今年も新宿夏まつりが8月11日から12日にかけて新宿中央公園水の広場で行われました。

 最大500名近い仲間が集まり、仲間を弔いながらの夏の楽しいひと時を送ることができました。

 様々な形でご協力頂いた方々に厚くお礼申し上げます。

 19回目と、歴史ある寄せ場以外では例を見ない長さとなっておりますが、それもこれも、東京の、そしてその中心ともなっている新宿の「ホームレス問題の長さ」と、そのまま比例しています。このことは支援をする側からすれば大変忸怩たる思いですが、政治が混乱し、対策も法律が延長されたは良いが、5年後の絵図がなかなか見いだせない行政の混迷ぶりの中、それとは別の理屈で現に路上生活を余儀なくされ続けている仲間は新宿駅を中心に300-400名が未だ存在しています。

 やれ貧困だ、やれ困窮者だ、やれ社会保障だと、問題を拡散させ続け、上へ上へと視点を変えてくる学者や文化人や政治家のご努力の甲斐もあり消費税まで上げられてしまうご時世となりましたが、ここ路上には、今の制度からは取りこぼされた人々が滞留し、今や固定化しています。路上の仲間をそのままにしておいて、何が社会保障なのか良くは分かりませんが、それでも生きていかねばならぬのが人の性。同情なんて糞食らえ。俺らは俺らで生きていこうやと、連絡会のイベントは常にそう云う質を持っています。

 前夜祭から、炊き出し、カラオケ大会、ビデオ上映、もちろんお酒も喧嘩が始まらない程度で出しながら、猛暑が一段落した新宿の町の片隅で亡くなった仲間を思いだしながら語りあう。そんな場所を誰が作れるのか?

 結核検診があり、医療相談があり、疲れた身体に按摩などもあり、ゲームもあり、かき氷もあり、飯もあり、ビールもあり、ジュースもあり、音楽もあり、コマ回しの芸もあり、ダンスショーもあり、盆踊りもある。新宿保健所の協力以外はみんな仲間の力で作った手作りのお祭り。

 仲間にとってすてきな思い出が作れたならば、それで良い。路上生活に至ってしまっても、そこにあるのは絶望だけではないと思ってもらえれば、それで良い。

 ささやかなれど、内容の濃い夏まつりでした。