2006年7月2日新宿連絡会チラシ
2006年7月9日新宿連絡会チラシ
2006年7月16日新宿連絡会チラシ
2006年7月23日新宿連絡会チラシ
2006年7月30日新宿連絡会チラシ
2006年8月6日新宿連絡会チラシ
2006年8月20日新宿連絡会チラシ
2006年8月27日新宿連絡会チラシ
2006年9月3日新宿連絡会チラシ
2006年9月10日新宿連絡会チラシ
2006年9月17日新宿連絡会チラシ
2006年9月24日新宿連絡会チラシ
2006年10月1日新宿連絡会チラシ
2006年10月8日新宿連絡会チラシ
2006年10月15日新宿連絡会チラシ
2006年10月22日新宿連絡会チラシ
2006年10月29日新宿連絡会チラシ
2006年11月5日新宿連絡会チラシ
2006年11月12日新宿連絡会チラシ
2006年11月19日新宿連絡会チラシ
2006年11月26日新宿連絡会チラシ
2006年12月3日新宿連絡会チラシ
2006年12月10日新宿連絡会チラシ
2006年12月17日新宿連絡会チラシ
2006年12月24日新宿連絡会チラシ
仲間たち。
夏本番を思わせるような気候が今年は早くも続いている。梅雨明けの近い九州地方は記録的豪雨と悲惨な状況であるが、なにせ異常気象が続く昨今の事だけあって大雨と云うのは都会では結構な被害になってしまう。こればかりは防ぎようがないが、これまでの常識では計り得ない不安定な気候なので、気象情報だけはいろいろと仕入れておいた方が良いかも知れない。
新宿駅周辺では雨の日だけは都庁下で休め、おおいに助かるが、ルールをしっかりと守っていかないと、そうでなくともうるさい街なので、自助努力と云うのも必要である。新宿駅西口地下なども同じく、起床時間を守って、片付けなどもしっかりとやっていこう。区内の小公園では、近くの住民とのトラブルなどもこの間、結構発生している。「居続けて」良い場所などはどこにもない。仕方なく「居ざるを得ない」現状を自覚しておかない事には、俺たちはあっけなく追い出されてしまう。
今年からトラブル対策の側面で巡回相談なるものを役所は実施しているようだが、どこをどう廻っているのやら、まったく分りやしない。こんなのには期待せず、トラブルに遭遇したら福祉を味方につけるため、福祉に直接行って相談をしてみよう。俺たちが野宿の状態であると云うことが各種トラブルの大きな原因であるならば、その状態を解消させるために役所に知恵を出させるのが、全うな考え方である。もちろん、役所が対応してくれなかったら、俺たちにどんどん相談をしてもらいたい。
夏場の健康管理もこれから重要な課題となってくる。体力が弱ければ、それだけで暑気に当ってふらふらになってしまう。栄養つけろと言われても、カンパンや炊き出しだけじゃどうしても栄養不足だ。「だるい」「動けない」などの初期症状を見逃さずに、「おかしいな」と思ったら早め、早めに福祉に相談をして医者にかかるようにしていこう。
今度の日曜日は、戸山公園(午前10時より)と中央公園(午後6時より)でボランティアの医師による無料医療相談会が実施される。問診、投薬だけの簡単な相談会であるが、専門的に診てもらった方が良いと医師が判断したケースは「紹介状」を書いてもらえる。それを持って福祉に行けば、面倒な手続きを省いて無料で医者に紹介してもらえる。自分の身体をまずは自分で守り抜いていこう。
無料の結核検診会も新宿保健所が今月12日、中央公園で開催してもらえる。年に一度の健診は会社勤めをしていない仲間にとっては必要だ。今や仕事に就くにも健康診断が必要な時代なので、「俺は、まだ大丈夫」と思っている仲間も安心のために受診しておこう。戸山公園では8月にあるが、この健診はどこに住んでいようと、新宿区内で野宿している仲間なら誰でも気軽に受けられるし、健診会の会場には医師も待機してくれているので、結核以外の病気の相談なんかもできる。
いろいろな行事を利用していけなければ、決して一人じゃこの辛い路上では生きていけない。昔に比べりゃ結構これらの相談会などは充実しているので、使えるものはどんどん使っていこう。
さて、前回、前々回のチラシでも書いたよう、今年度、新宿区内での3000円のアパート提供事業は残念ながらなしになった。それでも、余りを期待するとか、おこぼれをあずかるとか、いろいろな方法はあるが、どうもこのチラシに具体論を書くと影響力が強すぎ、各福祉事務所からお叱りを受けるので、これからは口コミで情報を流すようにしたい。どうしても利用していきたいと云う仲間は俺たちに直接聞いてもらいたい。いずれにしても、まだ実施場所、実施時期は公式に発表になっていないので、開始されるにしても夏過ぎになる予定であるが…。
仲間たち。
ここに来て、また雨模様の日も増えている。梅雨はそろそろ明けそうではあるが、梅雨が明ければ灼熱の夏が待ち受けている。これからの季節、体調面で何かと心配事が多くなる。夏風邪を引いている仲間、皮膚関連の病気にかかってしまった仲間、下痢気味の仲間、全身疲労を感じている仲間など、夏場特有の病気にも注意が必要だ。基礎体力がなければ夏場はなかなか健康に乗り切れない。
毎週月曜日に俺たちは必ず福祉事務所に詰めて、病気の仲間がしっかりと病院に通えるよう、また、高齢等の仲間がしっかりと福祉を申請できるよう、仲間を支える行動を取っている。「最近調子が悪いな」と思っている仲間は思いきって福祉の窓口を叩いてみよう。
今週の水曜日、12日には新宿福祉事務所、新宿保健所合同で、中央公園ナイヤガラの滝広場にて午後1時30分より無料結核検診会が行われる。手続きは名前を書くだけといたって簡単なものなので年に一度の健康診断のつもりで受診をしておこう。現場にはお医者さんも来てくれるので、心配な仲間には問診もしてくるし、通院が必要な時は、福祉の手続きの仕方も現場で福祉の職員が教えてくれる。普段病気ひとつしないで頑張っている仲間もこの機会を利用して、自分の健康チェックをしておこう。当日、都合の悪い仲間は来月に戸山公園でも同様の結核検診会が予定されている。新宿では年に2回だけの機会なので逃さないようお願いしたい。
夏まつりのスケジュールも確定した。これからのうっとおしい季節、そんなものを楽しみにしながらどうにかこうにか乗りきるようにしていこう。
さて、新宿での「地域生活移行支援事業」が開始されて丁度2年となる。新宿から入った約400名程の仲間は厳しいながらもアパートでの生活に慣れ、次のステップへの移行をそれぞれ準備をしはじめている頃である。近ごろ無責任な団体が「多くの仲間が事業から追い出されて路上に戻ってくる」キャンペーンを張っているが、自立支援センターと違い、地域生活移行支援事業の「出口」には生活保護制度がしっかりと待ち受けている。基準がやや厳しいと思われた「再契約」(一年)の条件も、この間の交渉で13万の収入基準で一律に線引きするのではなく、その他の事情も勘案される事となった。と云う訳で、本人の希望がもちろん優先されるが、「卒業」「再契約」「生活保護」の3つの選択肢がこの事業では揃えられた事になる。「路上に戻さない」と云うのが、この事業の大前提である。そのために俺たちは批判すべき点は批判し、改善すべき点は改善させて来たし、これからも利用者を支え全力を尽くして行く。
重箱の隅をつつくような下らない批判で仲間を煽るような連中はいくらでもいるが、最も今重要な課題は、この事業をどのように発展させていくかである。18年度事業は未だ未実施。しかも、内容的な後退が甚だしい(つまり、利用できる条件の者が限られてしまう)。「ホームレス自立支援法」も来年が丁度5年目の「見直し時期」。政治の世界では民主党系グループが各地でシンポジュウムを開催するなど既に「見直し問題」での議論が開始されている。未だ多く残る路上の仲間にどれだけ路上脱却施策を構築できるのか?その意味で今が正念場である。俺たちも積極的にこれら議論に加わり、「後退での見直し」にさせない取り組みを既に始めている。 18年度「新・地域生活移行支援事業」を見据えながら、その先を大胆に切り開いていこう。
仲間たち。
梅雨はそろそろ明けると思うが、蒸し蒸しする夏が続いている。せめてカラッとしてくれないかと思うものの、近年の東京の夏は年々蒸し暑さが増して来るようでもある。水分、塩分補給をしっかりとし、また体力温存で行かない事にはこんな夏は乗り切れそうにもない。お盆までは夏真っ盛り、お盆が過ぎればすぐに秋の気配も見え隠れしてくるだろうからそれまでの辛抱である。
こんな季節はとにもかくにも健康第一。調子が悪いなと思ったら、身体を休ませ、可能ならば福祉を通して医者に通うようにしていこう。 毎週月曜日の福祉行動は夏場も休みなく続けていくので福祉の手続きなどが判らない仲間、一度福祉で「失敗」してしまった仲間などは、気軽に声をかけてもらいたい。また夏場なので衛生面も気をつけておこう。身体が汚れてしまった時は区役所にシャワールームもあるので、病気でなくとも利用していこう。
また、8月の第2日曜が夏まつりの関係上、連絡会が行なっている8月の定例医療相談会は第一日曜日の6日に行なうこととなった。戸山公園、午前10時から、中央公園、炊き出しの後なのでお間違えのないよう。
幸いにして先日の中央公園での結核検診では即日発表の「要検査」の仲間が一人と例年に比べ少なかった(結核以外の病気では一名が入院)ものの、油断をすると取り返しのつかない事にもなりかねない。85名もの仲間が健診会に参加してくれたが、受診の結果日(21日から福祉事務所で張り出し)には自分の番号がないかちゃんと確認しておこう。もし、自分の番号があったら、すぐに福祉の窓口に行き、通院の手続きをしておこう。体調が「いつもよりおかしいな」と思ったら念のため福祉を通して医者に行く習慣を、これからもしっかりとつけておこう。
仕事を探している仲間は、21日(金)に緊急一時保護センター千代田寮ないしは大田寮の入寮受付が新宿福祉事務所である。枠が15名と少ないものの、こちらも利用価値があるのでひとつの「チャンス」だと思い、是非応募して行こう。千代田寮または大田寮の無料宿泊は1と月だけだが、希望者は自立支援センター(最長4ヶ月)に行け、技能講習や仕事探しに専念できる事になっている。狭き門ながらもこういうチャンスを大いに活用していこう(緊急一時保護センターは23区のどこの福祉事務所でも受付をしているので、抽選に外れたら他の区からもチャレンジしていこう)。
さて、新宿には直接関係がないものの、18年度の「地域生活移行支援事業」は、早ければ来月にも開始されるよう、現在調整が続いているとの事である。今年度事業は400戸と戸数が少なく、なおかつ2年限定の住宅提供なので利用する仲間の条件がかなり高めになってしまうであろう。これまでみたいに「比較的誰でも」利用できる事業には残念ながらなっていない。宮下公園など地域限定(東京西部地域で6ヶ所)での実施は変らないが、これまでも周辺の仲間が利用してきたように、条件さえあえばどんどん利用の声をあげていった方が良いであろう。どんな仲間の条件なら大丈夫かと云えば、端的に言って「低家賃住宅さえあれば、あとはなんとかなる」と云う仲間にお勧めである。収入のあてが、仕事とか年金などで間違いなくある。けれども、アパートを借りるだけのまとまった貯金がない、物件探しがなかなか出来ない、保証人がいないとかの仲間なら「低家賃」の2年間で貯金もできるし、支援網との関係も作れ、2年後自分の力ではばたける。そんな仲間は、またとないチャンスなので、真っ先に手を上げる必要があるだろう。また、どうやって事業に潜り込むのか?そこもしっかりと考え抜いていこう。ガセ情報に注意し、詳しくは連絡会に聞いてくれ。
仲間たち。
梅雨明けどころか、梅雨前線が停滞し全国的な大雨となってしまった。関東地方もまだ1週間程ぐずついた天気になるようで、梅雨明けは8月にづれ込む予定である。1週間前までの灼熱地獄が嘘のように、気温もぐっと落ち込んでいる。せっかく夏に身体が慣れたと思ったらまた梅雨空と、健康管理にもかなり影響してくる天気である。異常気象と云われて久しいが、こんな事もままあるようなので気象情報などはこまめにチェックを入れておいた方が良いようである。
先日の結核検診の結果発表が先日あったが、番号が出たのは一名のみで、結果、83名レントゲン健診の内、合計2名の要検査と、今年も一時期に比べれば低い罹患率 という結果となった。新宿の仲間の日ごろの健康管理の努力がこういう数字にも表れていると思いたい。とは云いながらも、結核は感染症なので、いくら自分でしっかりと健康管理をしているつもりでも感染したりもする。まだ、受診をしていない仲間は8月8日に戸山公園で2回目の健診会があるので念のため受診をしておこう。また、せき、たんが長引く、身体がだるい、などの症状があった場合は早めに福祉事務所に相談をして病院にいかせてもらうようにしておこう。
毎週月曜日には必ず俺たちの仲間が新宿福祉事務所に詰めているので、手続きが判らないなど、何でも相談をしてもらいたい。 また、じめじめした夏場は、どうしても身体が汚れやすい。皮膚の感染症などにもかかりやすい季節である。新宿福祉にはシャワーが2台あるので、こちらもどんどん使わせてもらおう。下着類なども、しっかりともらい、頻繁に取り換えた方が良いだろう。
さて、先日の緊急一時保護センターの抽選会には15名枠のところ34名の仲間が集まり、夏場にもかかわらず2倍以上と、相変わらず多くの仲間が抽選に参加した。今回は何故か大田寮は使わず、すべて千代田寮への入寮となった。だったら、その千代田寮は空いているのかと云えば定員62名の小さな施設だけに、常に満杯の状態である。新宿区は何かと回転を良くしようと、「一ケ月で回す」事に躍起になっているようだが、先の自立支援センター中央寮の事情などもあり、そうはうまくはいっていない。大田寮の閉鎖時期が迫っているこれからの時期、新宿区は千代田寮ー中央寮の少ない枠内で自立支援を動かさなければならず、どのように上手に回転させ、「自立をしたい」と願う仲間がこれだけ多くいる仲間のニーズに対応できるのか?まさに腕の見せ所であろう。夏が過ぎ、涼しくなれば「厳冬期対応」と云う難題が待ち受けている。結果として施策の縮小にならないよう、しっかりと監視を続けていきたい。
今年度から始まった巡回相談センター事業は、現在、ようやく5ヶ所の緊急一時保護センターで実施されているが、昼間の巡回のみで、しかもテント層がどうしても中心となる事から、「緊急一時保護センターへの誘導」はうまく行っていないようである。他方で、実際に回ってみている職員に聞くと「実際は東京都の概数調査よりも多く居る」との声もあり、東京都の概数調査のいい加減さが浮き彫りにもなって来ているようだ。路上生活者が減った、減ったと騒いでいるのは、一部の公園のみの現象で、それ以外の場所では逆に増えていると云う報告も多い。
そんな中、18年度の「新・地域生活移行支援事業」の開始が間近に迫っている。今年度分400戸と規模が縮小され、また、入居期間も2年限定であり、最も問題なのは、隅田川中心の事業でしかないが、宮下公園など西部圏でも約170前後の戸数は確保されそうである。2年とは云え、自立支援事業が半年なのに比べれば、その4倍の長さの支援策であり、利用したいと思う仲間は多いだろう。情報によれば、夏場から開始、9月下旬には第1グループの入居と云うスケジュールが組まれているようである。新宿からすれば自立支援事業以上の「狭き門」ではあるが、利用したいと思う仲間を俺たちは徹底して応援していきたい。
ぐづついた天気を共に突破していこう。
仲間たち。
雨模様の日々も一段落、ようやく本格的な夏に入りそうである。8月なのだから当たり前と云えば、当り前であるが、ここ一ケ月ぐらいの灼熱の路上がいよいよ始まる。気象庁の予報では今年の夏は平年並か高目と出ているので、暑さ対策は十分にしていこう。昼間の熱暑の時間帯は、できれば体力温存を気にかけていこう。現場仕事をしている仲間などは水分補給と塩分補給をしっかりしていないと、熱中症で倒れたりもするから要注意である。可能であれば直接陽が当らない場所でちょこっと休むだけでも結構違ったりする。また、夜も寝苦しい日が続く。快適な睡眠からはほとんど遠い俺たちの世界であるが、テントやハウスの風通しを良くするとか、出来るだけ涼しい場所を選ぶとか、睡眠が十分に取れるようにしていこう。
もちろん、「おかしいな」と思ったらすぐにでも病院に行くようにするのも、大きな予防策である。夏場の病気は、あまり我慢をしていると脱水症状になったりして命の危険にもつながる。身体の異変を早めに察知し、早めに専門的に診てもらうのが、最悪の事態にならないために必要だ。 保険証がなくても、住民票がなくても、俺たちの場合、治療費などは生活保護の制度を使えば無料になる。もよりの福祉事務所に行けば手続きをすぐにしてもらえる。一人で行くのが不安な場合は、毎週月曜日なら俺たちの仲間が新宿福祉事務所に詰めているので、何でも聞いてもらいたい。
また、今後の日曜日はボランティアの医師による医療相談会が戸山公園午前10時より、中央公園午後6時より実施される。簡単な薬はもちろん用意してあるし、病院に行きたい仲間には「紹介状」が発行される。是非気軽に来てもらいたい。
さて、夏と云えば夏まつりの季節であるが、今年も12日(土曜日)午後5時から中央公園ポケットパーク、13日(日曜日)正午すぎから夜まで中央公園ナイヤガラの滝広場で実施される。追悼会、カラオケ大会、そうめん大会、ゲームやかき氷、納涼コンサートや盆踊りなど企画も盛りだくさんだ。また、夏まつり特製弁当の配給や飲み物も用意している。暑い最中ではあるが、皆で盛り上がりこの夏を乗りきっていこう。
他方、2年前までは中央公園や戸山公園に居、東京都の事業で低家賃アパートに転居した仲間の今後の支援策を決める「説明会」が本日都庁内の会議室であった。懐かしい顔が出そろい、皆それぞれ元気に暮らしているとの事である。説明会では2年が経過したものの、一定収入以上がなくまだ低家賃制度が必要な仲間には更に一年間の再契約がなされる事が正式に発表され、多くの仲間が安心したようである。もちろんせっかくアパートにまで辿り着けた仲間が「路上に戻って」来る事がないよう、今後も就労支援を中心に様々な支援を続けると東京都も約束をしてくれた。 この事業は来月からお隣の区の宮下公園で新たに始る事業である。今年度事業は内容的には若干後退しているが、俺たちは利用する仲間を徹底的に支え、共に多くの仲間が利用できる事業に発展させていこうと云う立場である。「何でも反対」で無駄なたたかいをやるのではなく、実の有る事業にさせていこう。
仲間たち。
遅い梅雨明けと同時に連日35度近い猛暑続きであるが、調子の方はどうだろうか?今週は多少は曇りがちの日が多いとの事だが、こう気温が上がるとちょっと動いただけで汗が吹き出し、頭もクラクラしてしまう。言わずもがなであるが、熱中症対策は十分にしていかないとかなり危険である。塩分、水分の補給はもちろんの事、日当たりの良い場所に長時間いない、日に当ったらタオルで頭を冷すなども必要である。夏場はどこでも寝られるとは云うものの、熱帯夜が続くと睡眠不足にもなりがちである。そんな事から体力を消耗したり、その隙を狙って病魔が襲ったりもする。熱中症に限らず、体調管理はしっかりとやっていきたいものである。それでも「身体の調子がおかしい」「食欲がない」「身体がだるい」などの症状になったら、迷わず福祉を通して医者にいくようにしよう。福祉を通せば無料で病院を紹介してもらえ、入院や通院も可能である。手続きは簡単なので、こういう制度は是非とも利用していこう。
一人で福祉にいくのは「ちょっと」と思っている仲間は、毎週月曜日は俺たちの仲間が福祉事務所に詰めているので、気軽に相談をしてもらいたい。
また、お盆あけの17日(木)は緊急一時保護センター千代田寮もしくは大田寮の入寮抽選日なので、仕事を探したい仲間はこのチャンスを狙っていこう。 この一年、どんな不幸にこの路上は見舞われたのだろうか。多くの仲間が路上で、あるいは搬送先の病院で命を落さざるを得なかった、またおなじような一年。累々たる屍の上に新宿の路上があるとすれば、残された俺たちはその悲痛な痛みをそっと抱きとめる事くらいしか出来ない。決して忘れまいと…。
新宿の夏まつりは、路上の死者と共に歩み続けてきた祭りである。路上と云う鎖をほどこうと必死になっていたあの日を思い、あの日を悔み生きさらばえた者達が、それでも微かな希望をこの呪われた地に刻印する貧者のまつりである。 今年も悔し涙をためながら、踊り、舞い、飲み明かして騒ごう。
12日(土)は夕方5時から中央公園ポケットパーク(いつもの炊き出しの場所)で、追悼会、カラオケ大会、そうめん配食と前夜祭を楽しみ、13日(日)は場所をナイヤガラの滝のある「水の広場」に場所を移して正午から、散髪やら、かき氷やら、ゲームやらをし、夕方5時半から特製弁当の整理券を配付、6時半から配食開始し、食事をしながらコンサートを楽しみ、盆踊りで締めていこう。
蒸し暑い真夏の夜は独りでじめじめむらむらしているより、大勢の熱気で汗を流した方がよほど涼しい。路上の仲間、路上から脱した仲間、路上にゆかりのある仲間、この地獄からの脱却を望む仲間、全員集合といこうじゃないか!
仲間たち。
台風が多い今年の夏ではあるが、関東地方は厳しい残暑がまだまだ続くとの事である。8月も後半、そろそろ秋の気配がしはじめる頃ではあるが、引き続き夏場の健康管理はしっかりとやっていこう。高齢の仲間や病弱な仲間は夏の暑さがもろに身体を直撃する。熱中症なども相変わらず流行っているようだ。日中は直射日光を避ける、水分、塩分の補給はこまめにして、何とかこの夏を乗りきりたい。
「身体がだるい」「食欲がない」の症状も夏場の体調異変のシグナルでもある。調子がおかしいな、と思ったら迷わず、福祉を通して医者にかかるような習慣をつけておこう。福祉の手続きは、意外な程、簡単である。窓口で名前を書いて提出していれば、一人づつ呼ばれるので、その時に「どこそこの調子が悪いので、医者を紹介してもらいたい」旨を言えば、指定の病院の無料の紹介状を書いてもらえる。新宿福祉で紹介している病院は医療センターや東京医大のような大きな病院が多いので、一つの病院でいろいろな科にもかかれる。病院の対応も慣れているので判からない事があれば、その場で訊けば戸惑う事もない。あとは医者の診断に合わせて治療を進めていくだけである。医者の判断で入院が必要とか、仕事どころではないとかなれば、後は福祉の方で入院の手続きや、宿泊所の確保に動いてくれる。福祉を取りながら、路上を脱却し、アパート生活等の自立を果たした仲間は大勢いる。上手に制度を利用していき、判らないことは自分勝手に解釈せず、いろいろな人に相談をしていけば、どうにかなる場合も多くある。
福祉の制度の利用方が判らない仲間は、毎週月曜日なら俺たちの仲間が福祉事務所に必ず詰めているので、気軽に声をかけてもらいたい。「昔、福祉を使っていて…」なんて云う仲間もそんなに臆する事はない。使える制度はどんどん利用し、一人でも多くの仲間が路上から脱却できるよう、俺たちは支えている。とりわけ仕事どころではない病弱な仲間や高齢の仲間は、思いきって福祉を取れるよう努力してみよう。
仕事を何とか確保していこうと云う仲間は、盆明けの労働市場を睨んで活動をしていると思うが、景気回復と云いながらなかなか俺たちの世界に十分な仕事が回って来る気配は未だない。住み込みの仕事も相変わらず少ない中、どうしても住所を確保して就職活動に専念してみたいと思う仲間が多いのは当然と云えば当然である。そんな仲間が期待している緊急一時保護センター、自立支援センターは新宿の場合、あいも変らず倍率が高く、なかなか思うようには入れない。先日の緊急一時保護センター入寮受付抽選会も15名枠のところを37名が抽選に参加と、約2.5倍の抽選率となった。今回は大田寮を使う事となったが、新宿から大田寮の利用は今月が最後との事で、来月からは定員枠の少ない千代田寮のみとなってしまう。そうすれば、抽選枠にしろ、随時枠にしろ十分に仲間のニーズに応えられなくなってしまう事が予想される。厳冬期宿泊もまた同様である。先を見据えながら対応策を新宿区には取らせていこうとは思うが、大田寮閉鎖を控え、全体パイが少なくなる中、厳しくなるのはある程度覚悟せざるを得ないだろう。
他方で3000円のアパート提供事業=「地域生活移行支援事業」だが、18年度の実施がようやく盆明け、14日から宮下公園で開始されてはいるが、新宿地区は既に実施済みとの事で今年度、来年度共、対象外となっており、他地域で実施している事業に入り込むにはかなり高度なテクニックが必要となってしまう。新宿地域を除外したままで実施されている「地域生活移行支援事業」が予定通りうまく行くのか否か、その状態を今は見守るしかないが、隙有れば、新宿区にも再エントリーのチャンスはあるのではないかと俺たちは考えている。
確かなチャンスではないものの、わずかな隙も見逃さず新宿の仲間の利益になるよう虎視眈々と狙いをつけていきたい。
また、この秋から来年の春に向け、「ホームレス自立支援法」の見直し議論が、霞が関や国会の場でも議論になってくる。東京における「自立支援事業」「地域生活移行支援事業」の勢いが急速に落ちて来たのは国の関与が少ない事にもその原因がある。とりわけ住宅問題への踏み込みをした東京都に対して、住宅問題に関しては何らの支援もして来なかった国土交通省の姿勢の対比が、見直し議論の中では焦点化される事だろう。福祉、就労、住宅の3点セットでの支援策が整うのか否かは、今後の「ホームレス対策」を見据える上で重要な観点である。見直し議論に積極的にかみ、必要とあれば運動も駆使しながら、この秋から来春に向けての国の動きを注視して行きたい。
最後となったが、13回目となる新宿の夏まつりは大盛況に終わり、協力してくれた仲間、参加してくれた仲間に感謝を捧げたい。路上の仲間があれだけ集まり、真夏の二日間、汗水流しながら大きなイベントを創りあげた事を是非実感してもらいたい。一人では何も出来ない俺たちだけれども、多くの仲間が集まれば仲間にとって大きな事も出来る。無念にも路上で亡くなった仲間も、きっと喜んでくれたと思う。これが俺ら新宿の仲間の力だと堂々と胸をはっていこう。
臆するべきものは俺たちに何もない。
蟻とキリギリス
諦めていては何も始らない。毎週月曜日は新宿福祉事務所で 福祉行動。
その他新宿区ではいろいろな機能が充実して来たぞ。
仲間たち。
灼熱の8月もそろそろ終り。毎日のよう照り輝いていた太陽も曇りがちになり、日も短くなり、秋の気配も感じられる頃となった。寝苦しい夜ももうじき終わり、夜風が身体を冷してしまう季節がもう目の前だ。
季節の変り目はどうしても身体がまいってしまうものだ。とりわけこれだけの暑さを耐えて来た身体だから何かと異変があっても不思議ではない。「食欲不振」「身体が重いなどのだるさ」「異常なのどの渇き」「頭痛やめまい」どれを取ってみても身体の異変のシグナルである。野宿をしていてそう健康な人はめったにいないし、身体も年々衰えて来る。「おかしいな」と思ったら、迷わずに福祉事務所を通して病院を紹介してもらおう。福祉の手続きが面倒だと思う仲間も多いとは思うが、新宿の場合は長年の関係もあり、他の福祉と比べたら手続きも簡略化されており、医者に行く事に関してはしっかりとやってもらっている。
それでも、一人だと不安と云う仲間は、毎週月曜日に俺たちの仲間が必ず福祉事務所(花園神社裏の分庁舎1階)に詰めているので気軽に声をかけてもらいたい。毎週俺らは福祉申請の手助けをしている。難しいケースの場合は中に入って交渉する事も可能だ。病院にかかる、福祉を取りたいと云う仲間は是非とも利用してもらいたい。
その他、福祉事務所ではカンパンの支給、シャワーサービスの提供、仕事探しの電話利用、飯場等に行く場合の交通費貸付等のサービスを行っているが、今年の4月から「とまり木」と云う相談スペースもカンパン支給場所の裏に出来ている。こちらは年金の相談とか、法律関係の相談だとかの「よろず相談所」である。もちろん役所の機関なので秘密厳守でいろいろな問題の解決方法を専門家にアドバイスしてもらえる。23区で初めての試みだけにどうなるものやと思っていたが、そこそこ機能はし始めたようなので、個人的な問題などで悩んでいる仲間は、相談をもちかけてみよう。
使える機能は一時期に比べ役所でも少しづつ充実はして来ている。何もしないでだんまりを決め込んでいる他の福祉に比べ新宿福祉はいろいろな事をやり始めているから、何かにつけて利用価値はあるだろう。使えるものは徹底して使い切っていきたい。
他方、新宿福祉も含めどうしても大規模にできないのが、大きな予算が伴う路上からアパート等へと脱却していく道筋への施策である。現行の自立支援事業は平成20年度を目処に見直して行くとほぼ決まり、現在それに向けての議論が開始されているが、国の「ホームレス自立支援法」見直し方針が今年度末の全国再調査結果によって左右される事もあり、大きな枠組が打ちだし難くなってもいる。そのため、今年度、来年度あたりが施策の谷間的な情況になることが予想され、個別相談機能がいくら充実しても、そこから先への根本的な解決策を提示できない矛盾が生じて来ると考えられる。
もっともその中で、18年度の「地域生活移行支援事業」がようやく宮下公園を皮切りに開始され、400戸限定ながら23区内の中小公園、また隅田川河川敷で順次実施される予定である(宮下公園では既に受付を済ませた仲間が大勢おり、9月アパート入居に備え健康診断も24日に実施された。)。18年度事業は当初、内容的に後退したものであったが、連絡会の粘り強い交渉などにより、肝心の臨時就労対策を復活させる事に成功し、また2年後に向けた「転宅支援」の制度も現在、最終検討の段階に至っている。
中央公園、戸山公園から16年度にアパートに入居した仲間は、早いグループは今月末で丁度2年となるが、マスコミや福祉関係者などが懸念していた「脱落者」は圧倒的に少なく、ほとんどの仲間は厳しい生活ながらも自分の城を守り抜いている。もちろん、収入の少ない仲間や病気、高齢の仲間は生活保護を獲得しており、残りの仲間は「再契約」となるか自力での転宅などで「卒業」になるかとなっている。都区の思ったような「卒業」が今日の雇用情勢の中、実際上困難である以上、今後「再契約」をした仲間の「出口」は「半福祉半就労」か「低家賃住宅への転居」しかないだろう。その場合、福祉をこれ以上かけたくなければ「低家賃住宅」をどれだけ探せられるのかが、大きな鍵を握って来るし、俺たちも社会資源としての「低家賃住宅」の確保こそが、政策上の最大の力点であると考えている。
いずれにせよ施策は大きな転換点に立っていることは間違いがない。旧来の大規模施設「収容主義」を象徴していた「大田寮」がこの秋にも閉鎖され、低家賃住宅施策が「地域生活移行支援事業」として導入され3年目、「居宅推進」の流れは着実に進んでいる。この流れを止める事なく、あらゆる施策に結びつけて行く事が、俺たちにとっての施策の見直しである。残念ながら今年度事業から新宿区は外されているが、他区の進捗情況を見ながら、いざと云う時に再エントリー可能な力を普段からつけていきたい。
仲間たち。
まだまだ厳しい残暑が続いているが、時折吹く風はもう秋の風。朝晩は涼しいくらいにまで気温は低くなって来ている。蒸し暑かった夏もあと少し、これから台風やら秋雨やらで少しづつ灼熱の都会も和らいで来るだろう。夏から秋への移ろいは行ったり来たりの繰り返しとなるので、体調管理には十分に気をつけよう。
今度の日曜日は、戸山公園で午前10時より、中央公園では午後7時よりボランティアの医師による医療相談会が実施される。晩夏の健康管理のために是非とも利用してもらいたい。福祉を通して病院で検査、継続的な治療が必要だと思われる仲間には「紹介状」を発行してもらえるので、それを持って福祉事務所から専門の病院を紹介してもらえるシステムとなっている。住民票がなくても健康保険証がなくても大丈夫であるし、もちろん治療費は福祉から出してもらえる。身体の異変は自分が一番良く分っていると思う。あまり過信せず、「最近調子がいまいち」と思う仲間は一度医療相談会のお医者さんに診てもらうようにしよう。風邪薬とか胃薬とか市販の薬も無料で提供しているので、軽度な場合は薬を飲んで様子をみるようにしよう。また、ゆっくりと医師と相談したい仲間は、高田馬場にある事務所での相談も午後1時から行っている(裏面の地図参照)。回りに訊かれたくないなんて云う仲間はこちらの相談会の方にどうぞ。
花園神社の裏にある新宿福祉事務所には毎週月曜日に俺たちの仲間が詰めている。病院に行くなり、高齢で生活保護を取りたいなり、福祉に関して分らない事があったら、こちらにも相談をしてもらいたい。
また、その日暮しではなく、寝場所の確保もそろそろと準備していかない事には、これからの季節は太刀打ち出来なくなってしまう。生活拠点の確保はなかなか大変な事ではあるが、とりわけ、その場所場所でのルールをしっかりと確立しないと追い出されてします。野宿である以上恒久的な場所など確保は出来ないのだから、常識的な判断をしながら出来る限り長くいられるようその場所場所を上手に使っていこう。とりわけゴミやダンボールの散らかしなどはもっての他である。新しく新宿に来た仲間などは自分で自分の首を絞めないよう気をつけてもらいたい。
さて、新宿福祉が毎月行っていた緊急一時保護センターの抽選会が今月、来月は実施しない事に決まった。大田寮閉鎖に伴う再編期で、少ない定員の千代田寮が大量入寮に適応できない事が理由のようだ。もちろん、入所をストップさせた訳ではなく、随時入所と云う形で、枠が空いている限り福祉事務所の窓口で入寮は可能である。曜日指定は特に設けていないので、入寮希望の仲間は福祉事務所の緑のカードに「千代田寮入寮希望」と書いて面談を受けてみよう。こちらで調べたところ、千代田寮はこれまで定員オーバーと云う事態は発生しておらず、常に5-6人の枠は空けているようだ。「仕事をしたい」と云う強い意志をもって相談に臨んで千代田寮を目一杯使うようにさせていこう。もし、無下に断られたと云う仲間がいたら、月曜日の福祉行動の仲間に声をかけてもらいたい。
新宿の情報ではないので、直接多くの仲間に関係する訳ではないのだが、18年度の「地域生活移行支援事業」は、渋谷区宮下公園に続いて30日から江東区の竪川公園で実施されている。早い仲間は9月からのアパート移行となるようであるが、反応はそれぞれの場所で良いようである。西部圏では中野区の紅葉山公園が今月から開始されるようで、当初計画通り、着実に23区各所での実施体制に入っている。まんまと候補地から外されてしまった新宿区であるが、来年には東京マラソンなどオリンピック誘致関連イベントが開催される事もあり、施策の強化が各方面から要求されてくる事だろう。既に新宿区は水面下で動いているようだが、多いに頑張ってもらって施策の誘致にも成功してもらいたいものである。
仲間たち。
季節は秋雨、台風の季節となったが、未だ蒸し暑い残暑を引きずり秋と呼べる気候にはもう少しの辛抱のようである。それでもスーパーなどには初物の葡萄や林檎なども出荷され、空を見上げればいわし雲などにも巡り合えるようになった。誰かごねようとも、季節はいやおうなしに変っていく。
季節の変わり目は体調が一気に崩れやすい時期でもある。血圧が不安定、内蔵疾患や腰痛など神経系の疾患を持っているなんて云う仲間は特段の注意が必要だ。高齢の仲間も身体の異変には特段の注意が必要だろう。
病院にいきたいのだけれども、保険証もなく、金もない、と云う仲間は、毎週月曜日に花園神社の裏にある新宿福祉事務所に俺たちが詰めているので、気軽に相談をしてもらいたい。福祉と聞くと気がねする仲間も多いと思うが、新宿福祉はこれまでも多くの仲間が利用しており、使いやすさでは23区随一だろう。流石に役所だから書類など書かなければならない事もあるが、それもそんなに難しいものではない。また、相談も病院に行く程度なら意外とあっさりと終る。福祉事務所は国の制度として行っているのでもちろんお金もいらない。利用できるところは徹底的に利用して、一人ひとりの健康管理に役立てていこう。
忘れた頃にしかやって来ない路上法律相談が来週にはあるが、日常的には新宿福祉事務所の「とまり木」と云う相談所でこれらの相談は可能である。借金の相談や、本籍地や名前が勝手に変えられてしまったとか、路上から脱却するのに障害となる事柄は早めに相談をしておいた方が良いだろう。借金の問題などでは時効が過ぎているのにビクビクしていた、なんて云う話しも結構ある。専門的な話しは一人で悩まず誰かに相談するのが一番である。その他、年金の問題とか家族の問題とかよろず相談も出来るので悩んでいる仲間は思い切って相談に行ってみよう。 今月、来月とも緊急一時保護センター(千代田寮)の抽選受付は新宿区は行わず、その代わり随時入所と云う形で、福祉事務所で相談してから入所できる仕組みになっている。「相談するのはいやだなあ」と云う仲間は抽選方式では豊島区、渋谷区で未だ実施しているので、そちらの区に行ってみるのも一つの案だ。まだまだ知れ渡っていないのか他の区では何故か人気がないので、そんなには混んでいないようだ。「仕事がない」と言い訳をしたり、諦める前に、自分の力を思い切って試してみる事も必要だ。
すでに朝晩は秋風が吹き込んでいる。これからの季節は寝床問題は大きな問題である。何度も繰り返し言っているが、新宿にはその場、その場で仲間が作りあげてきたルールが存在する。それが納得いこうがいくまいが、歴史と力関係の中でそれは構築されてきたものである。新しく新宿に来た仲間にはそれをまずは守りなさいと言う。そして、他人の土地の上を一時的に拝借するのであるから、一定の礼儀もまた必要である。野宿が当たり前かのように振る舞っていたら、どこに行っても通用はしないだろう。テントであろうが、ダンボールであろうが知恵を出し合い、時には妥協をしながら古い仲間は必死にその場を守って来た。そういう仲間を見習いながら、そうやって自らの寝床を確保していこう。
さて、話題の「地域生活移行支援事業」であるが、今年度分は既に報告している通り宮下公園、竪川公園などで実施され、早い仲間は今月にはアパートに移行する段取りとなっている。次は10月から隅田川全域と実施場所は動いていくが、残念ながら新宿に戻ってくる気配は今のところない。雑音が鳴り響くなか、東京都は淡々と事業を実施していると云ったところである。この事業を更に大規模に実施させていくにはホームレス自立支援法の見直し問題とからめ、国の関与をいかに大きくしていくかにかかっていると連絡会は判断している。何せ予算のかかる事業なので、誰でも利用できる事業にしていくには、国策として実施してもらうしかないだろう。首相も変る今後の国の動向にも注目していこう。
仲間たち。
急激な秋の訪れに戸惑っている仲間も多いと思う。あれよあれよと云う間に秋雨と台風の季節になり、天気も猫の目のように変り、また気温も急激も下り始めた。まだ多少は蒸し暑い日が残るとは思うが、急ハンドルを切ったよう、秋から冬への季節の到来である。
備え有れば憂い無しなのではあるが、どうしても今日、明日の事しか考えられない環境に置かれている俺たちにとって、季節の変わり目は何かとやっかいでもある。
まずは体調の面。野宿をしていれば自分は大丈夫と思っていても、日々病魔の近くに暮らしている事実は防ぎようがない。血圧が高いなど持病がある仲間も多いと思うが、いくら薬を飲んでいても野宿のままでは現状を維持するのが精一杯で、何かの拍子に急激に悪くなるなんて事もざらである。そうでなくとも、こんな季節の変り目にいままでの疲弊がたたり大きな病気を発病する仲間も決して少なくない。「悪くなってから救急車を呼べばよい」なんて呑気に構えている仲間もいるが、そんな時は手遅れと云う事もよくある話しである。お互いもう若くはないのだから、意地を張らずに「おかしいな」と思ったら、まずは病院に行って見る事が自分の命を守る最善の策であり、また可能な限り生活保護制度を利用し野宿から脱する事も、命を縮めない大きな予防策である。病弱な仲間、高齢の仲間には優先的に福祉制度を利用する権利があると俺たちはずっと考え、月曜日の福祉行動(月が祝日の場合は火曜日)を休みなく続けている。無理をせず、我慢をせず、福祉事務所に詰めている俺たちの仲間やパトロール隊に気軽に声をかけてもらいたい。
次に寝場所や装備の問題。夏場は公園のベンチにごろりでも睡眠はそれなりに取れたりする。しかし、これからはそれなりの装備をしたり、風のあまり吹き込まない寝場所を見つけておかないと、わずかばかりの睡眠すら取れなくなってしまう。お酒を飲んで身体を暖めてから寝るなんて事をしている仲間も、まだそんなでもないがこれから冬場に至ると凍死の危険性も出てくる。ダンボールで簡易のハウスやついたてを作る、コンクリートに体熱を奪われないようにする。これからの季節はそれらの工夫がますます必要となる。多くの先輩がそれをやっているので、新しく新宿に来た仲間は見様見まねでも構わないし、直接聞いて工夫の知恵を分けてもらおう。そして、その場合、場所場所のルールをしっかりと守ると云うのが前提である。たった一人の不届き者の行為が全体に不利益をもたらすなんて事もこれまで多くあった。そんな場合は新宿から退場してもらう事ももちろんある。皆で一定の常識を守らない事には、俺たちの寝場所も守れない。
これまでこのチラシで書いて来たよう、今年の新宿は対策の狭間にすっぽりと嵌まってしまうような年である。ひとつの例をとっても、都内最大の収容人数を誇っていた大田寮が11月には閉鎖をする。緊急一時保護センターとしての機能は新たに開設される世田谷寮に受け継がれるが、大きなキャパを利用して実施させて来た厳冬期宿泊事業が全体枠の大幅縮小の波に飲み込まれる可能性が高い。もちろん俺たちは新宿区には人命に係る事業だけに同規模での継続実施を求めており、そのために新宿区も頑張って行政内部で交渉はしくれているが、他区の利用実績がほとんどない中で新宿区も孤軍奮闘の状態で、未だ出口は見いだされてはいない。となると最悪の場合厳冬枠の縮小を余儀なくされる可能性も高い。もちろん事業総体の改編期の中で旧来の事業をそのままではなく、代案による解決と云う事も考えられるが、これもまたやってみなければ判らないと云う確実性の少ないものである。今年度の「地域生活移行支援事業」が10月以降隅田川シフトに変って行く中で、俺たちは3年前のよう「出口の模索」を新たに始めなければならないようである。
しかし、これまで不可能と思われていた多くの事業を力づくで実現させて来た連絡会にとって、この程度の苦境は、間違いなく克服可能な苦境でしかない。これまでと同様、何とか突破口を切り開いて行くつもりなので、その点だけは心配せぬように。
仕切り直しの年に相応しく、これまで炊き出しや越年拠点として利用していた中央公園ポケットパークが工事のため閉鎖される。8年半もこの場所を使って来たので感慨深いものがあるが、これまで長年無理を聞いてもらっていた新宿区公園課の中央公園再生に反対するゆわれはどこにもない。工事に関する当該テントなどの移転交渉は既に済んでおり、俺たちにとって実害はない。そのため、炊き出しは雨の日に使っていた都庁下に移動し継続する事とした。また、越年だけは「滝の広場」の合法的利用を現在新宿区と交渉中である。場所を移れどやる事は同じである。新規一転頑張って行きたい。
尚、都庁下での炊き出しに際して、6時までは列を作らず周辺にて待っていてもらいたい。また、容器、箸をあちらこちらに散らばさないようお願いしたい。行儀が悪いと炊き出しも続けられなくなるので一人ひとりの自覚を再度要請する。
仲間たち。
秋晴れの日が続いている。新しい台風は日本列島をそれているようなので当分は雨は心配なさそうで、過ごしやすい日が続くことだろう。寒くもなく、暑くもない秋らしい気候の中で猛暑の疲れを癒していこう。もっとも朝晩は、風など吹くと冷え込みが厳しくなってくる。上着など衣類が不足している仲間は福祉事務所に行けばもらえるので装備を補てんし、また寝場所の工夫などもしながらこれからの季節も見据えておこう。
この間、多くの仲間が病気治療のため毎週月曜日の福祉行動を利用している。どことなく調子が悪いと云う仲間でも、病気の兆候が現われたら早速医者に診てもらう事を連絡会では勧めている。中には無理をしてしまう仲間も多いが、早期発見早期治療が重大な事態にさせないためにも肝要である。たいした事がなく、薬で安定できるのであればそれに越した事はない。自分で判断をするのではなく、専門的に診てもらった方がよほど安心である。新宿福祉事務所は花園神社の裏にある庁舎の1階だ。病気の相談以外の他の相談も可能なので気軽に訪れてみよう。一人じゃ不安な仲間は毎週月曜日に俺たちの仲間が必ず詰めているので声をかけてもらいたい。
仕事を探したい仲間で緊急一時保護センターの入寮を希望している仲間も多いと思う。既に報告している通り、今月、来月はかつてのような一斉抽選会は新宿区ではやらないことになっている。その代り、福祉事務所の窓口で受け付けをして、空きがあったら入寮できると云う仕組みになっている。新宿区からは四谷と市ヶ谷の間にある千代田寮に入り、ひと月から2月、身体を休めたり、技能講習を受けたりした後、茅場町にある自立支援センター中央寮に移動し、最初の二ヶ月の間で職安で仕事を探し、残りの二ヶ月で通勤しながら転宅のお金を貯めていくと云う仕組みになっている。多くの仲間がこの制度を利用してアパートでの生活をしている。「仕事がない」と最初から諦めるのじゃなく、自分なりに頑張っていけば活路は見いだされると思う。
この自立支援システムの問題点はかいつまんで言えば、宿舎での集団生活なのでその点で抵抗がある仲間が一定いると云う事と、二ヶ月と云う求職活動期間及び残りの二ヶ月の在寮期間が妥当であるかと云う点、及び、「出口」が「就労自立」しかなく、「半福祉半就労」スタイルの「自立」形態を認めたがらないと云う点にある。「地域生活移行支援事業」でもそうだが、行政はどうしても、俺らにとって高い水準の「自立」しか求めて来ない。たとえば、一般論で言ったとしても、50代半ばで無技能、病気もちの仲間は、幸いにして仕事に就けたとしても、そう高い水準の給与はもらえない。その場合、現状に即し、「安定した」「自立」の支援が必要だと、俺たちは常々要望しているのだが、現状の仕組みはそうはなっていない。
もちろん、こういう問題点はあるものの、俺たちは仲間にこれらの事業を「使うな」とは言わない。それぞれの事業のメリット、デミリットを自分で考え、是非とも仲間一人ひとりが判断してもらいたいと言うし、駄目元でチャレンジしていこうと言う。現状維持では何も発展がないのだから尚更である。
そんなこんなで自立支援システムは未だ良い面、悪い面を共存させながら既に6年目に突入している。緊急一時保護センターも最初に開設された大田寮がまる5年を経過し、今年の11月には世田谷寮に引き継がれる。ちなみに世田谷寮は10人部屋ながらも一段ベットで間仕切り付きと、完全個室とまではいかないものの、それに近い居住環境面での改善が取られており、この点は評価は出来る。他方で5年ごとの施設の閉寮と開設の繰り返しが果たして合理的であるかの声もあがってきている。23区での取り決めがそうさせてはいるものの、客観的に見ればそれこそ税金の無駄使いに近い面もある。そんな事もあり、現在、国の「自立支援法」の見直し問題論議と合わせ、東京の自立支援システムも見直しが必要との声が多数派を占めている。俺たちはこの機を「施設収容型システムの最終的な見直し」の時期と考え、多くの仲間が「中間施設」と「路上」の間を行き来する構造ではなく、確実に多くの仲間が路上から脱却し、居宅での生活、また安定した地域生活に移れるための見直しを求めて行くつもりである。そのための下交渉は既に開始されており、是非仲間の建設的な意見も寄せてもらいたい。
18年度の「新・地域生活移行支援事業」も既に宮下公園では第一グループのアパート契約会も終了し、登録した仲間のアパート移行も開始されつつある。中野の紅葉山公園も開始が遅れていたが、そろそろ面談活動が開始せれるとのことである。また、10月からは今回の事業の本命と云われる台東区、墨田区の隅田川両岸でも事業が開始される予定である。今年度400名規模、来年度も同様と、2年で約800戸確保の予定であるが、16ー17年度に比べると残念ながら規模が縮小されている。恐らくこの事業も今後しっかりと見直しをしていかなければ、路上生活者対策体系には生き残れないのではないかと俺たちは考えている。ある意味今年度及び来年度の事業が3000円でアパートに入れるラストチャンスではないかとも思える。どうしっかりと引き継がせるのか、俺たちも事業の推移に一喜一憂している段階を過ぎ、明確なビジョンを打ちだして行く時期に差しかかっていると思われる。そんな訳なので、可能な仲間は事業に潜り込みながら、先をしっかりと見据えていこう。
仲間たち。
暑い暑いと言っている間に彼岸も過ぎ、季節も小春の頃となった。暦上はもう晩秋、おちおちしていたら冬へとまっしぐらである。気象庁の長期予報では今年の冬は暖冬傾向との事で、その点はほっとしたものの、油断は禁物。備えあれば憂いなし、今の内から寒い季節を見据えて生活のスタイルを少しづつ変えていこう。
中でも健康管理はしっかりとしていかないとこれからの季節はことに辛い。血圧が高めの仲間も多いと思うが、それだけでもちょっとすると急に気分が悪くなったりしたりする。虫刺されなど夏場特有の病気の山は過ぎたと思うが、内臓疾患系の病気などはちゃんと治療をしていかない事には治るものも治らない。まいど繰り返し言っているが、「おかしいな」と思ったら早めに医者に通うようにする事が一番の予防策である。福祉事務所で相談をすれば、新宿区の場合よほどの事がなければ医者に通う事は可能である。もちろん福祉の制度を利用するので治療費はかからない。実費で薬を買うだけでもかなりの負担だし、実費で医者通いともなると相当の出費になる。俺たちの場合、生活費もままならないから、なかなか医者にも行けない。そんな訳で必要最低限の人道的な措置として新宿区に医療の対応をしっかりとやってもらっているので、気軽に利用していこう。なかなか役所には「行き辛い」と云う仲間も多いと思う。行き慣れてしまえばそうではないのだが、最初のハードルは確かに高い。そんな仲間は毎週月曜日なら、俺たちの仲間が花園神社の裏の福祉事務所に詰めているので相談をしてもらいたい。新宿区紹介の病院の外来はほとんどが午前中なので、医者にかかりたい仲間は8時半から9時半までの間に来てもらえれば、比較的早く手続きが済む。もちろん洋服や身体が汚れている場合はシャワーを浴び、着替えをしてから病院に行く事になるし、遠い病院の場合は交通費も出るので、その点も心配ない。
その他、新宿区では緊急一時保護センター千代田寮の入寮受付もやっているので、身体の方は何とか大丈夫だけれども、なかなか仕事が見つからないと云う仲間は、千代田寮利用を希望してみよう。失業率は多少改善し、現在横ばい状態だが、地方より都会の方がよほど仕事の量はある。けれど住み込み仕事が減っている中ではどうしても「住所」「連絡先」が仕事を探す上で問題になる。建築関係の求人は寄せ場ではあるものの、どうしても年齢の壁がはだかる。掃除とか警備とかの仕事を探そうと思えば路上からでは相当のハンデがある。そんな訳で実施させているのが、緊急一時保護センターと自立支援センターである。新宿区は千代田寮から中央寮、豊島区は板橋寮から杉並寮、渋谷区は大田寮(11月から世田谷寮)から渋谷寮と、区によって行き先が違うが、23区各区で実施されている。新宿区は現在抽選会はなしの随時入所、豊島区は月三回木曜日の抽選会、渋谷区は月一回の抽選会と区によって入所方法は変るが、入ってしまえばどこでも同じサービスを受けられる。仕事を探している仲間はチャンスなので、これも福祉事務所に行って相談をしてみよう。
乾パン、衣類、シャワーのサービスや、法律相談とか家族問題の相談とかその他の相談機能も新宿区では最近充実して来た。新宿福祉を中心とする諸機能は、上手に使っていけばかなりの利用価値があるので、役所嫌いな仲間も一度は顔をのぞかせてみよう。
さて、これからの季節、寝場所の確保もしっかりとしておかないと、なかなかしんどい。この間、何度も書いているが、寝場所の確保の時に気をつけなければならないのが最低限のルールとマナーである。11時からしか寝てはいけない場所に、土日だからと言って早めに寝ると、警備員との大きなトラブルになってしまう。朝などもダンボールを片づけないで散らかしておけば、その掃除をするのは商店街などの人で苦情の声は一気に盛り上がる。中にはそこら中に「立ちしょんべん」をする仲間もいると云うが、そんな事をされたら臭いが充満して通行人からすぐに指摘される。少しでも寝場所を守りたいと云う気持ちがあるのなら、最低限のルールとマナーは守るべきである。俺たちと云えども社会の中に暮らしている。やって良いこと、悪い事は小学生ではないのだから分かる筈である。とりわけ最近新宿に来た仲間はそこら辺のところがなっていないと云われている。これは誰かに頼む問題じゃない。自分達の寝場所の問題である。皆で注意しあって、出来る限りの寝場所を確保していこう。
小泉政権が終焉し、安倍政権が新たに発足された。「再チャレンジ」と良い事は言ってはいるが、先の国会演説でもこれらはニートとかの若年層を対象にしている感が強い。厚生労働大臣も財務畑の人物のようだし、今後5年間どこまで「ホームレス対策」を強化していくのかは、まだ未知数である。そこらの推移を見守りながら、「ホームレス支援法」の見直し問題の中で、どこまで仲間の実際の声が反映されるのかが課題となるだろう。今年の秋から冬はそんな調査が始まる頃でもある。自分なりの意見が出せるようそれぞれ準備でもしていこう。
仲間たち。
台風の影響の大雨が都内を襲い、改めて自然の驚異とやらを身につまされて感じる晩秋である。新宿駅周辺は幸いにして屋根のある場所が構造上多いが、さぞかし他の場所の仲間は大変であったろう。東京には河川敷などに小屋を建てて寝ている仲間も多いので、河川の増水の影響など心配であるが…。
一雨ごとに秋が深まるの喩えの通り、もはやダンボールでごろ寝では済まない気候となった。厚手の衣類なども欲しくなる頃であるが、新宿福祉の奥にある相談所「とまり木」で衣類の無料提供もしてくれているので、乾パンや福祉に行くついでにもらっておこう。高田馬場周辺の仲間はNPO新宿の事務所でも配布しているので利用してもらいたい。ついでに云うとNPO新宿に背広類が大量に入荷したので、面接に行くのに着る物がないなんて云う仲間は是非とも使って欲しい。
急に冷え込んだせいもあり、調子が悪い仲間も増えていると聞く。風邪なども再び流行し出している。いつも云っているが、「おかしいな」と思ったら、花園神社の裏にある福祉事務所で相談をしてみよう。よほどの事がない限り、生活保護の制度を使って医者にかかる事は可能である。中には訳ありの仲間もいるとは思うが、そんな仲間は毎週月曜日(月曜日が休みの場合は火曜日)に俺たちの仲間が福祉事務所に詰めているので相談をしてもらいたい。間に入っていろいろとアドバイスも出来る。無理をしていると、あっと云う間に寒い冬になってしまう。身体の調子が悪くて冬越えをするのは一段と辛いものである。出来れば早め早めに処置をしてもらい、来る冬を安心して越して行きたいものである。
いつも同じ事ばかり書いているので、今回は違った情報を。10月に入ってあちこちに「法テラス開設」と云うポスターが目に留まるようになっている。これは今年の6月に「総合法律支援法」と云う法律が国会で制定され、それに基づき、法の紛争の解決のための情報やサービスを国民にあまねく提供しようとする公的機関である。
今まで年に数回、法律相談と云うものを新宿でやっていたが、スタッフがそんなに多くないため回数も少なく、また落ち着きのない路上の片隅でちょこちょこ相談を受けるだけで、あまり効果的な相談にはなっていなかった。一方で新たに開設された「法テラス」は年中、電話や来所での初期相談が出来るので、自分の都合に合わせた活用が可能である。調べてみると新宿の駅前に出張所があるので利便性も宜しい。法的なトラブルを抱えている人がそこへ相談をしに行き、トラブル内容を話すと、相談窓口などの情報を教えてくれると云う仕組みである。開設したばかりなので、どこまで有効かはまだ未知数であるが、借金問題とか、家族問題などで一人で悩んでいるより、思いきって相談に行った方がよほど良いだろう。また、利用した仲間などがいたらどんなだったかも是非聞かせて欲しい。
このように困った時に相談できる場所は必要である。しかし最も重要なのは、その先の具体的解決手段である。解決手段のない相談所ばかり増えても仕方のない事である。そして、その解決手段を作るのは政策である。「生活保護世帯、初の100万世帯突破」のニュースが大きく報道されたよう、景気回復と云いながら生活困窮者は増え続けている。世は「格差社会」と云う新たな社会に覆われている。その底辺に位置する俺たちにかかわる自立支援事業も、また生活保護もしっかりと政策としての具体的解決策を作り出してもらいたいものである。
仲間たち。
暑くもなく、寒くもなくと最も秋らしい日和が続いている。空気も澄み、あまり美しくない東京の夜空もちょっとは見れるようになって来た。北朝鮮の核実験など世の中一段と騒がしくなって来たが、しっとりと秋らしい秋を満喫したいものである。
秋とは云え、心配事もまた多い。風邪もまた流行り出しているようだ。これから空気も乾燥してくるので喉をやられる仲間も増えそうである。市販の風邪薬なら炊き出しの時やパトロールの時に必ず持参しているので一声かけてもらってもらいたい。「たかが風邪」と思っていると想像以上に悪化する場合もあるので気をつけていこう。
冬の装備もそろそろと整えはじめた方が良いかも知れない。その中でも寝場所の確保は大きな課題だ。寒さで眠れないようでは間違いなく身体を壊す。夏場と違って昼間ごろりと休息できる時間もだんだん少なくなって来る。また寝場所は最近どこもうるさくなって来ているので、無用な追い出しにあわないよう使ったダンボールは朝片づける、夜中騒がないなどの常識的な注意は今頃から常にしていこう。
寒さを前に体調が心配と云う仲間も多いと思う。福祉事務所はいつでも利用できるので体調が思わしくない仲間や、65歳以上の仲間、女性の仲間などは思い切って相談に行くようにしよう。65歳以下の仲間はまずは病院に行ってからとなるが、65歳を過ぎている仲間や女性の仲間は、病気でなくとも生活保護は受給できる。年金の問題とか受給する際に調べなくてはならない事もあるが、それも今は簡単な調べ方を教えてくれるし、老後の心配も特養ホームなどにつなげてもくれるのでそう心配する事はない。まずはドヤや宿泊所(最近は千代田寮を使う事もあるが)に宿泊しながら役所が生活の面倒を見てくれる。ためらう仲間も多いとは思うが、せっかくの制度なのでどんどん利用していこう。
福祉の事で分らない事がある仲間は、俺たちが毎週月曜日、花園神社の裏にある新宿福祉に必ず詰めているので気軽に相談をしてもらいたい。 さて、4日に東京都福祉保険局は今年8月の「路上生活者概数調査結果」を発表した。この調査は必ずしも実数とは合致せず、いつも2割減ぐらいの数値を現わすが、今年は23区内で3670名(新宿区は372名)調査から外れている国管轄河川敷部分と市部を含めると全体で5013名と云う数値が発表された。9年ぶりの4千人代割れとの事である。04年度から開始された地域生活移行支援事業の効果が順当に反映されているのと、失業率、有効求人倍率とも02年度をピークにおだやかながらも回復している事もあり、この結果からは、「最悪の水準からようやく脱却した」、この数年、施策を拡充して来た成果もあり「何とか下支えが行えた」事が明らかになっているだろう(裏面図参照)。歴史を振り返ってみれば、概数調査で路上生活者数がピークになったのは99年度である。新宿の炊き出しで実数800越えの記録を出した頃である。当時は今の自立支援センターも3000円のアパートなどの大規模施策は一切なし。生活保護で高齢者や病弱者のみが路上から脱却できた程度である。この問題が発生して以来、5年もの歳月、行政が放置してきたツケが一気に吹きだした時期である。そしてこの時期から連絡会は具体的な施策要求運動を強め、自立支援センター、緊急一時保護センター開設にこぎつけ、また財政的な裏付けを国に課す自立支援法を制定させ、そして地域生活移行支援事業を勝ち取るところまで至った。そして、「屋根と仕事」につながる施策をしっかりと打てば路上の仲間の数を減らす事が出来ると云う事を証明しさせたのである。もちろん、今なお路上での生活を余儀されている仲間一人ひとりの生活実感は違うだろうが、この事は、客観的な事実として押さえておいた方が良いだろう。
尤も、東京都は「減った、減った」と喜んでいるだろうが、俺たちから見れば9年前の水準に戻っただけの話しであり、尚一段の施策の継続拡大をしなければ、この水準で高止まりしてしまうだけである。現在、各地で「新・地域生活移行支援事業」が実施されているが、新宿だけは残念ながら取り残されてしまっている。もちろん俺たちは黙って見ている訳ではなく、そこを何とかと、現在下交渉を続けている。厳冬期宿泊枠が激減される事が予想される今年の冬は、他方でオリンピック誘致関連イベントが相次いで開始される冬でもある。都区との本格交渉の材料はかなり揃って来た。ここから抜け出す更なる施策を俺たちも大手を振るって誘致したい。
仲間たち。
安倍新政権が発足したとたんに北朝鮮核実験情勢と国内、国際情勢は過剰な緊迫感が漂う秋である。
そんな中でも秋がぐんぐんと深まっている。気がつけば公園の木々もところどころで色づき始め、空気も澄み渡り、もう晩秋を迎えようとしている。秋晴れの日でも朝晩はもう冷え込みと云って良いくらい冷たくなって来ている。防寒対策もきちんとしていかない事には体調も崩しやすい。風邪もかなり流行っているようなので充分に気をつけていこう。
薬が欲しい仲間にはパトロールの時や炊き出しの時に市販薬を配ったりしているが、それでも治らない場合は思い切って医者に行く方が治りは早い。
新宿区内で主に野宿している仲間は新宿福祉事務所(花園神社の裏)に行けば、簡単な手続きだけで無料で医療に通う事が出来るので大いに利用していこう。病気の場合の他、カンパンが欲しい、衣類が欲しい、シャワーを使いたい、飯場に行く時の交通費がないなどの相談にも、それなりに対応はしてくれるので福祉事務所及び相談所「とまり木」はいろいろと使い出がある。まだ利用した事がない仲間は一度は行ってみる価値はあるだろう。
これから寒さが増していくと高齢の仲間や病弱な仲間はより一段と厳しくなってくる。寒さを凌ぐ目的で福祉にかかりたいと云う仲間も多いだろう。新宿区など東京の福祉では、65歳以上の仲間ならあまりうるさく云われずに生活保護はほぼ適用される。中には手続きさえすれば年金を生活保護費以上に多くもらえる仲間や、田舎に自分名義の資産が残っていたりする仲間もいるかも知れないが、そこら辺のこまかな点はゆっくりと相談を継続していけば良い。もっとも困ってしまうのが、保護を受けていたけれども、「自分で勝手に出てしまった」ような仲間である。生活保護は一回だけと云う決りはないので、建前上は何度でも受ける資格はあるのだが、流石に福祉の心証を悪くするとそうも云ってられない。とは言え命にかかわる問題なだけに解決方法はいくらでもあるので、そう云う仲間は是非じっくりと相談をして欲しい。
65歳以上の高齢者以外でも女性の場合は年齢や体調を問わず保護をすぐにしてくれる。ちょっと辛そうな女性の仲間を見かけたら、福祉に行くよう声をかけてもらいたい。
そんなこんなの福祉に関する問題で困った仲間は、毎週月曜日には俺たちが福祉事務所に詰めているので、何か分からない事があれば相談をしてもらいたい。
冬場が目前に迫ると今年の越冬対策はどうなるんだ?との声が挙がってくる。既に報告している通り、都内最大の大規模施設大田寮が11月下旬に閉鎖され、世田谷寮に引き継がれる。この事により、緊急一時保護センターの全体枠がぐっと小さくなる。これまで新宿区は千代田寮と大田寮の同時利用をしながら枠を確保して来たが、今年の夏場から、新宿区に割り当てられた千代田寮の上限枠29名をどうにかやりくりしながら凌いでいる状態である。こんな中、どうやって冬場の人道的な短期宿泊枠を確保するのかが課題となっているのだが、今のところ厳冬期宿泊の継続は確認されたが、新宿区の枠がどの程度なのかは未だ発表がない。
昨年の新宿区の実績ベースば実数で400名近い仲間が厳冬期宿泊枠を利用している。新宿地域で云えば、昨年の同時期と今年は人数的な多少の変動はあるが、基本的な背景はほとんど変っていない。対策的にも相談機能が拠点相談事業及び巡回相談事業として新規に実施されているが、これはあくまで相談機能の強化でしかなく、それに伴い生保枠が緩和されたとか、緊急枠が広がったと云う事もない。云うまでもなく今年度の「地域生活移行支援事業」は新宿には来ず、現在隅田川を中心に、その他は小規模公園でまばらに行われているだけである。俺たちが実施している炊き出しの数やパトロール時の調査でも、若干の減少傾向はあるものの、昨年とほぼ同じの数字となっている。
こんな背景の中、どの程度の枠をこの冬に提供できるか?新宿区の腕の見せ所であるが、果たして大丈夫であろうか?もちろん、俺たちは今年の春段階から厳冬期宿泊枠の継続実施及び、最大限の枠確保を新宿区に要望している。その回答に注目をしていこう。もちろん、全体枠の問題としてある以上、宿泊枠のある程度の減少は止むを得ないが、その中でどれだけ新宿区が努力をしたかを俺たちは評価基準にしていきたい。
もちろん、厳冬期対応は一時凌ぎの策である。根本的には今の施策体系を使いやすく、かつ、効果的なものに変えて行く事が主眼におかれるべきである。そのための動きとして国が「ホームレス自立支援法」の見直しとして、来年早々の全国調査から、そして東京都では、現行の自立支援施策の見直しとして、ようやく動き始めている。当然ながら勝手に見直されるのではなく、それぞれに俺たちの意見が反映されるよう、俺たちのスタッフもそれぞれに配置されている。大きな枠の見直しと、当座の対応、難しい局面の秋から冬になるが、どうにかこうにか前進させていきたい。
仲間たち。
急な冷え込みに戸惑う仲間も多いと思う。まだ小春日和の日もあるとは思うが、晩秋の気候はじょじょに冬型に姿を変えつつある。早いもので気がつけば今年も残り2ヶ月程度、年越しの準備も近い。
秋の深まりは不安ばかりに目が行くとおもうが、しっかりと準備しておけばそう悪い事ばかりでもない。自分なりの目標を持ち、前を向きながら歩いていこう。
こんな気候なので、風邪が結構流行ってもいる。昼間汗をかいた身体に夜の秋風が当ると間違いなく風邪を移される。これから空気が乾燥し始める時でもあるのでうがいをしたりと予防策が必要だが、野宿の俺たちには雨風の当らぬ寝床の確保がこれからの最大の課題でもある。夜だけでも眠れる場所を確保していかない事にはこれからのシーズンはとても辛いものになってしまう。 風邪以外でも、ちょっと「血圧が不安定」「身体がだるい」「食欲がない」など、身体に異変を感じたら、早めに病院で診察を受けた方が良いだろう。福祉事務所が病院の掛け橋にはなってくれているし、福祉紹介の病院は俺たちの対応は慣れているから、気軽に福祉の制度を利用してもらいたい。新宿の福祉事務所は花園神社の裏にある第二分庁舎の1階にある。受付で緑のカードに自分の名前と生年月日を書いて提出しておけば、順番に呼ばれ「面談」を受けられる。その時に「身体の調子が悪いので病院に行きたい」旨を話せば、その日の内に紹介病院を探してくれる。紹介病院は医療センターや東京医大など近場で大きなところが多い。
もし、一人だと不安な仲間は、毎週月曜日に俺たちの仲間が福祉事務所に詰めているので、気軽に相談をしてもらいたい。
建築関係は久しぶりの活況のようであるが、体力の問題や年齢の問題で誰でもが入れる業界でもない。本格的に別の仕事を探そうと思っている仲間は、福祉事務所で相談をすると、緊急一時保護センター千代田寮を紹介してもらえる。今は一斉入所はしておらず、「随時入所」と云う形で、福祉事務所に相談に来た仲間を順番に木曜日に入れる仕組みとなっている。ただし、新宿の場合、希望者が多い事もあって順番が後回しにされる事もある。そんな場合もめげずに相談を続けていこう。千代田寮は通年的に開設されている俺たちが身体を休め、仕事への気力を回復させていく施設である。もちろん3度の飯は提供され、その他のサービスも施設の中で受けられる。施設の中も二段ベット(カーテン付き)で、一応のプライバシーは保たれる。門限以外の出入りは自由だし、千代田寮は新宿にも近いので評判はおおむね良い。もちろん、病気の仲間は施設から通院が出来るし、仕事を探したい仲間には、技能講習が受けられ就職のための準備もしっかりと出来、自立支援センターと云う仕事探し専門の施設にひと月前後で移る事が出来る。自立支援センターでは職業相談員による本格的な就労支援が受けられ、仕事が決まったらそこから通勤をし、お金を貯め、安いアパートに移る(敷金礼金の半分は役所が負担してくれる)と云う仕組みである。統計上は自立支援センターに入った半分近い仲間がめでたく自立をしている事になるが、中には残念ながら施設に馴染めない仲間や、仕事が最後まで見つからない仲間もいる。それでも何ごともやってみなければ分からないので、まだ試していない仲間はチャレンジするに値する事業であろう。
この自立支援事業だけでは不十分である。とりわけ居宅での継続的生活と云う観点が必要であると云う事で新たに始まったのが「地域生活移行支援事業」であるが、残念ながら今年は新宿にはまわってきていない。こちらも希望者が多いので本当にどうにかしてもらいたいものであるが、しばし待たなければならない状況である。 生活保護の問題においても、先日、全国知事会と全国市長会が「原則5年間で打ち切り」等を盛り込んだ「報告書」を出すなど、前向きな議論が開始され、俺たちの自立支援事業に関してもようやく都区で「見直し」のための検討会が開始され議論がスタートした。自立支援法の見直しも来年1月の実態調査から開始される。俺たちが抱えている諸問題はまだまだ解決途上であり、更なる施策の効率的な強化を目指して俺たちも様々な局面で頑張って行くつもりである。諦めずに冬に向おう。
仲間たち。
秋もぐんぐんと深まり、冬の足音も何となく聞こえ始めて来た。朝晩はもう冷たい乾いた風が吹き安眠を妨害してくる。冬型の生活スタイルをしっかりと作っていかないとこれから寒さとの厳しいたたかいの日々が訪れる。澄んだ秋空は晴れ晴れしいが、その裏に隠された恐怖をそろそろと実感していこう。季節はもう11月。小春日和に騙されず、しかと俺たちなりの生活を築いていこう。
冬場を前に健康管理をもう一度見直してもらいたい。路上暮しは確実に健康を蝕まれる。偏食による内蔵疾患、冷たい路上で寝る事による神経痛などの疾病、また精神的なストレスもまた身体にいろいろな悪影響をあたえる。自覚症状が強くあればまだ良いが、中には自覚症状がなかなか感じられない病気などもある。予防策は、「おかしいな」と思ったら、早いうちに病院に行くなりして専門的な検査を受けるしかない。病院も当たり外れがあるので、ある病院で「大丈夫」と云われても、症状が変らない場合は病院を変えてもらうなどをしてもらおう。 路上で暮らしていようとも、福祉を通せば病院には誰しも行ける。福祉の手続きはそんなに難しくもない。一人じゃ不安な仲間は、毎週月曜日に実施している俺たちの福祉行動に気軽に相談してもらいたい。
また、定例の医療相談会も実施している。丁度、今度の日曜日がその日だ。戸山公園は朝10時よりマルエツ側入り口付近にて、中央公園は炊き出しの後、都庁下で実施する。ボランティアのお医師さんや看護婦さんが来てくれるので「調子が悪い」と云う仲間、福祉を通して医者に行きたいと思っている仲間、薬が欲しい仲間などは気軽に相談をしてもらいたい。
連絡会の越冬対策の方も既に準備に入っているが、行政の越冬対策も着々と進んでいる。新宿区は毎年実施している厳冬期2週間無料宿泊援護のスケジュールを先日発表した。来週あたりからチラシで一覧表を掲載しておくが、12月6日(水)から、例年より早めに始め、毎週水曜日に受付を続け、来年2月28日の受付までとなっている。宿泊場所は緊急一時保護センター千代田寮を利用し、2週間の無料宿泊(12月20日の受付のみ年末年始の関係で3週間)で、応募定員は毎回10名との事である。通算すると120名枠となる。もちろん、一人一回のみの利用であるが、通常緊急一時保護センター枠の決まり(退所後半年を過ぎなければ再入所できない)は、厳冬期事業は適用されないので、たとえば、11月に緊急一時保護センターだけ利用し退所した仲間も、厳冬期は利用できる。ただし、その逆は不可能で、厳冬期を利用してしまうと、12月から2月の間は通常枠での入所は出来ないこととなっている。このように何かと難しい決まりがあるので「俺の場合は」と云うケースは、直接福祉に聞いてみるか、俺たちに相談をしてもらいたい。
しかし、それにしても、厳冬枠120名とは極端に減らされてしまったものである。今年の冬は暖冬傾向との事ではあるが、昨年のよう急に大寒波がやってくるなんて事も、暖冬でもよくある事である。福祉事務所ブロックごとの協議となり、新宿区単独でどうにかなる話しではないのは重々承知をしたとしても、多くの仲間を寒空の中に放置していく結果にしかならず、大きな問題を残すであろう。もちろん、民間の俺たちの越年対策に新宿区も協力してもらうしかないのだが、官民あわせて新宿の多くの仲間をこの冬、どうやって守るのかについては、更なる新宿区との話し合いが必要となろう。まずは新宿区が冬場の対策を発表したと云う事で、とりあえずの報告である。
厳しい冬をいかに越すのか?そろそろ、仲間一人ひとりが考え、行動に移すようにしていこう。
仲間たち。 早いもので、もう11月も中旬。今年は暖冬との事でまだまだ気温が高いものの、今週あたりから、ぐんぐんと気温も下がり初冬の頃を迎えるだろう。肌身しみて感じるように、これからの季節が仲間にとって受難の季節となるが、皆の力をふり絞ればどうにかなると俺たちは確信している。しんどいながらも、これからの季節を生き抜く覚悟を今のうちに整えていこう。 これから空気が乾燥して来る。冬は火災がよく起こる。テントなどではロウソクの失火、カセットコンロのガス漏れ、煙草の不始末、路上でも通行人が捨てる煙草の火でダンボールハウスが全焼なんて事もあった。原因は何であれ火災事故と云うのはとにかく危険である。事故がないよう、火元の消火を確認してから横になる、各人ペットボトルや空き缶に水を入れて寝る時には枕元に置いておく、発見したら周辺の仲間が力を合わせて消火するなど注意をして行く必要がある。今年の冬も火災事故ゼロで乗り切りたいものである。 また、夜間、寝た後のダンボールなどのゴミ類であるが、どうも最近、一ヶ所に集め過ぎて「山」になっているようで、苦情が多いとの事である。さりとて捨てる場所は公園などぐらいしかないのであるが、これからは、出来る限り持ち込んだものは自分で処理するようにしていこう。何かとうるさい世の中であるが、一定のマナーはマナーとして守るようにしていかないと自分達の首を絞める事になる。寝場所の確保も時間帯やそう云ったマナーを守りながら、これから寒い時期にしっかりと防衛していこう。 健康問題で云えば、これからは風邪のシーズンでもある。パトロールに回っていても、とにかく風邪の仲間が最近特に増えている。風邪も感染病なので体力の弱い仲間などにはすぐに広まってしまうし、肺炎、結核など他の病気も誘発する。人込みの中を歩いたらウガイをするなどの予防は是非ともしておいた方が良いだろう。 もちろん、風邪の兆候が現われたら薬を飲むなり、医者に早めにかかるなりした方が良い。市販薬はパトロールの時や炊出しの時に持って来ているので渡せるし、医者にかかりたい仲間は、毎週月曜日なら区役所分庁舎1階の福祉事務所に連絡会のメンバーが詰めているので相談をして欲しい。新宿区は路上の仲間が医者に通院する事は健康管理のため推奨している。風邪以外の病気も早期発見、早期治療が必要だ。血圧が高めと云うだけでも厳しい季節の中、亡くなってしまう仲間もいるのでちょっとした身体の変化を見逃さず、福祉を通して医者にかかるようにしていこう。 他方、急に身体が痛み出した。区役所まで行く力すらない。夜間で対応できない。などの場合は、迷わずに救急車を呼ぼう。救急車は自分で呼んでも一向に構わないし、治療費は後で手続きをすれば福祉でもってもらえる(運ばれた病院で「自分は野宿していてて払える治療費がない」と云えば大丈夫)。 それと、65歳以上の仲間、女性の仲間は、福祉に相談に行けば、病気でなくとも施設などでの生活保護を受給できるので、「これからの季節はキツイ」と思っている仲間は、早々に相談に行くようにしよう。 一時の暖かさに騙されずに備えをしっかりと!
仲間たち。
ここのところ木枯らしが吹きはじめ気温もグングン下って来ている。比較的暖かな秋だっただけに急な寒さは身体に応える。
冬の訪れと仲間の死の報は不幸にも合致してしまう。先週12日、都庁第一と第二庁舎の間の道路でダンボールを囲んで寝ていた仲間が亡くなっているのを発見された。死因は分からないが、前日、ボランティアの人が調子が悪そうなので声をかけ、救急車を呼ぼうとしたが、本人は「まだ、大丈夫」と答えたと云う。無理をしての病死だと思われる。無念追悼‥。
今年の厳しい冬はもう目の前である。しっかりと冬を越して行く気構えを一人ひとり作り出しておこう。暖冬傾向であると気象庁が長期予報を出しているが、逆に暖冬だと寒冷前線などが来た時気温差が激しくなり、体調管理が難しくもなる。新宿における施策も今年の冬は充分なものが作り得ていない。油断をせず冬に臨みたい。
パトロールで回っていると風邪が長引いている仲間も多く見受けられる。空気もどんどん乾燥し始めているので風邪も引きやすくなっている。市販の薬を飲んで治る程度なら心配ないが、長引いて微熱が続く、咳が続くなどの仲間は念のため医者で診断を受けてもらった方が良いだろう。風邪は万病の元なので、こちらも油断をすると大きな病気になったりもするので要注意だ。
「調子が悪い」「食欲がない」「身体がだるい」などの自覚症状がある仲間なども本格的な冬が来る前に診察してもらった方がよほど安心である。
野宿している仲間は、保険証がなくても住民票がなくても、今寝ている区の福祉事務所に行けば医者に無料でかかれる事になっている。もし一人で行くのが不安な仲間は、毎週月曜日に俺たちは福祉行動と云って、仲間の福祉手続きを応援する行動を取っている。是非気軽に相談をしてもらいたい。福祉の手続きは思ったよりも簡単でもある。躊躇して後で苦しむより早い内に対処しておいた方がよほど安心である。
冬の期間、病気の仲間や、高齢の仲間、女性の仲間、障害を持った仲間など、野宿の中でも一番厳しい立場に立たされた仲間の福祉制度活用を俺たちは最大限応援していく。人生で「きっかけ」なんてそんなに多いものじゃないのけれど、意外と身近に「きっかけ」が落ちてたりもする。色々な「きっかけ」と「チャンス」をモノにしてもらいたいと思う。
厳冬期の短期無料宿泊(千代田寮)募集は、来月6日より新宿区で開始される。2週間から3週間の短い宿泊だが、毎年、宿泊施設で健康診断を受け生活保護に移行する仲間もいる。自分が思っている以上に自分の身体が悪くなっているケースはあるものである。これまた一つの「きっかけ」である。
連絡会の毛布配給は現在毛布の大量確保に駆け回っている。来月17日からトータルで700枚前後の放出を計画している。配給日時はこのチラシでお知らせするので、しばし待っていてもらいたい。
仲間たち。
ここの所気温もぐんぐんと下がり、寒さで震える日が続いている。もう師走の風が吹き込み、早いもので年の瀬まであとわずかしかない。野宿には辛い日々がこれから控えているが心の灯だけは消さずに、これからの季節へ挑んでいこう。
毎回伝えているが、これからの季節、高齢の仲間、病弱な仲間、女性の仲間など、俺たちの世界でも一番弱いい仲間の命を支えなければならない。俺たちはこれからの季節、福祉の徹底利用を訴えて行く。寒さで震える、高齢の仲間や病弱な仲間を放置しておくのなら福祉事務所の存在意味などない。65歳以上の高齢の仲間、病気で苦しんでいる仲間は福祉事務所に行き、窮状を訴え、生活保護の制度を利用し、病院への通院、ドヤや施設での保護を勝ち取っていこう。
幸いにして新宿福祉は高齢の仲間や病弱な仲間を無下にする事はない。不安な仲間、役所嫌いな仲間は、俺たちが毎週月曜日、福祉行動と云って、仲間の保護申請を支えて行く行動を毎週行っている。窓口対応のちょっとした事でも構わないから、福祉に関する事、病気に関する事について相談に乗るので一声掛けてもらいたい。
連絡会は来週から越冬体制に突入する。新宿での取組みは早十三回目の取組みで、年々体制も強化されて来ている。医療相談の強化(12月は10日に定例の医療相談を戸山公園、都庁前での医療相談会を実施する他、越年期に集中した医療活動を展開していきます。)、毛布無料配給(17日二〇〇枚、24日二〇〇枚を午後5時から中央公園ポケットパークで配付します。)、パトロールの強化、そして年末29日から来年の1月4日朝までの、集中越年の取組み(毎日、炊き出しやパトロールを実施し、緊急医療テント等を設営します)を中央公園で予定している。
他方、新宿区も、例年実施している厳冬期対応無料宿泊事業を今年は早めに6日(水)から毎週水曜日に受付抽選会を実施する。大田寮閉鎖に伴い今年からは千代田寮での宿泊となり、枠が少なくなっているが、利用希望者が殺到する事態になれば新宿区も何らかの別の方法も考えざるを得ないだろう。もちろん、通常枠での入所は引き続き、「随時入所」と云う形で実施し続ける。また、相談所「とまりぎ」では乾パン、衣類の支給の他、借金問題や法律問題などの専門的な相談も実施している。路上で受けられる「応急援護」をきっかけにして、相談を重ね、無事路上から脱却した仲間も大勢いる。これらからの季節は一人でいるよりも、利用できるものはおおいに利用し、知り合いを多く作り、自分なりの冬の越し方をしっかりと持っていこう。
これらの官民あわせた総合力とそして仲間の自発的な力をあわせ、この冬、新宿の仲間が凍死しないよう、飢え死にしないよう全力で支えて行く。とりわけ、この冬初めて新宿で冬を越す仲間、最近新宿に来た仲間などは、正確な情報をしっかりと持ち、知恵と勇気を振り絞りながら頑張っていこう。
「仲間の命は仲間で守る」これが、新宿の一〇年来続いて来た合言葉だ。自分だけの命じゃない。自分だけ助かれば良いと云う世界でもない。みんなで乗り越え、みんなで生き延びる。そのために一人ひとりが出来ることは何でもやっていこう。仲間の一人ひとりが路上のボランティアになれば百人力である。弱った仲間に正しい情報を伝えるだけでも構わない。困った時だからこそ助け合い、支えあい、冬とたたかおう。
仲間たち。
いよいよ師走。あわただしくも越冬の季節に突入である。今年は例年以上に暖かい日が続いているが、突然の寒さはかなり堪える。そうでなくとも冬の始めは寒冷前線が安定しない事もあり、気温の格差が極端に大きくなる。暖かい日でも夜になると北風が吹き始め真冬並になってしまう事も良くある。体調をここで崩すと大変な事にもなる。空気も乾燥がちなので喉をやられ、風邪も流行し、結核も流行る。乾燥に弱い肌の仲間などはヒフ関連の病気にもなりがちだ。
既に新宿でも、また渋谷や大田区の方でも仲間の路上死が報告されている。これからの季節は一人ひとりの仲間の健康問題とのたたかいが激しくなる。少なくとも東京の医療福祉体制は必要最低限の事は実施してくれるようになっている。「どうせ俺なんか」と思わず、体調不良の場合は福祉事務所から病院に通うようお願いしたい。また、もし、隣の仲間が、「熱を出して苦しんでいる」「調子が悪そうだ」と思ったら、見ず知らずの仲間でも、同じ路上の仲間だ。声をかけ、あまりに苦しそうだったら救急車を呼ぶ。それほどでもなかったら役所の場所を教えてあげる。連絡会のパトロール隊に知らせる、知り合いの仲間に言ってみる。いつもながら、越冬の俺たちの合言葉は「仲間の命は仲間で守ろう」だ。身体が壊れてしまったら仕事どころではない。俺たちが唯一持っている重要な財産である「身体」をしっかりと冬将軍から守り抜いていこう。
もちろん、連絡会の毎週月曜日の福祉行動はこの冬、毎週きっちりと行って行く。65歳以上の仲間、女性の仲間、身体障害者手帳3級以上の仲間は、病気でなくても生活保護が取れる。また、病院を紹介してもらいたい仲間もいつでも大丈夫だ。一人じゃ不安な仲間は月曜日午前中なら、連絡会のメンバーが区役所分庁舎(花園神社裏)の福祉事務所に詰めているので、一声かけてもらいたい。
また、来週は戸山公園で朝10時、そして都庁下で炊き出しの後にボランティアの医師による医療相談会を実施する。風邪薬や胃薬などの常備薬はもちろん、しっかりと治さなければならない病気の仲間には「紹介状」を書いてもらえる。本当に無理をせずに相談に来てもらいたい。
また、年末にかけて医療相談会を充実させていく。来週の次は24日にも新宿での医療相談を実施し、年末年始は中央公園で医療テントをはって常時病気の仲間が相談できる体制を作って行く。毎年多くの仲間が利用しているので、心配する事はない、おおいに利用してもらいたい。
連絡会は17日と24日に毛布の無料配付を中央公園で行う。各二百枚を予定している。時間は午後5時なので注意してもらいたい。持ち運び用のビニール袋も用意するので使ってもらいたい。
また、寒くなるに従い、冬物の衣類が欲しい仲間も増えていると思う。今年の冬から連絡会にカンパで来る衣類については、新宿福祉の「とまりぎ」にも送ってもらうようにしている。「とまりぎ」は平日9時〜4時、第2、第4土曜日も空いているので、衣類の欲しい仲間は「とまりぎ」でもらうようにしてもらいたい。こちらは福祉と云っても委託された民間団体(社会福祉士会)がやっているので新設丁寧に応答してくれる。気軽に行ってみよう。
また新宿区の厳冬期対応千代田寮2〜3週間無料宿泊事業も、今週の6日(水)から始まる。今年から毎回定員10名であるが、身体を休めるせっかくのチャンスなので希望する仲間は受付抽選会に並ぶようにしよう。条件は「新宿区内に野宿している者」以外は一切ないので、誰でも入れる一時休息所である。他方、この時期、新宿区からの通常一ヶ月の緊急一時保護センター入寮は極端に難しくなる。しかし、この事業は23区共通で実施しているので、厳冬期宿泊をほとんどやらない豊島区や渋谷区など近隣の区に行くと入れる可能性は高いので、仕事探しをメインに考えている仲間は他区を狙った方が良いだろう。
利用できるものは何でも利用し、この年とこの冬をどうにかこうにか越していこう。
仲間たち。
枯れ葉舞い散る新宿の街もいつの間にやらクリスマスの飾り付け一色となり、早いもので年の瀬ももうすぐである。暖冬とは云いながら、天気の悪い日などは耐えられないくらいの寒さとなる。健康体でさえそうなのに、風邪を引いたとか、調子が悪い仲間にとってみればたまったものじゃない寒さが、冬の深まりと共に俺らに襲ってくる。これからの季節は一人で意地を張っていてもどうにかなるものじゃない。より一層、仲間同士のつながりを作って乗りきらねばならないだろう。
先週水曜日から厳冬期対策の千代田寮無料宿泊事業が開始されている。この事業は人命尊重の観点から緊急避難のため実施されている事業なので、冬場が辛い多くの仲間が是非利用してもらいたい。短期宿泊(2週間)でしかないものの、冬場に少しの間だけでも身体を休め、睡眠を取り、栄養をしっかりと摂らない事には本当にまいってしまう。千代田寮は四谷と市ヶ谷の間にあり、ちょうど公園の中でもあるので、落ち着いた環境の場所である。施設は二段ベットで当然ながらカーテンで仕切りも出来るし、個人用のロッカーも用意されている。食事、散髪、風呂、医療相談などのサービスはもちろん無料である。重病が発覚した仲間は千代田寮から通院も出来る。集団生活になるので中には馴染めない仲間もいるかも知れないが、そこに居るのは同じ境遇の仲間達だけである。普通にしていればもちろん大丈夫である。
先週の水曜日は10名の募集枠に対して29名と、様子見もあったようで予想していたよりも大勢の仲間の数ではなかった。今年度から全体枠が少なくなった事もあり、どうも例年の予想通りにはいかなくなっているようである。いずれにせよ、並ばない事にはチャンスもないので「駄目だ」「駄目だ」と思わず積極的に動いていこう。(ちなみに例年の山谷対策なぎさ寮年末年始宿泊の受付けは今年は12月29日、一日のみで、隅田川リバーサイドスポーツセンターであるとの事である。こちらも例年より枠および受付日が少なくなっているので、気をつけておこう) また、当選した仲間は簡単な面接の後、その日の昼に千代田へバスで移動する。近場の仲間なら荷物を持ってくる時間はあるが、遠いところの仲間はそんな時間がないので、抽選会の日は自分の荷物は必ず持って来るようにしよう。また、「冷やかし」で並ぶ仲間や、当選してもバスの移動時間に来ない仲間なども昨年は時たま見受けられたが、そういう行為は絶対に止めてもらいたい。辞退するのであれば最初から辞退してもらいたい。そのためにせっかく真剣に並んだ仲間がアブレてしまう事もある。
また、連絡会の方では、17日、24日と毎日曜日に毛布の無料配給も午後5時から中央公園ポケットパーク(雨の時は都庁下)で実施する。各々200枚づつ配布するので、希望する仲間はその時間に待っていてもらいたい。こちらも全国の皆さんの暖かいカンパで購入したものである。汚れてしまったら仕方がないが、たとえば千代田寮に当ったので当面必要がないなんて云う仲間は、他の必要な仲間に回してもらいたい。路上にはなんでもかんでも豊富にある訳ではない。少ない資源をどう有効に活用するのかが大きな問題である。その場凌ぎのキリギリスにならないよう、皆で知恵を出しあい、どうにかこうにか厳冬期を乗り越えて行きたい。
年末年始は29日(金)より年明けの4日(木)朝まで、連絡会が越年越冬体制を今年もしっかりと取り組んでいく。年末年始、新宿の路上に残った仲間の強い味方になれるよう準備をしている。連日の炊き出し、そして24時間稼働の医療体制を中央公園を拠点に構築していきたい。詳しい場所及びスケジュールは直前に発表するが、ちょっとは余裕がある仲間は是非とも協力をしてもらいたい。
もちろん、病気のなった仲間は早い内に福祉事務所を通して医者にかかるようにしていこう。毎週月曜日の福祉行動も強化し、実施しているので、気軽に声をかけてもらいたい。また、衣類が欲しい仲間は新宿区の「とまりぎ」でもらうようにしていこう。
仲間たち。
ここの所天気が目まぐるしく変り、気候の変動がとてつもなく大きい。今のところ暖冬基調ではあるものの、体調を維持しにくい気候でもあるので、ちょっとした身体の異変に気をつけていきたいものだ。
新聞ラジオなどで知っている仲間も多いと思うが、ノロウィルスを原因とする感染性胃腸炎がこの冬、猛威をふるっている。都内にもじわりじわりと広がっており、これは他人事ではない。ノロウィルスに感染した症状は、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛であり、軽い風邪に似た症状の場合もあると云う。通常、健康体の人は自然治癒をするが、病院や施設での集団感染では死者も出ており、体力の弱い高齢者や疾病者にとっては命に関わる感染症と云えよう。
感染ルートは経口感染なので、食物や、便、嘔吐物を介して感染する。つまり、感染した仲間が手洗いもせずに炊き出しなどを手伝ってしまうと、一気に俺らの世界にも広がると云う事となる。もちろん、俺らも気をつけていくが、予防のポイントは「手洗いの徹底」である。トイレの後や食事の前には、石鹸を使い、30秒以上手洗いをする。爪をいつも短くしておく。時計や指輪など汚れの落ちにくい部分も、手洗いの時は外して洗う。出来る限りの事をしていかないと、後でとんでもないことになるやも知れないので、とにかく「手洗い」の徹底をこの冬、一人ひとりが心がけていこう。
今のところ、路上生活者対策関連施設での感染例は聞かれていないので大丈夫であるが、これから施設に入る仲間も同じく注意である。こんな事で炊き出しが消滅したり、施設が閉鎖でもされたらたまったものではない。
さて、新宿区による厳冬期の千代田寮無料宿泊が開始されている。先日の受付は33名が応募し、定員は10名の予定だったが、新宿福祉が気を利かせてくれ、15名の枠を確保してくれた。今後もあちこちの施設に当たり、枠が空いていたら出来るだけ確保すると言ってくれているので、期待をしておこう。今回外れた仲間も粘り強く抽選会に参加するようにしよう。また、年末年始の宿泊を狙っている仲間も多いが、例年の山谷対策なぎさ寮年末年始宿泊の受付けは今年は12月29日、一日のみなので気をつけておこう。
新宿現地の越年の取り組みの準備も順調に進んでいる。毛布の配給は24日(日)がラストであるが、毛布の集まり具合が良いので、年末29日(金)にも再度配れる段取りとなっている。また、区役所は年末28日で仕事納めとなる。調子が悪いのだけれどもまだ病院に行った事がない、年末年始用の薬をまだもらっていないなどの仲間は、早めに福祉を通して病院に行くようにしていこう。24日(日)に医療相談会(都庁下のみ)をやるので最後の福祉への駆け込みに利用してもらいたい。
なお、仕事納めの28日(木)は、新宿福祉で配っているカンパンが年末年始分のもの含め多めに出るので、非常食用として是非確保しておいてもらいたい。
そして、28日(木)に準備作業をし、29日(金)から中央公園を拠点に、共に年を越す体制(連日の炊き出しや医療活動)に突入する。身体の空いている仲間は会場設営や荷物の搬入等、是非とも出来るところを手伝ってもらいたい。俺らの年越しを共に!
仲間たち。
巨大なクリスマスツリーと光まばゆいイルミネーションの時が終れば、あっと云う間に回想の一年と、めでたい門松の時に至る。早いもんだと云う形容詞は例年の口癖のようあちこちで飛び交う。街が年末ならば、路上もまた年末である。
この一年、俺たちは毎週日曜日の炊き出しを欠かさず実施し続け、新宿、戸山公園でのパトロール、新宿、戸山での医療相談会をこれまた欠かさず年間通し実施し、また新たなシャワーサービス事業を週に二回独自に実施し続け、路上の仲間の命と健康を守り、そして路上脱却に向けての支援に全力を傾けて来た。もちろん、こんなのは決して自慢すべきものではなく、例年続けられている「いつもの事」なのかも知れない。けれども、俺たちはたった一人でも、俺たちの活動によって「希望」を見いだしてくれるなら、それだけで充分である。
この路上が「絶望」から「希望」へ少しでも変るよう、俺たちは永遠の活動をしている。誰から後ろ指を指されようとも、この信念だけは決して変らない。
仲間が路上のままで良いなんて、俺たちは決して思わない。だから、不十分であろうが、行政の施策に深く関わり、施策の拡充と改善、施策の徹底活用を訴えて来た。「要望した事は必ず実現する」。生活保護適用拡大も自立支援センターも自立支援法も地域生活移行支援事業も、そうやって俺たちは勝ち取って来た。俺たちは文句を言う前に「考え」「議論し」「提案」する。そして時には妥協もする。この社会は俺たちだけの社会ではないからである。
そうやって、また一年が暮れ、路上の年越しの季節になった。
今年の越年は、中央公園ポケットパークが未だ改修中のため、「水の広場」(ナイヤガラの滝前広場、夏祭りで利用している会場)で、28日(木)から開始される。 手伝ってくれる仲間は28(木)日、午前11時に中央公園「水の広場」に集まってくれ。何もやることのない越年じゃなく、せめて誰からのために働こう。頑張る人は誰かが見ていてくれるものである。
28日(木)のプレ企画と、設営準備をした後、29日(金)昼から3日(水)夜まで、集まってくれた仲間には毎日2食の炊き出しを提供する。また、毛布、衣類など全国の支援者が集めてくれている物資もこの期間、残さず放出する。
医療テントは29日(金)から稼働する。24時間、医師か看護婦さんが詰め、連日実施するパトロール班と連動し、常時、また緊急時の医療対応を実施する。怪我した、風邪引いたでも構わない、時間を気にせず気軽に医療テントに来てもらいたい。
イベントも盛りだくさんである。連日の夜のコンサート、映画会の他、31日(日)には大晦日イベント、2日(火)には餅つき大会が実施される。「水の広場」は広いので、今年は羽根を伸ばしておおいに楽しもう。
泣いても笑っても今年はあと数日。悔いなく過ごそう。