東京都の特別区が進めていた自立支援センター年内2箇所増設計画がほぼ絶望的になった事が判明しました。これにより11月から開設される緊急一時保護センターの事業内容への影響がおよぶと考えられています。また、本年度新設予定の「グループホーム」事業も未だ事業内容が決定できずに設置時期、設置場所すら決っていない状態です。
 東京都が発表した「ホームレス白書」に基づく「本腰を入れての対策推進」は早くも破綻の恐れが出てきました。

 私達が現在入手している情報では、自立支援センター墨田寮(仮称)は墨田区墨田5-16に鉄骨プレハブ造りの施設を作り、定員110名で平成13年1月下旬に入所開始される予定との事ですが、これも工事などの関係で変更があり得るというものです。
 他方、自立支援センター渋谷寮(仮称)は未だ設置場所すら明らかにされず、様々な内部情報を総合すると白紙状態であると思われます。最悪の場合年度内に設置できない事も考えられます。
 また、例年実施されている13年度の冬期臨時宿泊事業は「さくら寮」定員88名は従来通り12月18日から(13年3月30日まで)開設される事が決定していますが、1月10日から3月15日までの「なぎさ寮」は定員が50名と大幅に削減(従来は300名)されています。

 このように、当初計画通りに進まない状況の中でも東京都、特別区は11月緊急一時保護センター(このセンターにしろ未だ体制および内部工事が済んでおらず駆け込み開設の様相である)開始を突破口に「対策」の変更を強行しようとしています。が、「冬」という過酷な状況の中、行政の混乱が当事者の中でも一番弱い立場の人々(寒さを防ぐ小屋などがない駅周辺で寝ている野宿者)に不利益を強要する事態になりかねません。

 こういう時期だからこそ、柔軟性のある対策の実施が求められています。新宿連絡会は10月10日、従来の越冬対策水準(枠、事業内容)を最低限守る事などを記した「申入書」を新宿区に提出し、交渉を続けています。

2001.10.11記(笠井)