新宿連絡会チラシ集第四十八集(2025年1月より)

 

2025年1月2日新宿連絡会チラシ
2025年1月5日新宿連絡会チラシ
2025年1月12日新宿連絡会チラシ


謹賀新年



 仲間たち。新年明けましておめでとう!
 どうにかこうにか、無事ではないかも知れないが、とりあえず年を越したことを祝いたい。
 今年は、せめて、明るい年になってもらいたいものである。
 とは云いながら、年末の炊き出しには多くの人が並び、生活に困窮している人が多くなっているのも事実である。世界的には「戦争とインフレの時代」。日本はまだましな方なのであるが、それでも値上げラッシュが続けば、より一層生活は厳しくなる。賃上げが叫ばれ、最低賃金の見直しやら、年金や生活保護費の改定やら、「給付金」もそうなのであるが、この物価高にスライドした色々な施策が今年も続くことであろう。それがどこまで痛みを緩和させられるか?内政的にはそんなところが課題になるだろう。
 他方で景気は良い。仕事もある。現場は人手不足のままで、外国人労働者も多く参入している。インバウンド(訪日外国人)も多く来ることであろう。都心部や観光地はますます「多国籍化」していくだろう。「他文化共生」と云うのは大久保地区を抱える新宿区が昔から言っていることである。生活保護とってアパートに転宅したら隣が外国人なんてケースも多くあったりもする。富裕層はマンションや一戸建暮らしであるが、貧乏人は木賃アパート。そこは、上手につきあっていかないとまた路上にもなりかねない。ま、これが「他文化共生」。
 外国人労働者はとても団結力が強い。異国に来て働いているのであるから心細くもなるだろう。同じ立場の仲間との関係がとても必要になり、困った時はお互い様の関係が自然と作られる。
 かつて、野宿の仲間が新宿の片隅で、まとまり、そして団結したのと同じである。
 今の炊き出しや食料配布は「救済活動」が主で、施しを与えるだけであるが、それを享受しているだけでは労働者として生きて来たプライドも失われ、仲間意識も、仲間同士の助けあいの精神も希薄になる。
 貧乏であっても、何もなくても仲間は作れる。共に生きることも出来る。助け合うことも出来る。
 かつて、俺らの先輩達が残飯を必死で漁る姿を多く見て、これはあまりにも悲惨じゃないかと、新宿の炊き出しは始まった。襤褸をまとっている姿を見て、衣類の提供も始まった。新聞紙でくるまっていた姿を見て、毛布の配布も始まった。現場の状況をつぶさに見ていなければ出来ない日常的な助け合いである。
 後悔などしても仕方がない。生きていかなければならないからだ。今を肯定し、今を生きていこう。何せ新宿には多くの仲間が居る。そして、「宿場町」の宿命なのか、生活に窮した人々がここに集まり、この街からもう一度羽ばたこうとしている。何度取り締まりを受けようとも、この街はそう云う仲間のメッカである。
 新年だからと大したことは言えないが、連絡会も今年一年、引き続き、頑張って行きたいと思う。
 「すべては野宿の仲間のために」この原点を忘れず、今年も仲間と共に!

 


目次へ


初春の


年末年始の取り組み、大変ご苦労さまでした。
今度の日曜日は高田馬場事務所で鍼灸相談会あります。


 仲間たち。
 穏やかな日が続いた年末年始であった。夜は寒いが昼間は意外と暖かで、身体への負担も少なく、まあ、どうにかこうにか、仲間と共に過ごせたことを感謝したい。
 年明けも、多少は天気が崩れるようであるが、それ以外は同じような冬の気候。とにかく乾燥しまくっている。年明けの2日には都庁下の小屋と云うか、荷物と云うか、寝床と云うのか、そこら辺は微妙であるが、そこが全焼してしまう火事があった。
  原因は分からぬが、放火にせよ失火にせよ、燃えやすいものが大量に積まれてあったりすると、あっと言う間である。これはどこに住んでいたとしても同じなので、とにかく気をつけていくしかない。消火器が準備できなくとも、ペットボトルに水をいれ、枕元に置いておくなど、延焼を少しでも防ぐ工夫が必要であるし、燃え広がってどうしようもない時は避難を急ぎ、すみやかに通報する。これだけ乾燥していると、いつ、どこで、どうなっても不思議ではないので、これは他人事ではない。
 インフルエンザの方も引き続き流行っている。中央公園の健康相談ではとにかく風邪薬の需要が多く、普通の風邪も含め、夜の冷たい空気に触れてか咳き込む仲間も多くいた。全員インフルでなければ良いのであるが、寝込んで高熱となったら、病院にいく準備が必要である。6日から役所も開くので、福祉事務所を通して病院に行くことも可能であるが、それも動けるうち。動けなくなったら、救急対応しかない。マスクに関してはコロナの時から色々と言われてはいるが、感染予防や、喉を乾燥から守るため、また、防寒にもなったりもするから、結構必要かも知れない。もちろん、うがい、手洗いもしっかりとすることが肝要である。インフルには色々と治療薬があるので、その点は心配いらないし、安静にしていれば10日程で治ってしまうこともある。肺炎などの合併症がおこらなければ、そう恐れることはないが、こちらにも気をつけよう。
 この越年、病気で特に困った仲間は、幸い、いなかった。炊き出しもコンスタントに120から150名程、パトロールの数字も新宿駅周辺で140名前後と、こちらも安定した人数であった。迷い子のようになってしまって東京に流れ着いてしまった人も若干はいたようであるが、そんなには多くはなかった。緊急宿泊の仲間は1名のみ。年明け自力で田舎に帰れるとのことなので、そのようにしてもらった。前述の火事の一件と、4日の土曜日、食料配布の団体から流れて来た者が中央公園のトイレを壊してしまうトラブルが発生。とてもけしからん話しであるが、この二つが大きな出来事で、それ以外は、まあ穏やかな越年でもあった。
 そして、また俺らも日常の活動に戻って行く。福祉を取りたいなど、役所の支援を希望する仲間は毎週月曜日、新宿福祉事務所に連絡会のスタッフが居るので声をかけてもらいたい。何らかの手伝いぐらいは出来るかも知れない。あとはパトロールをしたり、衣類を配ったり、おにぎりや食料品を配ったりの日々である。今週木曜日の相談会はお休みとなるが、毎週木曜日は高田馬場事務所で相談も受けている。また、来週の日曜日は鍼灸相談会もあるので、足腰、調子の悪い仲間は気軽にお越し願いたい。
 

目次へ


厳冬期


冬将軍が暴れまくっています。これからが冬本番。
防寒最優先の生活を。耐えられない時は福祉事務所で相談を。


 仲間たち。
 冬本番である。最強寒波が滞留し、北海道、東北、北陸など日本海側では災害級の大雪になっている。越後「いろりん村」の農家さんも正月に応援にかけつけてくれる予定であったが、大雪で身動きが出来ないと断念したとのこと。小屋は見事に雪に埋もれてしまったとのことで、現地では毎日毎日の雪かき。大変である。
 東京も最低気温が氷点下となり、冷え込みが一段と厳しくなった。この調子だと、今後、積もる程の雪も考えられるので、天気予報は要注目である。東京の寒さの底は例年1月下旬から2月の前半でもある。厳冬期と呼ばれる時期はこの頃。昼間、多少暖かくても油断をせず、夜はとにかく寒い。徹底した防寒が肝要。我が身を守るようにしていこう。
 さて、正月早々の都庁下での火災。前回のチラシでは「住民は無事」と書いたが、これは誤り。両手や顔面などに火傷を負い全治一ヶ月以上の重症で現在入院中である。被害にあった仲間にお詫びして訂正すると共に、一日でも早い快復を祈る。
 また「失火か放火か分からない」とも書いたが、検証の結果、放火の疑いで新宿署は捜査を進めているとのことである。周知の通り「火付け」は罪が重い。回りの仲間で現場を目撃したとか、不審者を目撃したとか、既に聞き込みが入っているとは思うが、卑劣な犯人を捕まえるため捜査に協力をしてもらいたい。また、危機感を煽るわけではないが、一般的に放火犯は常習性の高い犯罪と言われている。同じことを繰り返すことも考えられるので犯人が検挙されるまで十分に気をつけてもらいたい。路上暮らしは常に危険との隣り合わせである。乾燥しているので燃えやすいものをあまり身近に置かない。バケツなり、ペットボトルなり、水を枕元に置いておく。何かあったら咄嗟に逃げる。そして助けを呼ぶ。怖くておちおち寝ていられないと云う声もあるようだが、そんな仲間は新宿福祉事務所で相談し、一時的にでも安心して泊まれる場所を確保してもらうと云う手もある。何も生活保護だけでなく一時保護や自立支援など施策には色々とある。どれにしようか悩むところであるが、一度「とまりぎ」にでも相談して、説明してもらうのも良いかも知れない。年明け、役所は開いているので、不安な仲間は役所に相談をしてみよう。
 国の総合経済対策に基づく低所得世帯(非課税世帯)への「物価高高騰対策支援給付金」(3万円)の「支給のお知らせ」通知は今月の下旬からのようである。新宿区はまだ正式に発表していないが、23区、だいたい足並みを揃えるので、そろそろだろう。
 対象者の人は、住民票のある世帯主宛てに「支給のお知らせ」「確認書」「申請書」が送られてくるので、確認をしておこう。住所の設定は人によって様々で、下手に設定するとマズい仲間も居るとは思うので無理強いはしないが新宿区内に新たに設定しておけば昨年度収入が多くあった人以外は、生活保護の仲間も含め、だいたいが「非課税世帯」となるので、この支援金はもらえることになる。詳しくはまた新宿区の方からお知らせがあるとは思うが、住所の設定に関しては、連絡会で「木曜よろず相談」をやっているので、相談に来てもらいたい。せっかくなので、貰えるものは貰っておくのが良い。
 と、色々とあるが、寒いと思考が停止がちである。が、越冬本番はこれからでもある。とにもかくにも防寒優先での生活を。 

目次へ