新宿区での緊急援護物品提供作業
下着など2600セット官民共同作業でくまなく配付。

 ホームレス自立支援法制定後の国の補正予算を活用した緊急援護物品提供事業が新宿区で行われています。新宿区が提供するのは肌着、もも引き、カイロ、手袋の物品セットと菓子パンで、2600セットが用意されました。配付についてはNPO法人新宿ホームレス支援機構が新宿区と協定書を交わし、官民の協力体制で出来るだけ多くの路上生活者に手渡せるよう新たな実践的な枠組みを設けての実施となりました。
 5日は戸山公園での配付。事前のチラシで配付時間場所を周知していたので、高田馬場駅周辺の仲間約150名が集まっています。そこへ生活福祉課の課長を筆頭に新宿区職員が物品をもって登場。NPO新宿と新宿連絡会のボランティアスタッフ(ほとんどが当事者)がそれを出迎え、手際よく物品の整理、並ぶ列の整理を行い、職員と共同で混乱なく集まって来た仲間への配付を終了しました。150セット残った物品は、西戸山公園、高田馬場駅周辺、戸山公園大久保地区、箱根山地区へと、パトロールをしながら配付。その日の内に300人の仲間の手に手渡されました。
 続いて9日は中央公園での配付。こちらは1000セットと大量。しかも連絡会の通常の炊き出しと同時並行なので少なからずの混乱が予想されていましたが、ボランティアスタッフは手慣れたもので、炊き出しの後、当日会場に来た約 600名の仲間を肌着のサイズ別に整理、混乱も滞りもなく配付を完了しました。400セット残った物品は、中央公園、新宿駅西口、東口、北口のパトロール班が袋に詰めて炊き出しの場に来られなかった仲間の分を出張配付。こちらもその日の内に1000セットが仲間に手渡されました。中央公園では16日も同じく1000セットの配付。当日雨天のため都庁下での配付に変更になりましたが、こちらも順調に配付作業が終了しました。最終回の19日の戸山公園での配付も多くの仲間が集まってくれ、瞬く間に300セットは売り切れになりました。
 冬季対策と云う意味もあり、冬物の物品がメインで時期的に若干遅すぎたのかとの懸念もありましたが、丁度配付時期は冬型の気圧が戻って来ており冷え込みが厳しかったので、普段なかなか新品を手にする事の出来ない肌着類や手袋は事の他人気になったようです。「来年もまたやって欲しい」「今度は靴下なんかも入れて欲しいな」「ようやく国も動き始めたね」と云う喜びの声と、「これからこんな風にどんどん対策が変わっていって欲しい」「施設も仕事も、もっと必要だよ」と云う期待の声が交差した、初の国の補正予算による緊急援護物品提供でした。