新宿連絡会チラシ集第二十六集(2014年1月より6月まで)
2014年1月1日新宿連絡会チラシ
2014年1月4日新宿連絡会チラシ
2014年1月5日新宿連絡会チラシ
2014年1月12日新宿連絡会チラシ
2014年1月19日新宿連絡会チラシ
2014年1月26日新宿連絡会チラシ
2014年2月2日新宿連絡会チラシ
2014年2月9日新宿連絡会チラシ
2014年2月16日新宿連絡会チラシ
2014年2月23日新宿連絡会チラシ
2014年3月2日新宿連絡会チラシ
2014年3月9日新宿連絡会チラシ
2014年3月16日新宿連絡会チラシ
2014年3月23日新宿連絡会チラシ
2014年3月30日新宿連絡会チラシ
2014年4月6日新宿連絡会チラシ
2014年4月13日新宿連絡会チラシ
2014年4月20日新宿連絡会チラシ
2014年4月27日新宿連絡会チラシ
2014年5月4日新宿連絡会チラシ
2014年5月11日新宿連絡会チラシ
2014年5月18日新宿連絡会チラシ
2014年5月25日新宿連絡会チラシ
2014年6月1日新宿連絡会チラシ
2014年6月8日新宿連絡会チラシ
2014年6月15日新宿連絡会チラシ
2014年6月22日新宿連絡会チラシ
2014年6月29日新宿連絡会チラシ
仲間たち。新年おめでとう。
今年が仲間一人ひとりにとって良い年であるよう、そして、良い年に何がなんてもするよう、願ってやまない。年も色々あるだろうけれど、本年も宜しくお願いします。
さて、チラシの続き。
まあ、冬場は特に健康は第一なのであるが、仕事もまた大事でもある。
高齢の仲間や病気がちの仲間は、なかなか仕事とはいかないかも知れないが、世の中、年金を貰いながらボチボチ働いている人は大勢居るし、地方の農家などに行けば90歳近くで農作業をしている立派な高齢者も居る。どうも人間と云うのは、働いていないと老いが早くなり、病気になる確率も高くなるようではある。もちろん、働くと云うのは、若い人のように稼ぐと云う行為だけではなく、身体を動かすと云う言葉に替えても構わないだろう。生産性が高いか低いか、稼ぎが多いか少ないかは、金の亡者でなければ、どうでも良い。最低限度の生活は年金にせよ、生活保護にせよ、それなりに機能はし、保障されているのであるから、「長期に亘る極貧状態の高齢者」と云うのは、今のこの国ではイメージがつかない。その意味では、この国は豊かな国でもある。
まあ、若い人には色々違う面が出てくるのであろうが、ある程度、年を取って、自分一人を養えばどうにかなる身分になった時には、働くと云う意味を考え直した方が良いのかも知れない。
連絡会が新宿の街に来た20年前は丁度バブル崩壊期で、まだまだ働ける壮年の仲間がリストラ等で野宿をせざるを得ない時代であった。その当時の平均で52歳前後で、まだまだ仕事の第一線に戻れば戻れる年齢でもあった。そんな事もあり「屋根と仕事を」がスローガンとなり、緊急一時保護センターや自立支援センターなどの設置に至った経緯がある。もちろん、今も自立支援センターは稼働中(あと、3年くらいはあると思われる)なので、たまたま仕事が駄目になった40、50の若い仲間が、路上に居てたまたまこのチラシを読んでいたとしたら、路上にいるよりも、そこに行けば良い。23区のどこの福祉事務所でも受付をしているので、年明けに相談に行けば、景気も持ち直している今日、再就職出来る確率は高いだろう。技能訓練などもやっているので、無資格の仲間などは、今後の安定のためにも資格を取ってから再就職することをお薦めする。
それはさておき、仕事の付き合いと昔から良く言うが、特に男は仕事の人間関係が生涯の人間関係になったりもする。作家でもないのだから、普通、仕事は一人では出来ない。また、会話なくして仕事も出来ない。仕事場があることで、人と出会い、社会に触れ合い、何とか気が紛れるのも職場である。もちろん、そこでは「俺が、俺が」は通用しないし、妥協も必要であり、人に頭を下げるのも時には必要となる。そうやって揉まれていくのが職場であり、そこでの人間関係は、とても濃厚なものになる。職場がない人は、それに替わるのが、町内会や地域であったり、趣味の集まりの場でもある。まあ、一人でアパートの中でゴロゴロしてテレビをつけっぱなしなんてのが、肉体的にも精神的にも老いを加速させる原因でもあろう。
まあ、これから働けるうちは働き続け、人と付き合い続け、自分の背丈にあった日々の暮らしをしていけば、俺たちも社会からの冷たい視線や慈愛の視線に悩まされることなく、普通に暮らしていけるのである。
今年はなにごとにも惑わされることなく、自分の力で立ち上がっていこう。
生き抜くために
これからの冬に備えるためにも体調管理の徹底を。
高齢者、病気がちの仲間はとりわけ注意を。
仲間たち。
寒い寒い年始であるが、へこたれずにやっていこう。さて、また、チラシの続き。
「何故自分だけがこんな不幸な目に」と思う時もあるだろう。
まあ、人の人生と云うのは色々あって、すべてが思う通りにいく筈もない。もちろん、人が羨むほどの暮らしをしている人もいるのであるが、それが本人にとって幸せなのかどうなのかなんてのは、その人ではないのだから分かる訳もない。
この国はどうしても平均が好きな国民性で持って来た面もあるので、上を見たり、下を見たりと、しながら、自分の位置を確認するのが癖になっているのかも知れない。
しかしながら、「隣の芝はいつも青い」でないが、他人との比較ばかりをしていたら、切りがないどころか、終いには「僻み根性」の「嫌なやつ」に成り下がってしまう。これは、良く俺ら底辺の世界に共通して居る種族でもある。僻みの対象を、内輪に求めたり、民族に求めたり、政治や行政や企業に求めたりと、底辺を基盤に活動をしている「右」も「左」の民間団体も皆、同じで、悪いことに、それを煽ったりもしている。まあ、マスコミなども同様である。
では、自分はどうなのか?この問いに答えられないものが、こぞって他者を批判する。そして、その内批判をすることが普通になり、何故批判をしているのかすら分からなくなってしまう。
まあ、別に自分だけが不幸なのではなく、不幸だと思っていることが不幸なのである。そんなに同情が欲しいのか?本当は同情などされたくはなく、普通に話し合える関係が欲しいだけなのではないのか?こう云う、良く陥る発想は、常に点検をし続けた方が良いだろう。
「かわいそうだから助けてあげる」これは嘘である。かわいそうなのは当の本人であり、自分より不幸な人をみつけて自己満足をしているだけなのかも知れない。
そうやって、俺ら底辺の人々は利用される。それもこれも社会に同情をされたいと長い間、発信し続けて来たからなのかも知れないし、自分で自分の首を締めて来た結果なのかも知れない。
まあ、俺らの運動があることで、新宿にいろいろな団体が犇めき、結果として、何もロクな事がなかった仲間も多いことだろう。そのことに関しては大変反省をしている。なかなか底辺の運動と云うやつは、繊細でかつ難しいもので、かつ、立ち止まると云うことを許してくれないものである。
しかしながら、俺らもそろそろ立ち止まろうと思っている。この騒がしい場から離れ、もっと静かな場所から再スタートを切ろうかと思っている。
俺らも、皆んなも社会の構成員の一員であり、それ以上でもそれ以下でもない。困った時はお互い様、互いに知恵を出し合って、天空からではなく、その現場から何が出来るかを考える。そんな原点に戻るのが、俺らの役割だと思っている。
時代は俺らの思いとは別にコロコロと変わる。追いかけ続けることは至極大変な事で、それに合わせて自らを変えることはもっと大変なことでもある。しかし、だからと言って何もかも投げ出す訳にもいかない。俺らが真正面から取り組んでいるホームレス問題、ホームレス施策には最後の仕上げがまだ、なされていないからでもある。これを成し遂げて初めて一区切りと行くのであろうが、まだ、先は朦々として良く見えない。
冬から冬へ
医療テントで「紹介状」をもらった仲間は、明日以降、
福祉事務所を通して病院へ。
仲間たち。
越年の取り組みも本日で終わり。色々とご苦労さまでした。
また、調子が悪くて医療テントに行き、「紹介状」をもらった仲間は、明日から役所が開いているので、早めに手続きをして、病院に行きましょう。一緒に行く仲間は、午前中に担当の者が居ますので、声をかけて下さい。
さて、またまた続き。
都知事不在の年末年始であったが、そんなのはどこ吹く風で、何ら問題もなく、東京の年は明け、そして明日からは仕事始めである。
年末からの都民の反応を見てみると面白いのであるが、オリンピック承知が決まってしまった以上、大きな都政の課題はなく、選挙も近いと云うのに何も盛り上がらず静観し、世に云う候補者とやらも「誰かが推してくれたら」と云う消極姿勢ばかりで、いかにも東京らしい反応である。
要はオリンピック開催に消極的でなければ、誰でも良いと言わんばかりである。
しかし、まあ、実態はそんなものかも知れない。誰かを知事に立たせると云うのは、何かあった時の責任を取らせるための人形を拵えるだけのようで、「あんたが居なくても俺らは勝手に生きていくよ」と云う江戸文化はどこか残っているようでもある。
誰かに生かされているのではなく、自らが、自らの力で生きていける。たとえこれが幻想であったとしても、その意識こそ、まさに自立である。
その意味で自立困難と云うのは、他力本願で、自分の意思など何もなく、他人にくっついて流されるよう生きている人々のことを指すのであろう。
そのような人がどれだけ居るのかは分からないが、国は昨年制定された「生活困窮者自立支援法」で、生活困窮の人々のほとんどは「自立困難者」と言わんばかりに、その、教育、指導を強めるとしている。
それはそれで必要があればやれば良いとは思うのであるが、この法律に俺ら、野宿の仲間の問題を入れてしまおうとするのには、やや抵抗がある。まあ、同情されたくなかったら、そんな相談場所に行かなければ良いのであるが、ご多分にもれず件数が欲しいために強引に引っ張って行くなんてこともあるのかも知れない。
いずれにせよ、東京都はあまりこの法律には積極的ではないようで、そんな展開があるのは、地方都市の方かも知れない。東京では、今年一年その推移を見ながら、来年からの本格実施での対応を見る余裕はある。
そんなことよりもオリンピック関連の工事など、準備などが本格的に始まるのが、今年の新年度からである。まあ、その分、仕事は増えるので助かる面はあるが、野宿できる場所と云う意味では、かなり狭まってしまう可能性は高い。そのため、新宿福祉などは積極的な保護政策に出、「とまりぎ」などでの相談機能は強化されるだろう。
さて、ここで相談に乗るのが、果たして自立なのかが問われる一年になるが、「誰かに生かされているのではなく、自らが、自らの力で生きていける」との意識と意地さえあれば、何も問題はなく、自立に向けた一歩なのであろう。生活を変えるには外圧もたまには必要である。まあ、問題があれば、俺らが中に入ることも可能なので、そんなに恐れずにチャンスを待つのも良いかも知れない。
終わりの冬は始まりの冬でもある。冬と云う獰猛な季節から逃れるために、ない知恵を出し合おう。
北風に抗して
今度の日曜日は炊き出しの前に医療相談会があります。
今が真冬の最中、体調異変などには心配りを!
仲間たち。
比較的穏やかな年末年始であったが、年が開けてから寒波が押し寄せ、各地で本格的な冬の猛威をもたらしている。東京もまたいつもの冬景色となり、北風などが吹けば、凍えるような日も多くなった。
冬場の乾燥に伴い、風邪であるとか、インフルエンザなども流行し始め、結構多くの仲間が苦しめられてもいる。今、大丈夫な仲間も油断をすれば、菌がうようよしている状態の中、いつ罹患してもおかしくないので、手洗い、うがいなどの予防はしっかりとしていきたい。
高齢者や病弱な仲間を守ろうと、年末年始の取り組みを行ったが、幸いなことに大きな病気になる仲間は少なく、全体として無事に年を越した格好となっている。そんな中でも、深夜一緒に寝ていて、隣の仲間が立ちくらみなどの異変があるので、医療班の医者を呼び応急措置と看護をしてもらい、結果、救急搬送で緊急手術をして命が助かった仲間もいる。放置していたら亡くなっていたかもしれない脳疾患のケースである。
このように、冬の寒さの中では身体は急変する。早期に察知できるかどうかが命の分け目となる場合も多い。まあ、色々あるので、一人で寝ていたい仲間も居ると思うが、体調に不安がある仲間は、気のあう仲間であるとか、人目のつく場所であるとか、冬のねぐらも工夫をした方が良いのかも知れない。
夜の異変は救急搬送しかない。自分で呼んでも良いし、仲間が呼んでも構わない。保険証であるとか、お金などを心配する向きもあるかも知れないが、「野宿していてお金がない」と言い、後日、福祉の手続きをすれば、治療費は立て替えてもらえる。命にはかえられないので、あまり小さなことは気にせずに、緊急時にはこのように対応し、仲間の命を守っていこう。
持病があって、現在通院中の仲間なども、今の季節はとりわけ体調管理には気をつけていかねばならない時でもある。血圧が高目で、薬で調整している仲間も多いと思うが、薬を飲んで安心するのではなく、定期的に自分の血圧も測定した方が良いし、体調が思わしくない場合は、かかりつけの医師や病院に連絡するなりして、早めに受診の予約をした方が良い。
今度の日曜日は定例(今月は越年があったため変則であるが)の医療相談会が炊き出しの前に実施される。血圧測定も出来るし、ボランティア医師との専門的な相談も出来る。体調の件で、色々な悩みがある仲間は相談をしてもらいたい。
「とまりぎ」や福祉事務所も平日の昼間は開いているので、福祉に関する相談や、自分が置かれている色々なトラブルに関しての相談はいつでも可能である。非常食のカンパンも「とまりぎ」では配ってくれている。そう云うのも利用しながら、冬場の生活を何とか防衛していきたい。もちろん、相談の場合は本当の事を言ってもらって結構であるし、本当の事を言ってくれないと対応が逆に難しくなるケースもある。
何だかんだと、真冬は俺たちの天敵でもある。
夜明けの寒さ
今が真冬の最中。
高齢の仲間、病弱な仲間は、
まよわずに「とまりぎ」や俺らに相談を!
仲間たち。
今が真冬の最中である。東京でも最低気温が1度前後の日が続き、朝方などは震える程の寒さがやって来ている。東京の初雪はまだであるが、こんな気候で雨雲でもやって来れば、いつ雪となっても不思議はない季節でもある。ここ数週間は最大限の注意を払いながら冬越えを心がけていこう。
テントなどでは違うのであろが、段ボール一つで寝ている仲間はなかなか十分な睡眠が取れない季節である。まあ、新宿ではテントの仲間はいつの間にか少数派となり、深夜駅やビルの谷間で横になる移動型、流動型の仲間が多数派となっている。西口の地下など、ある程度、雨や風が除けられる場所がまだ残っているので、他の地域で暮らす仲間と比較しても、まだ恵まれているのであろうが、それにしても地面はコンクリートで、背中からの寒さはかなりのものである。まだ、体力があればどうにか凌げるかも知れないが、ある程度の年を重ね、このような生活を続けていれば身体のどこかしらがおかしくなるのも仕方がない。まあ、新宿と云う街は多少お金さえあれば深夜でも暖が取れる場所が多いので、そうやって真冬の新宿の夜をやり過ごしている仲間もいるのであろう。
それにしてもこの冬は寒すぎるし、20年前にも経験した、これが野宿と云うものである事を再認識させる冬でもある。
もちろん、俺らは政治評論家でも文化人でもないので、仲間のこう云う姿を傍観したまま政治批判や行政批判につなげていれば事足りるなんて思ってはいない。俺らの力で具体的にどうしていくのか?どう改善させていくのかを考え、実行して来たつもりである。そして、それは「どうにかしてもらいたい」と云う一般論としてではなく、「病院に通って治療をしたい」「せめて数週間でも暖かいところで身体を癒したい」などと云う具体的なニーズに沿ったもので、その立場は今も変わりはない。
もはや、冬の風物詩として当たり前のようになってしまったこの姿を、当たり前のまま、世間との共犯関係を維持するのか、それとも決して当たり前ではないと言い続け、俺たちで出来ることを少しづつでも実践していくのか、小泉流に言うならば、今の俺たちの状態をめぐる争点とはそんなところであろう。
変わりたいと思う人に、何も具体案が提示されない社会とは不幸な社会である。俺らはいつもそう思うのである。
話がやけに脱線してしまったが、高齢の仲間や、病弱な仲間は可能な限り、この無防備な冬からの脱出を呼びかける。身体がまいっちまう前に、敵など作らずにどうにでもなるのが今の新宿の路上である。もちろん自分で動くところは動き、自分で理解すべきところは理解した上でだが、路上に縛られていたら、ここには本当の意味の自由などないと云うことを、この冬の寒さは教えてくれる。声を出して動いていこう。
梅がチラホラ
気温差が激しい気候になっています。
血圧など高目の
仲間はとりわけヒートショックなどにご注意を。
仲間たち。
大寒も過ぎ、日本列島に居座っていた寒気団も多少は弱まったようで、気温の方がころころと変わり始めた。こう云う気候は春先の気候の特徴ではあるが、暦を見ると、まだまだ冬の最中である。東京もチラリホラリの降雪はあったものの、本格的な雪はまだである。2月一杯まではそうそう油断もならない。
しかし、こう早くも寒暖差が大きくなると、体調の方もまた心配になる。巷ではノロウイルスから始まり、新型インフルエンザも流行の兆しである。体力が弱まっているといろいろな病気に罹患しやすくもなる。冬場の健康管理は体力保持と、そのための環境つくりが重要なのであるが、路上で暮らしていれば、それもままならない。高齢や、病弱な仲間はとにもかくにも路上の環境からの避難がなによりも重要である。
俺らは誰よりも仲間の健康管理をずっと呼びかけて来た。それは俺たち底辺の仲間が生き延びるため、まずはしなければならないことであり、自分で出来なければ、周りの仲間が支えていこうと実践もしてきた。そんなことを20年も繰り返していると、結論めいたものもまた浮かび上がってくる。それは、路上の冬は冬以外の敵を作るべきではないと云うことである。冬とたたかうこと、冬から避難すること、これが前提とならなければ、俺らは生き残れるどころか、皆、病院行きである。生活はどんなことをしてでも生きていけたとしても、冬とのたたかいは、かなりの限度があり、自ずから耐えるしかないのであるが、それもまた限度がある。その限度を越えた時にどうするのか?それは、この都市の社会資源に頼るしかないだろう。こんな時に政治批判をしたり、役所批判をしたとしても、そんなものはただの恨み節でしかない。今あるものを受け入れるしかないのである。
まあ、東京の真ん中は今は都知事選の騒がしさの中にある。実績ではなく、人気投票で決まる都知事程度のものが、巨大な官僚組織の中で動いている都政の流れに一石を投じることはほとんどない。何に賛成だろが、反対だろうが、すべてがオリンピックのために向けて動き、その中にしか諸課題は見えてこないものである。都民ではない人々やマスコミの扇動に惑わされることなく、そして、何ら人気者に期待することなく、この喧騒をやり過ごして行きたいものである。
知事選があろうがなかろうが、来月は新宿の仲間にとっては、とかく迷惑千万な東京マラソン(2月23日)である。まあ、これも今始まったことでなく、これまでみんなの知恵と工夫でやり過ごして来たよう、今回もどうにかなるであろう。都庁周辺に寝ている仲間はこう云うイベントを利用してと云うのも、またありである。
忘れもしない第一回の雨の日のマラソンの時、移動要請された仲間が、荷物が多すぎ、濡れた階段ですっ転んで入院し、そのまま福祉になったなんて云う逸話もあるぐらいなのだから。
春にあらず
今度の日曜日は昼は高田馬場事務所、夕方は新宿中央公園で
定例の医療相談会があります。
病気のことは何でも相談を!
仲間たち。
まだ2月に入ったばかりと云うのに、突然春めいてみたり、急に冷え込んでみたりと、おかしな気候が続いている。その元凶の高気圧が弱まるのが今週の後半とのことで、そうなると平年並か平年より低めの気候が戻ってくるようなので、うかうかもしていられない。
他方でまとまった雨がないので、空気はかなり乾燥している。インフルエンザも年が明けてから全国で100万人を突破し、これからが流行のピークであると言われている。気候の変動の方は何とか耐えていればどうにかなるものであるが、こちらの方はしっかりとした予防をしなければ、いつの間にか発熱を起こし、病院行きなどと云うことにもなりかねない。手洗い、うがいなど、基本的なことをし、喉がおかしいなと思ったらマスクを着用するなどを心がけてもらいたい。
今度の日曜日は高田馬場の事務所で東洋医療相談があり、炊き出しの前には定例の医療相談会がある。ボランティアの医師が来てもらえるので、調子の悪い仲間は相談に来てもらいたい。病気のことは素人判断、自己判断と云うのは危険で、専門知識のある人に話を聞くと云うのがベストである。大病を患ったことのない仲間はついつい病気に怖がってしまうが、まあ、どう転んでも健康が一番であり、医療にかかる仕組みがしっかりとあり、また、病院も多く存在する東京の街で暮らしているのなら、これらを活用していくのが長生きの秘訣でもあり、また、路上に暮らさざるを得ない仲間にとっては、路上から脱却できる一石二鳥の効果もある。路上に居て治る病気などは限られているので、病院であるとか、施設であるとか、屋根のあるところでの療養となるのは、どう考えても普通の考えである。
そのためにも、自分の身体のことを知り、普段から健康管理に努めたり、専門家に相談したりして、病気の知識を蓄えていくのもまた必要である。薬だけ飲んでいれば良いなんて云う考えでは、決して病気は良くはならない。生活面、環境面、衛生面も考えていくなかでしか、病気は良い方向には進まない。
まあ、何事も自分の身体が資本なのであるが、寒い中での良い情報としては失業率統計が先日発表され、12月の完全失業率は3.7%で、雇用情勢はリーマンショック以前の状態まで完全に回復して来た。これに加え、東京ではオリンピック特需なども見込まれるので、今後雇用問題は明るい材料が増えてくることだろう。つまりは、稼働年齢層の仲間が必死に仕事を探せば、どうにかなる状況にまで至っていると云うことでもある。家がなくとも、路上には自立支援センターと云う路上の仲間専用の就労支援施設がある。ここに入れば、生活面は安心しながら、技能訓練したりして、仕事を探せる環境は手に入る。これも大都会にしかない仕組みなので、また活用していくべきであろう。
世の中を僻んだ目で見据えがちだが、素直で客観的な視点ももっていなければ、時に時代に乗り遅れてしまう。疑わず自分の長所を伸ばしていこう。
耐えれば春
立春寒波とやらで気温もぐっと下がり、厳冬に逆戻り。
油断せず、冬の健康管理をしっかりと。
仲間たち。
やはりと云うべきか、東京でも積雪を記録する雪が舞い、立春寒波とやらが列島にどっしりと居座ってしまった。それなりの注意喚起はしてきたつもりなので、織り込み済みなのであるが、気温が上がらない日が続くと、やはりかなりの体力の消耗ではある。今が最後の踏ん張りと云ったところであろうか、暦上はかなり春に近いので、もうちょっと耐え抜いていこう。
インフルエンザは相も変わらず大流行中である。これだけ多くの人が行き来するこの街は、さぞかし細菌がうようよしていることであろう。インフルに限らず感染症は口と鼻から体内に入る。手洗いを推奨するのは、毎日動かす手が一番細菌を拾いやすいからでもある。その意味で、マスクと手洗いは俺らが出来る最大の防御策となる。何ごともそうではあるが、最初からあきらめていたらどうにもならない。先人の知恵を学び実践してみるのも、生きる知恵である。
まあ、それでも罹患するときは罹患する。そんな時はケツを巻くって、福祉経由で病院に行くなり、早期治療が必要である。このとき初めて運がないなと思えば良い。
これからまた、気温差が激しい気候の変わり目ともなるので、まだまだ健康管理は必要である。
都庁周辺に暮らしている仲間にとっては煩わしい東京マラソンの時期でもある。今年はボストンマラソンの教訓などもあり、警備は例年以上に厳しく、立ち入り禁止区域であるとか、荷物の移動要請区域が拡大している。昨年は大丈夫でも、今年はダメと云うのがあるが、その点は理解してもらいたい。いずれにせよ、第一回目からのお約束の通り、荷物は指定の荷物置き場などに移動するが、イベントが終わったら元の場所に戻れることに変わりがない。ちと面倒くさいと思うが、こう云う時に「恩」を売っておけば、今年一杯、なんだかんだとあった時の現場交渉は有利になるなんて、先を見据えたことも考えておいた方が良い。どうせ一生居られる場所ではないのだから、良きタイミングと良き条件で移動できれば、それはそれで良いのであるから。
まあ、移動要請のある荷物などは既に告知はされているので、告知されいない箇所では、そうそうおびえることもない。こう云う時はギャーギャー騒がず、うまくまわるく誤魔化していくのが、俺らの伝統的な戦法である。
巷で色々なデマを流している連中は、流すことで楽しんでいるのであり、当然ながら何ら責任を取ろうともしない。自分だけよければ良いとするマスコミも支援団体も等しく同じである。今の世は色々な情報があふれているが、他人の情報に振り回されて生きている人々は誠に不幸な人間である。俺らが願うのは、そう云うのに、利用され「不幸」や「不信」を重ねないようしてもらいたいだけである。
都知事選も終わり、マラソン大会も終われば、気候も良くなり、そして、この街もだいぶ落ち着いてくる。そこから次のステップにどう移れるのかが、問題なのだ。
まだまだ冬
今度の日曜日は東京マラソンです。
場所移動、荷物移動の
要請があるので、気をつけて。
仲間たち。
関東地方がまたもやの降雪で、今期の冬の災いはどうやら今月に集中しているようである。
雪もそうであるが、とにかく気温が上がらず、寒さが停滞している。春らしさも無きにしもあらずであるが、なかなかそれもはっきりとは見えて来ない。2月も半ばではあるが、もう一段の冷え込みであるとか、ドカ雪であるとかも、もしかしたらこれからもあるかも知れない。油断は禁物である。
例年であると、体調面もそろそろ春支度なのであるが、今年はそうも言ってられないようである。まだまだ身体に緊張感を植え付けながら、自分の体調とたたかって欲しい。とりわけ持病のある仲間、中でも血圧が高いであるとか、心臓系に疾患のある仲間などは要注意である。あまりにも寒さに慣れてしまうと、気温が緩んだ時も要注意である。役所の方では緊急一時宿泊(シェルター)なども用意されているので、厳しいと思ったら、一時避難も検討に入れておいた方が良いだろう。なかなか役所との接点がないと、色々な制度を使い難いのだろうが、何も生活保護までかからなくとも、一定の期間だけ背中をちょっと押してもらえる、あまり後腐れのない仕組みは何かと用意されている。昔の法外援護と云えば、カンパン配布などしかなかったが、今は宿付き、食事付きと、路上から一歩脱したところでの支援も多い。時代は結構変わっているので、あまり昔の観念に振り回されない方が良いだろう。
とりわけ冬場は冬の寒さから逃れることが第一となり、人道的な支援の必要性が高い。そして、そのことは長い路上生活者対策の歴史の中で、役所にもしっかりと自覚してもらっている。もちろん、「俺が」「俺が」の頭でっかちの間違った権利意識を持っている人は、自分の思い通りにはならないのであるが、そうでなく、自分が何をしたい、何を支援してもらいたいと、信念なり、方向性を持っている人ならば、たとえそれがぼんやりしたものでもお互いの協力の上で、どうにかなるものである。
福祉において「利用」と「活用」は違うのであり、その点だけは見間違えないように。
さて、新知事は舛添さんになり、年末年始都知事不在と云う異常事態はようやく解消された。あまりにもの圧勝劇で拍子抜けしたが、それだけの都民の信任を受けたのであるから、前知事のよう途中で躓かないようしてもらいたいものである。まあ、福祉分野の方は実績のある方なので、都庁の官僚共とはちとはたたかってくれるのではないかと、期待だけはしておこう。
そんなこんなで、もう東京マラソンの時期となった。前号でも書いたよう、今回は立ち入り禁止区域などが広がり、例年よりも厳しい警備体制のようである。こんな気候の中での移動は大変であるが、単なる一時的なイベントでしかないので、移動要請のあった仲間は粛々と行動をしていこう。路上は決してパラダイスではないのだから。
走り抜けろ冬
東京マラソンへのご協力、どうもご苦労様でした。
寒さもあと少しなので、引き続き健康管理の徹底を。
仲間たち。
関東の山間部や盆地で大変な被害を及ぼし、交通網を遮断するまでの事態になった雪害であったが、続く天気の崩れは幸いにして回避され、何とか復旧の道を歩んでいるようである。都会の方は大したことがなかったが、野菜の高騰などを目の前にすると、地方と、それを結ぶ交通網で、都会の生活は成り立っていることを改めて実感する事態でもあった。
天災ともなると誰のせいにも出来なくなる。自分で自分の生活を自己防衛していくしかない。尤も誰かのせいにしたところで、気が休まるだけで、何も解決はしない。そう云う意味でも冬場に生きていくことは試練でもあり、鍛練でもある。
いつもよりは長い冬ではあるが、気候もあと一週間程度でだいぶ変わっていく予報である。既に梅の花なども咲いており、より春が身近に感じられることであろう。東京マラソンも無事に終わり、気がつくと3月が目の前である。無事であることは、何よりで、この地で大きな事故や事件がなかったことは、何よりである。一時の宿とは云え、大事な宿である。宿を守り、生活を守ることは、生きていく上で一番大きな課題である。
さて、季節の変わり目ともなると、これから気候の方も目まぐるしく乱高下してくる。そうなると体調管理も一段と重要になってくる。インフルエンザは依然猛威をふるっているし、花粉症などもこれから流行り始めるだろう。今、体調が大丈夫な仲間も、予防には予防を徹底した方が良い。とりわけ路上ともなると、目には見えない色々な危険が隣り合わせである。最低限、手洗い、うがいなどは、可能な範囲でしてく必要があるし、体調が優れない場合は、早めに病院に行くことを薦める。加齢と共に体調は変化をしていく。血圧が高い、腰痛、神経痛、内蔵の弱まりなど、長く生きていればそれだけ身体への負担が増し、どこでどんな症状が出ても不思議ではないのが現実である。
メンテナンス箇所をどれだけ早く見つけていけるかが、50代からの課題ともなる。医者にいくほどでもない場合も、しっかりと自分の体調を自覚しながら生活をしてもらいたい。まあ、もう若い頃のような無理は禁物と云うことである。
今、路上の仲間の共通の課題は「長期化、高齢化」である。このことは厚労省の調査でも明らかで、今後、重点的な対策が求められている。東京でもオリンピック準備などもあり、福祉の側面からではなくとも、今までのように「放っておいてくれ」が通用しなくもなる。今年は、そんな時代への移り変わりの年になるだろう。
つまりは、今のままの状態が続くと夢想するのは、逆に悲劇を生みかねない危険なこととなる。俺らの側も積極的に生き方を変えていく必要があり、動いたり、逃げたり、隠れたりとさまざまな戦術を駆使していかねば、社会から標的にされかねない時代と云うことである。そんな春が待ち受けている。
変わりゆく春
今度の日曜日は高田馬場事務所で東洋健康相談会、
中央公園の炊き出し前に医療相談会があります。
仲間たち。
厳冬続きの気候から、突然春日がやって来て、そしてまたまた寒くなる。そしたらいつの間にやら3月である。今週は平年並とのことなので、寒いと思うか 、暖かくなったと思うのか、人それぞれ判断が分かれる1週間であろう。
このように、季節の変わり目は気温差も激しく、生活の維持や健康の維持も少々難しくなる。まあ、尤も暖かくなる過程なので、厳冬期に比べればだいぶ楽にはなるのであろうが。
今度の日曜日には高田馬場事務所で鍼灸など東洋健康相談会と、中央公園での炊き出しの前の医療相談会があるので、健康に不安を感じている仲間は是非、相談に来てもらいたい。血圧測定から、薬の提供、また、ボランティアの医師による問診や、紹介状の発行などを無料でしてもらえる。健康であることが一番であるし、また病気でもそれを自覚し、治療を続けていくことが、生きる上では何よりも大事なことである。若い頃は何ともなくとも年を取ればどこかしら不調になる。これは仕方のないことなのだから、いつまでも若いと思わずに、年齢相応、病気相応の生活を心がけていくのが、長生きの秘訣であろう。路上に居ても、どこに居てもこれだけは変わらない。
健康を維持していけば自分の力で働きにいける。年度末と云うこともあってか、東京では人手不足の業種が多い。ハローワークの統計上も好調を維持しており、再就職には絶好の時期であるとも云える。住み込み仕事もあるし、また、再就職するための条件があまりない仲間は、自立支援センターなり、法外施設なり、とりあえずの居所を確保し、就職活動に専念できる対策も多くある。生活保護を取っていても、病状が落ち着いたら就職相談員が、今やどの福祉事務所でも配置されているので、さまざまな相談に乗ってくれている。訓練的なものや、技能講習なども今はしっかりと整備されているので、そうそう悲観することはない。目の前に転がっているチャンスを生かすも殺すも自分であるが。
このように環境がだいぶ変わったこともあり、連絡会は4月から活動を大幅に再編していく予定でもある。尤も路上の仲間はまだまだ居るので、より路上の仲間に寄り添った活動に集中していく。具体的には、20年来行っていた拠点炊き出しを3月末で停止し、4月からは、こちらから路上に出向いて、必要な仲間に食事や情報提供をしていく巡回型の活動となる。衣類配布も今後は公園で大量配布はせず、シャワーサービス時などで必要な仲間に必要な量だけ提供する形となる。医療相談拠点は高田馬場事務所に移し、そこを拠点に各地に巡回相談する形にしていく。
まあ、生活保護の人はお金をもらっているのだから、「物」は自分で何とかしてねと云う転換でもあるが、もちろん、保護受給の仲間の個別相談は事務所で随時行うので、ご安心を。
春にしか逢えない
春はまだまだ先なので、引き続き、体調の変化には敏感に。
おかしいなと思ったら、迷わず病院へ。
仲間たち。
このまま春にと思いきや、またぞろ寒い日が続いてしまっている。そのせいもあり、寒暖の差が一段と厳しくもなっている。三寒四温でこのまま春へといってくれれば良いのであるが、今年の気候もまた、かなりの不順のようであてにはならないようである。
こんな気候のため、倒れてしまう仲間も増えている。
まずは訃報。連絡会古参のメンバーでもあるEさんが、先日突然、病に倒れ帰らぬ人となった。享年64歳。何よりも働くことが好きで、自分のため、そして、仲間のために働き続けた人生であった。最近も、仕事で忙しい中、夏まつりや越年には必ず顔を出し、最後まで得意の調理の腕をふるい続けてくれていた。道半ばでの突然の終幕。俺らは絶句するしかない。
そんな折り、古くからの新宿の仲間であったGちゃんも、施設から救急で運ばれ、病院で亡くなった。
無念追悼…。
ひときわ元気であったひと昔前の炊き出しの常連さんと、ひたすら働きもののひと昔前の炊き出しのコック長が、この時期、同じように逝くのは、あまりにも堪え難いものがあるが、それも、時代の始まりと終わりを見てきた俺らの因果なのかも知れない。やり残したことは、残った仲間にまかせ、二人とも静かに旅立って欲しい。
湿った話が続いた1週間であったが、これだけ寒暖の差があると、血圧が高いであるとか、心臓疾患をもっているとかすると、それこそちょっとしたことが命取りになってしまう。今月の下旬にもならなければ春らしくはならないだろうから、冬を最後まで直視していきたい。
インフルエンザもなかなか下火にはならず、風邪の症状が抜けきれない仲間も多い。一つ体調が悪くなれば、合併症のようあちこちが悪くなるのが人間の身体でもある。とにもかくにも、おかしいなと思ったら病院へ行くよう、保険証やお金がなければ、福祉で手続きをして指定の病院に行けるのだし、緊急の場合は救急車を呼ぶなりをして対応は可能であるから、とにもかくにも自分の身体を大事にしてもらいたい。
さて、4月から中央公園の炊き出しがなくなり、新しい形に再編されることは前号でもお知らせしたが、それに伴い、衣類配布の方も4月からはシャワーサービス時の提供に変更される。今の衣類配布も在庫は今度の日曜日分が多少あるだけで、以降、後半はほとんど提供できないので、ご了承願いたい。公園のトイレを詰まらせたり、ゴミ箱でないところで着替えて捨てたりと、マナーの悪さが大きな問題となっていたが、これはどこでも同じ問題である。場所を変えたとしても、今後同じようなことがあれば配布は出来なくなるので、自分で自分たちの首を絞めないようお願いしたいものである。
まあ、とにかく最後の冬を乗り切らねば。
ようやくの春
春に躍らされずに引き続き健康管理を。
寒暖の差が激しい時には一段の注意と自覚を。
仲間たち。
冬将軍も次第に弱まり、春がだんだんと近づいて来た。ようやく一安心と云ったところか。
今期の冬は後半がとにかく厳しい冬であったが、どうにかこうにか、ボロボロになりながらも、ようやくゴールが見えてきたと云う感である。季節に翻弄され易い路上ではこう云う年もあるのであるが、それでもよく頑張ったものである。こんなことは誰も褒めてはくれないものだから、せめて、自分で自分を褒めてあげよう。
寒暖差で身体、とりわけ心臓などを患い、異変を起こしてしまうのは「ヒートショック現象」などと呼ばれ、近年、一般の人の間でもその危険が指摘され続けて来たが、屋外の生活をせざるを得ない高齢の仲間や、屋外の仕事が主な現場労働者にとっても身近な問題となっている。どんな気候でも適応するのが人間であるが、それも安定し、リズムがあればの話しで、冬と春が同居するような不順な気候であると、どうしても適応できなくなることもある。心臓系の病気はなかなか見つけにくいものであるが、それでも血圧が高目であるとか、手足がしびれるであるとか、どこかしらにサインがあったりもする。気をつけろと言うしかないのは、とても空しいものであるが、健康管理は極めて自分の問題である。自覚しながら生活をしていくしかないのであろう。
自分の血圧を定期的に自覚するのもまた必要で、連絡会の医療相談会ももちろんであるが、今は健康ブームのおかげで図書館や体育館など公共施設でも血圧計は置いてあったりもする。定期的に血圧を測る機会はいくらでもあるので、そう云うものを利用しても構わない。そして、ちょっと高目なら、医者に診てもらうのも必要である。
ホームレスだから医者に行けないと云う時代は今や昔話である。最低限、必要な医療はこの国では誰にでも保障されている。だから、お金がなくても、保険証がなくても、安心して、福祉事務所に行ってみよう。新宿で野宿をしていて単純に医者にかかりたい場合(医者代をもっていない場合)は、直接新宿福祉事務所で手続きすれば、すんなりと行ける。救急搬送の場合も、後で手続きをすれば大丈夫である。自分の命を守る方法として、それだけはしっかりと覚えておこう。俺たちは毎週月曜日の午前中は福祉事務所に詰めている(4月以降も)ので、何か分からないことがあったら声をかけてもらいたい。
中央公園での炊き出しは今月一杯で終わってしまうが、それ以降も仲間の命を守り、支える活動は相も変わらず地道に続けていくので、安心してもらいたい。また、今後は都区の路上生活者対策と協力しながら、路上の仲間が一日でも早く「屋根と仕事」につながるよう各方面で力を入れて行きたい。景気は良くはなっているが、他方でホームレス自立支援法の期限が迫り、かつ東京オリンピックに伴う環境整備などの問題も横たわっている。そんな中、ただ騒ぐだけではない、仲間にとって実のある活動を引き続き続けていくので、それだけは変わりはない。
春ならば
季節の変わり目は身体が変調を起こしたりもします。
持病のある仲間、高齢の仲間はとりわけ気をつけていこう。
仲間たち。
桜の蕾も色めいて来て、東京もいよいよ春模様に近づいて来ている。たまには花冷えの日もあるかも知れないが、気候の方もおおむね平均並に戻って来そうである。冬場の疲れを癒しながら、のんびりと春を楽しみたいものでもある。
とは云え、気候の変わり目と云うのは非常にやっかいで、今まで耐えに耐え抜いていた身体が新しい季節に適応しなくなると、あちこち変調をきたすと云うのは良くある話で、とりわけ持病を持っている仲間などは引き続き十分に気をつけていきたいものである。
また、花粉の量も今年は比較的多いとのことで、花粉症になってしまった仲間はちと辛い季節かも知れない。新薬などが開発されているようであるが、決定打には至っておらず、治療もままならない近代病なので、こちらは、これから耐え忍ぶしかないようであるが。
景気が回復し、大手の賃上げがされているようなので、今年の花見はどこも盛大に行われると思うが、缶回収の仲間にとっては稼ぎ時である一方、酔客による乱暴狼藉が横行する時期でもある。新宿と云う街は、とかくそんな街でもあるので、そこそこ気をつけておいた方が良いだろう。
それもこれも、路上の仲間がだいぶ減ったことが大きいのであるが、とかく残った仲間を蔑視する風潮が強くもなっている。「景気が良くなったのに何故仕事をしないのか?」「対策が進んでいるのに何故未だ野宿をしているのか?」そんな疑問があちこちで渦巻き、支援者と云われる人でさえ、そんな高目の視線で路上を見ていたりもする。その意味ではこれからの路上生活は厳しい時期になるであろが、人にはそれぞれ色々な事情と云うものがあるのであると、しっかりと言えるよう、そして、こんな底辺に生きていたとしても、俺らは同じ人間であり、それが社会と云うものだよと、これまたしっかりと言えるよう、多少色々なことがあっても尊厳だけは忘れずに生きてもらいたい。
社会的弱者でなければ、対策は得られないのが今のこの国であるが、自分を弱者と思った瞬間に、人生は決まるかも知れないが、人生が終わってしまったりもする。とにかく人間のありとあらゆるものが凝縮する路上では問題が一筋縄ではいかないのである。まあ、その人間臭さが魅力であったりもするので、公園の炊き出しが終わったとしても、俺らはまだまだ路上とつきあうことだけは終わりにはしない。
そんなことなので、新宿の地にまだまだ残ると云う仲間は、小さいつながりになってしまうかも知れないが、それを大事にして生きていこう。まあ、もちろん、病気になってしまったらこれは一大事なのであるから福祉から病院を薦めることには変わりはないし、対策に文句を言ったり、自分らで作ったりと、これだけは変わらない。
現状に見合った新しい連絡会をとにかく模索し、もう一度この都市の中で新しい夢を見てみよう。
新たな春
3月末で20年続けた炊き出しはひとまず終了。
4月から新たな活動展開へと連絡会は転換します。
仲間たち。
気温もグンと上がり、東京地方も桜の開花の頃となった。ここしばらくは満遍の春の景色が砂漠の東京にも咲き乱れることであろう。尤も、天気予報では今週一杯くらいはまだまだ気温差が激しいようで、花冷えのような日もあるようなので、そんなには浮かれてはいられないかも知れない。それと、花粉症の人はお気の毒としか言いようがない。
いずれにせよ、長い長い冬を乗り越え、ようやくスタート地点に立ったような気分にさせてくれる春である。これからもお互い健康管理には十分に気をつけながら、この街で元気に生き抜いていこう。
不景気が当たり前の頃とは、この一年大きく変わり、2月の完全失業率は3.6%と、6年7ヶ月ぶりの改善が報告されている。有効求人倍率も全国レベルで4ヶ月続けて1倍越えである。もちろん、あくまでも統計数字であるが、今回の景気回復はかつてのITバブルなどとチト違い、建築、警備、清掃など現場末端の仕事から回復して来ており、俺らも実感できるようなものとなっている。景気の気が、どこまで続くのかと云う不安はもちろんあるが、それにしても、中高年の仲間でも、また長期に亘る失業状態の人でも、再就職の機会が増えるのは好機として捉えるべきであろう。非正規がどうの、ブラックがどうのと云う連中もいるが、俺ら底辺の生活の流儀と云うのは「稼げる時には稼ぐ」である。まさに今は稼げるのだから、自分の力で野宿から脱して、自分の城を作るチャンスであったりもする。
自立支援センターなり、自立支援ホームなり、シェルターなり、仕事を探そうと云う路上の仲間には十分な手当てが今は制度としてしっかりと横たわっている。目敏い仲間はこのような制度を上手に活用し、とっとと路上から脱却し、働きに出ている。
こんなことを書くと、色々な批判はあるであろうが、それでもこれが路上の現実の一面であることは事実である。もちろん、高齢の仲間や、病気の仲間は別の方策があると常々言っている通りである。まあ、自分のせいにしたり、社会のせいにしたりして、かつてのように甘えられる時代ではないと云うことを伝えたいだけである。
こう云う時代の変化の中で、俺らもまた変わらなければならない。物を与えて満足する救済活動は宗教団体にまかせ、批判するだけの活動は政治系団体やマスコミにまかせ、俺らは原点に立ち戻って仲間と共にもっと何かが出来ないのかと考えている。そのために活動を一端は白紙に戻し、またパトロールからはじめていきたいと考えている。長年続けては来たものの、発展を見い出せなかった炊き出しの停止は、俺らの自主的かつ身勝手な決断であり、それ以上でもそれ以下でもない。
これからどの道を歩んでいくのか、正直良くは分からないが、どうにかこうにか仲間と共に、この路上から社会を見上げ続けていきたい。
直良くは分からないが、どうにかこうにか仲間と共に、この路上から社会を見上げ続けていたい。
新しい風を
今度の日曜日は高田馬場事務所で鍼灸相談会。
医療相談は今月はお休みとなります。
仲間たち。
あっと云う間であったが、東京の桜もピークを過ぎ、新緑の季節に移りつつある。今週は曇りがちの天気が多いようだが、それにしても、気候は安定してくるであろうから、ひとまずほっとは出来る4月である。
さてさて、連絡会の体制もこの4月から変更となる。色々と仲間にはご迷惑をかけることとなるが、新宿の路上にいる限りおつきあいを願いたい。
新宿周辺の路上の仲間は先の越年の調査では約300名程度となっていて、ピーク時からすれば半減以下となった。しかも、公園でのテント等が主流であった頃とは変わり、固定層の仲間よりも、新宿駅周辺などの流動層の比率が増え、振り返って見ると色々な変遷が見受けられる。安心して野宿できる場所は確実に減ったと云うことでもあり、「長期」「高齢化」と共に「分散」と云うのがキーワードになるのであろう。
公園など大きなところで炊き出しなどをやれば、野宿者以外の人も集まってくる。全国的に見ると、生活保護の人のための炊き出しになってしまっているところも多い。そうなると路上の実態が見えにくくなり、路上の仲間が逆に存在として排除されると云う傾向も出て来てしまう。なので、パトロール(巡回相談)が重要なのであるが、東京の場合は、「集住」ではなく、「分散」なので、それ相応の労力と根気が必要となる。まあ、そう云う難しいことにチャレンジしていこうと云うのが、これからの連絡会のテーマでもある。どうなることやらであるが、こちらから行き着けない場合は事務所は高田馬場にあるので、来てもらって全然構わない。
路上の実情から路上の仲間のこれからを一緒に考えて行くのが、連絡会の在り方である。それには形式もなにもない。一緒に考え、一緒に行動していこう。
さて、今度の日曜日は医療相談会の日であるが、鍼灸だけは高田馬場の事務所でいつもの通り実施するが、医療相談会の方は一回だけお休みになります。5月からは再開するが、まずは事務所で開催し、それから路上に行く予定なので、調子の悪い仲間は事務所に来るような習慣を付けていこう。もちろん、そう云う仲間には食事、衣類等の提供はしていけるので、場所は変われど、思いは一緒である。
もちろん、路上から脱却したい、と云う仲間には俺らも色々な仕組みを用意している。事務所の2階には「馬場ハウス」と云う緊泊施設があり、仲間のシェルターとして利用している。また、福祉を受け、アパートへ行くためのステップアップのための宿所も区内で3箇所運営している。また、自立支援センターの中では技能講習などの事業もしているし、生保の仲間の居場所作りも区内で行っている。こちらは新宿区と連携したNPO部門や関連団体の実施であるが、実は連絡会活動とも直結しているので、安心して利用できると思う。連絡会では毎週月曜日の福祉行動も継続して行っているので、まずはそこで相談をしてもらっても良い。まあ、新しい動きと新しい風を!
春より先を
これからの季節、衛生面が大事。シャワーサービスも利用可能です。
おにぎりパトロール隊は何とか順調に展開中。
仲間たち。
桜前線も日本列島を素早く駆け上がり、東京は葉桜と新緑の季節に移り変わった。まだ花冷えの日も多少はあるものの、しっかりとした春の陽気となり、これからは汗ばむ日も多くなるだろう。
昆虫類なども冬眠から覚め、これから元気に動き始める頃であるが、そうなると路上では衛生面の問題なども一気に発生する。不衛生にしていると、どうしても皮膚関連の病気になりやすいし、痒いところを掻き続けているとついつい炎症を起こしたりもする。今はまだでも、乾燥した季節から、じめじめとした気候にこれから移っていくので、注意に越したことはない。
連絡会では衛生面での取り組みは昔から継続して行なっている。風呂代も高いので、入浴はなかなか行く機会がない、公園の水道で身体を拭くのがせいぜいであると、そこから色々なトラブルも発生してしまう。そこで、事務所の風呂場を開放して、路上の仲間に使ってもらおうと始めたのが、シャワーサービスである。もちろん、役所の方でも「とまりぎ」で同様のサービスを行なってもらっている。その昔は役所のシャワーは病院に行くであるとか、特別な場合にしか使えなかったのであるが、日常的な衛生管理のためにも、そう云う機会があちこちにあるのが重要となってくる。そこで、連絡会も独自にシャワーサービスを毎週、火曜日、木曜日に高田馬場事務所で行なっている。下着、靴下、シャツなど、どうしても身に着けている衣類なども汚れてしまうこともあり、こちらは全国から寄付を募り、必要な仲間にはシャワーサービス時に提供している(もちろん、タオル、石鹸類も提供している)。また風邪気味の仲間などへの市販薬の提供などもこの場で行なっている。連絡会のシャワーサービスは先着順で、時間内(10時から15時)なら、誰でも無料で利用出来る。そして、名前も書く必要もない。身体をさっぱりさせ、新しい下着に着替えるのが、明日への希望の第一歩でもある。これからの季節、おおいに利用をしてもらいたい。まあ、こんなことをやっているのは東京では新宿ぐらいなものであるが、仲間の日常生活で必要なものは惜しみなくやってしまうのが、この区の特性かも知れない。自分でなかなか出来ないものは、頼るのではなく、活用する。そうやって仲間への支援のつながりを、どんどん作って行きたい。
結核検診なども保健所で。今年は夏前に実施する予定なので、そう云う情報もあればこのチラシで真っ先にお知らせしたい。
さて、炊き出しに代わる「おにぎりパトロール」(おにパト)も、毎週日曜日に実施可能な体制になりつつある。今月は試行中のところがあるが、どうやら、日曜日の夕方(4時過ぎ)に都庁下、中央公園、戸山公園など区内の要所要所に同時多発でおにぎり隊が回って行くようなイメージになりそうである。今月はまだバタバタするかも知れないが、仲間の生活のための補助食程度にはなるとは思うので、こちらのボランティア活動も皆で支えてもらいたい。
連絡会はまだまだ路上に居るので、新しい連絡会をこれからも宜しく。
暑くなる前に
気候も良くなったので、ゆっくりと身体をやすめながら、
次のステップを考えていこう。
仲間たち。
春を通りすぎ初夏を思わせるような気候も見え始め、新緑のまばゆい頃となった。まとまった雨が少ないので空気が乾燥しがちであるが、おおむね良い気候で安定しそうである。
気候が良くなると、平日、休日問わず東京の人ごみも一段と多くなる。都会で生きている以上、人の目も多少は気にしなければならない。あまりにも横柄にしていると瞬く間に排除されてしまうのも路上の常である。まあ、普通につつましく暮らしていれば問題はないのであるが、その基準と云うのは時たま急激に変わったりもするから、ややこしくもある。なので、時代の流れと云うものには敏感にならざるを得ない。まわりが変化した時には、自分もまた変化しないことには生きてはいけないのも、これまた底辺の常である。
健康問題もそうであるが、路上の仲間は「高齢化」と云う、身近な問題にそろそろ真剣に向き合う必要があるのかも知れない。見た目は若いが、実年齢を聞くと「エッ!」と思うような仲間も実に多い。よくもまあ、それだけ頑張ったなと思うような仲間もまた多い。生活圏を変えると云うのはなかなか大変なことなのであるが、それでも次のステップに移るのであれば、身体が動くうちがタイミング的には一番良いと思うのである。まあ、ここまで来てしまったのだからあとは「ええい!」と覚悟を決めるのも、同じく身体が動かせるうちである。
最初から何かと面倒な、制度の内側に入りたくないと云う仲間には、シェルターのような緊急宿泊施設(緊泊)と云うものも新宿区には用意してもらっている。運営は民間がやっているのでそんなに堅苦しいところではない。連絡会にも「馬場ハウス」と云う施設が事務所の2階にあり、そこを緊泊としても活用している。入るのはそんなに難しくはなく、新宿福祉なり、「とまりぎ」なりに「野宿してるのだけれども、ちょっと身体を休めたい」旨を言えば入所可能である。1週間単位の宿泊になるが、個々の状況に合わせて入所期間は調整してもらえる。働ける仲間などは、飯場や住み込み仕事に行くためにも利用してもらっているし、高齢や病弱な仲間などは治療が終わるまでとか、福祉や年金の手続きが終わるまでとかで利用してもらっている。
相談、相談と言うても、心身が落ち着かなければまともな相談も出来はしないし、その状況に応じてニーズ(必要性)はころころと変わって行く。まずは、路上ではない生活に慣れ、そこから次のステップに向かうのも良いのかも知れない。
俗に言う「応急援護」と云う制度は、このように人の幅に合わせた、割りとゆるめの作りになっている。これも、俺たちが要望し続けて来た路上生活者対策のひとつの成果でもある。一つの流れだけに人を押し付けようとするのは無理がある。無駄だと思われるような時間も人の一生にとっては貴重な糧なのである。けれど、そのままではなく、少しでも変わることを希求したいものである。
静かにこの季節を
天気は良くなったが、冬場の疲れがそろそろ出て来る頃なので、
高齢の仲間はあまり無理をせず、何かあったら病院へ。
仲間たち。
まだ少し冷え込む日もあるものの、全体的に新緑のまばゆい良い季節になってきた。オバマ大統領も日本を去り、五月蝿かった警備も解かれ、東京の街もまた、普通の日常に戻りつつある。
まあ、あまりにも天気が良いと身体を動かし、無理もしたくもなるが、若い人ならともかく、ある程度年を取った仲間は、あまりはしゃぎ過ぎずに、ゆっくりと身体をほぐした方が良いだろう。ちょうど、冬の疲れなどが出てくる頃でもあり、何かと健康管理には気をつけてもらいたい。
路上の仲間は減った、減ったと言われて、事実その通りなのであるが、厚生労働省が毎年発表している「ホームレスの実態に関する全国調査(概数調査)」によれば、それでも全国に七千五百名ばかりが確認され、また、東京都23区が千五百人程と、政令指定都市部においては、東京は全国のホームレス数の約4分の3を占めているそうである。まあ、これらは本質的に大都市の問題でもあり、地方都市の問題は解消傾向にあるものの、東京、大阪は減少したと云えども、全国的に見れば二極集中のまま残ってしまっているとも分析できよう。
まあ、こう云う数字を見ても、俺らにはピンとは来ないのであるが、東京のお役人の方々にはもうちょっと頑張っても良いのじゃないの?と、ついつい言いたくのは仕方あるまい。
路上に居る高齢の仲間には、福祉のイメージがとにかく悪い。一時、とある団体などが埼玉や神奈川、千葉など、の宿泊施設に、仲間を大量に入れたは良いが、あまりにも環境が悪く、かつ非人間的な扱いため、大量に脱走しと、そんなことを改善もせずに繰り返していたから、悪い噂は広まり、「福祉」も、「手配師」レベルにまで地に落ちてしまったようである。世間も、行政も、ボランティアも路上の仲間をどこかへ入れてしまえば(施設でもアパートでも収容してしまえば)良しとする傾向にあり、「その後」のことに、あまり目を向けていないのが実態でもある。だからこそ、福祉を入ったり、出たりの人々が生まれ、自立と云うのがどんどんと遠ざかると云う負のスパイラルになっている。
連絡会はそれは違うと思い、住環境の問題や、相談機能の問題、ステップアップの問題、また福祉を取った後の定着支援や、仲間作りなどに真剣に向き合って来た。福祉の質や幅を民間の力で良くしていこう、広げて行こうと云う試みである。あまり知られていないのであるが、これはこれで、新宿地域の中ではそれ相応の実績は出来ている。しかも、歴史が古く、仲間の事や地域事情のこと、福祉の事、路上生活者対策の事は知り尽くしてしまっていると言って過言ではない。なので、新参者の団体よりは多少は信用してもらって構わない。
まあ、今は仲間のところへおにぎり配って回っているが、これからは、何かあったら、相談でも見学にでも来てもらいたい。こう云う団体も何かの役には立つのかも知れないから。
街は新緑へ
今度の日曜日は高田馬場事務所で鍼灸の相談会があります。
また、対策のことで相談のある仲間は色々と声をかけてください。
仲間たち。
早くも初夏なみの気候となってしまったが、これはお天道さまのいたずらのようで、今週末には平年並程度の気候に戻るようでもある。まあ、あれよ、あれよと気候は変わり、そして、季節は進む。それについていくだけで精一杯であるが、冬場とは違い、比較的楽に身体に馴染むことであろう。
世はゴールデンウイークとなっているが、観光地以外は、普段の人ごみが少なくなり比較的落ち着けることであろう。この時期だから困ることは特になく、俺らにとってはいつもの日常の延長である。役所や病院外来が休みとなるので、その点は困ってしまう人もいるかも知れないが、今年は大型連休ではないので、その点も比較的少ないダメージで済むことであろう。
かつてはこの時期は仕事の切れ目で、失業した仲間が多く新宿に来ていたが、今や景気は回復、有効求人倍率も6年9ヶ月ぶりの高水準と、先日も統計速報が発表され、今度は各産業で人手不足が騒がれはじめている。まあ、健康ならば、安いデズラながらも、自立して当面は生活できる環境は整って来たと云うべきであろう。公園清掃や、ビル清掃など、軽易な仕事も、今までは一般失業者に荒らされてしまっていたが、これからは高齢者が主体となった仕事に戻ってくると思われる。その他、現場仕事はいろいろと出始めているので、その点は今のところ心配はないようである。
問題は、自分の居場所をどこに定めるかであるが、この点はいろいろと支援の力なども借りないといけないのかも知れない。路上は東京オリンピックなども控え、再開発ラッシュが今後続き、だいぶ厳しくなって来ることが予想される。都庁下あたりでは、鳴りを潜めていた第三建設事務所が、いよいよ動きはじめている。その他の場所も大なり小なり同様である。そうなると、仕事は出来ても、居場所がないよ、居場所がなければ、そう仕事も続かないよ、と云う仲間も増えていくことだろう。
しかし、そう心配をすることもない。路上生活者対策にとって、居住支援、転宅支援と云うのは、今やスタンダードな施策で、たとえば、自立支援センターで仕事が見つかったら、早速住宅相談員による転宅支援が始まり、敷金、礼金など必要経費の半額は役所が出してくれると云うサービスもある。安定した居所を失った人々に対し、次の居所を探すために色々な支援がある。また、移転先の住環境も昔に比べれば格段の違いがある。
そんなことも相談したいと云う仲間は、毎週月曜日(今週のように連休になった場合は、休み明けの日)の午前中に新宿福祉事務所には連絡会のメンバーが詰めているので、一言かけてもらいたい。その場で、すぐに役所の人や、専用相談所の「とまりぎ」との相談が出来るようセッテングしている。
まあ、一人で悩むよりも、誰かに声をかけた方が良い場合が、この世にはかなりあるのだから。
ゆっくりと
汗ばむ日も多くなって来ました。
これからの季節は衛生面
の管理をしっかりと。シャワーサービスもやっています。
仲間たち。
夏日になったり、涼しい風が吹いてみたりと、なかなか安定しない天候が続くが、好天の日は気持ちも爽快。過去の色々なことは一時忘れて、うたた寝気分を味わうのも一興かも知れない。生活に余裕のないときこそ、無理をしてでも余裕を自分に作る。そうやって日々を越していかないと、ストレスも溜まり、心身とも良くない方向に向かってしまうものである。
さて、汗ばむ日も多くなると、衛生面での色々な注意も必要となる。そうでなくとも、これから梅雨などがあると、じめじめした環境に宜しくない気候ともなるので、今のうちに衛生面の自己管理を意識しておかないと、あとで自分を悔やむことにもなりかねない。
寝ている道具の日干しやら、段ボールの入れ替えやらも、この時期にしていかないと虫やら黴菌やらが住み着いてしまう。寝床の中やら、かばんの中などの私物も色々と整理をしておいた方が良いだろう。生ものなどを入れ忘れたりしたら、後で悲惨な目にあってしまう。
自分の身体の方ももちろんである。新宿区の「とまり木」と、高田馬場にある事務所では「シャワーサービス」をやっているので、定期的に利用し、身体をきれいにし、また、下着やら、汚れた衣類は取り換えられるので、常に清潔にしておくのが、これからの生活の知恵である。実費でいくとなると、風呂代にせよ、下着代にせよ、かなりの出費である。ちょっとした稼ぎのある仲間もこう云うところで節約し、その分を栄養ある食料を購入した方が、健康のためには何よりである。
とりわけ、皮膚が弱いなどの仲間は、これから虫刺されたあとに、湿疹が全身に回ってしまうなんてことも、この時期には多くある。あまりひどい場合は、皮膚科に受診し、薬を調法してもらう方が皮膚炎などの予防にもなる。
ちょっとこれから雨が増える季節、野宿は厳しいよと、言う仲間には、緊急宿泊所(緊泊)「馬場ハウス」が、何故かしら今はけっこう空いているので、福祉の窓口や「とまり木」に相談をして、短期で宿泊してみたらどうだろうか。ただ泊まるだけでなく、先のことも色々と相談には乗ってくれる。こういう制度も上手に利用していくのも生きる知恵となる。
景気回復とオリンピック特需なども始まり、仕事はかなり出ているようであるが、比較的若い仲間は特にであるが、これから仕事を継続していくにも、何でも良いではなく、手に職をつけ、安定してできる仕事を探した方が良いだろう。自立支援センターなどでやっている技能講習制度を利用し、短期で取得できる資格を手にしてから仕事に就いた方が、無技能者よりも給与面では優遇されるし、継続就労の可能性はぐんと広がる。フォークリフトを運転できても、その資格がなければ職場では運転をさせてはくれない。建築系もまた、今は機械化が進んでいるので、同様である。こう云うチャンスがあったら、真っ先に飛びついていこう。
まあ雨の季節まではのんびりもしていたいが。
身体だけは
気候の変化に身体をじょじょに慣らしていこう。
調子がおかしいなと思ったら、福祉から病院へ。
仲間たち。
暑いのだか、寒いのだかの気温差10度なんて云う日替わりの天気が続くと、身体もちょっとだるくなったり、気候に適応しなくなったりと、結構迷惑な話である。
季節の変わり目と言ってしまえばその通りなのであるが、気温だけは今週は比較的安定するようで、初夏にまでいかない、季節柄ちょうど良い五月晴れの日が続くことだろう。まあ、沖縄では梅雨入りとのことで、もうそろそろしたら雨の季節が関東にもやって来るので、それまでは、この変な天気におつきあいしているしかない。
季節の変わり目と云うのは、どうしても身体の方に影響を及ぼしていく。若い人ならともかく、加齢と共に、臓器やら骨格やら全身いたるところで弱まるのものだから、何かと病気が発生しやすくなるのは、これも仕方がない。
とりわけ路上に暮らしていると、動けなくなったら、これは致命傷である。ずっと静養できる居所がある訳ではないので、何から何までが困ってしまう。仲間の力なんてものも、そんなに大きな余裕がある訳ではないので、看病も看護も限界がある。そうなると専門の病院などにかからねば、命取りである。
何だかんだ批判はあるものの、この国の医療制度は世界からみても超一流である。何せお金がなくったって医療は受けられるし、何かと排除される路上の仲間も、医療の世界だけはしっかりと対応してもらい、これまでも数多くの命が救われて来た。何だ、そんなこと当たり前じゃないか、と思ってしまうが、どこの国に行ってもここまでやってくれるところは、そう多くはない。
何の偶然かは知らないが、せっかくそう云う「医療大国」に暮らしているのであるから、それを、健康に生きるために活用していかない手はない。何、何、それはあまりにも都合が良く、お上に迷惑ばかりかけられないって?いや、いや、社会に迷惑をかけた分は、これから自分が健康になってから、税金払って返せば良いだけである。そういう割り切り方をしていかないと、我慢に我慢を重ね、どうしようもなくなってから救急車なんて呼ぶと、取り返しのつかない事にもなってしまう。
お金がなくても、保険証がなくても、もよりの福祉事務所に行って簡単な手続きさえすれば、よほどの不正がない限りにおいて、間違いなく通院と検査、そして治療は受けられる。福祉はいやな思いばかりで、「ちょっと」と言う仲間は、ためしに新宿福祉に足を運んで見てもらいたい。そこには色々な相談を抱えた仲間が大勢いる。悩んでいるのは、決して一人ではないのである。
とにかく、何もかも初めてで、手続きとかに苦手な仲間は、毎週月曜日の午前中なら、俺らが新宿福祉事務所に詰めているので、気軽に声をかけてもらいたい。福祉の決定権はもちろん俺らにはないが、それでも、色々なアドバイスぐらいは出来る。何せ、俺らは20年来、民間の立場で路上と福祉を見続けてきた、おかしな実績のある団体であるので、経験値の蓄積だけは幾らでもある。まあ、気軽にどうぞ。
備えは万全に
新宿区内ではシャワーサービスを各地でやっています。
衛生管理のために利用していこう。
仲間たち。
ようやく気候も初夏へとシフトしているようである。相変わらず寒暖さのある気温が続いているが、それもそろそろおとなしくなる頃であろう。まあ、晴れている日はなかなか素敵な一日が迎えそうなので、比較的ゆっくりも出来る。行ったり来たりの人生は、行ったり来たりの今の天気に似ているのかも知れない。
梅雨の前ではあるが、これからは湿り気が増え、じめっとした気候に移り変わって行く。そうなると、色々とやっかいにもなるので、今の内に対策をとっておいた方が良いかも知れない。
寝ている段ボールなどは、とにかく長く使っていると虫のたまり場にもなる。段ボールに限らず、自分の荷物も、天気の良い日には日干しにするなり、早めに取り換えておくなりを心がけよう。これはこれで大変なのであるが、「生活」と云うものは、そう云う細かなことの繰り返しである。ダニ、シラミなども、表でうろちょろしている分はまだしも、皮膚の中に大量に住み込んでしまうと、疥癬と云う重大な皮膚疾患になったりもするし、そうなれば病院にいかないと治らない。皮膚が痒いなんてのも、色々な原因が考えられるが、不衛生な環境に暮らさざるを得ないと、このような皮膚関連の病気のリスクも高まる。
予防は、出来るだけ清潔な環境にするしかないので、定期的にシャワー(新宿区の相談所「とまりぎ」や、連絡会事務所で無料で浴びられるし、下着類なども無料でもらえます)を利用したり、お金がちょっとはある仲間は銭湯に行くなりを習慣化した方が良いだろう。連絡会の衣類サービスはどうなったんだ?と云う声も聞くが、毎週火、木のシャワーサービス時に必要なものは持っていけるような仕組みになっている。必要なものはその場にいる仲間に聞いてもらえれば探してもらえるので利用してもらいたい。噂好きの人間が、適当なことを言いふらしても、そんな情報はあてにしないで、正確な情報を元に、生活に役立つサービスは利用してもらいたい。
医者に行く場合も、皮膚科への通院は可能である。皮膚関連の塗り薬と云うのは、アトピー等個人差がかなりあるので、市販薬で効かない場合は医者の処方する薬を塗った方が安心である。
かつて、刺されると高熱が出る「チャドクガ事件」なんてものも区内の公園では発生したこともあり、毛虫と云えども注意が必要である。スズメバチに仲間が刺され、病院に担ぎ込まれたなんてこともあった。身近な昆虫類も馬鹿にできないものである。
さて、仕事にそろそろ就こうなんて云う仲間も、これだけ景気回復の話が広まると居るかも知れない。景気が良くなると回転も早くなるので、自立支援センターも空き始めている。待機期間もかなり減っているようなので、入所希望者は早めに入所申し込みをしておいた方が良いかも知れない。せっかくなので、自分のアパートを維持できるくらいの安定した仕事に就きたいなんて云う仲間には最適のサービスである。技能講習から、就職支援、転宅支援まで色々やってくれるので、そう云う仲間がいたら利用していこう。
季節は進む
急な猛暑日には熱中症対策を。今度の日曜日は高田馬場事務所
で鍼灸相談会があります。疲れた身体にどうぞ。
仲間たち。
まだまだ初夏前半と勘違いしていたところ、気温はぐんぐんと上がり、早くも夏日が記録されるなど、今年も気候の変動は著しい。もちろん梅雨入り前なので、このまま猛暑へとは突き進まないであろうが、ここまで気温が上がると、その反動は色々なところに現れてしまうであろう。
早くも、熱中症の注意が呼びかけられている。都会のヒートアイランド現象と、この数年の異常気象の中、死傷者が増えたこともあり、大きく社会の認識が広がり、高齢者から子供まで幅広く注意が必要な病気でもある。まあ、昔は日射病ぐらいしか認識がなかったので、強い日差しへの注意は、木陰で休息、水分、塩分の補給が必要なのは、誰しも分かっていたが、今や都会では自然の木々や風が少なくなり、コンクリートの壁の中、熱気が溜まり易くなっている。そうなると、体温温度を調整する適応力が弱い高齢者や子供が、温度に対応できず、野外でも室内でもバタバタと倒れてしまう。都会においては、とりわけ日常的に注意をしなければならない状況になっている。
体力があっても、現場仕事をしている仲間も適度な休息と、適度の水分、塩分の補給がこまめに必要である。最近はどこの現場でも注意が行き届いているようであるが、建築現場のコンクリ打ちで職人や土工さんが倒れるなんてことは、良く聞く話である。労働衛生環境が行き届いていれば良いのであるが、アルミ缶回収など自営業的な仕事をしている場合は、誰かが注意をしてくれる訳でもなく、自分の健康を守るのは自己責任となる。これから発汗の多い日は特に注意が必要である。良くある笑い話であるが、水分補給が必要だと、ビールをいつもより多く飲み、逆に脱水症状になったなんてこともある。ビールなどアルコール類は利尿作用があるので、補給しても、すぐに排泄されてしまうので、息抜きにはなるものの、熱中症の対策には残念ながらならない。一般的にはスポーツ系飲料の方が良いと言われているので、対策を考えるのなら、そちらの方をお勧めする。
高齢者の場合などは、夏場はとにかく体力温存である。下手に動いてしまうと、それだけで体調が崩れてしまう。冷たいものばかりを口にすると下痢が続くよう、適応力は加齢と共に弱っている。こればかりは治しようがないので、自分の年齢にあった生活をしっかりと作ることである。これから福祉を受けようと云う高齢の仲間もいるとは思うが、受け入れ先の施設などにクーラーの設備があるのかないのか、利用条件などはどうなっているのか、などを知っておいた方が良いだろう。相談先の福祉事務所などでしっかりと説明をしてくれる筈なので、その点だけはしっかりと聞くなり、事前に内見するなりをしていった方が良い。クーラーがなくても風通しの良いところなら良いのであるが、蒸し風呂状態のような施設だと、よほど野宿の方が健康に良いなんて云う逆転現象も、とりわけ夏場には発生する。次に自分が暮らす場所は、今や選べる時代にもなっているので、自分で納得してから生活基盤を変えていこう。
雨に濡れながら
雨の季節になりました。大雨、豪雨などには細心の注意を。
路上から避難したい仲間は、平日、福祉事務所へ。
仲間たち。
先日までの猛暑が嘘のよう、梅雨入りしてから晴れ間もなく、連日の雨が続いている。
しとしと雨ならまだ梅雨らしいのであるが、近年はスコール並の豪雨が降りしきり、各所で被害を出してしまうのもこれからの時期である。東京も大雨の冠水被害など、洪水にまではいかないものの、何かと事故があったりもする。雨雲を眺めながら、あまりにも強く雨が降るようなら、雨宿りの場所を動かない方が賢明かも知れない。
雨ともなれば、仲間の関心事は、何がなくとも雨宿りの居場所である。テントもダンボールも、よほど防水対策をしていない限り、雨には弱い。路上のあちこちもびしょ濡れで、なかなか乾かない。乾いたダンボールもなかなか見つからない。雨宿りできる場所は限られてしまうので、そこに仲間が集中し、結果、喧嘩、窃盗騒ぎなどのトラブルも多くなり、また、人間なかなかおとなしくも出来ないようで、宴会などが始まれば、今度は管理者とのトラブルも出て来る。ゴミの処理などもトラブルの元である。この時期は生ゴミが集まれば、すぐに異臭が発生する。そんなのが通行人や住民の苦情の元になるなんてのはよくある話である。
そんな暗い話ばかりを並べて、俺らはどうすれば良いのかって?この状態に耐えられなければ、そりゃ、梅雨時期だけでも良いから、一時退却せざるを得ないでしょう。
東京都心部の場合、雨に濡れてガタガタしていても、都がやっている巡回相談員がかけつけてシェルターなどに誘導してくれるかと云えば、そうはならない。表向きはホームレス対策をしていますと云いながら彼らは意外と冷たいのである。この生活、生きるも死ぬも自己責任のようなところがあり、それをそのまま放置しているような面もある。そんな時は、自分が寝ている場所の福祉事務所に駆け込むしかない。さすがの福祉事務所も、雨に濡れてガタガタしている目の前の人をそのまま放置するなんてことはなく、シャワーを浴びさせてくれたり、着替えをくれたり、一時宿泊所を紹介してくれたり、病院を紹介してくれたり、そんな最低限なことは進んでしてくれる。福祉事務所と云うのは、何も生活保護だけをやっているのではなく、その他に「法外援護」と呼ばれる様々な対応の窓口でもある(仕事を探したい場合の自立支援センターの窓口もやっている)。
だから、待っていても、そこに来るのは警官ぐらいなもので、残念ながらあまり本質的な解決にはならないのである。中には「福祉を取ってやる」と、善人ぶって近寄ってくるエセボランティアやエセ弁護士のような者も近づいて来るが、車に乗ったら、埼玉や千葉のケタ落ち施設に入れられ、お金もほんの少ししかもらえず「飼い殺し」なんてケースは、みんなも良く知っているだろう。
気候などもみながら、これはちょっと「やばい」と思ったら、自分の意思で率先して動いた方が、よほど自分のためになる。知っていてもなかなか踏ん切りがつかない仲間は、毎週月曜日の午前中には新宿福祉事務所に、俺らの仲間が詰めているので、一声かけてもらいたい。
さっぱりと晴れろ
長雨、豪雨、猛暑日ところころ陽気は変わっていきます。
自分の生活を守り、何かあったら色々と相談を。
仲間たち。
梅雨に入り、雨が長々と続いたが、各々の生活は大きな変化なく大丈夫であっただろうか?
高気圧が張り出して来たので、長雨もしばし一休みであるが、もちろん梅雨が明けた訳ではないのと、ゲリラ豪雨のような極地的な気候の変化がこの数年の特徴なので、油断は禁物である。どうでも良いやと思わず、天気予報や雲の動きを眺めながら一日、一日の生活を組み立てていこう。
今日はホームレス対策のお話。「ホームレス自立支援法」(時限立法)に基づく国の第3次基本方針が昨年打ち出されたことを受け、東京都の第3次実施計画なるものが近々発表されることとなった。先日、その素案に対する意見募集の機会があったので、連絡会も6月6日付けで意見書を提出して来たところである。
今後数年間は東京都のこの方針によってホームレス対策の具体的な方向性が示され、23区も各々必要とあれば推進計画などを策定していくこととなっている。
その東京都の第3次実施計画案であるが、安心したまえ、そんなに悪いことは書かれていない。第2次計画をある意味、そのまま踏襲したもので、これまで通り、自立支援センターを中心に就労支援、生活支援、居住支援を続け、巡回相談なり、シェルターなりで就労自立の方向性を示し、他方で高齢や病気の仲間は相談や救急、医療対応を中心にし、必要あれば生活保護など既存施策を活用した路上脱却の道も示されている。もちろん適正化を進めるとも書いてあるが、その場合でも福祉事務所との連携が条件であり、一方的な追い出しが出来ないようになっている。これらは、従来の東京都の方針であり、変更点はほとんどない。
現状改善の視点がなく、目標も立てず、新しいことをやろうともしない、もしくは現状の施策の改善点をあまり明確にしないことには、やや不満な点は残る(国の方針に従順に追随し、東京都カラーが打ち出せない)が、この点は今後の議論となるのであろう。
民間からの意見募集で右から左まで色々な意見が出されるのであろうが、あまりそう云うことに影響されないのが東京都の強みでもあるので、東京都の第3次実施計画案は、微修正のみで、ほぼそのまま確定していくと思われる。
まあ、色々と騒ぎたてる、その手が趣味の連中はいるかとは思うが、都の動きと云うのは、リーダーシップがあるかないかは出て来るものの、そんなに大きくぶれることはないので、俺らは今まで通り、自分の生活を第一に生きていけば良いだけの話である。
工事などで移動を要請されたら、反発するだけでなく、とにかく考えて見る。話し合って見る。自分のこれからの生活のために、何が一番かを悩んで見る。こういうことも必要である。客観的に東京都はそんなに非人道的なことを言っている訳ではないし、そう云うゆとりはこの対策の中にはあるのだから。
まあ、この時期特有のうっとうしい話はここまで。
梅雨の合間に
どんよりとした蒸し暑さの残る日が続いています。
健康管理、衛生面の管理をそれぞれしっかりとしていこう。
仲間たち。
少し前の大雨以来、梅雨と云うのにまとまった雨が何故か降らずに、どんよりとした蒸し暑さが残る6月下旬となった。早くも今年も折り返し地点。梅雨が開ければ、灼熱の季節が待ち受け、それが終われば秋から冬である。なんとなく過ごしていると一年もあった言う間である。まあ、なんとなくでも生きていられることは幸せなことではあるが。
いずれにせよ、夏は体力が奪われる。からっとしていればまだ良いが、湿度が高まれば汗が吹き出て、尚更体力消耗である。栄養価の高いものはあまり食べられない環境に置かれているが、可能な限り食生活の方も色々と考えた方が良い時期でもある。夏場はどうしても食欲が細り、栄養失調気味ともなる。適度な運動も暑いのでなかなかそうも言ってられない。そうすると今度は筋肉が衰え、体力がますますなくなる。体力がないとそこへ病魔が襲いかかる。高齢者がちょっとしたことで風邪をこじらせ、肺炎になり、そのまま病院に入り、逝ってしまうなんてのも同じような連鎖である。
健康の意識と云うのは、人それぞれなのであるが、こと野宿をしているとなると、自分の身体のこと全般と、生活環境を、ことさら気にした方が良いとも思う。
俺らの世界も冬場は色々な人々が心配をしてくれるが、夏場ともなると、そうそう心配もしてくれない。そうなると、自分の身は自分で守るしかないし、何かあったときなどは、自分から支援を求めて動く必要がある。いざという時の備えはほぼ皆無に近いので、その時どうするのかも自分で考えてみることも必要かも知れない。安定とか保障とかを求めたくはなるのが人情であるが、実際の世の中は安定とか保障とは逆の方向で進んでいるのだから、その時役に立つのは自分の経験と知識でしかない。
まあ、考える分には体力はあまり使わないので、夏場と云えども、これからのことなどは色々と思いをはせる必要があるだろう。自分でなかなか考えがまとまらない時は、俺らはいつでも相談に乗るので、パトロール時とか、シャワーサービス時、また、毎週月曜日の午前中に新宿福祉に詰めてもいるので、気軽に声をかけてもらいたい。役所が嫌いと言いながら、役所の制度を利用しなければ活路が見いだせない場合も多い。まあ、あえて好きになることはないが、ほどほどの関係で利用することは可能である。役所は役所、自分は自分と割り切った方が良い場合もある。まあ、物事は考えようである。高齢や病気以外の様々な施策でも役所がそのほとんどの窓口を有している。そこを通過しないと継続した施策はなかなか受けられない。しかし、通過してしまえば何てことはない。丸々抱え込まれるのではなく、その枠内で意外と自分の力を発揮していけるのも、ホームレス対策の特徴である。「背中をちょっと押してくれるだけの対策」「後腐れのない対策」と云うのは、俺らが昔から要望していたことであり、事実、そう云う施策は多くある。せっかくそう云う施策があるのであるから、活用しても決して悪くはないと思うのである。
まあ、色々と考えてみよう。
どんよりしない
まだまだ梅雨時期、急な豪雨には要注意を。
調子の悪い仲間は、早め早めに病院へ。
仲間たち。
沖縄地方は梅雨明けしたとのことであるが、関東地方は相も変わらず湿気の多い、じめじめとした気候が続いている。まだ熱帯夜にならないだけマシな方であるが、逆に昼と夜の気温差もかなりあるので、体調管理にはあまりよろしくない頃でもある。血圧が高くて、なかなか下がらないとか、腰痛が再発して苦しんでいるとか、そんな仲間の話も多く聞くようになった。この湿度だけは、梅雨が開けたとしてもまだまだ続くと思われるので、色々と病気で大変な仲間は、最低限、自分にあった薬を確保しておいた方が良いだろう。
やたらと最近はゲリラ豪雨が多く、場所によっては大きな被害がもたらされてもいる。こればかしは備えようがないが、短期間で雨が止むことを祈って、なるだけ身体がぬれないよう雨宿りをするしかないだろう。荷物なども濡れてしまったら、衛生面でもあまりよろしくはない。晴れ間が戻ったら全部乾かしておかないと、害虫などが住み着いてしまう危険性もある。置きっぱなしにしている荷物などもあるが、直接雨に濡れていなくとも、定期的に中身を確認した方が良いだろう。もちろん、あまりにも濡れてしまったら捨ててしまうのが一番であるが。
早いもので今年も、もう半年が過ぎ、色々と思いを馳せる頃であるが、感傷にふける間もなく、梅雨が明け、本格的な夏のシーズンとなる。今年の夏は気象庁の長期予報では最初は「冷夏」であったが、最近「平年並み」に変更されたので、普通の夏の暑さが戻ってくるであろう。暑ければ暑いで、また大変で、季節の変動に落ち着く暇がないと云うのが、俺たちの現実でもある。
仕事をしている仲間には明るいニュースが先日あり、5月期の全国の有効求人倍率はバブル崩壊期以降最高の1.09倍にまで引き上がったとのことである。東京でも依然高い水準で愛知県に次ぐ全国2位の1.54倍となっている。建築、サービス、震災特需以外でも車産業などの製造業も堅調であり、その波及が全国に広まっているようである。片や人手不足が問題になる位、景気は回復して来たようである。
こう云う時期は売手市場となる。つまりはじっくりと自分にあった仕事を選べるので、そうそう慌てて、条件の悪い仕事に就くこともなくなるのであるが、路上に居ると、どうしてもそうはいかない。そんな時は自立支援センターなり、役所の支援を受ければ、ある程度、自分の条件を整える時間は確保できる。もちろん、年齢、経験等もあり、人それぞれであるが、仕事を探すのには良い環境であることは間違いない。
高齢の仲間でも、清掃など、短時間の仕事もかなり多く出ている。今までそこに若い人々が居着いてしまっていたのが、景気回復で動き始めたから、こちらも人手不足である。病気が安定しない人ならともかく、ある程度高齢でも身体が動く仲間は結構働いているのも事実である。
そうやって、自分で稼いで、たまには役所の支援を受けながら、自分の力で自立への道を作りだすのが、一番真っ当なような気もするのである。