中山区長、連絡会の申し入れ書に回答

新宿区との話し合いが開始される。

 新宿区の柏木公園等での一方的排除問題の「申し入れ書」に対し、新宿区は10月20日付けで文章回答を行いました。当日、元柏木公園で起居していた仲間を含め区役所内会議室でこの「回答」をめぐって話し合いを行い、今後同様な事がないよう再度強く申し入れると共に、双方の建設的な議論を深めて行くことが確認されました。

以下、新宿区からの「回答全文」

                               15新福生第2917号
                               平成15年10月20日

新宿野宿労働者の生活・就労保障を求める連絡会議
笠井 様

                          新宿区長 中山 弘子

 「新宿区環境土木部による、柏木公園、新宿遊歩道公園(四季の道)に起居
 する路上生活状況の方への強制排除についての申し入れ」について(回答)

 日夜、ホームレスの方々への支援活動にご尽力され、また、新宿区政に対しまして、ご理解とご協力を賜り、感謝を申し上げるしだいです。
 さて、ご指摘のとおり国の基本方針を受けた実施計画はまだ策定されておりません。
 また、都区共同事業として進めている「路上生活者対策事業」においても現在、必要とする施設数の確保に向け取り組んでおります。運営方法については、入所されている方々の状況に応じた自立につながるプログラムが適用できるよう23区及び東京都で協議を重ね、国へも要請しているところです。
 一方、自立支援の施策を整備・推進するとともに区内の公園を普通に遣いたいという地域住民の要望にも応えていかなければなりません。
 今回の柏木公園、四季の道に起居するホームレスの方々に立退きを求めたことについて、自立支援策が万全な体制となっていない中でのことではありますが、公園等に起居する方々の意思を確認し、施設の入所枠を確保するなど、現在取り得る手続きを行った上での措置でありました。
 いずれにしましても、ホームレスの方々への新宿区の対応は、法の趣旨に基づく自立への道筋を考え、一日も早く、一人でも多くの方が安定した住居を確保することができ、自立した生活が営めるよう努めていくことだと思っています。
 ホームレス問題を解消していくには、行政と住民並びにNPO等ボランティア団体とが一緒になって支援していくことが重要だと考えておりますので、ご理解とご協力をお願いいたします。
 以上のことを踏まえ、「申し入れ」に対し以下のとおり、お答えいたします。

                記

1 自立支援法第11条について

公共施設から強制排除のための条文だとは考えておりません。ただし、公共施設の管理者として法の趣旨を尊重し、公園が適正に利用することができるよう必要な措置を行っていきます。

2 優先的に緊急一時保護センターに入寮された方の処遇について

本人の希望を尊重するとともに自立に向けた施策を講じていきます。

3 入寮措置を希望されず、起居する場所を失った残りの約半数について

本人の要望、意思を尊重し、自立に向けた施策を講じていきます。

4 区民への啓発活動によるホームレスの人権の擁護について

ホームレスに関する記事や広報等に掲載していくなど、地域住民が抱いているホームレスに対する誤解や偏見を取り除き、理解と協力を得られるように努めていきます。
 また、地域で開催される様々な会議、集会など啓発できる機会を活用し周知をはかり、ホームレスの人権の擁護が確保されるように努めていきます。