2003 冬 2004
冬を終わらせるために |
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冬が来ました。
1994年2月17日新宿駅西口地下道(南側)強制排除事件の冬から早10年。西新宿開発の「繁栄」から「邪魔者」とのらく印を押された路上の人々が寒空の中、毛布もダンボールも奪われ連れていかれた先は、京浜運河の先「なぎさ寮」。たったの二週間だけ宿泊させられ、新宿への片道切符を渡され再び戻れど寝場所はなし。その仲間達に毛布を手渡し、奪われた荷物を奪い返し、人としての在り方、都市としての在り方を問い、排除反対を叫び、病人を担ぎ、福祉へ押しかけ、死者を弔い…。 あの冬から、95年「なぎさ寮」内死亡事故の冬、96年西口地下動(北側)強制排除の冬、98年西口地下広場火災事故の冬、99年自立支援センター開設の冬、01年緊急一時保護センター開設の冬、02年中央公園爆弾事件の冬、そして自立支援法制定下の冬、これら幾多の冬を連絡会は路上の仲間と共に過ごして来ました。 あの冬は、この冬はと、指折り数えていたら10年。 「いったいいつまで?」 その答えは、残念ながら今年も見いだせませんでした。 「いったい何故なのか?」 その問いを私たちは社会に発したい。 この国ほど「ホームレス問題」の研究、調査が盛んな国はなく、他方で、この国ほど「ホームレス」に対する具体的な施策が遅れている国もありません。実態を把握しているにも拘らず、何故踏み込めないのか?「ホームレス自立支援法」がその切り口となる筈が、「基本方針」は施策の小出しでしかなく、私たちが求め続けて来た安定した住居と就労につながる施策は、中途半端な規模と内容に押しとどめられています。また、私たちが指摘し続けて来た野宿への予防策は、寄せ場日雇労働者対策にわい小化され、福祉行政と労働行政の連携も「縦割り行政」の弊害の中、これっぽっちの連携でさえ上手く取れない状態が続いています。そして、「ホームレス問題」は決してテント層の人々だけの問題でないとの指摘も、いつしか忘れられテント問題がこの問題の本質かのような議論が続いています。 2004年初頭にようやく都内で5つ目の自立支援センターが開設されます。都区検討会発足から10年で、5年も前の「都内3000名の野宿者」を前提とした計画案がようやく完成すると云う実施計画の呑気ぶりに私たちは「本気さ」を見いだせません。 今年の冬もかくして始まります。そこに或るのは、一切のぬくもりから排された人々と悲痛な叫び。弥縫策と云われようが、今ある行政施策と私たちが民間団体の多少の越年の取り組みを活用しながら、どうにか生き永らえようとする必死の形相。 「できる事は何か?」 何もなくても、声をかけ、肩を叩く事は出来る。 私たちは、この冬も仲間と共に新宿路上で過ごします。 |
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越冬スケジュール
12月 7 日(日)第10次新宿越冬突入 医療相談会(中央公園、戸山公園) 12月28日(日)〜1月5日(月) |
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越冬カンパ募集中!
路上越冬支援のための現金、米、米券、毛布、ホカロン、衣類等のカンパ、今年もどうか宜しくお願い致します。 <冬場の支援に特に必要なもの> 電話090-3818-3450(笠井) |
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