東京都は2002年2月の区内路上生活者概数を発表しました。

合計 区管理分 都管理分 駅舎
千代田区 251(15) 82(6) 93(4) 76(5)
中央区 164(1) 72(0) 70(1) 22
港区 122(4) 65(1) 36(3) 21
新宿区 793(34) 278(7) 420(11) 95(16)
文京区 56(3) 46(2) 7 3(1)
台東区 1093(54) 318(11) 710(40) 65(3)
墨田区 881(15) 458(4) 417(10) 6
江東区 148(1) 90(1) 58 0
品川区 44(0) 29 12 3
目黒区 23(0) 16 7 0
大田区 153(2) 120(1) 24 9
世田谷区 101(3) 74(2) 27(1) 0
渋谷区 492(18) 170(5) 322(13) 0
中野区 64(2) 63(2) 1 0
杉並区 68(2) 46(2) 22 0
豊島区 183(8) 123(4) 14(1) 46(3)
北区 98(5) 59(2) 33(2) 6
荒川区 124(4) 48(2) 75(2) 1
板橋区 93(0) 58 34 1
練馬区 43(2) 30(1) 13(1) 0
足立区 70(3) 25 45(3) 0
葛飾区 75(2) 40(1) 35(1) 0
江戸川区 177(1) 136(1) 38 3
区分計 5316(179) 2446(55) 2513(93) 357(31)

平成14年2月第2週調査 ( )は女性


参考資料・過去の東京都概数調査の推移(23区)

  


東京のホームレス数が横ばいから再び上昇傾向へ

東京都による2002年2月の都内路上生活者概数調査が出る。
笠井和明

 平成14年2月の東京(23区内)概数調査では、前年同調査よりも319名増(6.4%増)という結果となった。私たちの分析によれば、平成11年の春から夏をピークにして、以降、自立支援センターの開設(平成12年秋)、緊急一時保護センターの開設(平成13年冬)など都区の路上生活者対策の前進、またNPO団体などによる民間宿泊所の増設など都内における社会的支援網の一定の整備の結果、路上生活者数も「横ばい」「微減」状態が続いているとしていた。東京都など関係セクションにおいても昨年8月調査(23区)数が一昨年8月調査に比して約100名減となっている事などから、同様の見解を有していた。
 ところが、一転して約300名増である。区別で見ても減少している区は豊島、足立などの9区のみで、他の区は軒並み増加している。本年2月調査期においては約500名分の冬期臨時宿泊事業と緊急一時保護センター事業が同時開設されていた時期であり、昨年同時期に比較すれば100名分以上の宿泊枠数は増加していたのであるが、その効果は空しいものとなってしまった(単純に今回調査に500名をプラスすれば5800名と平成11年8月調査ー過去最高値と同数になる)。すなわち、都区対策は年々前進しているとは云えるものの、新規参入野宿者の増加(もしくは対策からこぼれ落ちてきた人々)に追いつかない事態に至っていると云う事である。私たちの支援現場の路上では、今年の新規参入野宿者の増加傾向はかなり大きいものと実感されており、対策が野宿者数の増加を押さえて来た局面から、再び対策が野宿者数の増加に追いつかない局面へと変化したと考えられる。国レベルで云えば自立支援法制定の遅れ、都区レベルで云えば、本格的に行なう筈の対策拡大計画が自立支援センター渋谷寮増設、グループホーム事業の遅れなどと決して順調には行っていない事の現われとも云えるが、全体の景気、雇用動向(およびセーフティネットの不備)が大きく作用した事は間違いがないであろう。とりわけ地方産業の崩壊とも云える構造は都市へと流れる失業者、野宿者の列を確実に作りだしていると思われる。また、女性野宿者の数が46%も増加している事に現われるような新たな傾向も見受けられ、極めて危険な状態になっているとも云えよう。
 このままの状態が続くなら8月概数調査数が平成11年レベル(もしかするとそれを突破するやも知れぬ処)まで増加する恐れがあり、この局面の変化を都区の行政関係者はよく認識して、現行自立支援事業計画のスピーデーィな実施をするのはもちろんのこと、国においては法制定をいち早く決着する事、そして都区は法制定後を見据えた新たな対策を早急に準備していく必要があるだろう。

(02.5.28記)