路上生活から卒業して、ドヤ(簡易宿泊所)やアパート、保護施設に入っても、同じ辛酸をなめた仲間同士暖かい助け合いの友情を維持していこう。
 私達は路上卒業生の会「くぬぎの会」を3年前から作り、月三度の会合、ピクニック、花見の会、学習会、などを行なっています。2001年からは「くぬぎの会」をグレードアップした「もやい結びの会」となり、新宿のみならず全都の路上卒業生老人クラブをめざし活動をしています。
 連絡会の老人パワーの源泉は「もやい結びの会」にあります。

 6月は久々の親睦食事会。前回はカレーでした。今回は何を作ろう?「餃子」を提案したのはこのワタシです。大量の野菜を切って餡を作る。粉を練り、皮を作って、焼いて…この多彩な作業工程。これぞ全員参加型!これ以上互助会にふさわしい料理はない!と確信してのことでした。
 粉を混ぜる者、しょうがをすりおろす者、野菜を刻む者、ラー油を作る者。みんな笑顔でせっせと立ち働きます。いよいよ餃子の皮を伸ばし、餡を包む段階へ突入。初めの2,3個は楽しかった。しかし、皮伸ばしのあまりのたいへんさに、次第に無口になる仲間たち…。
 餃子がようやく口に入ったのは、開始から紛2時間が経った頃だったでしょうか。
 「いや−こんなにまずい餃子、食ったことねえ!」と飛ばしてくれたのは我らが料理長Nさん。「いや−、餃子って、こんなにたいへんだったんですね‥」感想を述べる仲間たちの肉体疲労時特有の恍惚とした表情が‥。
 確かに味付けが今ひとつ薄く、「美味」とは言い難いものだったけれど、皮のもちもち感は手作りならではのものだったではありませんか。それに、見てくださいこの写真。たのしそうでしょ?ならば、大成功!
 

(もやいニュース第4号より)