新宿連絡会チラシ集第二十一集(2011年7月より12月)

 


2011年7月3日新宿連絡会チラシ
2011年7月10日新宿連絡会チラシ
2011年7月17日新宿連絡会チラシ
2011年7月24日新宿連絡会チラシ
2011年7月31日新宿連絡会チラシ
2011年8月7日新宿連絡会チラシ
2011年8月21日新宿連絡会チラシ
2011年8月28日新宿連絡会チラシ
2011年9月4日新宿連絡会チラシ
2011年9月11日新宿連絡会チラシ
2011年9月18日新宿連絡会チラシ
2011年9月25日新宿連絡会チラシ
2011年10月2日新宿連絡会チラシ
2011年10月9日新宿連絡会チラシ
2011年10月16日新宿連絡会チラシ
2011年10月23日新宿連絡会チラシ
2011年11月06日新宿連絡会チラシ
2011年11月13日新宿連絡会チラシ
2011年11月20日新宿連絡会チラシ
2011年11月27日新宿連絡会チラシ
2011年12月04日新宿連絡会チラシ
2011年12月11日新宿連絡会チラシ
2011年12月18日新宿連絡会チラシ
2011年12月25日新宿連絡会チラシ
2011年12月28日新宿連絡会チラシ
2011年12月29日新宿連絡会チラシ
2011年12月30日新宿連絡会チラシ
2011年12月31日新宿連絡会チラシ


長い夏の始まり
熱中症被害が既に出始めているので、夏場対策を徹底しよう。
今度の日曜日は戸山、中央公園などで健康相談会あり。

 仲間たち。
 この季節では異様とも云える夏日の連続の中、疲労困憊の度合いが急に高まり、あちこちで悲鳴があがっている、暦は7月となったが、気がつけば梅雨はまだ終わっておらず、季節の立ち位置がまるで分からぬこの頃である。
 予報では、今週は曇りがちの日が多く、気温も30度前後との事なので、一息はつけそうではあるが。  節電と相俟って、熱中症のニュースが早くも駆け巡っている。電気使用制限令なるものが発令され、世は節電ブームであるが、汗ひとつかかずにそんな事を報じているテレビの向こう側の人々を見ていていると、まるで説得力がまるでない。庶民に矛盾を押し付けようとするいつもの国家とマスコミの手段である。
 まあ、俺たちは電気をそう多く使える立場にないので節電も関係ないのかも知れないが、クーラーさえ使えない社会の底辺の人々が身体を冷やす場所すらないのが問題と云えば問題である。昨年の熱中症騒動から、ほとんど学んでいない都会の脆弱性は今後いろいろな問題を引き起こすであろう。行政もせめてサービス機関だけはそう云う庶民の事を考え公共空間を充分冷やしておいてもらいたいが、今年の夏は電気使用制限令のおかげでそうもいかないのであろう。数字でしか物事を考えられないこの高見に立った発想は何とかしてもらいたいものであるが…。
 熱中症対策はとにかく身体に水分をとにかく補充するところから始まる。とりわけ直射日光の下で長時間居なければならない仕事をしている仲間は、常に水なり、塩分なりを補給出来るようにしておいた方が良いだろう。また、空調が悪い密閉した場所に長時間居るのも、サウナの中に居るようなものなので身体の水分が知らぬ間に奪われてしまう。冷房がない環境では、とにかく風通しの良い場所で少しでも息抜きをした方が安全である。それぞれ、昨年身に付けた生活の知恵を発揮しながら、これからの数ヶ月間なんとかやり過ごすしかないだろう。
 その他、夏場は夏場で虫の被害であるとか、食中毒であるとか、結核の蔓延だとか、病気はつきものである。今度の日曜日には定例の健康相談会が戸山公園、高田馬場事務所、中央公園と、新宿3ヶ所で実施されるので、調子が悪い仲間は気軽に来てもらいたい。それぞれ専門のお医者さんがボランティアで来てもらえるので、通院などが必要な仲間には「紹介状」を書いてもらえる。これからうだるような暑さの中で持病をかかえて悶々とするよりも、早めに治療してもらう、療養環境を整えてもらえる方がよほど良い。健康相談はそのきっかけであるので、まずは相談から始めてもらいたい。
 仕事探しの仲間は自立支援センターなどの仕組みは健在なので、とりあえずの避暑代わりに入り、合間に仕事探しなんてのも、この夏の過ごし方かも知れない。  覚悟して、本格的な夏を迎え入れよう。

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涼を見つけに
暑い日々は水分、塩分補給は忘れずに!
涼しい場所 で身体を休めるなど熱中症対策を。

 仲間たち。
 出口の見えない灼熱地獄の夏が始まっている。少しは気温も落ち着くと見えた先週も予想を裏切り高熱の日々が続き、陽射しがない日は逆に蒸し暑くと、もはやどう仕様もないくらいの夏である。全国的に熱中症で救急搬送される人の数が昨年比を上回り、死者も各地で出始めている。
 こう書くと他人事のように思われるかも知れないが、連絡会を手伝ってくれている昔からの仲間との連絡が急に取れなくなり、心配をしていたら、福祉からの通報で地域のヘルパーさんがアパートに駆けつけた所、熱中症の症状でぶっ倒れていて、すぐさま救急車で病院に運ばれ、九死に一生を得ると云う事態も発生している。  健康を悪化させて生活保護になる仲間も多いが、そう云う仲間がアパート等へ移ると、地域の中で孤立してしまう事も多い。路上に居る頃は炊出しなどでしょっちゅう顔を合わせていた仲間も、地域の中で点在してしまうと日常的な関係もよほどでなければ閉ざされてしまう。もちろん、福祉事務所は地域福祉と連携しながら、安否確認、訪問などを重点的に実施しているが、このようなケースは後を絶たないと云う。
 とりわけ高齢の仲間は「お国の為」にと無理な節電をしがちであり、今後多くの被害が予測されている。お国などより自分の身体の方がよほど大事であるので、気温が30度を越える日々が続いていたら、とにかく熱中症を意識して、水分、塩分補給はもちろんの事、風通しの良い場所なり、クーラーの効いた場所で一時、身体を冷やす事もしておいた方が良いだろう。
 野宿していても、テントで暮らしていても、アパートに居たとしても、等しく危険はあるので全ての仲間に注意を喚起していきたい。
 この夏の暑さを加熱しているのが、今の末期的な政治の状況でもある。都会ですらこうであるのに、被災地では未だ冷房設備のない避難所生活を多くの人々が強いられ、復興も遅々として進んでいないようである。
 避難施設に何ヶ月も押しとどめて置くなど、我々の経験からしてもあり得ない話なのであるが、この国がいかにホームレス対策に真剣に向き合っていなかったかがここからも伺える。選挙の時だけは「国民の暮しを守る」とか格好の良い事を言いながら、こと国難が起きれば。皆保身に走り、辞めるのだか、辞めないのだか何をしたいのかすらさっぱり分からない首相がおろおろしながら居座る。しかも政権党が分裂状態ならなおさら何一つ決まりはしない。地元選出の大臣が連日頭を下げている姿をみるたびに、全国に迷惑をかけて本当に申し訳ないと云うか、忸怩たる思いである。
 政治が解決能力を失っている中で、いかに底辺の仲間が生き抜いていけるのか。そんな事も問われる長い夏になりそうである。
 とにもかくにも、俺たちは俺たちでどうにかこうにか乗り切るしかない。それだけは、今も昔も変わっていないようである。

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夏から夏へ
第18回新宿夏まつりの日程が決まりました。
8月13日(土)前夜祭、14日(日)本祭となります。今年も宜しく。

 仲間たち。
 台風の進路が気になるものの、居座る高気圧を動かしてはくれないようで、相も変わらずの真夏日が続きそうである。そろそろこの暑さにも身体が慣れてくれれば良いのであるが、慣れぬとならば身体の異変があちこちに現われる頃であろう。かつての夏場は意外と短く、息のつける季節であったが、ここ数年はそうともいかず、体調異変にはとりわけ気をつけた方がよさそうである。
 相も変わらず仕事が少ないながらも、夏場の現場仕事は、この暑さのせいもあり人手不足傾向にあるようである。とは云え、体力に自身がなければそうそう炎天下の中での仕事を頑張れる人は居ないだろう。若い仲間はそれでも張り切って仕事に行っているが、身体に負担をかけぬよう、気をつけてもらいたい。水分補給、塩分補給は当たり前であるが、とにかく働いている仲間は体力をつけていかないと、この暑さには太刀打ちできない。二日酔いで現場仕事になど行けば、すぐさま怠くなり、倒れてしまうなんて事も良く聞く話しである。多少お金が稼げたら、栄養のあるものを食べる、サウナなど落ち着いた場所で身体を休ませる。お酒もほどほどなら良いが、とりわけビール類は利尿作用があるので水分補給つながらない。すぐに汗と小便で水分が放出されてしまう。そんな事も考えながら健康と体力の維持を優先にしながら、リフレッシュをしていこう。
 最近は地方からも仕事を探しに若い仲間などが都会に流れているが、そうそうすぐに上昇気流に乗れる訳はないのだから、とにかく信頼が出来る仲間を作る事である。都会に来るといろいろな事で騙されてしまう。最近は生活保護ビジネスがどこの都会でも横行していて、制度を知らない事を利用し、「生活保護を取ってあげる」と、色々な人々や団体が手当たり次第に声をかけているようだ。身寄りのない年寄りに声をかけるならまだしも、一番狙われ易いのが仕事を探しに都会に来たばかりの若者のようである。昔は「仕事があるよ」であったのであるが、最近は「生保を取ってやるよ」と甘い言葉が変わっているのは時代のせいなのであろうか?まあ、それはともかく、生活保護の受給を決めるのは福祉事務所である。また、その基準も様々な要素があり、自動販売機のように国からお金がもらえるものでもない。そうでなくとも、生保世帯が200万人を越え、生活保護制度の改正を含めて議論されている中で、そんなうまい話があると思う方が、よほどのお人よしである。いろいろな名称を使ってくるので紛らわしいが、「うまい話には裏がある」のは、この都会に暮らしていけば、自ずから分かる事だろう。
 さて、暑いので夏まつりが来月にはある。日程は13日(土)午後5時より前夜祭、14日(日)は正午から本祭である。今年も新宿保健所、新宿福祉の結核検診なども同時に行われる。暑さを吹き飛ばす事などとうてい今年は無理であろうが、それでも夏の風物詩の一つであるので、自粛ブームの中ではあるが、ひっそりと俺らの祭りを楽しもう。

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暑いだけではない
第18回新宿夏まつりの日程が決まりました。
8月13日(土)前夜祭、14日(日)本祭となります。今年も宜しく。

  仲間たち。
 高気圧に阻まれながら進路を直角に変えた台風も、幸いにして関東地方にはあまり影響がなく、無事やり過ごしたと云う感じである。大雨の心配もあったものの、一時的なものに留まり、おまけに台風一過後は涼しい風が吹き抜け、猛暑続きの日々から一休みつけられる事となった。あまり急激な気温の変化も困りものではあるが、ほっとしたのもつかの間、まだまだ暑い日々が8月にかけて続きそうである。
 体調には色々と気をつかっていると思うが、引き続き夏場の健康管理には注意をしていきたい。熱中症も、もちろんその代表格であるが、それ以外でも皮膚関連の病気であるとか、食中毒であるとか、夏風邪が長引いていたら、実は結核であったとか、この季節特有の病気は巷では溢れ返っている。
 病気にかかってしまったら、これは医者で診てもらうのが一番であるが、病気にかからないよう予防をしていくのは、これは一人ひとりの自覚である。路上の夏場は特に衛生面で注目されてしまうのであるが、可能な限り衣服や持ち物、そして寝床を清潔を保つと云う日々の暮らしの中での努力を惜しむと、自分に悪いことが降りかかってしまうのが現実である。
 もちろん連絡会では衣類を配ったり、シャワーサービスを実施したりと側面支援は惜しまないし、役所の方でも同様のサービスをしてくれたり、今度の夏まつり時には、結核検診や健康相談を出張してしてくれたりもする。
そんなのも利用し、大変であろうが、自分なりの予防の努力をしながら、大きな病気にならないよう気をつけていくしかない。
 高齢者の場合であるとか、既に病気で苦しんでいる仲間は、いくら個人で努力してもそれは限界がある。そう云う仲間にはとにもかくにも身体をゆっくりと休める場所が必要である。
 連絡会としては高齢者の仲間に、借上げアパートの「麦の家」を利用してもらい、次のステップにつなげていこうと云う事業をNPO部門と協力しながら実施しており、これまで50人以上の仲間が「麦の家」を経過して普通のアパート暮らしをしている。
 路上の暮らしはもう厳しいと感じている高齢の仲間は、こう云うのも一つのきっかけである。気持ちさえあれば何とかなるので、希望する仲間は連絡会本部か、「とまりぎ」で相談をしてもらいたい。連絡会は「生活保護を取ってあげるよ」団体とは違うし、仲間を騙して云々なんて事はしないので、それなりに信頼をしてもらいたい。その他、NPO部門では緊急宿泊所「馬場ハウス」なども運営しており、役所が出来ない部分を独自でやっちゃったりもしている。緊急一時保護センターが役所の都合でなくなっても、仲間が身体を休める場所はこの地に必要である。次のステップは自分でゆっくりと考えていける環境をこれからもしっかりと作り出して行く。仲間が考え、そして決めていけるような路上にしていきたいものである。

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さよなら高気圧
新宿夏まつりは8/13-14「水の広場」で開催します。
結核検診、健康相談会は14日の午後1時からです。

  仲間たち。
 ようやく平年並の暑さに戻り、猛暑は終わったかのような感があるものの、気がつけば、ようやく7月が終わったばかり、まだあと2ヶ月は油断の出来ない日が続くだろう。平年並の暑さとは云え、蒸し暑さに関しては年々不快指数が高まり、まるで亜熱帯地方のような気候になるのは、コンクリートジャングルの宿命のようである。突然の雷や、ゲリラ豪雨なども、やたらと発生している。蒸し暑いと衛生面の問題なども多く発生し、皮膚関連の病気であるとか、感染症(結核菌などが代表格であるが)の蔓延だとか、何かと健康の悪化の問題も出て来てしまう。それに伴い、注意してもらいたいのは食中毒などである。炊出しなども、取っておいて蒸し暑いところに置いておけば、翌朝はもう食材が痛んでいる。新鮮なものはそう食べられる訳でもないので、臭いをかぐなどの予防、口にしていつもと違う味がしたら食するのを止めるなどの工夫が最低限必要である。
 裏面にチラシを添付したが、8月14日(日)に新宿区は結核検診を中心とした健康相談会を新宿中央公園で実施する。丁度お祭りの日であり、連絡会の医療班の先生方も同じ日に来てもらえる事になっている。会社勤めなどをしていれば年に一度の健康診断と云うのはあるものであるが、なかなか長期失業状態であると、そう云う訳にもいかない。とは云え、病気の方は待ってはくれない。どうしても歳を重ねれば何かと病魔はすぐに寄りついてしまう。その中でも結核菌と云うのは、なかなか自覚症状が現われず、自覚した時にはもう手遅れなんて事も多い。なのでレントゲン検診は、年に一回は受けておいた方が良い。誰でも感染の危険性はあるのだから、自分だけ大丈夫と思わずに、こう云う機会は大事にしていこう。
 新宿の夏まつりは、伝えている通り、13日(土)と14日(日)の二日間である。一番気になる炊出しの方は、13日(土)は午後5時からの追悼会が終わった後に、通常の炊出し。夜のカラオケ大会の最中くらいに「そうめん」の配布が予定されている。翌14日は、正午に通常の炊出し、また夜6時(いつもより1時間早めなのでご注意を!)にお祭り特製カレー弁当などの配布となっている。その合間にかき氷であるとか、ゲームの参加賞でやきそばであるとか、夜はコンサートを聞きながら発泡系飲料水であるとか、いつものように皆が楽しめるような企画と食料、飲料を準備している。この夏は震災の影響もあり、衣類の集まりがいま一つなので、昨年のような大量の衣類配布は出来そうもないが、新宿区の方で結核検診を受診した仲間にはTシャツも配布されるので、お互い補いあってやっていきたい。
 失業率がまた悪化したとか、暗いニュースが続き、復旧どころか、政治も混迷したままとなっているが、底辺の仲間は、底辺の仲間のつながりだけを頼りに生きて行く。そんな姿を新宿夏まつりで社会に示し、何があっても生き延びていこう。

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新宿夏まつり13日(土)午後5時より 14日(日)正午より   新宿中央公園にて
再び猛暑日が。再び健康管理への個々の自覚を。
新宿夏まつりは8/13-14「水の広場」で開催します。

  仲間たち。
 ここ2週間程度はだいぶ過ごしやすい夏であったが、それでも蒸し暑さだけは都会ならではの不快指数となり、また豪雨とやらにも極地的に見舞われ、残念ながら快適な夏とは云えなかった。それでも去年よりはと思っていたら、今週からはまた猛暑がぶり返すとの事で、8月はやはり8月、当分この暑さからは逃れようがないようである。
 熱中症の話題が全国的に少しだけ遠ざかっているが、依然としてその危険と隣り合わせである事は忘れる訳にはいかないようである。田舎の方は土があり、緑も多くからっとした暑さであるが、都会ともなれば、コンクリートに覆われ、室外機がぶんぶん廻りと、一時話題となったヒートアイランド現象のただ中となる。それに加え、通気を考えない見てくれだけの安かろう悪かろうな、うさぎ小屋的な建物が多く、表にいても、屋内にいても熱中症の危険が地方に比べれば数段あがっている。生活保護などで安アパートにいて熱中症で倒れるなんてのは、ニュースにはならないものの、今や日常茶飯事となっている。いくらクーラーを支給したとしても、電気代がもったいないので使わないとか、お金を使い過ぎて電気が止められているとか、生活の自覚の面から建て直さないと、どうにもならないのが現実である。
 屋外の、とりわけ現場作業で働いている俺たちもまた、同様である。自分の身体を守りながら仕事をしていけるよう、健康面、安全面での自覚を相当しながらやっていかない事には、生活どころか、命の危険すらある。こればかしは、誰かがやってくれる訳ではないので、一人ひとり、しっかりと考えながら夏場の生活を作り出していかなければならないだろう。
 今度の土日は夏まつりであるが、14日の日曜日には、新宿保健所、新宿福祉が中央公園の会場で出張の健康相談会を実施してもらえる。午後1時からレントゲン車が公園の中に入り、テントが張られと大がかりな相談会をせっかく実施してもらえるので、年に一度の健康診断のつもりで参加してみよう。連絡会の医療相談会チームも同じ時間帯にブースを作り相談に乗るので、相乗効果で仲間の健康を守っていきたいと思う。とりわけレントゲン検診を今年一度もしたことのない仲間は必ず検診だけは受けてもらいたいと思う。結核こそ自覚が必要な伝染病である。無自覚なまま他人に移してしまうなんて事がないよう、安心を確認するためにも検診は必要である。祭りの最中なので、楽しみながら、それでも自分の健康を考える。新宿は、そんなお祭りである。
 今年の夏は、東北関東の大震災で多くの人が亡くなった後の新盆でもある。命の尊さをもう一度噛み締め、生き残った人々がこれから何をしなければならないのかを考えるお盆に、生き残った路上の仲間が集い、元気を出し、仲間と共に生き続けようとする俺らのお祭りには、きっと何らかの意味があるであろう。仲間の祭りを共に!

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早く秋に
まだまだ残暑は続くようであるが、涼しくなったら少しでも 身体をいたわろう。

  仲間たち。
 猛暑日の連続も一時休戦、大雨の後は秋を思わせるような気温となり、夏の中休みがようやく出来そうである。とは云え、週末あたりにはまた30℃を超す夏日が復活するとの予報なので、ゲリラ豪雨と炎天下の繰り返しの残暑となりそうである。
 未だ大きな余震などもあり、また水害など自然災害が各地で発生し、不安が癒されるどころか、混沌としている中、政治の方は、誰からも支持されない首相の元で、次期首相は誰かと党内抗争に明け暮れ国民生活などそっちのけ、経済の方もアメリカ発の同時株安から、急激な円高と、この国の事情など関係なくドラスチックに流動化を始め、国内企業を圧迫している。誰もが言う事成す事すべて違い、無責任がまかり通り、あげくの果てには、何を希望とするのかすら判らぬ世界に迷い込んでしまったかのような夏である。
 そんな夏の中、何はともあれ、先日の新宿夏まつりへの参加、ご協力どうもありがとう。仲間が協力しあって作り出す、実に新宿らしいお祭りが出来たと思う。今年は震災の影響もあり、物資、資金とも不足がちな中でも、ほぼ例年通りの質を保てたのは、俺たちの地道な活動を見ていてくれている人々が、それでもまだまだ居たと言う事でもある。毎年の事ながら、この一年も多くの路上の仲間が病気などで亡くなっている。死者と共に歩み続けて来た俺らの夏まつりは、彼らにとって、少しでも良い供養が出来ただろうか。形ではなく気持ちで示すしかない俺たちだけれども、路上の仲間と共に泣き、悔やみ、そして笑い合えたお祭りにはなったと思う。
 同時に実施してもらえた結核検診の方も好評で、多くの仲間が自身の健康管理のため活用させてもらった。そして、重篤な患者が出なかったのもこれまた幸いであった。結核検診を受診した仲間は最終結果発表もあるので、一応の確認だけはしておいてもらいたい。
 連絡会の活動も今週からは通常通りに戻り、また地道な活動をしていく。この秋から冬へは大きな課題はないものの、来年の夏には時限立法のホームレス自立支援法の期限切れを迎えようとしている。この法律は自立支援センターやシェルターなどの根拠法となっているもので、仲間が仕事に就くための色々な施策がこの法律を根拠に打ち出されて来た。この法律がなくなると、俺らを対象とした施策、とりわけ「屋根と仕事」につながる施策は大幅に後退化してしまう。地方都市などはほとんどこの法律を活用していないので無関係のようだが、東京なり大阪なり大都市圏にとってみれば大きな痛手となる。
 もちろん国難の時代に、「バラまき政策」を続けろと言うつもりは俺たちにはない。仕事をしたい仲間に仕事につながる施策だけは、路上の仲間に限定して構わないから。維持してもらいたいと思うのである。
 この点は大きな注目点であるが、こんな課題をかかえながらの後半戦を、まだまだ暑さは続きそうであるが、前向きに歩んでいこう。

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早く 深く 秋へ
弱った身体に急激な気温の変化は、風邪やら結核やら病気が移り易いので、調子が悪ければ福祉から病院へ。

  仲間たち。
 暑い暑いと云いながら、もうじき9月、秋雨と野分けの季節である。
 残暑も早一段落、台風の影響などもあり、今週は曇りや雨が多いようで、蒸し暑さは変わらないだろうが、猛暑日からは避けられそうである。
 気候がこんな風なので、生活スタイルも夏型からの脱却をそろそろしておいた方が良いのかも知れない。
 政治好きの方には堪らない、恒例行事なのか、年に一度の政治ショーがまたぞろ始まっている。期待しては裏切られと、同じことの繰り返しなのであるが、こんなに時間を費やしても、この国の在り方は定まらず、経済戦略もあってないような民間任せ、社会保障も継ぎはぎだらけで放ったらかしのまま、一時期流行った構造改革など誰も見向きもしないで既得権益は温存され、揚げ句の果てには国民に信も問わずの増税議論と、もはや政治に希望などあるのかねと思わせるような現状である。
 いずれにせよ与党の都合で新しい首相が今週には生まれるとの事なので、被災地復興もそうであるが、俺らのように地に這いつくばって生き抜いている失業者や野宿者の諸問題にも目を向けてもらえるよう、とりあえず今度も期待をしておこう。
 仕事を増やさず、仕事を探す機会だけは増やしていこうとする、ある意味無責任な雇用政策のおかげでハローワーク系のいろいろな出先機関が過剰な程に出来ているが、俺らのように住居を失った仲間にとっては、屋根付きで仕事が探せる場所が最適であり、そうであるからして、東京都に自立支援センターを作らせたり、国にシェルター等を活用した通い型の自立支援システムを提案したりして来たが、その基本形が今やどこかへ行ってしまったようだ。いつでも入れないのが東京の自立支援センターの最大の欠点であるが、その点はシェルター等緊迫施設を活用すれば補える。そう云う問題意識をもっているのは新宿区や特人厚ぐらいなもので、今ある施策をどう路上の現状の変化に対応させ、発展させていこうかと云う考えが欠けてしまっている。工夫さえすれば何も新しい事などしなくとも、少ない予算の中で充分活用が可能なのに、東京都や国などは仕組みを作ったら後は知らん顔。マスコミに騒がれるとその場凌ぎの施策を新たに作って取り繕い、揚げ句の果ては生活保護に働ける者を大量に流し込んで問題をうやむやにする。そんな事を繰り返しているから予算が逼迫し、生活保護を厳しくしようとする議論や法改正の動きが加速するのである。
 それでもまあ、なんとか生きていかねばならぬのであるが、なにかしらの仕事をしながら生きてていく生活のスタイルをどうにかこうにか作りださなければ、これからの時代けっこう厳しいと思うのである。そのためには自分の器を自覚し、伸ばせるところは自分で伸ばし、大きな夢を見ず、他人へのやっかみは止め、自分なりの地道な生き方をする事である。
 秋の夜長は、色々な事を思う季節である。

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風と雨の残暑
今度の日曜日9/11の炊き出しは「水の広場」が使えないため ポケットパークで行います。医療相談会もあります。

  仲間たち。
 台風12号の進路が大きく西の方にずれたので、東京は予想していた程の天候の荒れはなかったものの、湿った風のおかげで雨が降りやすく、気温も上がりと蒸し風呂のような陽気になっている。不快指数もあがり何かとさっぱりしない残暑であるが、暑さに関しては、もう少しの辛抱と云ったところか。
 今年も暑かった夏が一段落して来ると、無理をしていた身体に疲れが溜まっている頃でもある。今度の日曜日は、戸山公園、高田馬場事務所、中央公園と3箇所でボランティアの医師による医療相談会があるので、調子が悪いなと感じている仲間は、気軽に相談に来てもらいたい。
 今度の日曜日は、炊出しと中央公園医療相談会の場所が変わるので注意をしてもらいたい。突然なんでと思うかも知れないが、何の事はない、いつも使っている「水の広場」が夕方から夜の時間帯、デモの集合地点と解散地点になってしまっただけの話である。警官などもいっぱい来るだろうから、騒ぎに巻き込まれないよう、今回だけ、場所を中央公園ポケットパーク(北東側入り口、場所が判らない仲間は裏面の地図を参照)に移して実施する。時間等は同じで、場所だけ変更なのでご容赦願いたい。その次からは通常通りに戻るので、その点もお間違えないように(雨天の場合はいずれも都庁下です)。
 話を戻して、夏場はどうしても食が細り、水分ばかし補給をしているので、栄養不足や胃腸の調子が悪くなったり、身体全体がだるいとか、ちょっと涼しい風が吹くとすぐに風邪を引いたりと、季節の変わり目は何かと健康管理には気をつかうものである。いつも云っているが、病気は早期発見、早期治療が一番大事で、無理を重ねた身体はボロが出やすいのでメンテナンスも必要となる。身体の異変は自分が一番良く判っているので、いつもと調子が違うと感じたら、一人で悩まず、また大した事ないと高をくくるよりも、専門家にまずは相談をした方が良いと思う。
 医療相談では「紹介状」を発行してくれるので、病院での病気の治療は、その「紹介状」を持って福祉事務所で簡単な手続きをしてから通院となる。新宿福祉は仲間の病気の治療にかけては重点的に対応してくれるので、お金がなくとも、保険証がなくても制度を活用してもらえる。もちろん、入院が必要、病気で働く事ができずに静養が必要となれば、それに対応もしてくれる。
 みんなもうそう若くもないのであるから、病気の事、病気になった場合の対応法もしっかりと身につけておこう。福祉事務所の利用の仕方など判らない仲間は、毎週月曜日午前中。俺たちは福祉事務所に詰めているので、こちらも気軽に声をかけてもらいたい。
 震災以降の経済も失業率の悪化として反映されるなど、あまり良いニュースはない。新内閣には増税ではなく、被災地復興や失業者対策を優先してもらいたいところであるが。

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短い秋に
季節の変わり目は身体を壊しやすい季節です。
普段より気をつけながら自分の健康を守っていこう。

  仲間たち。
 西日本に大きな被害をもたらした台風12号が去ってから、いつの間にか残暑も戻り、秋の訪れは一進一退と云ったところか。今年は自然災害が深刻な年のようで、また、今は台風シーズンと云う事もあり、天気予報には一段注意しながらやっていくしかないだろう。
 あの震災からもう半年である。復興への願いを込め、各地で追悼の行事なども開かれている。俺らもまた思いを馳せたい。
 原発の事故も未だ尾を引いているし、政府の対応の遅れや、またもやの首相交代などもあり、復興への足取りもやたらと遅いものになってしまった。それでも必死に生き抜こうとしている被災者の姿や声を聞けば、決して他人事のようには思えない。何があろうとも這い上がって行くしかないのは、俺ら底辺の仲間と同じでもある。
 何も出来なくとも、根底ではつながっている。そんな事を思いながら、共に生き抜く覚悟を決めていきたい。
  さて、残暑といえども、秋めいて来ているのは周知の事実。朝晩も一時に比べれば涼しい風が吹き抜けるようにもなった。いわゆる季節の変わり目なので、いつもの事ながら、健康管理には気をつけてもらいたい。あまり薄着のままだと風邪も引きやすいし、風邪もこじらせると肺炎になったり、結核になったりと、ややこしくもなる。血圧が高めな仲間も、腰痛などの持病を持っている仲間も、季節の変わり目は極端な症状が出たりもする。いざと云うときの病院などへ行けるよう、それぞれしっかりと自分の身体、病気がある仲間は病気と向き合っていこう。とにもかくにも、俺たちにとって身体は一番の資本。そこを守り抜けるか抜けないかで、これからは決まってしまう。
 高齢や持病のせいで仕事が出来ない、仕事がなかなか見つからない仲間は、寒くなってから人に助けを呼ぶよりも、今の内に健康面での診察や、生活面での、役所への相談など自分から率先してやった方が良いだろう。今は昔と違い、いろいろな制度があるので、活用してもらいたいし、高齢ともなると選択肢の幅も広がっていく。路上に迷い込んでしまっても、自分さえその気になれば、そこから這い上がって行ける環境はそこそこ整っている。集団生活は嫌と云う仲間も多いが、そんな仲間も俺らがやっている「麦の家」を通じて。この間、多くの高齢の仲間が、年金暮らしに戻ったり、保護を受けたりもしている。
 病気はそうでもないが、仕事を本格的に探したいと云う仲間は、自立支援センターなどの仕組みも、これまたしっかりとある。住所設定から、技能訓練、就職指導から転宅支援まで、一定の期間の中で頑張ってみようと云う仕組みは、これまた多くの仲間が使って来たおなじみの制度でもある。
 秋ともなれば、あっという間に冬になる。冬は俺らにとって天敵とも云える季節である。その前にやれることはやっておきたいものである。

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暑さ寒さも
衣類の配布は毎週日曜日の炊出し前にやっています。
衣替えのシーズンでもあるので、利用を。

  仲間たち。
 台風シーズンと云うのに、今年は幸いにして東京への直接影響は少ないようであるが、その代わり、暖かい風がたくさん送られて来るようで、蒸し暑い残暑が続いてしまっている。しかしながら彼岸が近くなれば、夏ともそろそろおさらばである。今週は台風の影響もあり天気は崩れ、同時に気温も30℃を下回り、そろりそろりと秋が忍び寄って来る。既に朝晩の風は秋の冷たい風に戻って来ており、路上に居ても季節の変わり目が実感できる頃となっている。
 衣替えにはちと早いかも知れないが、早いと言っている内に気温もぐんと下がり、寒さに震えるなんていう、そんなシーズンでもある。今の内にちょっとした長袖やら、上着やらを確保しておかないと、昼間は良いが、夜は厳しくなる。衣食住と昔から良く言うが、どんな暮らしをしていても、衣は一番先の必需品である。見てくれだけの豊かな国になって衣類はいたるところに氾濫しているようだが、そうそうタダで配ってはおらず、いざと言う時には確保は難しい。
 連絡会も今のシーズンは衣類の募集を多くの人に呼びかけている。震災の影響で一時程多くは集まってはいないが、それでもぼちぼちは全国から送られて来ている。毎週日曜日の炊出しの前に集まった衣類は残さず提供しているので、こんな機会も利用して必要な衣類は確保していこう。もちろん希望通りのものがいつもある訳ではないが、新宿区の「とまりぎ」でも衣類の提供は行ってもらっているので、こちらにも行ってみよう。
 涼しくなるのに薄着のままだと、まず最初に風邪を引く。その段階で治ればよいのだが、長引くと肺炎であるとか、結核であるとか、また合併症であるとか、一度蝕まれると、病気の方は放ってはくれない。栄養つけるにも、そうそう良いものをいつも食える訳でもなく、静養するにも野宿であれば良い場所はほとんどない。こうやって悪い連鎖に包まれてしまえば、そこからなかなか抜け出せず、病院にでも行かなければ、ここで一生を終える事にもなってしまう。これが俺らの生活の怖さでもある。  そうならないよう、最初から気をつけ、ある程度の緊張感を持ちながらやっていくのが肝要ではある。もちろん、病気ともなれば自分らではどう仕様もない。専門の医者に診てもらう。診てもらうために、福祉などの制度を活用する。これもまた生きる知恵でもある。  仕事もそうなかなか見つからないが、心機一転で仕事探しをしたいと云う時は自立支援センターなどを、これまた活用する。仕事の出具合と云うのは波があって、運不運もつきものであるが、諦めてしまったらそこから先には進めない。世の中のせいにしたところで、何も始まらない。焦らずに自分なりの努力を継続しながら発揮し続けるのが大事でもある。
 他人に甘えず、自分で自分の人生をどう切り開くのか?俺らはそうやって生きて来たし、これからもそうやって厳しくとも、生きていこう。

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夜長の秋に
季節が変わり、涼しくもなると身体の異変が気になる 頃でもある。とりわけ病気には、早め早めの対応を。

  仲間たち。
 台風一過後、一気に秋めいた気候に転じ、風邪などを引いてしまった仲間も多いと思う。ここ一週間も曇りがちなすっきりしない天気が続くとの事であるが、長かった夏場から秋への丁度変わり目、体調面を含め、生活全般を考えていかないとこれからの季節は乗り切れない。早め早めの生活環境の転換を図っていきたいものである。
 急に冷え込むと鼻風邪をもらったりもする。風邪の対応は引きはじめが大事である。昔から乾布摩擦などが良いなどと言われているが、皮膚を鍛え暖めるのは意外と予防にも効くそうである。また、汗をかいたからと、冷たい水などをがぶ飲みしたりして、胃腸を急激に冷やすのは逆効果で、温かいものを飲んで体内の循環を良くするのも予防法と言われている。田舎の方では夏場でも熱いお茶を飲んでいるが、これも古来からの健康法のようである。もちろん、いろんな菌が飛び交う都会では「うがい」もこれまた大事な予防法である。
 症状がひどくなったら、薬とか病院と云う話になるが、その前の予防もしっかりとしておかないと、風邪も万病の元なので注意が必要である。
 社会の底辺で必死に働き続けてきた俺たちは、年を取るに従い、身体のあちこちが摩耗してくる。本当に健康な仲間などはほんの一握りで、ほとんどの仲間は持病に苦しんだり、身体をかばったりしながら生きていると思う。そんな状況だからこそ、あまり無理や我慢をせず、身体からのSOSを感じたら、仲間に相談をしてみる。福祉に相談してみる。病院で検査等をしてもらう事も必要となってくる。
 この時期は、夏場の知らず知らずに溜まった疲れが一気に出る時期でもある。ここで身体のSOSを無視してしまうと冬場に大きな事故につながる事もある。
    毎回言っているが、新宿区では、保険証がなくても、住民票がなくても、お金がなくとも、調子の悪い仲間は、簡単な手続きだけで医者にかかることが出来る。最低限、病気が重い仲間を路上で放置しないよう、長年をかけてそのような人道的な仕組みができ上がっている。だから、病院にかかるのに遠慮はいらない。手続き等で分からない事があったら、毎週月曜日には俺たちの仲間が福祉事務所に詰めているので気軽に相談をしてもらいたいし、俺たちも独自に毎週のパトロールや、毎月第2日曜日に医療相談会なども実施し、仲間の健康管理についての見守りや相談活動を実施している。また、衛生管理のためのシャワーサービス、衣類の提供なども欠かさず行っている。
 身体の事だけは自分ではどうしようもないので、いろいろな手段を利用しながら、より良き方向に進んでもらいたい。
 ようやく秋となったは良いが、秋は実は短い。今年も残りが3ヶ月程である。あれよあれよと、一気に冬への下り坂で、迷子にならないよう、気持ちをスッパりと切り替え、生き抜いていこう。

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つるべ落としの
今度の日曜日は戸山、中央公園などで医療相談会があります。
調子の悪い仲間は早めに相談を。

  仲間たち。
 空気もいつの間にやら澄み渡り、あれよあれよと秋一色の頃となった。朝晩ともなれば冷たい風が吹き抜け、寒さと、冬の足音すら感ずる10月でもある。
 それでも秋晴れの日などは夏の疲れがどこかへ飛んでいきそうな晴れ晴れとした気分なども味わえ、良い季節となったのかも知れない。
 色々とあるが、季節はこうやって巡り、その中で人間は喜怒哀楽と共に、小さきながらも転々とする。それもまた楽しみに。年を重ね、何かが生まれる。そんな熟成の秋でもある。
 まあ、そんな事より急な秋の到来で風邪を引いてしまう仲間なども増えている。年を重ねれば病気とのたたかいは避けては通れない。日々の健康管理にせよ、俺らがやれる事は限られてしまい、もちろんそんな余裕なども普段はそうそうない。予防は大事であるものの、発症してからあたふたするのが路上の常でもある。
 どこか普段と身体の様子がおかしいとなれば、何が原因かを見極め、どうしたら元に戻るのかを考えるのは、人の本能としては当然である。病気にはピンからキリがあるので、それを見極めた上でどうするのかは、人それぞれとなるが、自分の身体なのだから知っておいた方が良い事は多い。
 今度の日曜は、戸山公園、高田馬場事務所、中央公園で、路上の仲間が無料で受けられる医療相談会を行うので、自分の身体に異変がある仲間は相談に来てもらいたい。ボランティアの医師がまずは話を聞き、それから原因究明の手段であるとか、治療の方法などを示してくれる。路上の仲間の診察に関してはベテラン揃いのお医者さんなので心配はいらない。
 西洋系の治療術だけでなく、腰痛、神経痛などで東洋系の治療を試してみたいと云う仲間は高田馬場事務所での相談会の方に来てもらえれば、こちらも専門的な話も聞ける。いろいろ取り揃えていますよと言うのも変ではあるが、治療法には人それぞれいろいろとあるものである。自分の病気にあった治療法を探すのも必要なのかも知れない。
 新宿保健所、新宿福祉の方では、今月12日に、福祉事務所前で結核検診会も実施してもらえる。夏場に続いて2回目であるが、夏は都合が悪くて受診しなかった仲間は念のために受診しておこう。結核だけは自覚症状があまり出ない病気なので、こうやって予防をしっかりとしておかないと、後々何かと困った事にもなる。
 そんなに高度医療を求めない限り、俺たちでも福祉などの制度を活用すれば医療にはつながる。その意味では安心なので自分の健康管理やら治療にいろいろな行事や制度を使ってもらいたい。当然の事ながら、病気治療と云うのは、自分の自覚からしか始まらない。悩んでいる仲間は、一歩踏み出してもらいたいものである。
 自分の事もしっかりと考えるのも秋である。

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深まれば冬の足音
今度の水曜日は新宿福祉事務所の前で
今年2度目の 「結核検診会」が9時から実施されます。

  仲間たち。
 気温差がまだまだあるものの、まったりと秋も深まり、寒い地方では初雪やら紅葉の知らせも届き初めている。異常気象続きとは云え、どうやらこのまま冬へと一直線のようである。秋晴れの陽気にほっとする時間も短い。冬を見据えながら、キリギリスにならないよう準備していくのも路上の秋である。
 すでに秋物、冬物の衣類は順調に集まっている。これからもどんどんと集めていくので、なるべく多くの仲間にいき渡るようにしていきたい。衣類の配布は毎週日曜日の炊出しの前、4時過ぎに実施しているので、衣替えのない仲間や、冬支度をそろそろと考えている仲間は早めに集まってもらいたい。それでも自分にあった衣類がない場合もあるが、そんな時は「とまりぎ」でも衣類の配布をしているので、相談に行ってみよう。暖かい着るものがなければ、これからのシーズンは間違いなく風邪を引いてしまうし、夜中も眠れない。衣類の確保や、できるだけ暖かい場所での寝場所は最重要課題でもある。
 風邪を引くと肺炎やら、結核やら、その他の病気も抱え込んでしまう場合も多い。とりわけ風邪の症状が長引いているような仲間は、検査等をしておいた方が良いだろう。とは云え、役所の手続きは面倒臭いと思っている仲間には最適の「結核検診」が12日(水)、朝9時から花園神社裏手にある新宿福祉事務所前の駐車場で実施される。こちらは名前と生年月日を書くだけなので、受診はいたって簡単である。もちろん、要検査であるとか、結核の疑いがあるとかの場合は、その後の通院やら、入院やらの手続きも引き続き行ってもらえる。役所の結核検診は夏場に続き2度目となるが、こう云う仲間の健康のための検診会は大歓迎である。今年まだ一回も検診を受けた事のない仲間や、風邪の症状が長引いている仲間などは念のために検診を受けてみよう。
 万が一、検診会などを逃してしまっても、病気の方は次回まで待ってくれないので、そんな時は福祉を通じて医者に行くなりの対応は日々やってもらえているので、そちらの方でお願いしたい。
 健康であることは良い事であるものの、年齢を重ねればそう健康であり続ける事は難しい。そんな中でも病気を誤摩化しながら、身体を酷使し仕事をしているのが一般的な中高年齢者の姿である。身体が動く内は仕事をしたいと願っている仲間も多い。秋口となり、仕事も多少は出てきたようでもあり、このシーズンに賭けてみようと云う仲間もいるだろう。新宿区からの自立支援センター入所は狭き門ではあるが、他区からの入所は何故かしら大幅に減って来ている。東京では23区のどこの福祉事務所からでも入所は可能なので、一刻も早くと云う仲間は他の区からも狙ってみても良いのかも知れない。仕事探しと云うのはタイミングと云うものがあるので、一回ぐらいの失敗でうまく行く事はそうそうないし、一回ぐらいの再就職でそのままと云うのも少ない。何度でも粘りに粘って仕事を身に付けるしかないようである。

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この世の秋
気温差が激しく風邪の仲間が増えています。
うがい、手洗いなど予防はしっかりと。また、長引くようなら病院へ。

  仲間たち。
 秋は秋であるが、晴れたり、荒れたり、気温差がめまぐるしく変わったりと、何だかあまり落ち着かない秋ではある。こんな調子がしばらくは続き、来月くらいになると冬の姿がはっきりと見え始めて来るのであろう。
 まあ、気候の変化もまた受け止めながら暮らして行かねばならぬのであるが、こうも気温差が激しいと風邪が蔓延しそうな頃でもある。今年の秋風邪は引いている仲間に聞くと、熱やらだるさが結構しつこく長引いているとの事なので、やっかいな風邪でもあるようだ。そんな風邪の菌が都会ではうようよしているので、予防などしっかりと対応をしておいた方が良いかも知れない。
 先日の結核検診は受診者36名と低調に終わっている。受診した仲間で再検査が必要な仲間は11月の8ー9日に張り出されるので、一応当日大丈夫と言われた仲間も念のためにチェックしておこう。
 今年の夏と秋の結核検診の受診者は合わせて140名前後であり、昨年よりも大幅に落ち込んでいる。検診する方も、受診する方も、惰性のような感じとなり、危機感が足りなくなってしまったようでもある。とは云え、先日の医療相談会で救急搬送された仲間は重度の結核と判断され入院した。その昔よりは改善されたとは云え、新宿で結核が撲滅したかと言えばまったくそうではない。
 風邪の症状が長引いている仲間が、実は結核であったなんて事はこれからもありそうである。検診会が当分はない変わりに、これからは個別対応となるので、おかしいなと思ったら、福祉を通して医者に行き、判断してもらうしかない。要は健康管理の自覚の問題となる。寒くなればなるだけ病魔もいろいろと襲って来る。野宿をしていて栄養も睡眠も十分でないとなるとなおさらである。冷たい路上で野たれ死にしないよう十分の注意をしてもらいたい。
 秋もの冬ものの衣類の提供は引き続き行っているので、必要な仲間は冬支度などのために取りに来てもらいたい。これからの季節はいろいろと準備も大変である。
 寒くなると施設などが一杯になるのがこれからの季節の習わしでもある。自立支援センターにせよ、緊急宿泊所にせよ、生保施設にせよ、これまでのようにすんなりと入れなくなってしまう。限られた資源の取り合いとなるので、それはそれでこの季節の恒例でもある。そんな中、民主党は一部の悪徳宿泊業者を取り締まると云う名目で「宿泊所規制」の法律を次の国会で上程しようとしていると云う。施設が規制がらみになれば、新規で作りにくくなり、また閉鎖する所も増えるだろう。そうなると俺らが泊まれる場所も少なくなり、結果、生活保護の抑制につながり、財政の事しか考えていない政府は喜ぶと言うからくりである。大元を糾さず、枝葉を刈るだけの政治と言うのは、俺らが見ていても滑稽にしか映らない。
 なんだか大変な世の中になりそうな気配であるが、じっくりと路上で冬に備えての力を蓄えよう。

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チャンスの順番
まだまだ風邪が流行っています。
日頃からの予防などを しっかりとやっていこう。

  仲間たち。
 秋は秋でそれなりに深まり、あれよあれよと10月も後半になろうとしている。このまま行けば、そろそろ初冬の頃ともなり、早くも冬ごもりの季節になろうかとしている。
 気温差が激しいので、相も変わらず風邪が流行っているようであるが、これから空気が乾燥でもしてくれば喉をやられたりと、風邪の流行は本格化をしてくるかも知れない。今の内に体調を季節に合わせていかないと何かと大変な冬になるので、日頃からの予防などもしっかりとしていきたい。
 衣類の方は順調に集まっているので、震災以降落ち込んだ支援物資量もようやく元に戻りつつある。カジュアル系の衣類は毎週日曜日に配布しているが、背広などのフォーマル系の衣類は余剰となってしまっている。とは云え心配して全国から結構な量集まってくるので、たとえば、就職活動をしたいのだけれども、背広上下がない、なんて云う仲間は、毎週火曜日と木曜日に実施しているシャワーサービスの時に担当に言ってくれれば、背広類とかネクタイ類は提供していきたいと思っている。なかなか体系の問題があるので、丁度良いものがあるかどうかは確かではないが、背広類ともなれば調達するのはかなりのお金がかかり、また保管ともなればこれは大変なので、駄目元で声をかけてもらいたい。これから背広類はなるべくまとめてj事務所の方で整理するようにしたい。
 被災地の方にかなりの労働力が投入されている事もあり、ようやく多少なりとも仕事は回り始めているようである。道を歩けばあちこちで道路工事などをしているのが分かるよう、混乱していた国の金がようやくにして市中に回り始めたサインでもある。公共工事がラッシュともなれば、年度末まではこんな感じで逼迫していた仕事量は多少なりとも緩和される。何だ、現場仕事だけじゃないかと思う向きもいるかもしれないが、労働人口が相対的に増えれば、他産業でも競争力は少しは下がってくる。その意味では、仕事にありつくには今がチャンスであろう。
 尤も長期的に見れば、今騒がれているギリシャ発の欧州危機などの火種があり、雇用問題については、あまり楽観は出来ないだろうが、こればかしは外的要因なのでどうしようもない。あまり悲観的にならず、今出来ることをしっかりとやるのが一番であろう。
 長期的な雇用を作らず「就労支援」しかやらないのが政府のスタンスであるが、それにしても「就労支援」については今後大きな課題として横たわってくる。
 俺らの世界では、既に自立支援センターが出来てから早10年絶とうとしており、「就労支援」「自立支援」の仕組みは都区において、先駆的に作られている。まだ利用していない仲間は、こう云う時期をねらって入所すると云うのも良いと思う。目標を持って活動する限り、きっとプラスになる事、間違いないだろう。残った力は最後まで絞り出したいものである。

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晩秋の頃
11月ともなれば、冬支度。
気候の気まぐれに惑わされず、 着実な冬支度をしていこう。

  仲間たち。
 晩秋の気候はじょじょに冬型に姿を変えつつある。早いもので気がつけば今年も残り2ヶ月程度、一年なんてあっと云う間で、年越しの準備も近い。
 秋の深まりは不安ばかりに目が行くとおもうが、しっかりと準備しておけばそう悪い事ばかりでもない。自分なりの目標を持ち、前を向きながら歩いていこう。
 こんな気候なので、風邪が結構流行ってもいる。昼間汗をかいた身体に夜の秋風が当ると間違いなく風邪を移される。これから空気が乾燥し始める時でもあるのでうがいをしたりと予防策が必要だが、野宿の俺たちには雨風の当らぬ寝床の確保がこれからの最大の課題でもある。夜だけでも眠れる場所を確保していかない事にはこれからのシーズンはとてもつらいものになってしまう。
 風邪以外でも、ちょっと「血圧が不安定」「身体がだるい」「食欲がない」など、異変を感じたら、早めに病院で診察を受けた方が良いだろう。福祉事務所が病院の掛け橋にはなってくれているし、福祉紹介の病院は俺たちの対応は慣れているから、気軽に福祉の制度を利用してもらいたい。新宿の福祉事務所は花園神社の裏にある第二分庁舎の1階にある。受付で緑のカードに自分の名前と生年月日を書いて提出しておけば、順番に呼ばれ「面談」を受けられる。その時に「調子が悪いので病院に行きたい」旨を話せば、その日の内に紹介病院を探してくれる。紹介病院は医療センターや東京医大など近場で大きなところが多い。
 もし、一人だと不安な仲間は、毎週月曜日に俺たちの仲間が福祉事務所に詰めているので、気軽に相談をしてもらいたい。
 東北関連の仕事増で建築関係は引き続き人手不足のようであるが、体力の問題や年齢の問題で誰でもが入れる業界でもない。本格的に別の仕事を探そうと思っている仲間は、福祉事務所で相談をすると、自立師支援せンター港寮を紹介してもらえる。今は「随時入所」と云う形で、福祉事務所に相談に来た仲間が順番に入れる仕組みとなっている。ただし、新宿の場合、希望者が多い事もあって順番が後回しにされる事もある。そんな場合もめげずに相談を続けていこう。港寮は通年的に開設されている仕事探し専門の施設である。もちろん3度の飯は提供され、その他のサービスも施設の中で受けられる。施設の中もカーテン付きで、一応のプライバシーは保たれる。門限以外の出入りは自由だし、評判はおおむね良い。もちろん、病気の仲間は施設から通院が出来るし、仕事を探したい仲間には、技能講習が受けられ就職のための準備もしっかりと出来る。まだ試していない仲間はチャレンジするに値する事業であろう。
 寒さと云うのはあっと云う間に訪れる。寒さの中、路上で耐え忍ぶか、それとも様々な機会を利用するのか、それは個々の判断であるが、いずれにせよ季節に負けずたたかう頃でもある。

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そろりそろりと
今度の日曜日は午前中戸山公園、昼は高田馬場事務所、夜は 中央公園で医療相談会があります。

  仲間たち。
 季節はずれの時が。まだあるものの、朝晩はぐっと気温が低くなり、晩秋から初冬の気候へと移り変わろうとしている。
 気がつけば今年も残りあと2ヶ月。何かをしても、何もしなくとも、いつもの通り、刻々と時間は過ぎていく。そして、冬への幕が開かれようとしている。
 毎年この季節を過ごしている仲間にとっては工夫すれば、何て事はないのかも知れないが、今年初めてこの季節に立ち向かおうとする仲間にとってみれば、実に大変な日々のたたかいが待ち受けている。
 なので準備は早めの方が良い。まあ、孤立せず、仲間を作り、健康管理には気をつけながら、防寒対策と寝場所をしっかりと確保していきさえすれば、どうにかなるものであるから、そう極端に恐れる事はないであろう。
 人にはそれぞれ事情があって、その一つひとつを解決sることはとても至難の道なのかも知れない。最後は自分の決断となるのであるが、それもまたはっきりしない部分が多い。しかし、こんな世の中ではあるが、野宿に至ったとしても、そこで生き抜いている仲間のつながりがあるのであるから、まんざら捨てたものでもない。社会の底辺で生き抜く俺らにとって、ここは一時の泉のような場所でもある。それだけを守りながら17年も新宿の冬を見守って来た俺たちだから、18年目の冬もきっと乗り越えられるであろう。
 これからの季節は、とりわけ高齢の仲間や持病を持った仲間がつらい季節ともなる。冬越しにはそれそう応の基礎体力が必要であるからである。そんな仲間にも注意しながら、何かあったらすぐに救急車を呼ぶなり、福祉に連れていくなりの対応が必要でもある。若い人々は自分の事で精一杯なのであろうが、そこそこ年を取った仲間なら、仲間への気遣いも十分に出来る。経験値と云うのは偉大なものである。そんなものは評価されないものであるが、それでも自然とこの地で培ってきた関係でもある。この地にはまだまだ広いネットワークがある。そんなものを生かしながら、どうにかこうにかやって行きたいものである。
 さて、今度の日曜日にはボランティアの医師による医療相談会が午前中は戸山公園、昼は高田馬場事務所、夜は中央公園で実施される。毎月一回の行事であるが、これからは、自身の、そして仲間の健康管理としては、重要な相談会でもある。病気とたたかうには、ある程度の自覚と知識が必要であって、無闇にたたかっても無惨な敗北を喫するだけである。医者に診てもらったら、それでおしまいではなく、医者に診てもらったら、診断につなげ、病名を見つけ、信頼できる主治医と治療法を見つけるのが次のステップである。何でもお任せと云う訳にも当然いかない。それでも普通の暮らしが出来るようにと願うからこそ、病人もまた努力している。
 いずれにせよ、調子が悪いならば、医療相談会でいろいろ聞いてみるのが良いとっかかりとなるだろう。

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やるせない冬
空気が乾燥してくると、風邪も流行り、火災の危険も高く なります。
健康管理と自主防災を!

  仲間たち。
 11月も半ばとなり、冬の足音がそろりそろりと聞こえて来た。昼の気温も低いままの日も多くなり、広葉樹の葉が散る頃には、北風に身を縮める季節になるだろう
。  これから空気も乾燥して来る。風邪のシーズンも本格化して来るだろう。近頃あまり騒がれる事もなくなったが、新型インフルエンザなども撲滅された訳ではないので、もしかすると猛威を振るうかも知れない。健康管理には十分気を付けて臨む季節でもある
。  先日も中央公園でテントの仲間が意識不明の状態で救急搬送されるなど、日頃の注意を怠ると突発的な事が起きたりもする。寒さと云うのは、とにかく身体に応える。
防寒対策ももちろん必要であるが、あまり無理をしない事でもある。
 毎年実施してもらっている厳冬期の宿泊援護も今シーズンも昨年並みに実施される予定である。また、緊急宿泊施設も冬場は強化されていく。身体がつらいときにすぐに入れるシェルター的な体制は官民共同で用意していく予定である。路上への応急援護も12月に入れば毛布の配給や医療相談の強化、年末年始の越年越冬の取り組みなど、こちらも例年通りに実施していくので、少しは安心をしてもらいたい。
 空気が乾燥して来るこれからの季節は火災予防が求められる季節なのであるが、周知の通り先週の日曜日の早朝、大久保にある「ローズハウス林荘」で失火と思われる火災があり、老朽化した木造アパートは全焼、4名の居住者が亡くなり、2名が重体と云う、実に痛ましい事故が起こった。このアパートには、生活保護者や住宅手当で入居した高齢の仲間が多く住んでいたとの事で、何ともやるせない思いが残る。
 亡くなられた方のご冥福を祈ると共に、怪我を負った方の一日も早い回復を願う。
 
 13年前新宿西口で同様の事故を引き起こし、犠牲者を多数出し、鎮魂の旅路に出た我々であったが、その後も、東京の仲間が多数入居していた「静養ホームたまゆら」の火災事故で仲間を殺し、そして今回、また新宿で同様の事故で仲間を殺した。
 ダンボールであるか、施設であるか、アパートであるかではなく、安心して暮らしていけるその場所を一瞬にして失い、逃げる間もなく煙と火の渦の中で命を落とさざるを得なかった仲間の事を思う時、「不幸」と云う言葉しか思いつかない自分や社会に無性に腹が立つのである。
 防火管理の問題、建物の老朽化の問題、単身高齢者への訪問の問題、自治の問題、地域福祉の問題など、これから色々と語られるだろうが、そう云う一つひとつの「解決策」が、きれいごとや、その場限りとならないようしていくのも、俺らに課せられた鎮魂の旅路なのであろう。
 こうして、やるせない冬が始まった。けれども、何が出来るのかをじっくりと考えていくしかない。

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間近な冬
高齢の仲間や病気の仲間は一段と厳しい季節となります。
調子の悪い仲間は早めに福祉から病院へ。

  仲間たち。
 カクンと気温も下がり、まるで何事もなかったよう、晩秋から初冬にかけての気候に移りつつある。今年の暦も少なくなり、年の瀬も見え始めて来た。
 嫌な季節ではあるが、こればかりは嘆いていても始まらない。その季節、季節にあった生活を作り出していくしか、生き残る術はない。
 毛布の配布は12月の下旬となるが、それまでの間は、冬物の衣類などをこれから大量に配布をしていく。今年は震災の影響もあったが、今は順調に衣類は集まっているので、冬支度のために必要な仲間は今の内に確保しておいてもらいたい。カジュアル系の衣類は、毎週日曜日の炊出しの前に配布しているので、早めに来てもらいたい。また、就職活動のために必要な背広などの衣類は、毎週火曜、木曜日のシャワーサービスの時に提供可能なので、受付の人に気軽に声をかけてもらいたい。
 体調の悪い仲間が病院に行ったとしても、検査、検査ですぐに病名が分かるものではなく、次の段階に進むには、やはり時間がかかる。また、自立支援センターなども待機待ちとなり、すぐには入れない状況であるが、すぐに入れて、身体を休める場所として、緊迫施設の「馬場ハウス」がある。冬を前にして、こちらも最大限利用できるよう今、サポート体制を拡充しているところである。
 高齢の仲間が一人立ちできるようにと開設している「麦の家」もサポート付きの借り上げアパートである。
 その他もろもろ、冬に向けて、連絡会関係の諸活動、諸事業は準備を整えつつある。もちろん、越年の年越し事業なども例年通り年末の28日から実施していく。
 冬を前にいろいろと不安であろうが、官民合わせた総合支援の力をこの季節に最大限投入させていくので、安心は出来ないかも知れないが、極度の不安は不要である。
 さて、先日火災があった「ローズハウス林荘」で亡くなった仲間の身元が明らかとなった。衣笠喜知彌さん(77)、武田武夫さん(76)、成田紀男さん(70)、宮川良治さん(58)の4名である。また、重体となった2名は未だ意識が戻らないと云う。
 改めてご冥福を祈ると共に、重体の仲間の回復を祈りたい。

 焼け出された居住者は、特人厚などの宿泊所に移り、生活再建の道を踏み出している。その点だけは安心して良いのかも知れないが、何とも心落ち着かない事故である。
 「都会の孤独」であるとか「高齢者の孤独」であるとか、評論家はそんな言葉で、この事故をとっとと忘れてしまうのであろうが、俺らは、俺ら自身の未来をそこに垣間見たような気がして、やるせない思いだけが募る。俺らの仲間の高齢化の問題も深刻である。都会の中で姨捨山のよう扱われるのか、それとも、そうでない道があるのか?答えがそうそうには出ない、大きな問題として受け止めざるを得ないだろう。

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北風に吹かれて
高齢の仲間、病弱の仲間は、年末になる前に 体調を整えていこう。
調子が悪い仲間は早め早めに相談を。

  仲間たち。
 今年も異常気象の影響か、気温の変動がまだまだ日替わりで大きいが、暦は、もう師走前。朝晩は冷え込みがきつく、何かと野宿には辛い季節がやって来る。
 健康管理であるとか、寝場所の問題やら、防寒対策であるとかをこの間、呼びかけて来たが、だいたいの準備は出来ているだろうか?この時期にしっかりと準備をしておかないと何かと大変な事にもなりかねないので、気持ちも含めて「冬ごもり」の形を整えていこう。
 空気が乾燥しはじめ、各地で火事なども頻繁に起っている。俺らの世界も決して無縁ではないので、火の始末などもこれからは注意が必要である。いざと云う時にペットボトルに水を入れて枕元に置いている仲間などもいる。それぞれの生活の工夫もしっかりとやっていきたい。
 新型インフルエンザ、ノロウイルスを含め、いつ病気が流行してもおかしくない状況にもある。何せ多くの人々が行き交う街中に居る訳だから、その点の注意もこれまた必要である。そうそう恐れるものではないようではあるが、高齢者や持病持ちの仲間などは、風邪の症状が長引くようであったら疑ってかかる必要があるかも知れない。また、食事前の手洗いなど、最低限の衛生管理はこの時期も引き続き注意をしていこう。  年末年始は役所と病院外来は休みになってしまうので、そんな時期に大病を患わないよう、「調子がおかしいな」と思ったらすぐに福祉事務所を通して病院で検査をしてもらった方が良いだろう。俺たちは毎週月曜日に福祉行動をしているので、分からない仲間は気軽に聞いて欲しいが、月曜日以外でも金曜日まで平日なら毎日福祉事務所の窓口は開いている。カンパンをもらう所ではなく、建物の中に窓口があり、受付をすれば順番に話を聞いてくれるし、通院に関しては簡単な手続きで済む。
 お金は?保険証は?と悩む必要はない。新宿区内で野宿していれば、お金がなくても、保険証がなくても福祉の制度が適用されるので大丈夫である。救急車の場合も、後で福祉の手続きをしないと請求書がまわってくるので、面倒臭がらずにしっかりと手続きをしておこう。
 連絡会では衣類を大量にこの間、配給し続けている。必要な仲間は4時過ぎに炊出しの場で配布しているので防寒用として大事に確保してもらいたい。これから年末にかけて、急に気温が下がったりと、本格的な冬が始まる。装備は徹底して我が身を守ってもらいたい。
 福祉事務所でも、またハローワークなどでも、年末になってからドタバタしなような相談体制を今強化をしている。これらの相談も、手続きや審査などもあるので、早め早めにしておこう。ちろん、路上に残らざるを得ない仲間への支援もこれからの季節、重点課題である。「仲間の力で仲間の命を守る」越年越冬事業は今年で18回目となるが、いつもと変わらず、仲間を支え続ける。

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負けない冬
今度の日曜日は戸山公園、中央公園で定例の医療相談会 があります。
寒さで調子の悪い仲間は一度相談を!

  仲間たち。
 冷たい雨と一緒に冬が押し寄せて来た感がある。もう師走なので、そう云う季節なのではあるが、異常気象続きで季節感があまりない中での冬は、急な話のようにも思える。暖冬基調なので、まだ暖かめの日は続くであろうが、こんな感じに急になったりもするので、これからの季節、油断はあまりしない方が良いだろう。
 多くの先人達がこんな冬とたたかい続けて来たのだから、俺らに出来ない筈はない。俺たちも、もちろん冬で命を落とさぬよう準備はしていくが、そんなものも、そうそう当てになど出来ないので、一人ひとりが自覚をしながら、自分の身の回り、近くの仲間への気遣いで、アンテナをあちこちに張りながら、重層的にこの新宿を守り抜いていこう。
 冬ともなると、高齢の仲間や病気がちの仲間がいの一番に衰弱したり、野宿が厳しくなったりもする。もちろん我慢できる分には良いのであるが、その我慢の限界と云うものは、なかなか分別が出来ないものである。単に調子が悪いのも、季節のせいなのか、病気のせいなのか、いろいろとあるものである。そんな事もあるので、連絡会が実施している医療相談会や医療機関などで一度診てもらうのも一つの方法である。  丁度、今度の日曜日は戸山公園、中央公園で定例の医療相談会がある。寒い中での相談なのでちと辛いものはあるが、身体に不安がある仲間は色々と話を聞いてみるのも良いだろう。病気と云うのは素人判断が一番怖い。インフルエンザなどもこれから流行るであろうが、よほど自覚していかないと感染症などは防げないし、感染したら、早期に治療に結びつけないと生死を彷徨うなんて事もある。
 新宿福祉も高齢の仲間や病弱の仲間は人道的な立場からこれからの季節は優先的に出来る事をしてもらえる。路上の世界は高齢化、長期化が進んでいるので、こう云う季節を利用してもらい、本当に困窮している仲間に次のステップに進んでもらいたいと思うのは役所も同じである。それだけこれからの季節は大変だと云う事でもある。
 先日の「ローズハウス林荘」の火災事故を受け、新宿区では老朽木造アパートの実態を調査したところ、区内には一七六〇棟ある事が判明した。区の特性として、その中には生活保護世帯など一人暮らしの高齢者も多い事だろう。区としてはこれから個別訪問を開始し、防火注意喚起をしていくとの事であるが、長期的には、それだけに留まらず、どのような地域福祉を作り出していくのかも課題である。単に役所任せの訪問に留まらない、当事者間のつながりや自治も課題となってくる。つまるところ、課題は、路上と何ら変わらないのである。そう云う大きな課題も見据えながらの冬である。
 路上もまた火の危険が高い場所でもある。これもまた、一人ひとり自覚しながら、いざと云う時の備えなど、しっかりとした防衛線を作りだしていこう。

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北風は痛い
アントニオ猪木さんの激励行動、28日昼中央公園に決定!
毛布の配布も今度の日曜日から開始します。

  仲間たち。
 朝晩の気温がぐんぐんと下がり、冬らしい季節へと様変わりをした。街にはクリスマスであるとか、新春であるとか、色鮮やかな飾り付けが増え、年の瀬もだんだんと近づいて来た。
 こう寒くなると風邪なども流行り始めている。夏風邪と違って、冬の風邪は困ったもので、身体を暖めろと言われても、路上では限界があり、薬に頼って辛い日々を送らなければならなくなる。路上だとなかなか治らないのであるが、そんな弱った身体に別の病魔が襲って来たりと、踏んだり蹴ったりの場合なども良くある。
 そんな状態になる前に、手洗い、うがいなどの予防はちゃんとしておいた方が良いだろう。また、なんとなく風邪気味の時には。市販薬を飲んでひどくなる前に予防するなど工夫もしていきたい。  もちろん、風邪の時でも、高熱が出る、だるさが抜けないなど、重い症状になったらインフルエンザの疑いもあるので医者に診てもらった方が良いだろう。放っておいて、病院や役所が休みの年末年始に重篤になったら、大変危険でもある。
 そんな事も注意しながら、まずは自分の身体を守ることが冬には特に大切でもある。
 この間、防寒用の衣類を提供して来たが、来週からは二週続けて毛布の配布も同時に行う。なかなか保管の方が難しいのであるが、それでも防寒対策に使えない事はないので、必要な仲間は取りに来てもらいたい。  防寒用衣類の方も集まり次第、毎週日曜日に放出しているので、こちらも必要な仲間は利用してもらいたい。
 「ローズハウス林荘」の火災事故であるが、重体で入院していた内の一人の仲間が力尽き、今月4日病院で亡くなった。藤井晃さん(74)とみられている。
 無念追悼‥。 

 もう一人重体であった仲間は意識を回復し、退院までこぎつけたようだ。それにしても大きな心の傷を負いながら。これから生きていかなければならないかと思うと心が痛む。
 事故処理としてはおそらくこれで終わり、計5名の入居者が亡くなった老朽化したアパートの火災事故として、区内の事故史の一つとなるのであろうが、高齢化した仲間が暮らすにはあまりにも危険な老朽アパートが、この区には多すぎると言う事もまた教訓化しなければならない事だろう。
 あまりにも大きな問題なので、世の評論家のように簡単に割り切れるものではないが、俺らの老後のあり方、都市に住む一人暮らしの高齢者のサポートがどうあるべきかも含め考え、そして実践していく事がせめてもの弔いになるのではないかと思う。
 いずれにせよ、火だけは懲り懲りである。空気も乾燥してきているので、どこにいようと注意しながら暮らしていきたい。

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年は超せる
今度の日曜日は中央公園のみで臨時の医療相談会。
毛布の配給、衣類の配布もあります。

  仲間たち。
 全国的に真冬並の寒さをもたらした寒気団と高気圧とのたたかいが、関東地方上空での接戦となっていたようで、西日本でも大雪となったものの、東京は何とか持ちこたえたようである。それでも平年並みか、それよりも低めで今後も推移すると思われるので、気候の揺り戻しに騙されず、真冬に備えた準備は着々と進めておいた方が良いだろう。
 越冬に備えて、俺たちは防寒着類の配布から、毛布の配布が開始され、防寒体制の支援を続け、また、今度の日曜日に中央公園のみであるが、医療相談会も臨時に実施し、高齢の仲間や病気の仲間の優先的な医療対応を進めている。他方、遅れていた新宿区の厳冬期宿泊の受付が26日(月)と、年明け1月6日(金)に決定され(両日とも、朝9時より新宿福祉で抽選会の予定)、今年も少ない枠ではあるが、厳冬期宿泊を辛うじて残すことが出来た。厳冬期宿泊枠の縮小に代わるものとして、NPOサイドでは馬場ハウスの緊急宿泊枠を増やし、この冬に十分対応出来るよう、質量ともの拡充を続けて来た。
 そして、28日からは越年の取り組みが4日の朝まで中央公園「水の広場」で開始され、昼、夜の炊出しや、医療相談、巡回パトロールなどを集中的に展開し、緊急時の対応に備えると共に、仲間が仲間を助け合う、仲間の大きな拠点を今年も作り出す予定である。
 例年通りと云えば例年通りであるが、震災の影響など微塵も感じさせない取り組みが今年も出来そうである。
 社会的には「東北の冬」が大きな注目点であるが、東北の被災者にエールを送る意味でも、俺たちの拠点がまずはしっかりとしなければならない。こうやって、仲間とつながり合って生きていこうと、俺たちが培ってきた冬の活動は、場所は違えど大きな普遍性を持っている。誰かにやってもらう、救ってもらうのではなく、自分達の力でまずはやる。これが俺たちの基本である。
 弱者の味方のような幻想を振りまき、人気取りのためのバラまき政治を続けて来た民主党政権は、今や第2セーフティネットにせよ、雇用保険、生活保護、年金制度にせよ、玉虫色の中途半端な改革しか出来ず、結局はその矛盾を俺たちに押しつけ、あげくの果ては増税路線へとまっしぐらである。政治の方はこんな調子。また、景気回復も震災特需しかなく、景況感はますます悪化し、どこに雇用が生み出されるのかすら不明のままである。経済もこんな調子で、世界情勢もあんな調子(略)と来たら、来年は一体どうなる事やらと心配をしてしまうが、お偉いさんの考える事は俺たち庶民じゃ良く分からない。世の中、どう転ぼうと、俺たちだけでもしっかりと生きていさえすれば、どうにかはなるものである。他力本願ではなく、自力と仲間の力をつけていくのが、茨の道を突き抜ける手段である。
 どこで年を越しても、それは同じ年越しである。新しいものをつかんでいけるような、そんな仲間の年越しにしたい。

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ここで終わり
28日(水)猪木さんの激励行動(昼飯有り)から、
1/3まで 新宿中央公園での越年越冬闘争が開始されます。

  仲間たち。
 クリスマス寒波なるもので、全国的にまたしも真冬並みの陽気と相成ってしまっている。例年だと毎年比較的暖かめの年末年始であったが、このまま行くといつもより厳しい年末になりそうでもある。
 とは云え、もう何だかんだと今年もあと数日。残り数日で何かが劇的に変わると云う事はあまりないだろうし、あとは覚悟を決め、年末年始を無事に過ごす事だけを考えるとしよう。
 急な寒さで風邪も一気に流行り始めている。体調を崩す仲間も多いだろう。冬の天敵は自分の健康問題でもある。そうでなくとも寒いのに、病気ともなれば相当の体力を消耗してしまう。防寒対策もそうであるが、それと同時に自身の体調管理は医者に通っていたとしても、自分自身の課題でもある。自棄になってみたりと色々な仲間はいるものの、最期は自分の身に降り掛かって来るし、その時に助けを呼んだとしても、手遅れになったりもする。路上の冬と云うのは死がずっと近づく季節でもある。高齢の仲間や病弱な仲間、そして生きる術を知らない仲間などが最も危険でもある。そこら辺を気をつけながら仲間同士で支え合っていこう。
 今日の医療相談会で「紹介状」を貰った仲間も、役所と病院が早々に閉まってしまうので、年末までに役所を通して病院に診察に行ってもらいたいが、診察結果などはどうしても年明けにならざるを得ない。なので、年末年始は医療テントを設置し(29日の夜から)、24時間の体制でボランティアのお医者さん達が中央公園に常駐しているので、病状の報告なども逐一して頂きたい。いざと云う時は、入院や宿泊の準備も可能なので、持病のある仲間は連絡体制を蜜にしていこう。
 新宿区が毎年実施している厳冬期宿泊の宿泊受付は年内は明日(26日)一日だけである。、年末年始身体を休めたいと云う仲間は、朝9時までに新宿福祉事務所の隣にある「とまりぎ」の前に集まってもらいたい。宿泊場所は港寮などの予定であるが、バスでその日の内に送ってもらえるので、抽選に当たった仲間はすぐに入れる事となる。今年から枠と受付回数は自立支援センター一体化の影響で極めて少なくなった(受付は年明けの1月6日で終了)ので、チャンスは少ないがチャレンジする仲間は並んでみよう。
 越年体制は、28日(水)の朝からテント設営などの準備作業、お昼にかけて毎年来てもらっているアントニオ猪木さんの激励行動と昼食などの提供がある。28日から衣類の配布から夜の炊出しなどとなり、年明けの3日まで昼と夜、毎日二回の炊出しが提供される。いつもの事なので代わり映えのない年末年始の行動となるが、冬場の仲間の命を守る重要な行動なので、18回目となる実績を発揮させ、慌てず、焦らず地道に淡々と行っていきたい。
 いざ、仲間による仲間のための年越しへ。高齢の仲間、病弱な仲間を守り抜こう!俺らのたたかいはここからしか始まらない。

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ここから始まる
本日から新宿中央公園「水の広場」を拠点に第18次新宿越年 闘争が開始されます。
仲間の力で仲間を守ろう。

  仲間たち。
 寒さがかなり本格化し、例年よりは少し厳しい年末年始になりそうである。
 新宿連絡会は本日より、18回目となる新宿越年体制に突入する。拠点はいつもの炊出しの場所でもある新宿中央公園「水の広場」である古い仲間は知っての通り、いつも通りの年末の恒例行事である。
 年末年始を迎えるに当たって何はともあれ注意しなければならないのが、健康管理である。ここに来て冷え込みも例年並となり、日によってはいつもの冬よりも冷え込んでいる。そんな中で暮らしているのであるから、体調が悪くなれば命の危険もある。新宿では年間多くの仲間が不幸にも路上で亡くなっているが、その多くは冬場に集中する。しかも、年末年始は病院の受付が救急外来以外は基本的に閉まっている。この時期に我慢に我慢を重ねてしまっていると、悪い影響が出るのはある意味当然である。
 そんな時には中央公園で医療テントがこの時期、臨時に設営されており、常時医師や看護師が常駐しているので、時間に関係なく、自分の都合で気軽に来てもらいたい。とりわけ高齢の仲間であるとか、持病がある仲間でちょっとこの寒さは厳しいなと云う仲間であるとか、なんとなく調子が悪いだけでも構わない。入院が必要な仲間は入院の手続き、身体を休めなければならない仲間は、医療テント内での宿泊、もしくは高田馬場にあるNPO新宿が運営している緊急宿泊所での静養など、問診だけでなく今年は色々なツールを用意している。皆が全員辛いとは思うが、最も辛い高齢の仲間や病気の仲間を第一義的に救援するのが、俺たちの越年越冬の大きなテーマである。「仲間の命を仲間の力で守ろう」を合言葉に18年間、この取組みをやって来たが、時代がどう変わろうとも、俺たちはこの基準を曲げる事はない。まだ若い仲間は、何とか年明けまで持ちこたえよう。自分だけがと思う気持ちが、俺ら底辺の世界を駄目にする。越年スタッフも仲間と同じく野宿をしながら支え続けるので、是非とも仲間の命を守る側に立とう。何も越年拠点に常時いなくてもそれは出来る。正確な情報を伝え、隣で寝ている仲間が調子が悪かったりしたら、中央公園に連れて来るたけでも立派な支援である。そう云う小さな積み重ね、仲間が仲間を思う気持ちを俺たちは宝にしている。越年期は一般のボランティアの人々の参加は少ない。しかしそれが何だってんだ。俺たちには仲間が大勢いる。仲間の力を合わせさえすればこんな大きな取組みが出来ると云う事を社会に示していこう。この越年期、仲間は「お客さん」ではない。越年の主人公は仲間一人ひとりである。助けられたら助け合う。俺たちはそうやってこの街で生きてきたし、これからも生きて行く。
 まあ、どうにかこうにか転がりながらでも、前に進もう。こんな時代に春があるのか知らねども、俺たちの心の中に春は必ず来る。

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見上げてごらん
第18次新宿越年闘争展開中。
本日から医療テント24時間 稼働。衣食に困った仲間、調子の悪い仲間は新宿中央公園へ。

  仲間たち。
 18回目の新宿越年も、初日は好天に恵まれ、気温もさほど下がらず、無事にと云うか、どうにかこうにかと云うか、幕を明けることが出来た。
 今年は東北の被災地で炊き出しや激励を続けて来られた、アントニオ猪木さんは、それでも新宿を忘れることなく、今年も元気な姿を見せてくれた。長年の積み重ねは大きなもので、西から東からと、450名近い仲間が集まってくれ、暖かいラーメンを食い、激励のエールを交わした。本当にどうもありがとう。感謝、感謝である。
 実はこの時、厚生労働省などのお役人さんも視察に来ていたようで、ホームレス自立支援法制定後10年経とうとしている今日でさえ、どれだけ路上生活を強いられた仲間がいるか、そしてその仲間が、単にうらびれているのではなく、屋根と仕事を求めていかにどん欲に生活をしているのかが実感できただろうと思う。
 俺たちはまだ見捨てられてはいない。どんなに世間から罵倒を浴びようとも、しっかりと新宿の地に根を張って生き抜いている。そう云う存在がある限り、俺たちは社会の一員であるし、そうそう今後のことも心配することはないだろう。
 そんなこんなで新宿の越年闘争はスタートしたが、お役所や病院は今日からお休みとなる。ハローワークも今年は年末開庁はなく、通常通りである。毎年騒いでいた「派遣切り」がらみの労組系の動きも今年は途絶え、東京都も動きを止めた。
 そんな、久しぶりの何もない静かな冬であるが、俺たちにとってはいつもの冬である。一時のブームに左右されない昔ながらの活動家は、山谷で、新宿で、また大阪釜ヶ崎など全国の寄せ場で、70代のオイルショック以降脈々と続けてきた越年越冬闘争を仲間のために続けている。そう云う俺らの原点とも云うべき冬に戻っただけである。
 役所が閉まったからと別に動揺することもない。調子の悪い仲間は新宿中央公園の医療テントに相談に来て欲しい。重病の仲間は入院の手続きも出来るし、療養が必要な仲間は緊迫施設への入所も可能である。また、ちょっとした薬も常時完備されている。
 動けない仲間がいたら、連れて来てもらってもいいし、夜中のパトロール部隊に声をかけてもらってもいい。俺たちの力で出来ることは何でもする。
 炊き出しも、昼と夜の二回、毎日実施している。また、衣類の配布も連日午後2時から実施している。身体が空いているよと云う仲間は、何だかんだと手伝うことはたくさんある。
 あとは仲間一人ひとりの自己管理だけかも知れない。そう云う支援に甘えることなく、また、ひがみ根性に屈することなく、冬の寒さと真っ向からたたかって欲しい。年を取ったと云っても、まだまだ仲間には力が余っている。そんな最後の力を振り絞っていかなければ、この冬はとうて超せないのだから。

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なんとか行こう
第18次新宿越年闘争展開中。今晩は集中医療相談会。
明日は年忘れ大コンサート、カラオケ大会など盛りだくさん。

  仲間たち。
 例年そうなのであるが、年末年始は穏やかな日が続いて、このままの調子で年が明けそうである。今日、明日は少し気温も下がるようであるが、氷点下にまではいかないので、北日本や山岳部に比べればずっと恵まれているとも云えよう。
 俺たちの年越しの取り組みも、最初はドタバタであったものの、軌道を修正し、順調にまわり始めている。
 昨日は医療テントが完成し、昨晩から24時間体制になっている。このテントは年明け4日の朝まで開設されているので、どんな時間でもかまわないので、調子を悪くしたとか、風邪を引いたのでちょっとした薬が欲しいでもかまわないので、いろいろと活用をしてもらいたい。スタッフは長年路上の診療を続けて来たボランティアの医療従事者の方々なので、熟練の腕をもっている。安心して相談に来てもらって大丈夫である。
 ちょっと一人で入るのが恥ずかしいなんて云う仲間もいるかも知れないが、本日夜と、年明け3日の夜は、集中した医療相談会もあるので、そんな機会も利用してもらいたい。
 暖冬と云えども朝晩の冷え込みは身体をじょじょに悪くしていく。風邪なども放っておけば、インフルエンザであったり、肺炎になったり、結核だったりと、悪循環に走り始める。日々の健康管理や、予防もそうであるが、調子を崩した段階で薬を飲むであるとかの、初期の対応が実は大事だったりもする。「俺は大丈夫だよ」と強がっても、その姿勢は立派ながら、やはり強がりは後で後悔をしたりもする。医療に接する機会はこの期間多くあるので、お医者さん達といろいろ話しをするのも良いかも知れない。
 巷では路上生活者は減った減ったと云われているが、パトロールなどの実感では、昨年と比較して、そうあまり変わっていないのではないかと思われる。確かに住宅地であるとかの周辺部は追い立てや嫌がらせなどもあって減ってはいる。他方で、追い立てられたかと云ってどこかで生きなければならないのであるから、今までの集住地の大公園周辺や、ターミナル駅周辺に集まり、何とか凌いでいるのが渋谷、新宿、池袋など西部圏の状態のようである。この年末も各ターミナル駅はすごい混雑であるが、その中に紛れ込んでしまうとなかなか目に見えなくなってしまい、実態がわかるのは、終電が終わってからなのかも知れない。
 しかしながら、役所にしても、何にしても終電後にうごめいている役人や支援者はほとんどいない。
 なので、全体像が年々わかりづらくなっているようである。昼間、目に見える仲間の数だけで、自立支援施策であるとか、厳冬期対策であるとか、何もかもが決められ、縮小されてしまう現状に対し、どう本当の実態を示していくのかも、来年早々の大きなテーマである。
 しかしながら、まだまだみんなは一人ぼっちじゃない。仲間が大勢いるのだから、胸を張って堂々と生き抜いていきたいものである。

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良い年を
第18次新宿越年闘争展開中。
今晩は大晦日のイベント有り。 除夜の鐘は仲間と一緒に聞こう。

  仲間たち。
 今日あたりから本格的な底冷えとなっている。気温は平年並みではあるものの、流石にこの季節ともなると朝晩の冷え込みは特段のものとなる。本格的な冬はある意味これから。自分の寝床と、しっかりとした防寒対策を十分にしていこう。
 一昨日から開設されている医療テントにも、調子の悪い仲間、高齢の仲間が続々と保護されている。既に4名の仲間がNPO新宿の宿泊施設へと移り、暖かい環境の中で静養を始めた。幸いにしてまだ緊急性を要するような救急搬送はないものの、寒さが厳しくなるに従い、持病が急変したりもするので、引き続き健康管理には注意をしていこう。
 何度もになるが、4日の朝まで新宿中央公園に医療テントが開設されている。風邪気味なので薬が欲しい、湿布薬が欲しい、胃薬が欲しい、でも構わないので、体調が優れない仲間は相談に来てもらいたい。
 承知の通り、現在、福祉事務所もハローワークも、今はお休みである。俺たちと一緒で盆も正月もないのは、消防署と警察署ぐらいなものである。
 いろいろと今後の事は不安になったりもするだろうが、何はともあれ、年末年始を無事に超さない事には、何事も始まらない。ここで終わり、ここから始まるのであるから、路上死を出さない、そして急病人を出さない、火事を出さない越年にしていきたいものである。
 早いもので今年も今日一日だけ。
 今年は東北地方を中心にした大震災があり、つらくて、もうつらすぎる日本列島でもあった。家族、親戚が被災した仲間も多いだろうし、福島の原発事故などの影響で、東京に来たと云う仲間にも多くあった。
 今は復興への灯りが見えて来たようであるが、まだまだ傷は癒えていない。

 自然災害にせよ、人災にせよ、どこか俺らと似ているからか、とても他人事には思えない。何かが出来るような立場ではないが、心の中だけでも東北の人々を応援して行きたい。
 そう云う庶民の、苦難の中からでも生き抜く力、そしての復興への力と対照的であるのが、政治の方である。原発事故対応の遅れ、復興への対応の遅れなどが指摘され、今年も首相がまたもや代わり、その挙げ句は増税へとまっしぐらと、雇用や経済は置いてけぼりで、生活保護者だけを戦後最高水準にまで増やした一年でもあった。バラマキの人気取りと、財政問題と云う相反する政治を、どたばたでやっているのが今の政権であるが、早晩、その矛盾はいたるところで派生してしまう事であろう。と云うか、もはや政治に期待する人々はあまりいなくなるのであろう。俺たちは俺たちでやっていくから、政治なんて関係ねえやと云われれば、まさにその通りでもある。  ま、色々あった一年であったが、いずれにせよ、良いお年を!

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