私たち野宿者に関わる全国の団体は一昨年以来、国が積極的にホームレス対策、なかんずく、野宿化の大きな原因でもある雇用対策の強化を制度的に明確にするよう全国で行動を起こして来ました。「仕事が欲しい」「もう一度やり直したい」との全国当事者の声と何度にもわたる国会前での座り込み、請願デモなどの大衆行動の成果もあり、ようやく昨年夏全会派一致で「ホームレスの自立の支援策等に関する特別措置法」が制定されました。
この法律では「ホームレスの自立の支援等に関する施策については、ホームレスの自立のためには就業の機会が確保されることが最も重要であることに留意しつつ、前項の目標に従って総合的に推進されなければならない」と明記され、国が責任を持って野宿の予防策、そして野宿から脱する具体的な支援策を地方自治体、関連団体、市民と協力しながら実施しなければならない事とされています。
法制定を受け、今年度は技能講習制度や試用雇用制度など当座に必要な新たな施策が予算化され実施されていますが、「自立支援法」による国の「基本方針」や地方自治体の「実施計画」は未だ策定されておらず、本格的な法の稼動はこれからの予定です。
私達は全国の都市で深刻化 -する野宿者の窮状に日々接している立場から、野宿者の自立に向けた具体的な施策の緊要性、とりわけ雇用対策の必要性を痛感しております。また、現在失業率が統計史上最悪の数字となり、企業倒産も増えるなどし、新たに野宿に至ってしまう人々が建設業を始め様々な産業より排出される危険性も具体化して来ています。野宿に至った人々がもう一度やり直せるための雇用の提供などの緊急対策、雇用に結びつく自立支援事業と同時に、野宿を防止する観点から日雇労働者など不安定雇用に就いている人々に対する防止策としての雇用の提供もまた必要であると考えます。
私達が求め制定させた「自立支援法」を理念だけに終わらせるのではなく、全国の失業者や不安定就労者が野宿を余儀なくされなくても済むような社会を構築するために、「基本方針」においてはより実効性のある制度設計が描かれなければならないと考えます。そして総合的な自立支援策を考えた場合雇用対策が占めるウエイトは極めて重要です。
6月までに発表すると云われている基本方針策定が大詰めを迎えた今日、私達はより実効性のある基本方針にすべく、全国の仲間が再び東京に集い声を挙げています。
心ある市民の皆様、そして議員の方々がこの集会に賛同され、参加もしくはアピールを是非とも寄せて頂きたく要請致します。
お忙しい中、また緊急な要請で大変恐縮でありますが、私達の主旨を理解して頂き、協力を宜しくお願い致します。
●「ホームレスの自立の支援策等に関する特別措置法」の基本方針に
実効性ある雇用対策を盛り込ませよう!5・22緊急中央総行動と決起集会
(呼び掛け団体) 新宿野宿労働者の生活・就労保障を求める連絡会議(新宿連絡会)など
問い合わせ先 特定非営利活動法人新宿ホームレス支援機構
〒160-0015 東京都新宿区大京町3新大京マンション304 TEL 03-3226-6845
●5・22厚生労働省交渉
日 時 2003年5月22日(木)
午前9時より正午まで
場 所 厚生労働省前
午前9時半より厚生労働省前での座り込み開始
午前10時より厚生労働省、国土交通省等との全国代表団交渉
正午 終了(予定)
●5・22中央総決起集会
日 時 2003年5月22日(木)
午後1時半より3時半まで
場 所 星陵会館 東京都千代田区永田町2-16-2
TEL03-3581-5650
交通手段 地下鉄永田町駅6番出口より徒歩約3分
〃 国会議事堂駅5番出口より徒歩約5分
〃 赤坂見附駅ベルビー口より徒歩約5分
内 容 集会基調
代表団交渉報告
来賓挨拶など