例年、厳しい冬を乗り越え、桜が咲く頃は花見の会とお決まりの行事があるのですが、今年はまさにそれどころではないので実施は見送りました。

 震災の影響は東京で暮らす路上の仲間にも大きな影響がありました。巨大な消費の街の片隅で暮らしている仲間にとって、普段の姿から遠く離れた東京の姿の中では、いつものように暮らして行く事はまま成りません。雑業の仕事も減り、現金収入が乏しくなり、日雇仕事なども専門職以外は減っています。路上の仲間や底辺で暮らす仲間にとっても今回の震災は転機になっています。どこにいても、余震や原発問題の混乱が続くなか、孤立が怖いと云う心理でか、震災後の炊き出しは500名近くまで膨らみました。路上にいても、福祉をとっていても、仕事をしていても仲間の気持ちは同じです。仲間が仲間として居る事だけで安心なのです。そんな炊き出しを中心にしながら、今は日常活動のみ専念しております。仲間の中にはいろいろな声も聞こえてきますが、仲間の中や、私たちのスタッフの中にも東北出身者は大勢います。被災した家族の方もいます。そんな人々の思いを考えるとお祭り騒ぎをしようなどとはとうてい思えません。楽しみにしていた仲間には残念ですが、今年の春はメーデーあたりから、ひと月遅れだよと伝えています。

 いずれにせよ、仲間の元気な姿をいずれお見せしたいと思います。どんな状況下でも自分達の力を信じ、底辺で生き抜いて来た新宿の仲間の長い歴史の中に、悲惨さだけではない「生き抜く力」を感じてもらえれば、この状況きっと良い方向に変わるものと信じています。

 頑張っている事を見せない多くの人々もまた頑張っています。