12・5 厚生労働省前統一行動

全国120名の仲間が厚生労働省前に座り込み、
2時間半におよぶ大交渉を行う

 12月5日は、全国(北九州、大阪、静岡、横浜、東京、千葉)の仲間や支援団体の仲間が一同に会し、120名の仲間による厚生労働省前の座り込み行動を行いました。同時に代表団による交渉も行われ、遅々として進まぬ国のホームレス対策について厳しく追及を行った所です。ホームレス支援法による国の支援策は1月から始まる実態調査からスタートするとの事だですが、基本方針が出るまでの間のつなぎの方針が何もありません。代表団による交渉によって、厚生労働省は補正予算でシェルター事業の前倒し3億円、そして「ホームレス緊急援護事業」として2億円、計5億円を1月通常国会開会後すみやかに計上する事を約束しました。また、緊急地域雇用創出交付金の上積みも検討中であるとの事です。2時間半にわたる大交渉で、一定国の前向きな姿勢は勝ち取りましたが、まだまだ十分なものではありません。今後も全国の仲間と力を合わせながら国に私たちの要望を継続して突きつけていこうと思います。国がある程度の方向性を出したことにより、東京都や新宿区に対するたたかいもやり易くはなって来ました。自立支援センターを活用した就労支援対策や緊急援護対策について早急に改善を計って行きたいと思います。

厚生労働大臣殿
国土交通大臣殿

要求書

 2002年12月5日

北九州ホームレス支援機構
釜が崎支援機構
釜が崎反失業連絡会
ささしま共生会
野宿のための静岡パトロール
神奈川全県パトロール
新宿ホームレス支援機構
新宿野宿労働者の生活・就労保障を求める連絡会議
市川ガンバの会

1 野宿を余儀なくされる人々が全国の都市で増加をつづけている状況に鑑み、基本方針策定の前に早急にこれらの人々の命を守るための緊急の措置を講じられたい。

2 上記の措置を始め、自立支援のための予算を獲得されたい。

3 就労による自立のための事業として公的機関による雇用創出を行なわれたい。
(1)平成15年度予算は、「国の当面の対応策」を若干拡大し、雇用対策については『ホ-ムレス対策のスキーム』によれば、少しメニューが増え努力のほどがうかがわれるが、直接の就労対策は見あたらない。野宿にいたる原因の最大のものが失業によることは全国調査を待つまでもなく明らかであり、一時的であれ働ける場を提供し、社会からの疎外感を緩和することが、他の施策をより生きたものとして活用できる素地になると考えられる。
(2)基本方針においては、就労機会の提供を明示されたい。平成15年度予算について、就労機会提供に必要な予算確保になお一層、努められたい。
(3)平成14年度補正予算において、ホいムレス対策に関連して要求された項目と金額を明らかにされたい。
(4)平成14年度補正予算において、「地域雇用創出基金」が上積みされるとの報道がなされているが、上積み部分の一部をホームレスの直接的な就労機会提供事業にかかわるものとして確保し、その旨明示して地方公共団体へ交付されたい。
(5)平成14年度補正予算において、緊急的に実施されるべき食や日用品の提供事業が地方公共団体で実施できる予算を確保されたい

4 中核都市を始めとする地方都市と大都市における施策の格差解消をめざされたい。
(1)『ホームレス対策のスキーム』によれば、「相談活動推進事業」推進母体として「総合相談推進協議会」が想定されているようだが、市町村はもちろんとして、実施計画を作成することになっている都道府県においても設置が想定されているのか。
(2)構成団体としてどのような団体が想彦されているのか、地方公共団体の独自判断にゆだねるのか。野宿生活者支援団体などの参加を前提としているのか。
(3)野宿生活者概数調査で、一人でも数字があがれば、「総合相談推進協議会」を設置すべきであると考えるが、その旨、基本方針の中に盛り込まれるのか。
(4)総合相談推進協教会」は相談事業計画の企画立案を行うこととされている。ホームレスに至るおそれのある人からの相談もあると想定するのが現実的であり、そういった相談を受けることも企画立案されるべきであると考えるが、相談事業計画で最低立案すべき項目は国の基本方針の中で示されるのか、それとも「要綱」で示されるのか、あるいは地方自治体の実施計画で定められるのか。

5 8月7日およびそれ以降に出された関連の国土交通省の通知は、一部を除き「適正化条項」が盛り込まれていると述べているのみで、法律の目的である「ホームレスに関する問題の解決」のためには不充分であると考える。国土交通省として基本方針に、路上から脱却できる施策を盛り込んでいただきたい。

6 同じく8月7日付けの厚生労働省の通知は、生活保護適用について、野宿を余儀なくされている人々にも他の生活困窮者同様申請の権利があることを認めた従来の通知から前進しておらず、さらに保護施設に収容する方法しか示唆していない。野宿者が失業のために野塘を余儀なくされていることを認識し、居宅保護推進の指針を示していただきたい。

7 全国調査について、その内容を公表していただきたい。
(1)全国調査に基づいて作成される国の基本方針の作成手順について、特に、地方公共団体や支援団体等の意見を聴取する機会は考えられているかについて、お知らせいただきたい。
(2)すでに、地方公共団体などから要望等があがっているのであれば、お知らせいただきたい。