本日(9月5日)、厚生労働省および新宿区から、代々木公園から発生したデング熱感染が新宿中央公園来所者へ波及した可能性について発表があった。
 それに伴い、中央公園においても急遽、一部を閉鎖してデング熱の媒体となる蚊の駆除作業が開始されたところである。
 代々木公園もそうであるが、中央公園のケースも、本来公衆衛生の問題であり、公園利用者、公園居住者および周辺住民への一次感染、二次感染を予防する観点から東京都及び各区が必死の尽力をてしいるので、ひとまずそれを信用するしかないのであるが、ホームレス問題にかかわっている我々も感染リスクの高い公園居住者や、公園利用者を支援対象としている以上、この動きとは無縁ではいられない。
 公衆衛生の知識のない「にわか人権派」の人々(マスコミも含む)が、その観点とは別の観点から、ここぞとばかりにホームレスに焦点を当て、行政批判を無意味に展開する向きもあるが、そういう人々と混同されたくはないので、あえてこの一文を書く次第である。

 周知の通り、連絡会は4月から新宿中央公園での炊き出し、及びイベントを中止しているので、感染リスクの高い「人が集まる場」は意図的に作り出してはいない。但し、他団体はこの動きには乗っていないので、その点は不明であるが、それも、それほどの人は集まっていないので代々木公園から中央公園への感染経路として絶対ないとは言えないが、そうあって欲しいと思うのである。もちろん、この点は今後の事態の推移である程度は明らかになるであろうから、今は、是非とも静観をしていてもらいたい。
 現在のところホームレス者がデング熱に感染したとの報告は受けていない。また、東京都もそのような調査は必要性がないので公表をしていない。今は下手な犯人探しをするのではなく、事態の拡大をいかに阻止するかが最大の課題であると、我々も、都や区の立場を支持したい。

 我々は今、その筋で動いている。現在、新宿区と協力し、感染リスクの高い公園居住者への注意喚起、医療機関への誘導体制の強化、また中央公園の閉鎖に伴う避難場所、安全な場所の確保のための体制を本日中に整えたところである。なので、ホームレス者への感染等を心配する方々は、こと新宿においては、そんなに心配をしないでいて欲しい。防虫スプレーの配布は、この問題が潜在的な状態であった8月中旬に医療班の方々と行っているが、スプレーも公園等への訪問者には効くが、そこでの生活者にどこまで効果があったかは、定かではない(汗で流れれば効果は薄くなり、24時間スプレーをかけるのも現実的には無理な話である)。今や問題はそんな話しではなく、当該箇所から避難を希望する人々をいかに避難場所に誘導するかの問題となっている。そのため、新宿区の職員は土日返上で動いているし、我々もそれに連動して、同様の体制を整えている。こう云う裏仕事は我々の得意分野でもあるので、注目して頂けなくとも、地道にやっているので、外部の人間がそうパニックになったり、大げさに事を荒立てる事がないようにお願いしたい。
 連絡会は現在、ボランティアの新規募集も停止し、経験のあるボランティアにパトロールなどを実施してもらっている。もちろん、中央公園に出入りするボランティア諸氏への健康管理の徹底もそうであるが、今後、中央公園に出入りする場合、自身が感染し、拡大などしたら冗談にもならないので、細心の注意をもってパトロールを実施するようにもしたい。もちろん、そう云う意識をもったボランティア諸氏達ばかりなので、その点も心配はご無用である。

 外部の人間は、色々と行政や我々への批判もあるであろうが、そんなことは事態が収集してから語ってもらいたい。建設的な批判であれば、我々もそれを真摯に受け止め、新宿で暮らさざるを得ない人々の健康を守ると共に、そこからの脱却を、公衆衛生の意味でも、また、社会福祉の意味でも、そして、本人達の幸せのため、徹底して支援していきたい。

 以上、取り急ぎの一文として。

                                    2014年9月5日 新宿連絡会 代表 笠井和明