一、地域生活移行支援事業の改善に関する要望事項
A,地域生活への円滑な移行を促進するための諸施策を準備する事
a 地域生活以降支援事業利用者の都営住宅への優先割当を可能な限り多く確保する事
b 低家賃住宅から一般住宅への移行を円滑にするため、希望する者への住宅情報の提供および、敷金礼金、保証人などに関する諸手当を検討する事
c 低家賃住宅「更新問題」についての基準を早急に明確にする事、その際、収入認定等の決り事を少なくとも「更新」一年前には提示するよう準備する事
d 同居人の増減についての契約変更を認める事、また、それが不可能な場合は、同条件での別物件への再移行をすみやかに行う事
e 借金問題解決のためのプログラム、及び財政的な支援を行う事
f 固定電話、携帯電話等の通信手段を持たない者へ、電話貸付等の支援を行う等基本的な連絡体制を早急に築く事
B,地域生活を安定させるため雇用確保策を徹底させる事
a 「臨時就労」を「生活習慣の取り戻し就労」として限定し、平等分配方式ではなく必要な人に必要な日数が提供できるよう柔軟な福祉雇用施策として位置づけ直す事。
b 建設局および港湾局等、東京都発注の公共事業の内、中高年齢者層が就労可能な職種に関して地域生活移行支援事業利用者や自立支援施設利用者を積極的に雇入れるよう業者に指導する事。また、社会的弱者を雇入れる企業を評価するため、入札の「ポイント制度」を導入するよう各局と協議する事
c 常雇い就労での生活基盤安定を促進させるため。保証人制度及び、初回給料支給までの生活費支援制度を検討する事
d 就職に必要な眼鏡、補聴器等の支給を迅速に行えるよう調整する事
二、地域生活移行支援事業の今年度新規実施に関する要望事項
a 地域生活移行支援事業が路上生活者排除の受け皿にならぬよう各区、また各局と本事業の趣旨を徹底し、また調整しながら新規事業を実施する事
b 地域生活移行支援事業の実績、課題等、現状の到達点に沿って説明会での説明を行う事
c テント居住者のみならず、公園内や公園周辺で起居する者も含めて事業説明を行い、希望者全員を利用させるようする事
三、自立支援事業に関する要望事項
a 自立支援センター再利用に関する条件を撤廃し、希望する者が何度でも再利用できるようする事
b 自立支援センター、及び緊急一時保護センターの各区割当を撤廃し、必要な仲間が必要な地域で滞りなく次のステップに進めるようする事
c 緊急一時保護センターでのアセスメント機能を廃止し、聞き取りを簡略化させ、各人が契約に基づき次のステップを選択できるようする事
d 緊急一時保護センター再利用期間を撤廃し、誰でもいつでも利用できるようする事
e 緊急一時保護センターに通勤寮的仕組みを加えると同時に住み込み就労支援等の職業紹介機能を加味する事
f 自立支援センターの入所期限を個々の現状に即し柔軟に対応できるようにする事
四、自立支援事業と地域生活移行支援事業の連携に関する要望事項
a 地域生活移行支援事業(低家賃住宅施策)を自立支援事業体系の中に積極的に組み入れ、「現に収入の手段を有しており、すぐにでも地域生活への移行が可能な者」「集団生活への不安を理由に生活保護申請を拒んでいる者」「再就職後、収入が不安定で、一定の期間低家賃での住宅補助が必要な者」「一定の収入があるが保証人等が見つからず、住宅に困窮している者」を主たる対 象にし、一定の生活サポートの元、全都規模で広く実施する事
b 地域生活移行支援事業の「臨時就労支援」「再就職支援」策を自立支援事業体系 (緊急一時保護センター)の中にも取り入れ、とりわけ中高年齢者の「就職困難者層」に対する常 雇い就労支援(自立支援センター)とは別の就労支援策を強化する事
五、生活保護行政と自立支援施策の連携に関する要望事項
a 自立支援事業と生活保護制度が対立的な関係にならぬよう、自立支援事業体系の中に福祉事務所 の相談員または相談所を配置する等、いつでも生活保護の相談及び申請が出来るような仕組みを作る事
b 各福祉事務所間の運用の違いを改め、自立支援施策施設に入所している要保護者、ないしは申請予定者についての生活保護適用基準を統一する事
c 自立支援施策に入所している要保護者の出口問題について、地域生活移行支援事業(低家賃住宅施策)の活用、または更生施設、特人厚宿泊所の活用など、社会資源を量的に確保し、移行に際しては本人意思を尊重する事
<対系図は別紙参照の事>