新宿の路上生活者への民間支援の歴史も20年を超えました。
 当初は社会的排除の対象でしかなかったこの問題も、じょじょに社会の理解も進み、社会的援助が必要な人々との認識が広まり、「ホームレス自立支援法」が議員立法で制定されるなど、もちろん本人の自立の意思が必要ですが、その思いと協力しながら、路上生活者の自立の支援の仕組みが、この間、都市部を中心に作り出されています。
 私たち支援団体、またボランティアスタッフもこのような社会の流れの中、現在さまざまな活動を続けています。
 
 どこの世界でも同じですが、立場、思想、宗教など様々な違いの中で、さまざまな団体があり、個人であろうと、グループであろうと、また団体であろうとも、「ボランティア」と云う一言は、何も語っていないのと同じです。どのような立場で、何をボランティア(志願)するのかを常に考えていなければ、結局は「安上がりの労働力」に使われたり、「利用」されたり「洗脳」されたりするのも今のボランティアの姿であります。
 
 ボランティアはおせっかいと違います。本人の為に良かれと思っても、それが決して良いものだとは限りません。糖尿病の人に、お腹がすいているだろうと、甘い大福でも渡してしまえば血糖値が上がるのと同じです。
 何が困っているのか、何を必要としているのかは、路上生活と云えども、一人ひとり違います。その機微を理解しようとすることが何よりも大事なのだと思います。
 路上ボランティアの悪い例としては、これは最近どこにでも居ると思いますが、路上生活で可哀想であるから生活保護を受けましょうと、そのことばかりを強調したり、強要したりする人々です。生活保護やその他の制度は、情報は提供したとしても、強要してはいけません。私たちにはその権限はないので、適当なことは言えませんし、たとえ福祉事務所で大声で騒いだとしても、困惑するのは当事者の方です。路上生活と云えども、生活を変えると云うことが、本人にとって、どれだけ大きなことなのかの想像力なくして制度の話ばかりを言うのは、支援の仕方として間違っているし、社会から「そんなに可哀想なら、自分の家に泊めてやったら良い」と突き放されるだけです。
 頭で考える、いわゆる「机上の論理」は、現実においてはあまり通用しません。「問題解決」と云うことを課題にするのであれば、もっと大局的な視点が必要です。

 私たちは、まずは当事者との「関係性」が大事であると考えています。これもごくごく当たり前のことなのですが、ニーズを聞き取るのに単なるアンケートでは、そうそう本当のことは話してはくれません。自分の味方であると思えて初めて本当のことを話してくれるものです。
 そこにマニュアルはありません。お隣さんとの井戸端会議にマニュアルも議事録もないのと同じです。そして、身構えることも必要ありません。自分で話せそうな人をみつけて話をするだけです。その積み重ねの中で本当のニーズが明らかになり、私たちで解決が可能だと判断した場合は、専門家(プロ)に引き継ぎます。
 路上生活者のボランティアは、やりがいが、あまりない活動です。即効的な解決策はなく、また、現状を見続けていなければなりません。決して「何何をやりましたよ!」とブログを勢い良く更新できるようなものではありません。どちらかと云えば思索的な人にあった活動かも知れません。しかし、継続して物事を見られる人、そして人間好きの人なら、そこから自分の人生、また他人の人生の、何かしらのことは感じられる活動だと思います。
 
 当会のボランティア活動は団体、取材での参加はお断りしています。また、都会の片隅でこそこそと行う活動故に多くの人数が必要な活動でもありません。
 当会のボランティア活動は参加、不参加自由な活動です。個人情報を収集するような登録制でも、意に添わない活動を強要するものでもありません。先入観を植え付けたくないので学習会など開きません。頭でっかちの学習をしたい方は個別に時間を設定して下されば、お教えすることは厭いませんが。
 その代わり、当会の活動にそぐわないと判断した場合は、その理由を告げて参加をお断りする場合もあります。

 よろしくお願い致します。

                              2014年3月 新宿連絡会 事務局

新宿連絡会ボランティア問い合わせ先

メールは、shinjuku@tokyohomeless.com

03-6826-7802(笠井)

までお気軽に問い合わせ下さい。

電話は平日9時〜17時にお願いします。