東京都も東京23区の生活実態調査結果と冬期概数を公表
 さて、さて、我らが東京都保健福祉局は「ホームレスの実態に関する全国調査(東京23区の生活実態調査結果)」を3月に公表、続いて4月6日に「平成19年冬期 路上生活者概数調査の結果」を公表しました。東京都の07年冬期概数調査
 
全国に比しても東京都の場合は極めて分かりやすく、04年から実施されてきた「地域生活移行支援事業」の対象地域部分が数値として年々減り、概数調査にストレートに反映されています。今回も昨年実施された渋谷宮下公園部分、台東区、墨田区の隅田川領域部分等がほぼ事業利用数と同数減り、昨年度実施されていない新宿地域等はほぼ横ばいと云う数字です。まあ、それでも数が顕在化し難い2月調査で23区と26市で約3千5百名、それと統計から外されている国河川部分が約千名と、計約4千5百名と云う数字は、まだまだ努力が足りないと云われても仕方のない数字です。この数値に連絡会調査おなじみの20%推定数値を加えると実数推定値が約5千4百名。喜ぶ数字にはほど遠い現実があります。
 しかも、実態調査が全国にも増して悪い数値が並んでいます。平均年齢も全国平均より1歳以上高い。10年以上野宿している仲間の率も全国平均より9%も多い。平均月収も全国平均より1万円ほど低い。全国平均より2%ほど良いものの、それでも48%の仲間が体調が悪いなどなど。そして全国同様に、巡回相談はあまり機能しておらず、緊急一時保護センター、自立支援センターともあまり魅力がなく、敬遠されがちである等。
「地域生活移行支援事業」が成功したにもかかわらず、それを拡大する方向を何故かとらず、次の手を打ち出せない東京都はこの実態をどう見るのか?
 今後の議論がより進みそうな調査結果でありました。