皆んなの事は皆んなで決める。
 連絡会は毎週火曜日、連絡会の会議を定期的に開き、じっくりと時間をかけて活動全般について報告、議論をしています。
 ああでもない、こうでもないの議論の末、連絡会の活動方針は決まっていきます。

 96年1月。東京都建設局は新宿駅四号街路の「強制排除」の日時を一切内外に公表しなかった。都庁内においても幹部級しか知らなかった、まさにトップシークレット。
 が、連絡会諜報部隊は忍者の如く動き回りついに「1月24日早朝」と、その情報を入手。「いつかいつか」と浮つく仲間にすぐさま伝え、即座に臨戦体制を組んだ。そして事の成り行きは皆さまも御承知の通り。
 どこから入手したかはもちろん秘密。情報提供者に迷惑をかけてはならぬ。
 このように、連絡会のアンテナは行政や警察のあらゆる陰謀を即座にキャッチし、電光石火の運動をすぐさま対峙させる。
 まあ、これは極端な例ではあるものの、情報公開が叫ばれて幾年も経つというのに、行政は情報をとにかく隠したがる。そして例え公開しても、それを伝達する方法を知らない。区役所に貼り紙でも貼っておけばみんな見るだろう。あとで文句言われても見なかったのが悪いと言い訳する。
 行政などから正確な情報を聞きだし、その情報を路上の仲間に広く伝達する。これは新宿連絡会が9年間地道にやり続けている活動である。毎週日曜に連絡会が発行する路上新聞(チラシ)は発行部数毎回1500枚。この新聞にその時々の情報(病気になった時の対応法、福祉の活用方法、仕事の探し方、野宿の仕方などなど)を詰め、炊出しの場やパトロールでとにかく無料配布する。もちろん渡す時は口でもきちんと説明をする。
 路上の世界は情報(とりわけ生きるために必要な情報)から隔絶された世界なのである。そのため、一つの情報が伝言ゲームよろしく途中で変質してしまう事が良くある。人々が過酷で貧しい生活をしているとその不安から「悪い噂」というのも良く飛び交う。
 それらを否定し、正確な情報を提供するのが私たちの役割である。
 正確な情報を手に入れるため連絡会の情報収集部隊は今日も東京中の路上にアンテナを張り続けている。

(連絡会NEWS NO 29号より)


 決して日の目を見ないのが裏方の宿命である。
 華やかな(?)連絡会の諸活動の裏には涙なしでは語れない裏方諸氏の働きがある。
 たとえば集会などがあれば、炊出し裏部隊数人は前日から都内某所にある炊出しアジトに泊まり込みで弁当作り。運送手段が手薄な連絡会は夏まつりや越冬以外は車など使えず、「肉のハナマサ」にキャリーでお買い物。重い荷物を運び入れたらすかさず下ごしらえに入る。裏部隊は集会などに参加してくれる表の人々に敬意を払う。「安くて旨いもの」をどうやって作るのかを、既に極秘レシピまで用意し、研究に研究を重ねている。たかが集会弁当と言えども失敗は許されない。食数を読み違えたら「食い物の怒りは恐ろしい」。少しでも到着が遅くなっても「食い物の怒りは恐ろしい」。まさに真剣勝負なのである。
 時には近隣の迷惑顧みず徹夜作業。目は血走り、頭は朦朧。それでも連絡会のために手抜かりは許されない。
 「裏方の苦労も知らずに」なんて文句の一つも言いたいが、それはじっと我慢。なにせ裏方なのであるから…。

 物資調達部隊もこれまた裏方中の裏方。必要なものを必要な時に調達しなければいけない。ところが、必要なものは、必要な時におうおうにしてないものである。安いものはないか、貸してくれる所はないかと足を棒にして探す、手当たり次第電話をかけまくる。
 夏祭りや越冬の物資班は日々が地獄の苦しみである。しかも車の免許をもっている車両班はとてつもなくこき使われる。「そんなの歩いて買ってこいよ」というものまで買いに行かされる。病人が出たと言えば「俺はタクシーじゃねえんだぞ」とも言えない。ひたすら車を黙々と転がす。それでいて感謝されるかと言えば、当たり前のように思われている。ヤレヤレ…。
 事務作業も裏方の仕事である。連絡会はとにかく規模がでかい。チラシを印刷するのにも毎週なんと1200枚以上。しかも、印刷機はちょくちょく故障や備品不足。そのたびに重い紙をかついであっち行ったりこっち行ったり。トホホである。
 ちなみに、この連絡会NEWSも数名の裏方がコツコツと手作業で製本をし、封筒詰め。これまた量が多いので一日仕事。しかもミスプリだらけの印刷機。手首は痛いし、目も痛い。「切手がねえぞ、誰か買ってこーい!」
 
その他、数えればきりがない程の連絡会の裏方仕事。まさに裏方諸氏は神経をすり減らしながら、肉体をすり減らしながら表部隊に立つ連絡会のため、仲間のため今日も働き続けている。

 たまには、「御苦労さん」のその一言が欲しーい!

(連絡会NEWS NO 25号より)