2002年春の都区「路上生活者対策」の改善を求める取り組みが始動!

4月12日200名の仲間が都庁前に集まり福祉局交渉を行いました。

 東京都と特別区は、昨年春に計画化した「ホームレス白書」路線に基づき、緊急一時保護センターおよび都内4カ所の自立支援センター事業を共同で行い、社会復帰システムを構築しようとしています(未だその計画は途上ですが)。私たちはこの都区路線を評価し、自立の意思のある多くの仲間に情報を提供しながら、これらの施策を活用しようと呼びかけています。
 けれども、昨年12月に開設された緊急一時保護センター・大田寮は総じてまだ使い勝手が良くはなく。新宿区からはなかなか入り難い(前々回が8倍、前回が7倍の抽選率)という問題点、そして大田寮に入っても寮の中の相談体制が整っておらず、常に一月以上「待機待ち」させられ、なかなか次の自立支援センターへと移転できないという問題点が浮かびあがっています。(詳しくは
東京都の「路上生活者対策」最新情報参照)
 そこで、私たちは東京都にもっと効率的に事業を行うよう建設的な「要望書」を提出し、先日12日、都庁前での約二百名の仲間の結集を背景に福祉局との第一回目の交渉に乗りだしました。
 代表交渉団は、新宿連絡会、池袋連絡会の代表者の他、大田寮で寮内の改善をたたかっている仲間4名(新宿2名、豊島、渋谷)が参加し、対する東京都は連絡調整担当の有留部長、自立支援担当芦田課長、連絡担当調整池田係長など4名の方が対応してくれました。
 大田寮の仲間は「寮内には様々な不安がまん延している」「自立支援プログラムなど情報不足であり、せっかく入寮しても先が見えない」「相談は一週間目に行うようしてもらいたい」「寮生を勇気づけるような心のケアーをしてもらいたい」「医療対応の仲間とそうでない仲間の部屋割りなどを見直してもらいたい」「法外、法内の問題を整理してもらいたい」などの具体的な問題点を提起。
 これを受けて東京都側は「日本最初の施設なので暗中模索でやっている」が「アセスメントが硬直化しつつある事は問題意識としてあり、弾力的に行うようしていきたい」「運営プログラムももっと充実していくつもりである」「今後増設される保護センター、グループホーム事業に就労支援機能を強化させていきたい」「法内、法外問題については具体的な線引きは難しいが、理屈上の整理はしていきたい」などと、もっと事業内容を良くしていきたいという姿勢での前向きな話が伺えました。
 確かに東京都が言うように、大田寮はまだ始まったばかりの施設であります。けれども初期の「混乱」を放置するのではなく、直接「こういう風に変えてもらいたい」という仲間の声をぶつけて言き、建設的な議論ができた事は大きな事であると考えます。もちろん私たちの要望が今すぐ100%受け入れられる事はないものの、二百名も仲間が都庁前に集まり、改善を訴えた事、そして仲間が直接、東京都に意見をぶつけて行った事、この事は決して小さな事ではないでしょう。大田寮の相談体制などが次第に整っていけば、コンスタントに路上から仲間が入寮できる環境となります。時間はかかろうが、自立の入口施設である大田寮問題については、今後とも寮の仲間と共に継続した改善を訴え続けて行きたいと思います。
 5・1メーデーは今回の第1回目の交渉を受け、再び多くの仲間の結集で都庁にデモをかけ、俺たちのための対策をもっともっと充実させて行くよう大きな声を出して行きたいと思います。

『「路上生活者対策」の拡充に関する要望書』全文

今後の「拡充要求行動」スケジュール

5月1日(水)第8回新宿メーデーと都庁交渉 正午新宿柏木公園集合