年末、東京都との話し合いを行いました。
失業情勢になったら雇用の確保である。これは、今も昔もまったく変わらない路上の要望のセオリー。
そんな訳で、年末の24日、NPO法人新宿ホームレス支援機構、NPO自立支援センターふるさとの会、そして新宿連絡会も加わり、東京都保健福祉局、建設局、産業労働局のお歴々の方々との話し合いをもちました。この会のコーディネイトをして頂いたのは、いつも東京のホームレス対策に尽力頂いている自民党都議の服部征夫先生(台東区)。そして秋田一郎先生(新宿区)、村上英子先生(渋谷区)矢島千秋先生(豊島区)と、ホームレス集住区の都議の先生方も忙しい中参加頂き、白熱した議論が実現されました。
これに先立ち、私たちは15日に「ホームレスの自立支援に関する要望」を東京都に提出し、新実施計画策定に当たり所謂「東京方式」を堅持発展すべきとの要請をしていましたが、都議の方々もまったく同意見。この議論では、東京都保健福祉局は「東京方式」については「成果」があった。形は変わるものの、同じ発想で今後の実施計画を組み立てて行きたいと、「東京方式」を堅持する事を明言しました。また、昨今の雇用情勢の悪化の中、失業者等の路上生活化を防止するための対応を緊急に取りまとめている事も報告されました。ここまではジャブの応酬。次の本題でもある「雇用対策」のテーマでは議論が白熱。
東京都は12月補正予算で「悪化する雇用環境への対応」として「50万人分の公的雇用を生み出す緊急雇用対策」の新規事業を既に打ち出している。しかしながらその中身がどうもあやしい。私たちは最も雇用が厳しい中高年齢層の路上の仲間への雇用対策としてせめて1万人分は用意すべきと要望するが、東京都はとにかく公園の掃除など公的就労をハローワークに出せば良いだろう的な発想。雇用対策のターゲットがまるで見えない。都議の方もそれはおかしいと、次々に声をあげ、路上の人々にも雇用が回るような仕組みを作るべきだと応酬。入札時における具体案や技術論も提示し、こうすれば路上の人々に仕事が回ると提起していった。その結果、今年度は都の直接実施、来年度は区市長村への実施要請となるので、雇用創出の趣旨を徹底させるなど、本日議論になった事を「勉強します」と、まとまりました。
都の直接実施分は早くて1月中旬からとの事であるが、「勉強」した成果がどのようなものになっているのか、本当に雇用に困っている人々、とりわけ中高年齢層の路上の人々に仕事が回っていくのか、これからもしっかりと見守っていきたいし、もしそうでない場合は更なる話し合いを続けて行く必要があります。
都議会では予算がらみの議題は大枠の議論がどうしても軸となります。せっかく予算が決まったとしても、その実地は東京都のお役人さんが決める事となり、知らぬ間に本来のものとは違うものになりがちなのがこの種の「雇用対策」でもあります。本当に必要な人を選り分ける能力もなく、結果的にバラマキになったとしても不思議はありません。そうならないためにもこの問題に積極的に取り組む都議の先生方のお力も借り、また、NPO団体間の連携を更に強め、路上の仲間の仕事につながる事業にさせていきたいと思います。