東京都は2002年8月の都内路上生活者概数を発表しました。

23区 人数 多摩 人数
千代田区 208 八王子市 15
中央区 170 立川市 9
港区 124 武蔵野市 28
新宿区 861 三鷹市 16
文京区 99 青梅市 0
台東区 1253 府中市 23
墨田区 962 昭島市 6
江東区 152 調布市 14
品川区 42 町田市 19
目黒区 34 小金井市 5
大田区 151 小平市 2
世田谷区 75 日野市 2
渋谷区 503 東村山市 7
中野区 41 国分寺市 1
杉並区 50 国立市 5
豊島区 207 西東京市 3
北区 64 福生市 6
荒川区 132 狛江市 0
板橋区 84 東大和市 4
練馬区 31 清瀬市 5
足立区 99 東久留米市 3
葛飾区 145 武蔵村山市 0
江戸川区 145 多摩市 15
稲城市 0
羽村市 2
あきる野市 3
町村 1
区分計 5585 多摩分計 194

平成14年8月第2週調査
但し、国の所管する河川(多摩川等)の概数は含まれていない。

  


東京都が今年8月の路上生活者概数を発表


 東京都福祉局は 17日、平成14年8月現在における都内路上生活者概数調査結果を発表しました。これによれば、23区内の路上生活者概数は約5600人で、前年同時期調査とほぼ同数との事。また、多摩地域の路上生活者概数調査も本年から初めて開始し、その概数は約200人という事です。
 23区内で最も概数が多い区は、台東区1253人、以下、墨田区962人、新宿区861人、渋谷区503人、千代田区 208人、豊島区207人、中央区170人、江東区152人等という順となっています。
 多摩地域で最も概数が多い市は、武蔵野市28人、府中市23人、町田市19人、三鷹市16人、多摩市15人、八王子市15人等という順となっています。
 但し、これらの調査には国の所管する河川(多摩川等)の概数は含まれておらず、また調査方法も道路、公園、河川、駅舎等の所管先に調査協力を依頼したものであり、かつ、非定住層の路上生活者の数が最も把握できないとされる昼間の調査の概数です。
 東京都の概数調査は全体動向の一つの目安にはなるものの、実数を正確に反映したものではない、とりわけ非定住層の実数を昼間調査という方法によって切り捨てているという批判は新宿連絡会がかねてから各方面で指摘してきたところですが、今回もまたこれらの批判点が改善されず、かつ検証もされずに旧来の手法で行われていることは残念でなりません。
 新宿連絡会は本年5月から6月にかけて独自の概数調査を昼、夜間、深夜を通じて行っています。東京都調査とは時期が若干違いますが、純粋新宿区内と限定して、定住層411、半定住層93、非定住層845、計1349人がこの調査ではカウントされています。このように非定住層が多い区(大きな繁華街があるような区)においては実際上かなりの人数差が出てしまっている事が予想されます。
 他方、定住形のカウントも国管轄の河川敷がまったくカウントされていない(実際、この管轄内には約1000人いるとの事である)など都内、区内調査といいながらもかなり少なめに概数化されていると言わざるを得ません。
 おおざっぱな推論をすれば、5600+200+1000(国管轄)×1.5(誤差値)=10200と、1万の大台をそろそろ越したか越さないのかが実数の目安ではないかと私達は睨んでいます。
 東京都は路上生活者対策を推進している立場から、路上生活者数は対策を行っていながらも依然増え続けているとはあまり言えないようですが、ホームレス自立支援法が制定され、国の全国概数調査、実態調査が行われようとしている今、実数に近い概数をきちんと調べ、発表すべきであると考えます。

(02.10.22記)