東京の自立支援システムは周知の通り、まずは緊急一時保護センターで1〜2ヶ月間、健康診断、再就職準備(職業ガイダンス、技能講習)、アセスメントを受け、諸準備を整えた後、自立支援センターに入所し、再就職活動に専念すると云う、二段構え(昔はステップアップ方式と都は自慢をしていたが)の仕組みとなっています。
 しかし、自立支援センターに入所後、就職が決まらなかった者に対してはこれまで再入所は認めず、生涯一回のチャンスしか与えないと云う厳しい姿勢を貫き続けてきました。
 私たちは、再就職活動はその時期の雇用情勢等によって決定し、たまたま入所時期が悪く就職が果たせなかった者がいたとしても不思議ではない、それをもって自己責任を強いるのは不当であると、再入所を無条件に認めろとセンター設立以降、要望を長年かけ訴え続けてきました。その成果もあり、本年4月1日付けで自立支援センターの再入所が全面解禁される決定が3月の福祉事務所長会議で確定し、各自立支援施設においてもその旨が周知されました。
 1999年の自立支援センター開設以降、数多くの「失敗組」を発生させ、その仲間に対してのフォローを特定公園を除いて何ひとつ実施して来なかった都区行政にとって、今回の決定はようやく(本道たる)自立支援システムの改善に本格的に着手したと云う意味において画期的な決定であります。無論、まったく遅きに失したと云う批判もありますが、年々硬直した自立支援システムを当事者の側から突破する一つの契機であり、今後の大改革に向けての第一歩と私たちはとらえています。
 この決定を受け、連絡会は早速号外チラシを発行し、諦め続けて来た路上の仲間への宣伝を開始し、多くの仲間が希望をもって福祉事務所で自立支援システムの申し込みをしています。

 私たちは、今後も私たちが要求し、実現させて来た自立支援システムの改善に向け努力をしていきます。


自立支援センター再入所条件が、連絡会要請を受け、
08年4月1日付けで全面解禁しました。