院などの手続きを。

 仲間たち。
 今年も越年の取り組みが無事終了する事が出来そうである。毎年、毎年同じことを繰り返し、あっと云う間に17回目となってしまったが、それも多くの仲間の協力があってこそである。協力してくれた仲間一人ひとりに感謝したい。まあ、いつも中央公園に寝ている仲間にとっては騒がしくてご迷惑をかけたかも知れないが、大きなトラブルもなかったのでご容赦願いたい。
 今年は仲間の数が減ったとか、増えたとか色々と噂されているが、全体的には落ち着きを取り戻したのは確かなようである。もっともそんな現象面だけで俺たちの活動が評価されるのは心外である。増えたら騒がれ、減ったら無視されと世間様は誠に身勝手な事である。仲間が増えた時も、減った時も、同じように活動を続けて来た俺らからすれば、あまりにも迷惑な話である。
 まあ、落ち着きを取り戻したのは良い事とも言える。今じゃ誰も覚えていない「地域生活移行支援事業」が終了し、都内の仲間の多くがアパート暮らしをし始めた頃、今日と同じように新宿の仲間の数も落ち着きを取り戻した。それが、「リーマンショック」以降、雇用が極端に悪化し、新規の仲間が多く東京に流れて来た。ここ数年はそう云う仲間が増え続けていた時期でもある。しかしながら、そう云う状況から今は一服と云う時期なのかも知れない。
 路上に長く居るといろいろな変遷を見るようになるが、これからの時期は、これまでと違って地に這った地道な活動が出来ると云う事かも知れない。
 毛布やら、衣類なども寒くなり始めた頃から大量に配布しているせいもあり、パトロールなどで回っても仲間の防寒体制は大きな問題もない。また、医療テントでの相談者を見ても、軽微な疾病の仲間はそこそこいるものの、救急を呼ぶ程の重篤な仲間は少ない。 
 このように状況が落ち着いて来ると、俺たちの越年の目的も果たせているように思える。一回目の越年期、仲間が嘘のよう路上で次々亡くなっていた頃を知っている身としては、今はあまり心配する事もないのかも知れない。いつものよう、気張らず、和気あいあいと、自由に、そして暖かい新宿の路上は、良い面だけをつなぎ続けてきたのだろう。
 明日からまた通常の体制に戻るが、今年も越年期、仲間と共にこれだけ頑張れたのだから、まだまだ色々な事を一年を通じてしてみたいと思う。
 仕事の仲間は明日からと云う仲間も居ると思う。病気や高齢の仲間は宿泊所などに移る仲間も居るだろう。そして、まだまだ新宿の街で頑張ると云う仲間も多いだろう。それぞれの道は違っても、どこかでまた合いましょう。きっと今年の年末は同じ事をやっているので、その時でも構わない、元気な顔をみせてもらいたい。
 仲間のつながり、それだけで持っているような団体が新宿連絡会なので、これからも仲間と共に喜怒哀楽を共にしながら、のたうちまわりながらでも前に進みたい。良い時も苦しい時も俺たちだけはいつも一緒である。

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冬とのたたかい
今度の日曜日、医療相談会があります。
医療相談会は月に一度戸山公園、中央公園で実施しています。

 仲間たち。
 越年の取組みが無事に終了したと思ったら、いつもの寒さがこの街にもやって来た。これまで暖冬傾向が続いていたが、これからは平年よりも気温が下回り、寒さとの本格的なたたかいとなる。幸い、東京では雪にはみまわれていないが、全国的には大雪で自然災害があちこちで引き起こされている。これからふた月でどんな気候の変化があるのか計り知れないが、最悪の事態も頭の隅にいれながらの越冬となる。
 冬物の衣類はこの間、多く放出して来たが、今月からは毛布を中心に放出して行くので、これからの寒さ除けに防寒用として使ってもらいたい。何の工夫もなく寝るなんて事はこれからの時期不可能に等しいので、自分の身はまずは自分で守る事である。
 気候が冬らしくなると空気も乾燥し、火災事故なども全国的に増えている。煙草の不始末なども大きな原因であり、野宿の仲間にとっては、いつ何時、何が起るかも分からないので、ペットボトルなどに水を入れて枕元に置いておくなどの工夫も必要である。
 年末から開始された厳冬期2週間宿泊も、今年は2週間ごとに新宿福祉の「とまりぎ」の前での抽選会となる。枠は10名前後と少ないものの、新宿で野宿している仲間なら誰でも参加の権利はある、れっきとした路上生活者対策なので冬の寒さで身体が弱っている仲間などは利用していこう。こちらは港寮や世田谷寮での宿泊となる。
 また、新大久保寮や馬場ハウスなどの緊急宿泊所も新宿区はこの冬、確保されている。ちょっとした病気で検査結果が出るまでとか、自立支援センターが空くまでとか、住宅手当の手続きが終わるまでとか、今ある色々な施策の隙間、隙間で活用されている。病院などの通院の手続きが終わったけれども、検査、検査で時間がかかるとか、薬をもらったけれども安静が必要であるとかの仲間は、こういう所に泊まりたいと言うようにしよう。こちらも枠があるのですんなりと行く場合と行かない場合があるが、言うのはタダなので、出来るだけ泊めてもらえるよう交渉していこう。 
 仕事があるのだけれども宿がない、なんて云う仲間も居ると思う。そのため、敷金礼金を溜め、普通の暮らしが出来るようにと、「自立支援ホーム」と云う仕組みを新宿区は独自に持っている。最長で6ヶ月は個室に居られるので、国のやっている貸付金制度で借金まみれになるのは嫌だと云う仲間には丁度良い施策である。こちらへの入所は「とまりぎ」で相談してもらいたい。
 今度の日曜日は、戸山公園、中央公園で定例の医療相談会がある。越年期に相談し忘れた仲間や、継続して相談をしたい仲間は気軽に来てもらいたい。空気が乾燥しているので風邪とかインフルエンザなども流行している。何ごとも早めの対応が必要であるので「おかしいな」と思ったら迷わず相談をしてもらいたい。
 これからの季節はいつもとは違う。心してかからない事には凍死と云う事態もいくらでも考えられるし、これまでも多くの仲間が冬将軍に浚われた。冬は祭りではなく、日々のたたかいである。仲間が仲間を守る新宿で在り続けよう。

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冬また冬なれど
厳冬期2週間無料宿泊事業の受付は23区で実施中。
新宿区の次回受付は1/24、2/7、2/21となります。

 仲間たち。
 年明けから強い寒気が日本列島を覆い、日本海側は大雪の被害に見舞われている。関東地方は幸い荒れた冬の天気は今のところないものの、気温は平年よりも下回り、底冷えのする日々が続いている。週末頃には寒気団も弱まるようではあるが、このままでいけば、暖冬どころか厳冬の1、2月になりそうである。
 今思えば割りと暖かかった年末年始よりも、今の時期に特に必要な宿泊サービスは、都区共同枠の厳冬期宿泊事業として実施されている。新宿区は2週間ごとの入れ替えとなるので次回の受付は今月の24日、2月7日、2月21日と云う順番で10名前後の仲間が港寮や世田谷寮などで2週間身体を休められる。もちろん三度の食事やら入浴やら、生活上のサービスもあり、また、調子の悪い仲間は健康相談なども受けられる。新宿ではこれまで2回ほど入寮受付があったが、どちらも順調に仲間が入り、英気を養って来た所である。今年の厳冬期宿泊は23区で一回約50名の枠となっているので、述べで云えばこの冬は都内250名の仲間が身体を休められると云う事となる。長年行政が行っている人道的な対策ではあるが、近年は支援者ですら知らない程認知度が低くなってしまったが、隠れた路上の冬場にとって必須の対策である。
 年末年始が冬ではなく、これからが俺たちにとって本当の冬である。空気も極端に乾燥し始めているのでインフルエンザなどが急激に広まってもいる。寒さで睡眠がとれなければ、心も身体も次第に弱ってボロボロになりかねない。幸い新宿には地下街などが寒さを和らげるシェルター替わりになっているが、それでもこれだけの寒さとたたかうには、相当の体力と精神力がいる。
 なので、とりわけ身体の異変には充分に注意をしておいてもらいたい。高齢の仲間や病弱な仲間は特にである。連絡会の医療相談で「紹介状」をもらった仲間は、いろいろ都合はあるだろうが早めに医療機関につながった方が病気治療の早道である。こんな時期に痛い身体を放置しておけば、悪化するどころか最悪の事態も考えられる。もちろん、高齢の仲間や病気の仲間の内、冬とたたかい、病気とたたかう気力体力が充分にない仲間は優先的に福祉の制度が利用できる。連絡会もただ役所の責任にして、受付を済ますだけでなく、民間団体としても責任をもって「麦の家」やら「馬場ハウス」やら宿泊可能な設備を有しているし、この時期を見通して支援の整備を続けて来た。場当たり的に「可哀想だから」と云う発想ではなく、仲間と共にこの季節とたたかう体制を年間通し、新宿区と協力しながら作り出している。
 いずれにせよ、ちょっと厳しいなと思ったら救急車を呼ぶなり、福祉に行くなり、「とまりぎ」に行くなり、医療相談で相談するなりし、無理をせずに自分の身体を守る事に専念してもらいたい。こう云う季節の中で意地を張ってもどうしようもないのであるから、SOSのサインは見逃さないようにしていこう。
 厳冬のまっただ中、春はまだまだ見えないけど、生きる気力だけは失わずに。

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春を見つける冬
インフルエンザ注意報発令中。
手洗い、うがい、マスクの 着用など予防策をしっかりとやっていこう。

 仲間たち。
 一時の大寒波の影響時よりはいくらかはましにはなったものの、公園の池にも氷が張るほどの寒さはまだまだ維持されている。天気の崩れはないにしても今年に入り、雨がほとんど降っていない事もあり、空気が異常に乾燥もしている。これもまた異常気象の影響なのか、何かといろいろな所に悪い影響を及ぼしているようである。 
 しかしながら早いもので1月もそろそろ終わり、あとひと月後の東京マラソン(今年は2月27日が開催日)の頃ともなれば、春がもっと近寄っては来るであろう。もう少しの辛抱である。
 空気が異常に乾燥している事も大きな原因のようであるが、インフルエンザの注意報なるものが東京都から発令されている。何でも、定点観測をしている医療機関の患者数報告が一定の基準を超えると発令されるようで、都内のほぼ全域でそのような状態であるとの事である。A香港型に加えて新型インフルエンザの症例も増加中との事で、20歳以上の大人の感染が顕著であるとの事である。
 多くの人が行き交う新宿では感染する率も高くなるので、手洗い、うがいを頻繁にする。また、突然の発熱、咳、のどの痛み、だるさ、頭痛、関節痛などの症状があった場合はマスクをして医療機関にかかるなど、予防や感染拡大防止を心がけていきたい。咳をしている場合は、炊出しやら福祉事務所での窓口やら人が大勢いるところではマスクを着用しておいた方がこれまた良いであろう。マスクもちゃんとしたものを買うとなると意外と高いので、炊出しやらパトロールやらシャワーサービス時やら連絡会の活動時に、備蓄品を無料で提供できるので一声かけてもらいたい。
 悪い流行と云うものは困ったものではあるが、備えあれば憂い無しである。
 厳冬期の2週間宿泊は1月は24日と2月は7日と21日に新宿福祉事務所のとなりにある「とまりぎ」の前で受付をしている。これまで無抽選であったので10時ぎりぎりに来ても入れたのであるが、これから希望者が多くなると抽選会となるので、9時半頃までに集まるようにしていこう。厳冬期の宿泊場所は港寮や世田谷寮となるが、通常の自立支援センターの入所受付も同時に新宿区では実施している。新宿の場合は港寮となり、この時期は厳冬期も同時実施しているため、そうそううまく入れないかも知れないが、受付をしておかなければこれまた永遠に入れないので、2週間の厳冬期宿泊よりも技能を磨き、身体を休めながら半年くらいかけて就職活動をしたいと云う仲間は自立支援センターを狙った方が良いかも知れない。この他、新宿区では今仕事をしているのだけれども宿や転宅資金がないと云う仲間には「自立支援ホーム」、とりあえずすぐにでもアパートに転宅したい仲間には「住宅手当」などの色々な施策が用意されている。「とまりぎ」であるとか、福祉事務所の受付などでここら辺の施策の交通整理はしてくれているので、良く分からないよと云う仲間は、思い切って相談しにいこう。

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春に向かって
風邪、インフルエンザが流行中。
「手洗い」「うがい」など 予防はしっかりと、熱が出たらまず病院へ。

 仲間たち。
 寒い寒いと云いながら、大寒も過ぎ、暦は立春の頃へと着実に進んでいる。
 天気が良い事だけが幸いして、今の所、東京には大寒波が来たり、雪が降ったりもしていないので、例年通りのそこそこの冬である。
 一方で空気の乾燥はこれはこれで、インフルエンザの大流行など、いろいろな影響が出て来ている。
 日々の暮らしは緊張の連続ではあるが、おおかたの冬は通り過ごした。あとは残りひと月あまりの冬だけである。気候の大きな変動がないよう願いながら、このまま、何となく春へと突き進んでもらいたいものである。
 1月は毛布と衣類を並行して提供していたが、2月からは衣類の提供のみとなる予定である。これまでかなりの量を放出して来たので充分だと思うが、量は少なくなるだろうが、引き続き衣類の提供は続けていくので、必要な仲間は取りに来てもらいたい。
 風邪や、インフルエンザもかなりの規模で流行をしている。感染症なので、予防と云っても「手洗い」や「うがい」しかないが、それもしておかないと、人ごみの多い新宿なので何かと危険でもある。とりわけインフルエンザは、高熱となるから、冷たい路上の上で、長時間うなされる事となる。体力があればまだ良いが、体力が落ちてしまっていたら、それだけでも大変な思いをする事となる。風邪かなと思ったら、高熱になる前に病院に行ってみる事が必要である。お金がなくとも、保険証がなくても、新宿で野宿している仲間なら、新宿福祉事務所で受付をすれば、病院は福祉の制度を使って利用できる。手続きは簡単なので身体が動く内に早めに相談にいこう。
 厳冬期の宿泊援助もこの冬、新宿区では継続中である。時間は2月7日となる。9時半までに福祉事務所の前に集まって、それから希望者が多い場合は抽選となり、その日の内にバスで港寮や世田谷寮に向かう事となる。体力の落ちた仲間などは2週間であるが、規則正しい生活を取り戻すきっかけともなる。
 先日、最新の失業率統計が出たが、昨年一年の失業率は5.1%(過去3番目の高さ)と、政権が代わっても、首相が代わっても、効果的な策が取れず、高止まりしたままである。雇用不安が続くなかで、一日も早く就職を決め、普通の暮らしに戻りたいと思う仲間も多いと思う。しかし、こんな時代だからこそ必死に生き、努力していかない限り、普通の夢も実現できない。
 もちろん、本人の努力が前提となるが自立支援センターを中心とした事業であるとか、その他もろもろの施策はあるにはある。路上だからと諦めずに、こう云う施策を利用しながら仕事を決めた仲間も実は多い。
雇用がらみの施策はなかなか整理されず、複雑怪奇の状態なので、「とまりぎ」で相談をしてみるとか、噂に流されず、公的なところで話を聞いてみるのが一番であろう。
 あとひと月の冬をどうにかこうにか乗り越えながら、春に向け力を出していこう。

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ちらほら白梅の花
今度の日曜日は戸山公園、中央公園で恒例の医療相談会あり。
連絡会のアンケート活動が開始されますのでご協力を。

 仲間たち。
 2月に入って春めいて来たは、やはりどうかとは思うが、今年の冬将軍は気まぐれのようで、寒さが緩んで、梅が咲いたり、花粉が舞ったりと、気持ちの持ちようがどこか定まらない陽気である。
 今週はこんな陽気で、週の後半にはまた厳冬に戻るとの予報なので体調管理も大変である。季節の気まぐれに惑わされぬよう、しっかりと自分の身体と仲間の身体を守って欲しい。
 この時期恒例となったが、今週、来週と連絡会は仲間の実態に関してのちょっとした調査を行う。主要には炊出しの配食の前に、連絡会のスタッフが仲間一人ひとりに匿名による簡単なアンケートを取るのでご協力をお願いしたい。この調査は学者先生の調査ではなく、集まった情報を元に、東京都や新宿区など俺らの対策に係わっている人々へ、今後の対策はこうした方が良い、あーした方が良いと、もっと具体的に考えさせていくための調査である。
 問題が長引けば長引く程、事の本質は誤魔化され、あらぬ方向に対策が行ってしまうものであるが、俺たちの問題も同様で「屋根と仕事」の流れは、地域生活移行支援事業が終了してしまってからは、濁流が急激に、小さな支流になって枯渇してしまったかのような様相である。もう一度、俺たちの現状から出発させる必要があると思われる。何かと面倒と思うかも知れないが、ご協力お願いしたい。
 今月は、7日(月)21日(月)に厳冬期宿泊の抽選会が新宿福祉事務所の前である。そう大きな病気ではないものの、体調が今ひとつ優れない仲間、風邪など長引いている仲間などは、身体を休めるために利用していこう。前回始めての抽選となってしまったが、当日はちょっと早めで9時半までに行くようにしよう。
 医療相談会も今月は今度の日曜日に、戸山公園、中央公園で実施される。インフルエンザが急激に広まったかと思えば、今年は花粉症も早めの発症になっている。同じ咳でも何の咳だか分からなくもなっているので、専門医に診てもらうのが早道である。その他、これだけ気候が変動すると、血圧だとか、腰痛だとか持病をもっている仲間は何かと大変である。身体の調子が変だなと思ったら、気軽に相談に来てもらいたい。もちろん、風邪薬などの常備薬なども提供可能である。戸山公園は午前10時から、中央公園は炊出しの前、午後6時から実施している。
 今月の27日は、これまた恒例の東京マラソンの日である。新宿の影響は午前中なのであるが、立ち入り禁止エリア内にいる仲間にとっては、荷物などの移動をしなければならないので大仕事でもある。公園や道路の各管理者にいつまでとか、どこへと云うのはしっかりと聞いておこう。
 最後に訃報。池袋の仲間の運動を共に創り出して来た同志内田敏男(72)が先月27日、搬送先の病院で亡くなった。最後まで酒と路上と仲間を愛し、後は頼むと云う事か…。 無念である。

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気まぐれな空
天気が荒れ模様なので急な寒さには充分注意を。
東京マラソン警備が近づいているので荷物管理も徹底しよう。

 仲間たち。
 東京にも本格的な雪が降り始め、気まぐれな冬も最後の悪あがきを働かそうともがいている。一時のものであれば良いのであるが、今週前半は天気は荒れ模様、雪も降りやすいとの事なので、空と天気予報を注意して見ながら注意をしておいた方が良いだろう。
 せっかく咲いた梅の花もしばし様子見と云うところなので、同じく気の緩みは極めて危険である。気候はころころ変わるので、とりわけ高齢の仲間であるとか、持病のある仲間であるとかは、健康管理と防寒対策はぬかりなくやっていきたい。
 衣類の方もまた集まり始めている。毎週日曜日の4時過ぎには中央公園で提供しているので、必要な仲間は取りに来てもらいたい。暖かくなったので防寒着を処分しちゃったよと云う仲間は、連絡会の他、「とまりぎ」でも衣類提供はしているので、まだまだ確保しておこう。
 他方で、27日には東京マラソンがあり、スタート地点の都庁周辺は何かと騒がしくもなる。前の週から第三建設とかが荷物の移動などの要請に来て、不在者の荷物などは撤去される恐れもある。せっかく集めた衣類やダンボールがどこかへ持っていかれたら、これまた大変でもある。都庁周辺で寝ている仲間、とりわけ当日、立ち入り禁止区域の中で寝ている仲間や荷物を置いている仲間は、管理の方を今から徹底しておこう。もちろん、マラソン大会は当日の午前中に新宿は規制解除されるので、元に戻す事は可能である。古くからの仲間にとっては、毎年の事であるが、最近来た仲間などはびっくりするであろうが、新宿とはこう云う所なので、しばし我慢をしてもらいたい。確か初回の東京マラソンの日は大雨で、そんな日に荷物移動をみなでせっせとして大変な思いをしたものであるが、当日の天候などにも気を配っておいた方が良いだろう。
 厳冬期の2週間宿泊は、今年は実に順調に進んでいる。次回の入所受付は21日(月)朝9時40分まで新宿福祉事務所の前集合なので、入所を希望する仲間は覚えておこう。少しでも身体を休められるのと、入所手続きが簡単なので、しっかりと最後まで利用してもらいたい。
 風邪、インフルエンザ、花粉症などもまだまだ流行っている。この間の雨や雪で多少は乾燥は落ち着いたものの、咳込み、喉をやられる仲間なども多いので、引き続き「手洗い」「うがい」「マスク」など感染予防や拡散予防をしておこう。もちろん、新宿福祉を使えば病院にはすぐ行けるので、発熱してしまった仲間や、風邪の症状が長引いてなかなか抜けないなんていう仲間は、念のため医者の診断を仰いだ方が良いであろう。始めての仲間はななかなか福祉事務所の使い方が分からない仲間が多いので、毎週月曜日の午前中は俺たちの仲間が福祉に詰めているので、いろいろ聞いてもらいたい。自立支援センターなどの他の制度もこれまたいろいろあるので、そんな情報を仕入れるのもこれから春に向けて必要となって来るかも知れない。
 ま、とりあえず今は冬を無事に越していこう。

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そろりそろりと 春
新宿区の厳冬期宿泊事業まだやっています。
27日は東京マラソン、周辺の人々はくれぐれもご注意を

 仲間たち。
 からからに乾燥していた冬の気圧もそろそろ崩れ始め、天気が崩れる度に春の陽気へと一歩、一歩、歩んでいるようである。今週は好天が少ないようではあるが、気温は少しづつ上がって、厳冬の厳しさからは遠ざかるようである。
 気がつけば2月も下旬、梅の花々も咲き始め、そろりそろりと春が近寄っている。まあ、昨今は異常気象なので、揺り戻しはあるだろうが、緊張続きの真冬よりは気持ちの上では楽になるだろう。
 それでも最後の冬をのんびり過ごしたいと云う仲間は、厳冬期の2週間宿泊事業が新宿区で実施しているので利用しながら、体調を整えるのも手である。この事業もそろそろ終了となるが、今期は順調に希望する仲間が入れているので大変助かってもいる。もちろん、厳冬期対策が終わっても緊急宿泊事業については継続される見込みなので、そう慌てる事もないだろう。
 さて、恒例の東京マラソンが今度の日曜日、都庁を出発点として行われる。3万人以上の人々が集まる市民マラソンなので、警備もきつくなるのであるが、当日は都庁周辺やら中央公園やらが大混雑となる。幸い午前中がメインなので、夜の炊出しには影響はないが、都庁の下であるとか、中央公園内の規制区域内で寝ている仲間や、マラソンコース上周辺で荷物などを置いている仲間などには大きな影響がある。
 もう既に管理者から色々と言われているとは思うが、今週は具体的に荷物などの移動が要請される。まあ、追い出しではなく、一時的な移動要請なので混乱のないようお願いしたい。マラソン終わればいつもの新宿なので、その点はご心配なく。煩わしいななと思う仲間は21日(月)の厳冬期宿泊に入るなり、ちょっと遠くに移動するなり、うまく避けていこう。
 インフルエンザの大流行はようやく収まりかけてはいるが、反対に花粉症などが今度は流行り始めてもいる。異常な乾燥が続いたので喉をやられ、原因不明の咳などが続く仲間も多いようだ。この冬の気候は色々と身体に影響が出ているので、熱がなくとも、ちょっといつもと調子が違うと思ったら念のため病院には行った方が良いだろう。連絡会の医療相談で出している「紹介状」は特段期限はないので、それを福祉の窓口で見せれば病院には比較的簡単には行ける。もちろん、「紹介状」がなくても大丈夫なので、出来るだけ早めに対応をしてもらいたい。毎週月曜日の午前中は俺たちの仲間が福祉事務所に詰めているので、手続きの仕方が分からないとか、いろいろな施策があってどれが良いのかこれまたさっぱりと分からないだとか、そんな相談には乗っている。それ以外の日でも「とまりぎ」では色々と親身になって相談に乗ってくれているので、どちらも気軽に来てもらいたい。
 炊出し時の年齢等の調査をやると言って全然やらないので、「いつなのか?」とのお叱りを受けているが、ようやく今週から開始をする。学術調査ではなく、仲間の今後の要求をまとめていく上で必要な調査なので、是非ともご協力を。

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何やかんやと春一番
気温差が激しい季節になりました。
高齢の仲間や病気の仲間 など日々の健康管理をしっかりと。

  仲間たち。
 季節外れの春一番が吹いて気温がぐっと上がったと思ったら、またいつもの寒さと、相も変わらず気候に躍らされて続けている。まあ、もう3月なので春と冬とのたたかいは春が勝つに決まっているが、それにしても健康管理などいつもより必要な頃である。
 東京マラソンの方はどうもご協力ありがとう。色々と面倒ではあったみたいだが、大きな混乱もなく、またいつもの新宿に戻っている。今年は後、大きなイベントも予定されていないので、ようやく落ち着いて生活も出来る。対応の問題点などあったら伝えてもらいたい。
 春ともなると花粉症の季節である。花粉症もかなり治療法が発達して来たようではあるが、それでも発症するとかなり辛い日々を過ごさざるを得ない。花粉症はアレルギーなので個人差が大きいが、誰でも発症の可能性があるので、くしゃみ、鼻水、鼻詰まりなどが止まらないなんて時は、風邪との見分けが出来ない時もあるので、念のため病院で診察を受けた方が良いかも知れない。
 その他、冬を耐えていた身体は、急に暖かくなるとあちこちから悲鳴があがってもくる。とりわけ持病のある仲間はしっかりと自覚をし、健康管理に注意しながら日々を過ごしてもらいいたい。
 炊出し時にこの間、年齢等の聞き取りアンケート調査をしていて、全体のまとめはこれからであるが、やはり仲間の多くは高齢化が進んでいるようである。世間は「若者ホームレス」なんて言葉で、何か特別な人々が増えたような情報操作をしているが、今のところそのような傾向はあまりない。もちろん、野宿になってしまったのは年齢には関係なく、色々な層の仲間が居て、色々な困難があるのであるが、俺たちがあえて年齢にこだわるのは、高齢になればなる程、仕事に就ける機会も減り、また健康も日々蝕まれる危険性が高いと云う事である。本人が望みさえすれば、そう云う仲間は優先的に福祉や医療その他の制度につなげていかなければならないと考えているからである。
 路上の現場からする優先順位と、世間様が考える優先順位は違うのかも知れないが、高齢の仲間が見捨てられている現状は非常に心苦しい。たとえ福祉にかかったとしても、雑居のまま転々とし、尊厳ある暮らしが再建できているのかと云えば、まだまだケアの部分は乏しい。
 高齢の仲間や病弱な仲間を仲間の手で支えて行こうとするのが、俺たちの越冬の相も変わらぬ基本であるが、この冬はどうだったのか。しっかりと検証し続けて行きたい。
 新宿区の厳冬期宿泊は、無事今年も終わり、そろそろ施策の方も通年の仕組みに戻って行く。大きな変化はないものの、新宿では他地域にないきめ細かい施策が張りめぐらされているので、あまり悲観する事もない。今あるものから、量と質をいかに高めていけるのか?そんな春になりそうである。

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良き春に
今度の日曜日は戸山公園、中央公園で医療相談会。
調子が悪い仲間は気軽に相談を。

 仲間たち。
 冬に戻ったり、春になったりと目まぐるしく気候が変わっている。もう少しの春ではあるが、まだまだ冬も、しぶといもので、しばらくはこんな気候のままなのかも知れない。尤も、昼間は暖かくとも朝晩はまだまだ冷え込みがきついので、まだまだ冬とおさらば、とはいかないようである。
 こう云う気候はとにかく身体に悪い。とりわけ高齢の仲間や持病のある仲間、冬の間頑張ってしまった仲間など、ちょっとした事で体調を崩してしまう。とにもかくにも油断をあまりせずに体調管理には充分注意をしてもらいたい。
 今度の日曜日は、戸山公園、中央公園で定例の医療相談会、高田馬場の事務所で鍼灸治療会が開催される。医療相談会の方は、戸山公園(マルエツ側から公園に入る入り口付近)で午前10時より、中央公園は炊き出しの場所(中央公園「水の広場」・雨天の場合は都庁下)で午後6時から実施する。また、鍼灸治療会の方は、正午より高田馬場の事務所内(地図は裏面)で実施する。これだけ気温の高低差があると、風邪をぶりかえしてしまう仲間なども多いし、腰痛など神経痛の仲間も結構つらい季節でもある。普段はなかなか医者などには縁がない仲間も、ちょっと変だなと思ったら、医療相談会などに来てもらえれば、ボランティアの医者や看護師さんたちと、健康の事に関して話も出来るし、必要があれば、薬の提供や、「紹介状」の発行もしてもらえる。血圧を定期的に測りに来る仲間もいるし、定期的に鍼灸治療をしてもらっている仲間もいる。利用の仕方は人それぞれではあるが、路上にお医者さんはなかなか来ないので利用してもらいたい。
 医療相談会などで病院に行き、しっかりと検査をしてもらいたい仲間には「紹介状」が発行される。これは、福祉や病院の手続きなどを簡略化するための書類で、自分の病状を最初から説明するよりも「紹介状」を見せた方が何かとスムーズに事は運ぶ。
 福祉事務所には毎週月曜日の午前中には俺たちの仲間が詰めているので、手続きが分からない仲間は声をかけてもらいたい。
 景気の動向は、まだまだ低迷したままであるが、暖かくなって来たのでそろそろ本腰をあげようと云う仲間もいるかも知れない。よほどの高学歴か資格がなければ、なかなか正社員などにはなれぬご時世ではあるが、建築にせよ、派遣にせよ、仕事は動き始める頃でもある。どう云うチャンスを作るかは、こちらも人それぞれではあるが、とにかく動き、いろいろな情報を集めていこう。自立支援センターなども、多くの仲間が利用している。体調を戻せるし、技能講習も受けれるし、就職が決まったら、アパートへの転宅資金も補助してもらえる。こう云う制度をチャンスにしながら路上から無事脱却した仲間も大勢いる。いずれにせよ春であるから、何かと前を向き続けていきたい。


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無事であれ
何があろうと、落ち着いた行動を。
ここしばらくは余震、二次災害などの警戒を常に。

 仲間たち。
 観測史上最大と云われる大地震が東北・関東地方を襲い、目を覆いたくなるような自然災害の惨劇が、日々明らかになりつつある。
 災害に合われた方々に心からお見舞いを申し上げたい。
  本振後も断続的な余震が、震源地を異にしながら起き、また太平洋プレートのみならず、長野県北部でも誘発されたと思われる地震が発生するなど、地殻変動の影響は地震列島と呼ばれるこの国では、まだまだ終わりそうにもない。
 東京でも死者が出る程の大きな揺れが観測され、交通網や通信網が寸断されてしまい、都会ならではの影響が大きく出たが、いずれにせよ、こう云う事態の時は、慌てず、落ち着いて行動するのが肝要である。そこが危険な場所でなければすぐに移動しようとせず、様子を見ながら慎重に行動してもらいたい。最悪の事態の場合、連絡会は仲間を中心とした救援活動に入るので、その点は心配せず、孤立せず、出来れば仲間同士で動くようにしてもらいたい。今回のように駅周辺は大混雑となり、二次災害の危険もある。中央公園や戸山公園、新宿御苑など大きな公園が新宿区には多くあるので、それぞれ勝手知った公園での避難がどんなに人が多くとも賢明である。
 津波などで壊滅的な被害にあった地域では、行方不明者も多く、親兄弟、親戚、知人などに未だ連絡が取れないと云う仲間もいるかも知れない。とても心配だと思う。
 そんな仲間は、災害用伝言ダイヤルなどを使い、安否確認をしてみよう。相手が固定電話の場合、171をかけて「2」を押し、被災者の自宅の電話番号を入力すると、伝言があった場合はメッセージが聞ける。携帯電話各社でもこのようなサービスがあるので安否確認のため利用していこう。携帯もなく、電話代もない仲間は、事務所の電話を開放するので、平日9時ー5時の間、相談に来てもらいたい。
 神戸の震災の時も、被災地で暮らしていた失業した仲間などが安全な東京に来てしまうと云う現象もあった。今回、東京もそんなに安全ではないのであるが、それでも現地の混乱から逃れてくる仲間もいるかも知れない。もし、そう云う仲間に出会ったら、是非とも知らせて欲しい。困った時はお互い様なので、俺たちに出来る事は何でもして行きたい。
 事態はまだまだ流動的であり、今の段階で出来る事は限られているが、せめて、これ以上の二次災害がないよう、社会の片隅で祈る事としよう。
 現地点では、連絡会の諸活動は通常通り実施が可能であり、淡々と日々の活動を続けて行きたい。今回の地震で怪我などはなかったと思うが、血圧が上がったとか、精神的なダメージであるとか、色々と出てくるのかも知れない。気候も寒くなったり、春めいて来たりと相変わらず落ち着かないので、とにもかくにも、日々の健康管理だけはしっかりとしていこう。


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静かな祈り
色々と心配事はあろうが、流言に惑わされず、可能な限り いつもの暮らしを。

 仲間たち。
 未曾有の震災から1週間を過ぎ、被害の規模と深刻さが日々、明らかになりつつあると同時に、原発問題、計画停電、物流問題など、それに伴う波及的事態が関東地方にも広がりつつある。
 この国の経験則にはない一連の事態の連続では、おうおうにしてパニック現象になりがちであるが、被災者の事を思うならば、ここは一歩下がって、また、俺たちも、覚悟を決めながら、冷静になるのが何よりも今は肝要である。
 これからも色々と影響は出てくるだろうが、可能な限りいつもの暮らしを、淡々とこなしていく事が今は都民には求められている。俺たちもまた例外ではない。
 連絡会の活動も何があろうとも、これから淡々と続けて行く。幾多の修羅場をくぐり抜けて来た俺たちは、何があろうとも慌てはしない。新宿の地で地道な活動を臨機応変にでも続けて行く。
 しかしながらいつもの通りとは、もちろんいかない。連絡会は今回の件を受け、全国からの衣類や物資の寄付を辞退している。ホームレス支援の気持ちはありがたいが、今は、その気持ちを被災者に向けてもらいたいからである。その影響もあり、これまで大量にあった衣類の配布量がこれから間違いなく少なくなる。今は在庫分で対応するが、この点は了承してもらいたい。
 炊出しに関しては、仲間の生命線ともなるので、当然ながら通常通り続けて行くので、その点は心配はいらない。米の在庫もあり、また、第二倉庫の長野事務所も今回は無事であったので補給も可能である。
 震災の影響は日々の仕事に直結している。既に日雇の仲間の仕事が途切れ、アルミにせよ、ビックイシューにせよ、売上げは減である。新たに失職して野宿せざるを得ない仲間もこれから増加すると俺たちは分析している。そんな仲間も食えなければ仕方がないので、毎週日曜日の炊出しだけは何があろうとも維持していく。
 また、何もなければ、花見の会、メーデーと行事が続く頃なのであるが、今年はそうも言っていられない。4月初頭に予定していた「花見の会」は自粛する。
 仲間の家族や親類も今回の震災で多く被災している。俺たちだけが春を謳歌する訳にもいかない。今年の花見は、一人ひとり静かに祈る桜にしよう。
 今、全国の自治体では被災者の受入れに奔走している。とりわけ福島原発の問題で、地元に避難所すら作れず、東京や他県に避難する人々が増えている。政府も現場自治体も大混乱なので、どこへどう行くのかすら指示もされいない人々が多い。そう云う人と路上で出会う確立も多いと思うので、そう云う時は俺らのネットワークの出番である。連絡会に連絡してもらっても良いし、「とまりぎ」に連れて行っても良いし、近くの交番でも良い。とにかく早急に、近くの行政機関につなげる努力をしてもらいたい。
 俺らも困っているが、これまで東北の人々からも暖かく支援されて来た。俺ら以上に困っている人々を見かけたら手を差し伸べるのが人の道である。東京都や新宿区の被災者受入れに、自分の出来る範囲で良いから、協力していこう。

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それでも生きよう
震災の影響は大きいが、それでも仲間にしがみついて どうにかこうにか前に進もう。

 仲間たち。
 大震災から2週間を経、いたる所で様々な諸問題が噴出し続けている東日本である。死者は発見できた方が1万を越え、それでも不明者が1万7千もおいると云う未曾有の規模となり、家を流されたり、避難生活を余儀なくされた人々は24万人とされるが、その詳細すら未だ明確となっていないようである。
 未だ止まぬ余震の恐怖の中にすっぽり包まれながら、東京もまた不安定な状態の中にある。圧倒的な人口と圧倒的な消費の末端に位置しながら辛うじて生き抜いて来た俺たちに、そのしわ寄せは真っ先に降りかかっている。
 都民広場の天井が地震の影響で崩落し、安全点検のために全面立ち入り禁止になったよう、被災地に比べれば軽微ながらも、街のあちこちでヒビが入り、沿岸部は液状化現象と、安全も何もないような街へと変貌した。それと比例して野宿する場所もまた限られて来た。地震の前にせっかく入居したアパートも地震の影響で傾いたりし、そこを出されてしまったなんて云う相談もあった。また、高齢で一人暮らしの仲間などは、地震で荷物が散乱した中、片づける気力すらなくぼう然としている。
 計画停電の影響で都内の消費は一気に冷え込み、コンビニや自販機も飲食店も営業自粛、そうなれば、そのおこぼれは当然ながらこちらには回って来ない。今まで決まった場所で決まった生活が出来た仲間から、既に悲鳴の声があがっている。
 水道水の件もまた深刻である。幼児の摂取制限が発表された日は都内の都立公園の水道には早速張り紙が貼られ、公園の水だけを頼りにしている仲間から、このまま取水制限になるのではと動揺の声が広まった。幸い翌日に摂取制限は解除されたが、原発問題が終息していない以上、不安は払拭していない。
 日雇の仕事がまったく途絶えてしまった職種も多い。年度末で本来多い筈の建築や引っ越し、交通量調査などもかなりの影響が出、並びなどもこれまたどこかへ吹き飛んでしまった。
 新宿の炊出しに並ぶ仲間の数も震災以降、日々増え続けている。被災地からの流入は今のところそう報告されていないが、今まで新宿に居た仲間の、日々の生活が厳しくなって来ている証なのであろう。これに加え、被災地では会社が流されたり、給与どころではなかったと失業者が増え、また関東以北の農業が壊滅的な打撃を受け、自営すらも成り立たなくなっている。政府もそこまで手が回らない。底辺の人々の仕事を求めての人口移動が今後予想される。
 極めて暗い話しになってしまったが、そんな時代への転機が今回の震災であった事を自覚をしておく必要があるだろう。今までと同じには生きてはいけない。ならば、新たな生き方を見いだすしかない。そして、自分の身は自分で守るしかないと云う事である。
 連絡会はそれでも、この地を守り続ける覚悟なので、激動の時代を一蓮托生で共に!

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思い寄せ合え 春
生きていさえすれば、どうにかなるさ。
今度の日曜日は戸山公園、中央公園で医療相談会。

 仲間たち。
 いつの間に4月となったが、東京の桜も例年より遅く、季節もまた凍りついてしまったかのようである。
 余震の恐怖とたたかい、行方不明者の捜索が続けられながらも、被災地では復興に向けた独自の動きが地域、地域で出始めたようである。政府、行政の復興支援はこれからも混迷するであろうが、それよりも、生き残った人々の生活力を信じたい。長い時間をかけながらでも、どんな形であろうとも、被災者が軸となり地域が無事に生まれ変わる事を祈りたい。
 他方で、震災に端を発した福島第一原発での放射能漏れ事故は現在も進行中であり、一帯の世帯の避難問題も含め当分は収まりそうもない。かつてない事故であるだけに、安全なのか危険なのか、見解が様々飛び交っているが、起ってしまった事は事実である以上、風評に惑わされず、冷静に判断した方が良いだろう。電力問題も含めてこちらも長期戦かつ広域的な影響が出ると予想されているが、それもまた受け止めるしかなさそうである。
 東京の人々は東北の血がどこかしらに流れているものである。仲間の中にも出稼ぎに来たまま東京に残らざるを得なかった仲間など、東北出身者も多い。今回の悲劇には心を傷めている仲間が多いと思う。俺らを捨てた故郷なれど、今、何もかも失い、絶望の渕の中でも、俺らと同じよう必死に立ち上がろうとしている。何も出来なくとも良い。共に同じ空の下に居るのだから、その思いだけは心のどこかにしっかりとしまっておこう。
 これから様々な影響が東京にもじわりじわりと押し寄せてくるだろう。しかし、気を揉んでいても何も始まらない。それもまた受け止めるしかないのだから、これからどんな世の中に変貌しようとも、社会の底辺でしっかりと生き抜いていこう。仲間一人ひとりのそんな必死な生活力こそが、日本再建の礎になるのだから。
 こんな中でも連絡会の活動は続けられている。今度の日曜日には戸山公園、中央公園で定例の医療相談会があるので、調子が変だと思う仲間は気軽に相談に来てもらいたい。気候もおかしくなってしまったので風邪をぶり返したり、持病をぶり返したり、また、どうも不安で眠れないなんて云う仲間も居るだろう。これからの時代を生き抜くためにも、自分の健康はしっかりと守っていかねばならない。医療相談では、検査、治療が必要な仲間には、「紹介状」を書いてもらえるので、お金や健康保険証がない仲間は、福祉事務所を通じて病院にかかれる仕組みとなっている。無理をせず、必要な時は病院にかかりながら、体調を維持していこう。
 花見の会は、こんな状況なので自粛となったが、これから満開の桜の花に思いを寄せ、メーデーあたりから俺らのまだまだ元気な姿を社会に見せていこう。春はそれからである。

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春であるように
頑張ろう日本!頑張ろう新宿!
第17回新宿メーデー 開催決定。俺らの元気な姿を被災者に届けよう。

 仲間たち。
 気温も平年並に戻りつつあり、ようやくにして春らしい陽気が続くようになった。桜の花も。今年はそれぞれ日当たりの良い場所から勝手に咲き、そして勝手に散っていくようである。
 あの震災からひと月が経とうとしているのに、未だ大きな余震もあり、また原発問題の解決の目処が一向につかない中、空元気のあるのは西日本だけで、東日本はまだまだ復興どころか、混とんとした雰囲気の中にある。
 確かに悪い情報が次から次へとわき出ているような状態なので、不安に思うのは自然な感情であるが、誰が悪い、彼が悪いなんて、ヒステリックな魔女狩りをしても始まらない。こうなってしまったのも、こんな無防備で危機管理がまるでない国を作りあげてしまったこの国を構成する我々一人ひとりの責任でもある。得も知れぬ不安にさいなまれるよりも、今自分がしなければならない事を全力でやるしかない。その結果が吉と出るか凶と出るかは分からないが、一所懸命やりさえすれば悔いは残らない。
 この間、被災者支援との兼ね合いで連絡会への物資寄付は辞退していたので、そろそろ衣類の在庫が切れる頃でもある。古着に限って募集を再開したが、いつもより量は少なくなると思われる。これから暖かくなるので防寒着の需要は少なくなるとは思うが、衣類配布の量が限定されるので、その点だけは了承してもらいたい。
 それ以外の活動は日常活動含めていつもの通り実施して行く予定である。俺らに出来ることは仲間を守る事しかないので、どのような状況になろうとも、この点だけはしっかりとやって行きたい。
 また、例年実施している5・1メーデーの開催を決定した。こんな状態だからと云う声もあったが、被災者支援と路上生活者対策とは同一に出来ない別の施策でもあり、大きな声の中で小さな声が埋もれてしまうのはまったく本意ではない。仲間の声を集めて行政や社会に訴えて行くのは、俺ら自身にしか出来ない仕事である。とは云え、今年の5月1日は日曜日であるので、当日都庁の交渉は出来ない。また、被災者の事を置いて自分達の主張ばかしを押し付けようとするのもどうも憚れる。なので事前要望は保留し、社会が落ち着いたら都庁との交渉を腰を据えて行う。デモについては、あまり音を出さずにプラカードなどでアピールしながら、それでも元気よく俺らの頑張っている姿を社会に見せる。そんなメーデーにしていきたいと思う。
  頑張ろう日本!頑張ろう新宿!被災者への上から目線の同情ではなく、立場や規模は違えど、家族を失い、家を失い、生活に困窮している者同士、ささやかながら連帯をしていこう。
 詳細はまた近々このチラシで書いていきたい。たまには元気な事もしながら、この春らしくない春を仲間の力でどうにかしていこう。

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花は散ることなく
どんな時代でも、俺らの声は俺らにしかあげられない。
第17回新宿メーデー5月1日(日)多くの仲間の参加を!

 仲間たち。
 気候もどうやら落ち着きを見せ、春らしい陽気がようやく続いている。寒の戻りはもう心配する必要はないようで、一年の中で一番過ごしやすい季節が初夏までは続く事だろう。
 余震続きの1週間であったが、それも収まりつつあると思ったら、原発やら何やらの政府の対応があまりにも杜撰で、そこへの批判が今集中しているようである。震災からひと月過ぎ、ようやく冷静な目で今回の事態を見れるようになった証とも言えなくもない。しかしながら、そんな世間に翻弄され、被災者の今後の生活再建の展望は未だ見えず、東北の混迷はまだまだ続くであろう。
 もちろん関東地方も落ち着いている訳ではない。震災の影響で壊れた建物などの補修もまだ手付かずの所が多い。また、計画停電は終わったとは言え、夏場の電力不足の問題が残っており、産業界も含めて、暗い影響しか想定されていない。こんな状況下で新規に人を雇う余裕が企業にはなく、今や都内のハローワークは大混雑で、それでなくとも悪化していた雇用問題は更に拍車をかけたと言った感もある。
 俺らの世界ではこれから5月にかけては「端境期」と呼ばれる日雇仕事が周期的に減少する時期でもある。すでにその兆候は現われており、失職した新規の仲間がちらりほらりと新宿の街にも入り始めている。
 被災地での本格的な仕事の発注などは、まだまだ先の事であり、たとえ発注されたとしても地元優先で回って行く。よほどの専門職でない限りそうそう俺ら末端までには降りては来ない。復興による雇用問題の解決などとインテリ人間は言うが、東北地方であれだけ流動化してしまった労働力は、どう再編したとしてもそう単純には元には戻らない。より深刻な事態がじわりじわりと都会に押し寄せて来るだけであろう。
 しかしながら、こう云う時代の転機期は、俺たち底辺の仲間の方が強かったりもする。幾度となく荒波を乗り越えて来た俺たちの先輩は、どんな時代でもしぶとく、そして生き生きと暮らして来た。金などそうなくても、仲間が居さえすれば、そのつながりの力でどうにかこうにか都会の片隅で生き永らえる。そう云う無欲の力がこれからの時代に試されるのであろう。
 ならば、俺ららしく能天気にやっていこう。今や「困った困った」と言ったとしても、誰も振り向いてはくれない。ならば、俺らは、俺ららしく仲間と共に生きる事のおもしろさ、おかしさを社会に伝えていこう。どうにかなるか、ならないかは俺ら次第である。
 5月1日、いつもの通り、新宿の仲間による仲間のためのメーデーがある。俺たちはこうやって生きている事をしっかりと世間様に示していこう。被災者が被災の現場から出発するよう、俺たちはこの新宿の路上から出発する。ここで生き抜く事が出来なければ、次へのステップなどとうてい踏めない。1日、正午柏木公園(場所が分からない仲間は11時半中央公園ポケットパーク)に集まり、俺らの声をあげよう。

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がんばろう新宿
今度の日曜日5月1日は仲間による新宿メーデー。
11時半中央公園ポケットパークか、正午柏木公園に集合

 仲間たち。
 未だ小さな余震が止まない関東地方であるが、桜の花もすっかりと散り、新緑の眩しい頃となった。気候もすっきりしない日が何故か多いが、5月にもなると、初夏の気候が続く事だろう。
 震災の大きな影響でいつもとはまるで違う春であるが、それでも季節は移ろい続ける。そう云う自然を受け止めながら、被災した人々も、その影響を受けた人々も生きていかなければならないのであろう。
 これからどのような時代になろうとも、ここだけは安心だと云う場所を皆の力で作りださねばならない。たとえそれが一瞬の出会いであったとしても、その場に笑顔と活気さえあれば人は少しは安心できる。そんな事を強く思わざるを得ないメーデー前の路上である。
 こんな時でもGWとやらはやって来る。日々あくせくこの国のために働く人々はゆっくりと休んで英気を養ってもらいたいが、俺ら路上の仲間は、日払故に仕事がなくなれば生活が困り、街が動かねば何かと不便になる。とくに役所や病院がこの期間は空いていないので、病気になったりなんかすると、救急搬送以外の道がないので不安の極みとなる。この間、気候もとりわけおかしいので、体調を崩している仲間も多いと思う。また、連休前に仕事がなくなり新宿に流れ着いた仲間も、慣れぬ野宿で体調を壊したりもする。そんな仲間は連休前に早めに医者につながるようにしていこう。新宿福祉はお金がなくとも、保険証がなくても、簡単な手続きをすれば病院には福祉の制度を利用して無料で受診が可能である。これまで多くの仲間が利用し、助かっている。市販薬を飲み続けてもなかなか良くならないケースが多いので、しっかりと検査なりをしてもらうのが良いだろう。療養が必要な仲間は緊急宿泊などの施設があるので、ゆっくりと療養できるし、入院が必要な仲間は入院の手続きまでしてくれる。
 さて、今度の日曜日の5月1日はメーデーである。俺らのメーデーは。社会の底辺にいても、俺らはしっかりと生きているんだと云う事を世間に示すメーデーである。今年は震災の影響で都庁との交渉は先延ばしにしたが、路上生活者対策や山谷対策(日雇労働者対策)に目もくれない東京都に「屋根と仕事」の施策を今こそ大胆に行うべきと訴えて行く行動でもある。そして、今回東北で被災した人々に、それでも生きていこうと、東京の底辺の地からエールを送る行動でもある。
 仲間による仲間だけの行動なので、大きな労組とは違い小さな行動であるが、それでも17年間続けてこれた連絡会伝統の行事である。5月の青空の中、おもいきって胸を張り、声をあげ、元気よく新宿の街を闊歩しよう。荷物のある仲間は車で運べるので心配無用。食事も今回は日曜なので昼、夜の2回の配食となる。柏木公園を知っている仲間は正午、知らない仲間は11時半に中央公園ポケットパーク(北東側入り口)に集まり、この日を大きな仲間の日にしていこう。

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第17回新宿がんばろうメーデー

 第17回新宿メーデーに参加されたすべての仲間たち。
 まず、東日本大震災で被害に遭われた人々に心よりお見舞い申し上げるとともに、犠牲になられた方々のご冥福を祈りたい。
 俺らの仲間の中にも、たまたま出稼ぎに来ていて難を逃れた仲間、家族が、そして田舎が流されてしまった仲間もいる。東京は北の受け皿でもあるだけに、東北にゆかりの多い仲間もまた多い。日々の報道に胸が張り裂けんばかりの毎日である。
 俺らが出来る事は限られている。それでも生き残った被災者と共にこの国で、これから生き続ける事は出来る。立場や場所は違えど。家や職場が奪われた者同士、暖かな連帯の気持ちだけは持ち続けていこう。
 こんな東日本が悲しみに打ちひしがれている年でも、5月1日はやって来て、そして俺らはいつものよう、ここに立っている。この労働者の祭典の日でも、俺らはいつものように偉そうな事は言えないし、高らかに自分達だけの要望を言う事もできない。今日この日、俺たちが言える事は、共にがんばろうと云う言葉だけである。

  このような状況でもあるので、毎年恒例の都庁交渉については今年は保留をしている。情勢が落ち着いてからまとめあげるつもりであるが、もちろん要望が何もない訳ではない。
 しかしながら、今は俺たちが時の流れに埋没しない事の方が大事であったりもする。東京都にあってはもはやホームレス対策は終わったかのような雰囲気すらある。
 厚生労働省が先日発表した全国概数調査数(この調査はズボラな調査であるが)ですら、これまで一位であった大阪を抜き東京が全国で路上生活者が一番多い都道府県となったにもかかわらず。
 また、都庁の下にはいつも多くの仲間が居ることを知ってもい、俺らの独自調査でも平均55歳の仲間が、平均5年も野宿歴の中、高齢化、長期化を強いられていることを知ってもいながら。
 そしてまた「ホームレス自立支援法」が時限立法で、来年期限切れを迎えようとしている事も知っていながら。
  ネットカフェの次は派遣切りだ、その次は震災だと、ころころ変わる「軸心のなさ」は東京都ならではの無節操さの現われで、都市問題として取り組んだ以上、それぞれの課題をしっかりと最後まで続けようとする姿勢がまるで感じられない。これが都庁福祉保健局の体たらくである。
 国からの予算を枝葉の方で食い散らし、肝心の幹を放置し続けているのが東京都であると断言して良いだろう。はっきり言えば、現実への無知(担当参事は現場を見にも来ない)と、企画力の欠如である。
 そんな訳で、今や東京都は、俺たちの現実を先入観なく知るべきであり、その努力が必要なのである。そのような努力がなければ、東京は路上生活者を放置し続ける全国一の自治体の「名誉」を更新し続けるであろう。
 こう云う課題は東京都だけでなく、国もまた同様であるが、東京都から国を変えるなんて言っているのであるから、都市問題の一つくらい、継続してやってくれよと思うのである。
 「屋根と仕事」は遠くなりけりであるが、それでも、俺らは、俺らの課題を諦めません。がんばります。その一歩を、今日のメーデーから踏み出そう。
 生きよう! そして、共にがんばろう!

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新緑の風と共に
新宿メーデー、仲間の結集どうもありがとう!
今度の日曜日は戸山、中央公園で医療相談会があります。

 仲間たち。
 まずは新宿メーデーへの仲間のご協力、どうもありがとう。今年もまた仲間による仲間のためのメーデー行動が無事に成功した事に胸をなで下ろしている。どんな事があろうとも、諦めずにいる仲間の姿を立派にアピールできたと思う。
 俺たちの課題は、他人に任すのではなく、可能な限り俺たちで解決していく。これが連絡会の基本なのではあるが、当事者不在のまま学者や評論家が騒ぎ立てている今日、俺たちがこうやって声をあげる事は大きな意味があるのであろう。こう云う力を今後、東京都などにぶつけて、俺たちの「屋根と仕事」に結びつく対策を、俺たちが見捨てられそうな時代となったが、それでも要望をし続けていきたい。  被災地は四十九日が明けたとは云え、未だ行方不明者の捜索が続けられ、また原発問題の処理も渾沌としたままである。規模が違うとは云え、この国がこれまでのホームレス対策から何を学んで来たのかの試金石であるが、未だ雑魚寝生活の避難所の映像を見るにつけ、18年前の「なぎさ寮」「さくら寮」を見ているような錯覚を覚える。この一つとって見てもほとんど何も学んではいないようである。被災者の立場にたった生活復興、地域復興が一日も早く軌道に乗る事を祈るだけである。
 俺たちもそうであるが、こう云う天災なり人災なりの被害者も一人の生活者である。この当たり前の事を忘れた時、行政の対策と云うものは、おかしな方向に進んでしまう。当事者が「お客さん」にならないためにも、共に声を出していかなければいけないのであろう。
 さて、もう初夏を思わせる気候にあっと云う間になってしまった。とは云え、朝晩は冷たい風が吹き抜けるなど気候もまた混乱したままである。季節の変わり目はとりわけ健康には気をつけてもらいたい。今週はGWなのでなかなか動き辛いが、週が明ければいつもの日常となる。
 今度の日曜日は、戸山公園(午前10時から)高田馬場の事務所(正午から)、そして中央公園(午後6時から)で、それぞれボランティアの医師による医療相談会があるので、自分の健康に自信がない仲間は気軽に相談をしてもらいたい。定期的な健康診断などが出来ない俺らは、こうやって「おかしいな」と思ったら相談できる場所が必要である。俺らはその場を毎月提供しているので利用してもらいたい。医療相談会で医師が診療が必要と判断すれば「紹介状」を発行してもらえ、それを持って新宿福祉事務所へ行けば、福祉の制度で指定の病院を紹介してくれると云うシステムである。だから、お金がなくとも、保険証がなくとも対応可能である。もちろん入院が必要な仲間や、重篤な仲間には、病気が治るまで役所がしっかりと面倒を見てくれる。
 いろいろとある中でも、一人の生活者として自分の身は自分で守りながら、様々な制度も上手に利用していきたいものである。

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青空を待ちわびて
新宿メーデーお疲れさまでした。
仲間の力で これからの困難に立ち向かっていこう。

 仲間たち。
 暑くもなく、寒くもなく、丁度良い頃合いの気候である。強風のメーデーも終わり、これから蒸し暑い初夏から梅雨の季節となるが、それまでの少しの間、身体を休めるにも丁度良い頃なのかも知れない。
 震災から二月が経とうとしているが、多くの傷跡を残しながら、そして多くの課題を残しながらも、被災地は復興に向けた長い道のりを歩み始めている。何があっても負けない俺たち底辺の声はメーデーの取組みで少しは届いたかも知れない。立場は違えど、これからの厳しい道のりを、この無愛想な国の中で共に歩んで行きたいものである。
 GWも明け、役所や病院も暦通りに動き始める。
 いつもの事ながら、体調管理だけはしっかりとしていかないと、何をやるにしても不都合が生じる。新しく新宿の街に来た仲間も多いが、新宿区の福祉事務所では、病気の仲間で治療費もない、保険証もないと云う仲間に対し、福祉事務所が指定する病院で無料で診療が出来る制度がしっかりと機能している。だから、多くの仲間は調子が悪い、病院に行きたいと云う時は、まず朝一に新宿福祉に行き、簡単な手続きをしてから病院に行っている。もちろん、医者の判断で通院、入院が必要などの場合、その後のフォローもしっかりとやってもらっている。病気ばかりは一人で悩んでいてもなかなか前には進めない。専門的に検査、治療をしていかなければ、いつまで経っても重い身体を引きずりながらの生活をしなければならない。そうならないためにも、このような制度は生き抜く上で利用していこう。
 仕事の求人状況も悪化をしている。それでなくとも仕事が少なかった中での大震災である。新たに失業を余儀なくされた仲間も多く、また一度落ち込んだ景気はそうそう上向くものではなく、都会は悪循環に嵌り込みつつある。
 じっくりと仕事を探していこうと云う仲間は、自立支援センターと云う制度があるにはあるが、新宿などでは順番待ちとなっており、そうそうすぐには入れるものではない。確かに自立支援センターに入所できれば、身体を休め、健康診断をし、技能のない仲間には技術取得のプログラムなどもあり、ハローワークから派遣された専門相談員による就労支援もあり、また、仕事が決まったらアパートへの転宅などもスムーズに行くようにはなっている。
 その他に新宿区単独事業で仕事があるけど泊まる所がない仲間には「自立支援ホーム事業と」云うものもあり、忘れられつつあるが、「住宅手当」と云う国の制度もある。また「とまりぎ」では仕事の情報なども集積されてはいる。ハローワークに直接行っても埒が明かない仲間は、別のアクセス方法を考えながら、チャンスをつかみながら、どうにか仕事にありつけるよう頑張ってもらいたい。生活保護しかないと云う時代ではないので、自立に向けた様々な施策を、これまた利用していこう。

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初夏にもなれば
気候の変化に身体がついていけなくなると、風邪など引きやすくなります。
体調管理、衛生管理は意識的に。

 仲間たち。
 早くも台風の影響で雨しか降らなかったような1週間であったが、今週は打って変わって高気圧におおわれるようで、初夏らしい気候が続きそうである。
 寒暖の差が激しかったこともあり、季節外れではあるものの、風邪やらインフルエンザにかかる仲間も増えてしまっている。どうも自然の気まぐれに左右される生活を余儀なくされているので致し方がない面もあるが、できるなら生活上のいろいろな面に気をつかいながらやっていきたいものである。
 季節ものの衣類なども、震災以降ようやく順調に入り始めた。毎週日曜日の炊出しの前(午後4時過ぎ)に集まった衣類などを提供しているので、必要な仲間は取りに来てもらいたい。雨に濡れたり、汗をかいたりと、同じ服を洗濯もしないで着続けると、これからの季節、虫がわいたり、皮膚炎になったりと、衛生上も宜しくはない。できるだけ機会があれば取りかえるような習慣をつけていきたいものだ。どうしても先着順の提供となるので、必要なものが取れないなんて云う仲間も多いかも知れないが、新宿福祉の隣にある「とまりぎ」でも衣類の提供はしてくれているので、こちらは平日の日に受付で聞いてもらいたい。生活上必要なものはできるだけ節約すると云うのが俺らの暮らし方でもある。
 シャワーサービスも、「とまりぎ」でもやっているし、高田馬場の連絡会事務所でも火曜、木曜はシャワールームを開放し、誰でも使う事が出来る。暑くもなると、頻繁に汗を流していかないと、これまた衛生面では何かと問題になってしまう。こう云うサービスを利用しながら、季節から身を守っていく事も必要である。これら仲間の生活に密着したサービスが充実しているのは新宿区ならではの特徴であり、東京都も国もそんな事はまったく無視してくれる。いろいろな制度を作るのは良いが、それに至る仲間の現状と云うのを理解しようとしない証拠でもある(すなわち、頭でっかちと云う事である)。
 病気になっても、仕事を探そうとしても、すぐには制度に行き着かないケースが多い。そうなると多くの仲間は諦めてしまう。そうならないためにと、新宿区では緊急宿泊事業を通年的に実施し、馬場ハウス、新大久保寮にベッドを確保している。このような「つなぎ」の施策が充実しているのも、これまた新宿区の特徴である。都区共同事業の緊急一時保護センターは、新宿区管轄では消滅してしまったが、それに代わるものは、俺たちもまた努力しながら、この地域に作りあげて来た。  仲間の生活を守るきめ細かな取組みが、より普遍化すべきなのに、ホームレス自立支援法制定後十年経とうとしている今、東京を見回しても、全国を見回しても、まだまだ充分ではない。十年では済まない課題が残念ながら多くありそうである。そんな事も考えながら、俺らの新宿での長い取組みの質で、東京や国を変えていけるよう力を蓄えて行きたいものである。

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初夏に佇む
梅雨まぢかなので、衛生管理はしっかりと。
また、自立支援事業は予約が一杯なので早めの申込を!

 仲間たち。
 早くも初夏の気候となり、6月の梅雨までは、夏日の日も多くなってくるだろう。急激な気候の変化はいろいろと俺たちの生活にも影響して来る。何だかんだと気をつけなければならない季節でもある。  前回も書いたが、衛生面の管理についてはこれからの季節は重点課題となって来る。衣類もこまめに洗濯したり、身体もこまめに洗い、ある程度の清潔を保っていかないと何かにつけて辛い季節である。
 シャワーサービスは病院に行く仲間専用のものが新宿福祉にあり、また「とまりぎ」ではシャワー、洗濯機が誰でも使えるサービスがあり、連絡会の高田馬場事務所でもシャワーサービスを実施している。銭湯代は結構高いし、公園の水道ではちょっとと云う仲間はこんなサービスも利用して衛生面の確保に努めていきたい。
 もちろん、皮膚関連の病気やら、身体がだるい、風邪が長引いている、おなかを壊した等の夏場特有の病気の場合、福祉事務所から早めに指定の病院に行く事を勧める。新宿区の場合は簡単な手続きをするだけで病院に行ける仕組みが整っている。指定の病院も医療センター等地域の大きな病院なのでまずまずは安心である。専門医にしっかりと診てもらい、治療を始める事が病気の仲間にとって何よりも大事な事である。もし、手続きが分からない仲間がいたら、毎週月曜日は俺たちの仲間が福祉事務所に詰めているので気軽に声をかけてもらいたい。何をするにも身体が資本なので、健康管理だけはとにかく徹底してもらいたい。
 仕事探しのための自立支援事業の方であるが、どこのセンターも相変わらずの満床となって来ている。こんな時代でもあるので、空きが大量に出ることはないだろう。それでも一ヶ月から二ヶ月の間に人は動いて行くので、希望者は順番に入れる仕組みとなっているので、一般の仕事を探して頑張っていこうと云う仲間は、とにもかくにも申込だけは早めにしておこう。
 俺たちは自立支援事業について、いろいろな要望をして来たが、改善はじょじょにされている。たとえば自立支援センターで仕事を探し、アパートを無事に借りられたとしよう。しかし、仕事が不安定で収入がなくなった場合、これまではだいたい路上に戻ってしまうケースが多かったのであるが、今は、そのアパートから通いで自立支援センターの機能を使える事となっている。食事、風呂、就労支援、生活支援のサポートを受けられるので、いざと云う時の再就職が比較的可能である。その他にも自立支援センターが借り上げアパートを確保し、そこに泊まりながら、通いで自立支援事業を受けると云う方法も組み込まれている。集団生活が苦手と云う仲間は早めに仕事を探し、借上げアパートに移りながら、通いでセンター機能を利用しているとの事だ。自立支援センターの一体型が進んでいるが、内容もまた変化をしている。なかなか入れないものの、屋根と仕事に結びつく基本の対策だけに、利用する仲間はおおいに利用していこう。

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うるおいの雨
気温差が激しく、また湿度も高くなり暮らし難い気候 になっているが、いらいらせず夏を待つ事にしよう。

 仲間たち。
 台風の影響などもあり、早くも梅雨入りを思わせるようなじめじめした気候が続いている。五月晴れを拝む事なくこのまま雨の六月へと突入のようである。  そんな影響もあって朝、昼、晩の気温差がかなり大きくなっている。湿度もまた上がっている。普通の人でさえ体調管理は難しいのであるが、高齢の仲間や、持病のある仲間は尚更大変な頃でもある。
 最近は若い人の事ばかり言われるが、実態はそんな単純ではなく、俺たちの仲間も全体の約4割が60歳を越える高齢化社会が路上の現実でもある。50代を加えれればなんと7割を越えてしまう。歳を重ねれれば成人病もそうであるが、いろいろな病気のリスクが普通の人でさえ高まるのであるが、そこに野宿歴などが重なれば、治療への道がますます遠ざかってしまう。腰痛やら高血圧などは一般的な病気ではあるが、そんな持病も命取りになりかねないのが現実でもある。
 気候が湿り始めると衛生面でも何かと問題が多くなってくる。空気が乾くと元気になるのがインフルエンザであるが、反対に湿気が多くなると活動し始めるのが結核菌である。衛生面のあまり宜しくない路上と結核は、常に近しい関係にあるので、俺らにとっては昔の病気ではない。一度治っても再発なんて事もよくある話しなので、前にやったからと安心もしていられない。
 もちろんいろんなリスクが多くても、今の新宿区の制度で予防が出来ない訳ではない。どちらかと言えば「自覚」の問題の方が大きかったりもする。「もうちょっと早く」と言われる前に、病院にかかったり、検査をしたりすれば、どうにかなるケースも多い。役所嫌い、病院嫌いは、俺ら底辺の仲間の強い傾向でもあるが、独立心が高いのは良いとしても、身体の異変を自覚しないで、我慢を重ねるのはあまり宜しくはない 。
 仕事と言えども、今はこのような情勢でもあるので、そうそう上手くはいかないし、また雇う方も健康な方が雇い易い。
 なので、とにかく自分の調子については自覚を高めていこう。自分の調子がどのようなものかを他人に説明できるか否か、何事もそこら辺から始めるようである。他人に説明できるなら、自分で解決できなくとも、いろいろな専門的な制度を使ってどうにかなったりするものであるから、そうそう不安に思う事もない。
 仕事と云えば、自立支援センターの入所状況であるが、新宿区は相も変わらず入り口で渋滞をしているが、新宿以外の区では、そろそろ空きが出て来たようで、先の回転も今までよりも良くなっているとの事である。自立支援センターは新宿区だけの制度ではなく、都内23区のどこの福祉事務所でも受付をしているので、他の所も当たってみると云うのも手かも知れない。東京都で見渡せば、唯一屋根と仕事につながる制度でもあるので、利用する仲間はいろいろな手段を講じていこう。センター内でも健康診断などは当然ながらあるので、その点も心配せずに。

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踏ん張ろう
今度の日曜日は戸山公園、中央公園などで医療相談会 があります。調子の悪い仲間は早めに相談を。

 仲間たち。
 天候もようやく回復したようで、また蒸し暑い日々が戻って来そうな気配である。毎年のように政治もまたこの時期になると不安定になるようで何やかんやと不安定で落ち着かない時期でもある。震災影響やら、原発影響やら、復興の大幅な遅れなどもあり、雇用情勢は日々悪化の一途を辿っているようである。こんな状況下に仕事を作らないのでは、もはや如何ともしがたい。  どうも頑張れなくなっている日本であるが、それでも何とか踏ん張れるよう皆で支えあっていかねばならぬのであろう 。
 ここに来て、新たに新宿に流れ着いた仲間も多くなっている。これからの雨模様の日はどうしても仲間が一カ所に集まるしかないのだが、荷物の管理や、起きた後のダンボールの片付けとか、こまかな事をしっかりとしておかないと、何かとトラブルの原因ともなる。とりわけ、管理者の容認をとりつけておかないと、追い出されたりと、他の仲間の迷惑にもつながる。もちろん仲間同士のトラブルなどはもっての他である。同じ境遇に至ってしまった仲間同士なのだから、あまり自棄にならず、踏ん張るところは踏ん張りここから一人ひとりの明日を考えていこう。
 毎回書いているが、これからは体調面や衛生管理の面も何かと心配になる季節でもある。とりわけ高齢の仲間や、持病を持っている仲間などは、こう云う季節の変わり目の時期に体調が急変したりもするので日々の健康管理をある程度は意識的にやっていかなければならない。高齢の仲間は年を取った分だけ、苦労を重ねているのだろうが、65歳を過ぎれば福祉の門戸はぐっと広くなるので、身体がしっかりと動く間に路上ではない生き方を選んだ方が良いと思う。病気の仲間もそうであるが、路上で体調が急変すれば救急車で病院に行くしかなく、そうなると病院も転々とされたり、その間に病状が悪化し、命の危険が高くなったりもする。福祉の制度を使う場合は、身体がまだ動く内に、指定の病院に通院し、しっかりと検査をしてもらった方が身体を直すには一番である。
 今度の日曜日には、戸山公園(朝10時から)、中央公園(炊き出しの時間帯。雨天の場合は都庁下)でボランティアの医師による医療相談会がある。路上の仲間を長年診て来たベテランのお医者さんばかりなので、いろいろとアドバイスもできると思う。調子の悪い仲間は是非とも気軽に相談に来てもらいたい。また、東洋医療の相談会(鍼灸師さんが来てくれます)も同じ日の昼に高田馬場の事務所で実施するので、足腰が痛いなんていう現役の仲間も仕事がない今の内に相談するのも一つの手である。
 医療相談では福祉を通して病院で検査等が必要な場合は「紹介状」を書いてもらえるので、それを持って福祉事務所で病院を紹介してもらいたい。福祉でも病院でも「紹介状」を持っていれば話はスムーズに進むので利用してもらいたい。

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うつうつ せずに
梅雨もようやく本格化か?
健康管理、衛生管理など 充分に気をつけ、それぞれの晴れ間を探そう。

 仲間たち。
 ここしばらくは、梅雨らしい天気が続くようである。
 とは云え、ここ数年は異常気象で梅雨らしい梅雨と云うのはあまりお目にかかれず、一気に蒸し暑くなる、亜熱帯的気候が続いている。早くも熱中症の危険などが云われ始めている頃でもあり、体調管理には気をつけた方が良いだろう。
 国は福祉施設などにも節電を呼びかける文書などを配りはじめ、この夏の電力不足解消に躍起となっている。そもそもクーラーのない施設もかなりあり、またあっても充分に使わせてくれない施設が多い中、これ以上の節電要請などして、またぞろ昨年の熱中症騒動のような事が起ったら踏んだり蹴ったりでもある。高齢者や病弱者が、ようやく療養などのために施設に入れたら、そこは蒸し風呂状態では堪ったものではない。節電は節電としても、弱い立場の仲間に矛盾を押し付けるようなやり方はけしからん事である。震災対応の問題も、原発対応の問題も、国家を基準にした施策ではなく、人を基準にした施策こそが課題なのであろう。こんな時と、こんな時期の政治の混迷は不快指数が高まるばかりである。
 俺たちの生活を支える仕事の量も震災以降減り続けており、ハローワークなどは日々ごった返しの状況である。安定した仕事など求めていたらいつまでも仕事が決まらないので、アルバイトや日雇やらにも多くの失業者が流れ、俺たちの仕事もまた圧迫されている。とは云え、仕事に諦めたら、先の選択肢は。ほぼなくなる。  自立支援センターの状況はこの間のチラシで書いて来たが、新宿区独自の施策でもある自立支援ホームと云う仕組みもある。こちらは、ようやく仕事を見つけたが、住む場所がないと云う仲間に開放されている施設である。新宿区内にある独身寮のような個室を約半年間無料で使え、食事も無料で提供される。そこから仕事に通い、アパートに移るための資金を貯金していこうと云う施策である。対象は4名と少ないが、丁度入れ替えの時期で、今から予約をすると案外すんなりと入れるかも知れない。受付は「とまりぎ」であるが、利用したいと云う仲間は炊出しの時やパトロールの時に声をかけてもらいたい。
 また、それを補完するような東京都の緊急就労居住支援事業と云うのも実施している。借上げアパートを利用し、就労訓練を兼ねてちょっとした仕事をしながら自立への道を探っていこうとする施策である。  高齢者などには、同じく借上げアパートを利用した「麦の家」なんてものもある。雑居だと落ち着かないと云う仲間が、一人暮らしの訓練を兼ねて次のステップに行こうと云う仕組みである。
 自立支援センターなどと違い、これらの事業は枠が小さいため、あまり宣伝はされないが、仲間が多い新宿区の独自事業として地道に展開されている。そう云う情報なども得ながら、何とか仕事につながり、屋根につながる生活を目指すのも一つの生き方である。
 日々鬱陶しい時期であるが、前を向いていたい。

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雨また雨
梅雨がいよいよシーズン本番。
シャワーサービスなどを 利用しながら衛生管理はしっかりとしていこう。

 仲間たち。
 本格的な梅雨空になりつつある。今週も雨の日が多いようで、相も変わらずのじめじめした気候になるだろう。不快指数なども高まるので、精神的にいらいらしたりもするが、夏に向けた恒例行事みたいなものであるので、気の持ちようでどうにでもなる季節でもある。
 もちろん、この季節、衛生面での注意が特段に必要になってくる。区役所のシャワーサービスも定期的に利用していこう。その時に下着類などももらっておくと衛生面でも有効だ。地下広場や街頭で寝ている仲間などは虱などの被害にも遭いやすい。そんな場合は着ているもの一式を取り換えるように心がけよう。連絡会も高田馬場の事務所で毎週火曜日、木曜日に、シャワーサービスをやっている。区役所まで行くのはちと遠いと云う高田馬場の周辺の仲間などは利用してもらいたい。また、雨に打たれたままの衣類で夜を明かしたりすると身体が冷え込んでしまうので、そんなためにも着替えはしっかりと確保しておくようにしよう。衣類配布は連絡会も毎週やっているので利用してもらいたい。
 公園で寝ている仲間は毛虫の被害も注意しよう。ここ数年、椿の樹に生息する「チャドグガ」と云う毒針毛を持った毛虫が大量に発生し、結構被害にあっている。この毛虫に触れると全身皮膚炎になって高熱にうなされるなんて云う事になったりするので、とりわけ注意が必要だ。もし刺されたらすぐに水で洗い流す事、それでも皮膚炎が発生したら全身に回る前に医者に行くのが安心だ。市販の軟膏(パトロールの時や医療相談の時には持って来ますが)でも治らない場合があるし、また皮膚炎は個人差が大きいので、出来れば専門医に診てもらった方が良いだろう。痒いからと掻き続けていたら、全身湿疹だらけで即入院なんて事も良くある。市販薬で治らない場合などは、皮膚科にちゃんと通院した方が良いだろう。
 体調はそんなに悪くないが、仕事をしたい。と云う仲間も多いだろう。そんな仲間には自立支援センター港寮の入寮受付を新宿福祉は窓口で随時実施している。昨年から新型自立支援センターへと再編したが、その影響で、身体を休めたり、就職の準備を整えると云う機能がはしょられ、「すぐに仕事を探せ」と云う余裕のない施設になりつつあるが、即効で仕事を決めたいと云う仲間は利用価値があるだろう。もちろん新宿では順番待ちで、なかなか入れないのが実情である。
 もっとも、大規模の集団部屋で鍛えられるのは苦手と云う仲間もいるかも知れない。そんな仲間は緊急宿泊所の馬場ハウスを利用しながら住み込み仕事を見つけたり、なんて云う仲間も多い。また、仕事さえ就いていれば新宿区の自立支援ホームに入れるので、こちらは個室なので落ち着いて転宅に向けて計画が立てられる。以前と比較すれば、色々な施策が出そろっているので、大きな事業以外にも選択肢は多くなっている。今年も、もう半年を過ぎようとしている。これからの事もまた色々考えていきたいものである。

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楽しくない夏
急激に夏日の連続がやって来た。
気温の変化に身体を合わせ ながら、今年も熱中症対策を徹底しよう。

  仲間たち。
 梅雨なのか、盛夏なのか良く分からない天気が続いているが、今年もまた暑くなるのではとの予感をさせるこの頃である。なかなか予報が当たらない気象庁であるが、向こう一ヶ月の予報では、50%の確立で平均より「高い」と出ており、今年もまた身体に危険を及ぼすほどの夏になりそうである。
 昨年は熱中症で多くの仲間を失ったが、暑さと云うのは人の命を奪うほど危険なものである事を都会に住む我々は身をもって知る事となった。ならば、同じ轍を繰り返さないのが人類の知恵でもあるが、今年は不幸な事に震災が電力不足を誘い、節電の夏ともなる。どうやってこの夏を乗り切るのか、東電なり政府なりはまったく頼りにならないからこそ、サバイバルな夏となるだろう。
 熱中症対策の定番は、水分補給、塩分補給はもちろんの事、陽射しのあるところに長期に居ない。出来るだけ風通しの良いところで身体を休める。体調に異変を感じたらすぐに病院が基本であるが、現場で働いている仲間などは、タオルを水に浸しておくとか、水を常に持ち歩くなどの工夫を加えないと、すぐに頭がクラクラしてくる。油断は大敵である。塩分補給の飴なども安く売っているので、煙草で一服ではなく、飴で一服と云うのも必要であろう。建築現場などでは安全管理はある程度徹底しているが、忙しい現場であるとか、建築以外の現場はそうも言ってられない事も多い。とにかく無理をするなと言っても、仕事をさぼる訳にはいかないので、自身の健康管理と、夏場の陽射しから身を守る努力は自分の力でしっかりとやっていこう。
 熱中症で一番被害にあいやすいのは高齢者や病弱者である。高齢や病気を理由に福祉をもらって宿泊所やアパートにいる仲間も、暑さに対しては、まったく安心はできない。クーラーのない宿泊所やアパートで亡くなる仲間が昨年は極めて多かった。いろいろな矛盾は社会の底辺に押し寄せてくる以上、自衛はとにかく必要である。夏場は、風通しのない密室を作らない。昼間など気温の高い時間帯に、そう言う場所には居ない。図書館なりデイケアなりデパートなり、冷房の効いているところに避難をする。そのような工夫もこれまた必要である。これから調子が悪くて福祉にかかる仲間もいるかも知れないが、行き先にクーラーがついているかいないかなんてのは行ってみなければ分からないし、クーラーがついていても節電だとかで充分冷えていない場合も多い。社会の熱中症への対策は啓発に留まり、その先は何もない以上、自分で自分の身を守るしかない。いろいろな工夫である。
 本格的な夏になる前に、自分なりの暑さ対策をしっかりと身につけていこう。もちろん、衛生管理などもしっかりしておかないと、シラミなど害虫にやられたり、それがもとで体調を崩したりもする。今までの夏とは違い、近年の夏はとにかく辛い夏であるが、お天道さまの考える事は俺らには良く分からない。人間はそれに合わせるしかないのだから、生活の工夫だけは忘れないようにしよう。

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