参議院選挙一色になり継続審議になった「ホームレス自立支援立法」の件はあっ
と言う間にどこかへ行ってしまったようですが、新宿連絡会、池袋連絡会は大坂や
神奈川、北九州、名古屋の仲間と連名で以下の質問状を7月16日各政党に提出しました。

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         参議院選挙にあたっての質問状

  ー野宿生活者と野宿生活者となるおそれのある人々への対応策についてー

 私たちは全国各地で、野宿を余儀なくされている人々の支援活動を行っており、
これ以上野宿にいたる人々が増えることを望まないものです。

 しかしながら、閣議決定された「今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革
に関する基本方針」では、「不良債権処理が雇用に与える影響を正確に予想する
ことは困難であるが、ある程度の影響があることは否定できない。」とし、失業
の発生を前提としています。失業の発生について内閣府の研究会「バランスシー
ト調整の影響等に関する検討プロジェクト」は、大手16行が不良債権を2年以内
に最終処理することで起きる離職者数を39万から60万人と見通し、再就職で
きない失業者は13万人から19万人との推計を発表しています。

 「基本方針」では、新規分野での雇用拡大をうたいあげ、「雇用情勢によって
は、モラルハザードに留意しつつセーフティネットの一層の充実を図る。」と書
かれていますが、「新たな市場と雇用を創出する構造改革と雇用対策の一体的な
施策の具体化について」は、「産業構造改革・雇用対策本部」での検討」に「期
待」するに留まっています。

 1999年政府は「ホームレス問題に関する当面の対応策」にいたる過程で、
野宿生活者問題を「発見」し、わずかながら取り組みをはじめたといえますが、
全国的に大きな対策の進展は見られないまま今日にいたっています。

 「骨太の方針」は「痛みを分かち合う覚悟」を呼びかけ、痛みを緩和する施策
についても述べているように見えますが、1999年に野宿生活者問題を「発見」
しているにもかかわらず、痛みを分かち合う肉体まで奪いさられようとしている
人々については一考だにしていないかに見えます。

 「基本方針」を前提としなくても、誰が考えても今以上に野宿生活者が増える
状況を前に、私たちは、野宿生活者と野宿を余儀なくされる人々の発生予防につ
いて、党を代表する責任者の見解を聞き、投票の際の参考にしたいと考えていま
す。また結果については、報道機関等を通して、広く公表する予定です。

 ご多忙とは存じますが、下記質問に回答と共にその内容を公表して多くの人々
の判断材料に供せられますよう、お願いします。

             特定非営利活動法人 釜ヶ崎支援機構
             釜ヶ崎就労・生活保障制度実現をめざす連絡会
             新宿野宿労働者の生活・就労保障を求める連絡会議
             池袋野宿者連絡会
             神奈川全県夜回り・パトロール交流会
             特定非営利活動法人・北九州ホームレス支援機構
             野宿者・人権資料センター
             名古屋炊き出し連絡協議会
               

               公開質問状

野宿生活者問題の発生と現状は、雇用保険制度や生活保護法の運用が期待された
効果をあげていないことを示していると考えます。
 野宿生活者問題解決のためには、雇用保険制度や生活保護法の活用により野宿
生活者の発生予防を図ると共に、次のような内容をもつ特別立法(野宿生活者自
立支援法)が必要であると考えます。
・ 国の責任を明らかにし、事業実施に必要な費用の財政負担を明言する。
・ 国が野宿生活者の自立支援事業と野宿生活者発生予防について基本方針
を策定し、地方自治体が支援団体等と協議して実行計画を立てる。
・ 地方自治体の実行計画とその実施状況について評価機関を設ける。
・ 施策の目標を掲げる。
・ 勤労意欲を維持・高揚するために、収入を伴う就労事業を組み込む。
・ メンタルケアを含む職業訓練制度を組み込む。
・ 施策・事業の活用は当事者の選択にゆだね、強制収容・強制排除を人道
的見地より行わないことを明記する。
・ 民間団体の能力活用・協同を盛り込む

 質問:野宿生活者対策と野宿生活者発生予防のために特別立法が必要だとお考
えになりますか
(1) 必要を認め、早期成立に努める。
(2) 必要を認めるが、今後の検討課題とする。
(3) 特別立法の必要は認めない。下記の施策で対応できると考える。
   (                 )
   (                 )
野宿生活者対策と野宿生活者発生予防に関するご意見をご自由に記入ください。

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 回答期限は7月23日です。どのような回答が寄せられるのか?回答によっては、
今後(9月)の法案可決情勢を大きく左右させる可能性があります。