【医療従事者として出来ること】

 保健医療に関わる者として見過ごしに出来ない野宿生活状況の方々の健康と保健活動に関わる方法はいくつかあります。

★時間を提供してくれることによって出来ること。

 あなたのスキルや経験を生かして健康相談会に直接参加すること。新宿だけではなく各地に野宿状況の方々を支援するグループがあります。

★時間が無くてもできること。

*健康相談会や安否確認の野宿の現場訪問活動では、風邪や下痢や様々な症状に苦しむ人のために市販薬を提供しています。
 薬の寄付をお願いします。(風邪にはルルが人気です。あとは痛み止め、胃腸薬、正露丸、ムヒなどが必要です。冬はマスクやホカロンが大量に必要になります。)

薬の寄付の問い合わせはこちらへ
homelessmedical@yahoo.co.jp 
新宿連絡会医療班 中久木

医療班のブログはこちらへ(より詳しい活動が載っています)

http://homelessmedical.blogspot.jp/

*野宿生活状況の方と生活保護と医療について知って下さい。
 現在、野宿している人が健康を害して医療機関に受診するには大きく分けて二つの道があります。
* 救急車で緊急搬送されること。
* 福祉事務所に行って相談してから受診すること。
 最初の段階では、たとえ野宿するほど困窮していても生活保護は実施されない。生活保護の中の「医療のみの扶助」の医療単給で受診しているのが現状です。医療単給受診は、当事者の方のこれからの人生を左右するといって良いほどの重要な意味が含まれています。

(医療単給とは)
本来、生活保護とは文字通り社会生活を営むに可能な最低生活を保障するものです。ですから、医療を受けられないほど困窮している人には生活そのものを支援することが必要です。しかし、野宿生活の状況にある人には生活支援のハードルはとても高いのが現実です。そして特定の福祉事務所では、簡便な形で生活保護の生活扶助をはじめ、教育、住宅、医療、介護、出産、生業、葬祭の8つの扶助のうち「医療」のみを単給として実施されています。
 医療単給は、当事者の方には医療券が発行され、受診先のドクターには受診結果を報告するための病状報告書が依頼されます。報告書は簡単なもので病状を書き込み、受診した人が就労できるかどうかという判断がドクターに任せられます。ドクターからすれば一見簡単な病状報告書が、実は当事者にとってその人の健康と生活を左右する重要なものです。
 病状報告書に、「就労可」と記載があれば生活保護は実施されません。たとえ具合が悪くても、お医者さんが「仕事ができる」と証明したのだから仕事をしなさいということです。
 「就労不可」であれば実施される。
 「軽労働可」であれば生活保護は実施されない。調子の悪い体をかかえて野宿生活をしながら出来る「軽労働」はありません。彼等は具合が悪くてもお腹が空いていても路上に帰らなくてはなりません。

 以上の事情を心に留めて、あなたの医療職の場で積極的に野宿状況の方々の受診を受け入れて下さい。詳しい資料や質問はこちらへ・・・

               新宿連絡会医療班 中久木

                  homelessmedical@yahoo.co.jp