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新宿連絡会チラシ第三集(2002年7月7日より)

2002年7月7日新宿連絡会チラシ
2002年7月14日新宿連絡会チラシ
2002年7月21日新宿連絡会チラシ
2002年7月28日新宿連絡会チラシ
2002年8月4日新宿連絡会チラシ
2002年8月11日新宿連絡会チラシ
2002年8月17-18日新宿連絡会チラシ
2002年8月25日新宿連絡会チラシ
2002年9月1日新宿連絡会チラシ
2002年9月8日新宿連絡会チラシ
2002年9月15日新宿連絡会チラシ
2002年9月22日新宿連絡会チラシ
2002年9月29日新宿連絡会チラシ
2002年10月6日新宿連絡会チラシ
2002年10月13日新宿連絡会チラシ
2002年10月20日新宿連絡会チラシ
2002年10月27日新宿連絡会チラシ
2002年11月3日新宿連絡会チラシ
2002年11月10日新宿連絡会チラシ
2002年11月17日新宿連絡会チラシ
2002年11月24日新宿連絡会チラシ
2002年12月1日新宿連絡会チラシ
2002年12月8日新宿連絡会チラシ
2002年12月15日新宿連絡会チラシ
2002年12月22日新宿連絡会チラシ


汗だく歓喜の夏の陣
国会行動ファイナル!? 7月31日(水)、
全国の仲間と共にホームレス自立支援法制定を国会前でしかと見届けよう!

 仲間たち!
 猛暑が続いている。梅雨明けはまだのようだが夏の猛威はもうそこまで来ている。なかなか体調が思うようにいかない季節だし、衛生面では特段の注意がいる季節なので、身体を出来るだけ休ませる、睡眠は出来るだけ取る、を心がけ夏バテにならぬよう体力を温存させておこう。
 今度の日曜日は恒例のボランティアによる医療相談会が戸山公園、中央公園で行われる。戸山公園は午前10時より戸山公園入口(マルエツ側の公園入口近く)で、中央公園はいつもの炊出しの場所で午後7時過ぎより(雨天の場合は都庁下)からだ。風邪薬や胃薬など簡単な市販薬はもちろんあるし、問診や針灸治療なども受けられる。通院が必要という仲間には「紹介状」も渡してくれるので、福祉から医者にかかる時に大変便利だ。気軽に利用して欲しい。
 もちろん毎週月曜日の福祉行動も欠かさず行なっているので、病気や福祉の事で相談のある仲間はこちらの方にも来てもらいたい。
 さて、緊急一時保護センター・大田寮の入寮受付は4日にあり、85名の仲間が並び14名の仲間が入寮した。倍率は6倍前後と一頃に比べればだいぶ落ちてきたが、枠が増えてそうなった訳ではなく、入りたい仲間が自己規制(諦めて)して多くは並ばなかったためのようである。新宿区は一向に枠の増枠を考えようともしない。賢明な仲間は他区からどんどん入っているようだが、肝心の新宿区が自区内で対応できないようでは情けない。俺たちは7月1日に大田寮の入寮枠と受付回数を増やす事などを求めた「要望書」を提出した。また、大田寮内で就労支援策を強化する事などを求め、東京都、特人厚、対策運営協議会へも「要望書」を提出し今月半ばにある所長会で真剣に議論をしろと求めた。自立支援事業の窓口にせよ、施設にせよ、事業内容にせよ、ここのところまったくどうかしているという現状が続いている。全部まとめて改善させていかねば、ホームレス自立支援法ができたとしても大幅な対策の拡大や拡充は見込めない。路上の仲間のニーズに即した選択肢可能な自立支援事業なかんずく就労支援を強化させて行くべく俺たちは声をあげ続けていきたい。
 懸案の国会の方は、ようやく今国会での「ホームレス自立支援法」制定が与野党間でほぼ合意された。1年越しのたたかいとなったが、全国の仲間が結びつき、声をあげれば国会だって動かせるんだという事を確認できる素晴らしいたたかいだったと思う。もちろんまだまだ俺たちの力は十分ではなく、100%俺たちの言い分を叶える法案にはなってはいないものの、国が責務として俺たちの「屋根と仕事」につながる自立支援策を責任をもってやる事を明記させた待望の社会保障法だ。
 俺たちは、俺たちが声をあげ続けた法案が本当に制定するまでしかと見届けて行きたいと思う。そこで、本国会の最終日、31日(水)、全国の仲間と共に国会前、議員会館内において再び大規模な国会行動を行なう事を決定した。真夏のたたかいだが、協力してくれた議員の方々を労い、法の制定を見届け、今後この法を活用してどのような運動を各地で進めていくのかを明示できるような集会にして行きたい。31日(水)、午前9時半に新宿区役所前に集まり、全国の仲間と国会前で合流しよう。31日の国会行動から8月17ー18日の第9回新宿夏まつりへ!

路上アンケートの結果報告(その2)
 アンケートに答えてくれた仲間の内、約8割近い仲間が様々な形で仕事を探していると回答しています。特に仕事を探していないという仲間は、病気であったり、高齢であったりと色々な事情を抱えているようですが、今は仕事に就けていなくとも全体として就労意欲は高いと言えるだろうと思います。
 現在仕事探しを積極的にやっている仲間はどういう形で探しているのかと言えば、高田馬場に行く、知人に紹介してもらう、駅手配で探す、新聞求人で探す、職安で探すという順になっています。路上にいると届け出する居所がない、連絡先がないなど、公的な職安はやはり使い勝手が悪いようです。やはり住所がなく、保証人もいらない建設日雇を中心に仕事を探しているようです。
 今後どのような職業で自立を果たしたいかという質問でも、建設日雇や建設技能(鳶とか)などを期待している仲間が多いようです。もちろんそれだけでなく、今までやってきた様々な職業に就きたいと思っている仲間も多いのですが、軽作業仕事に就きたいという仲間も大勢いました。実際に自分の経験にみあった職業を探しても実際は年齢制限や体力の限界などで使ってはくれない。でも、まだまだ働きたい。そんな仲間は清掃や軽作業労働に期待しているようです。生活保護で役所の面倒になるよりも、自分の力でと思っている仲間が大勢いるという結果になっています。
 健康状態は比較的に「良い、普通」の仲間が多いですが、約30%もの仲間が悪い、もしくは通院していると、路上の厳しさがここからも浮き彫りにされています。(つづく)

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いよいよ法案制定へ
7月17日(水)ホームレス自立支援法案、衆議院厚生労働委員会で審議入り!
緊急傍聴行動 (朝9時区役所前)から31日の全国勝利集会へ!

 仲間たち!
 台風通過と猛暑続きと大変な一週間だったが影響はないだろうか?戻り梅雨が来るようだが、気候はもう夏真っ盛りという感じだ。熱中症と食中毒には気をつけ猛暑をどうにかこうにか乗りきろう。
 医療相談会で紹介状をもらった仲間は早めに福祉へ行って通院の手続きをしてもらいたい。紹介状があるので手続きはそんなに難しくはない。但し、通院できる病院は午前外来が多いので朝一番に区役所2階にカードを出しておこう。毎週月曜日は俺たちが福祉行動で詰めているが、福祉事務所は月から金までやっている。月曜日じゃなければ駄目という訳ではないので、病気の仲間はとにかく早めに医者にかかるようにしていこう。
 さて、1年来(実質は2年来)俺たちや全国の仲間が訴えて来た「国は野宿・失業の責任を取れ」という要求が、国会の場で「ホームレス自立支援法」制定として結実化しようとしている。この法律は俺たちを縛ったり取り締まる法律ではもちろんなく、反対に国=政府を縛るための法律だ。この法律が施行されれば国は今までのように「知らんふり」をする事ができず、俺たちの自立のために(人権に配慮した)雇用、医療、福祉、住宅等の総合的な施策を全国で実施しなければならなくなる。とりわけ就労支援を重点的に行なわなければならないとも明記されている。追い出しをするにしても、今までのような法に基づかない一方的な撤去(かつての新宿駅西口地下通路事件のような)などはできず、ちゃんとした自立支援策と連携して行なわなくてはならなくなる。また、今まで法がない事にあぐらをかき、小規模な自立支援事業しか行なってこなかった東京都や新宿区も縛りあげる事ができる法律だ。
 この法案がいよいよ17日、衆議院厚生労働委員会で審議入り(一日だけ)する。もちろん俺たちがこの法案の必要性を全政党に訴えて来たから与党も野党も賛成している法案である。多少の質疑を経た後、通過するのは時間の問題である。
 俺たちは17日(水)、緊急の国会傍聴行動(朝9時新宿区役所前集合・全員が傍聴できないかも知れませんが)を行い、衆議院通過をこの目でしかと見届け、来る31日(水)参議院で通過し法が制定されると予想される日に大阪など全国の仲間と共に国会での「勝利集会」を行なう。俺たちの小さなたたかいが、ついに国会を動かすにまで至った。国を法律で縛りあげる事が出来た。共に祝い、今後の更なるたたかいを展望していこうではないか。
 緊急一時保護センター・大田寮に入った仲間と共に、俺たちは今、大田寮内の就労支援策の強化のたたかいをやっている。その成果が寮内での就労準備ビデオの上映や自立支援事業の説明会などとして少しづつだが結実化している。黙っていては何も変わらない。理路整然と必要な事は必要であると声を出していけば多少時間がかかろうとも必ず物事は変わって行く。今は苦しくとも諦めずに前を向いて堂々と進んでいこう。法制定後、俺たちは就労支援の強化(大田寮の内外問わず)を最重要課題として、そのためのたたかいを続けて行く。法を「ザル法」にしてしまうのか、それとも俺たち一人ひとりの将来のため有意義に使えるのかは、俺たち自身の力にかかっている。他力本願ではなく、俺たちは仲間と共に必要なものは必要であると自らの声と力で訴えつづけていこう。そして、仲間の自立に必要なものを具体的に一つひとつ勝ち取っていこう!

路上アンケートの結果報告(最終回)
 仲間の現状は「身体が悪いけれども、休む場所もない、福祉がなかなか受けられない」「仕事をしたいのだけれども、仕事がない、もしくはあっても自立できる程の収入がない」に尽きるのかも知れない。もっともその他にも「飯にありつけない」「風呂にも入れない」「お金もない」「借金がある」「帰れる家はあっても家庭の事情がある」など様々な困難を仲間は抱えながら、野宿という生きる選択肢しかないので野宿を余儀なくされている。
 それでは、今の行政の施策をどのくらい利用し、どんな事を期待しているかという点であるが、新宿福祉にはカンパンをもらいに行った事がある仲間は約84%もいるが、2階の窓口で相談をした事がある仲間は約48%と過半数を割っている。しかもその中で窓口対応に悪い印象をもった仲間は約46%もいた。
 2階の窓口相談はよほどの事がない限りあまり行きたがらない場所のようだ。
 他方、大田寮から自立支援センターへ入ってみたいという仲間は約59%もおり、仲間の就労自立への意欲を伺わせる数字となっている。また今後就労対策が強化される事を期待するという仲間は約66%もおり、希望項目別に見ても福祉施策の強化より就労支援を強化してもらいたいという声の方が上回っている。病気とか高齢の仲間以外は「自分の生活は自分で働いて」と思っているし、そのための軽作業労働などに就け、自立できる就労支援策を望んでいるという事だろう。
 アンケートはある意味予想通りの結果になっているが、普段俺たちが思っている事が数字で表されたのは重要な事だ。この結果をもって東京都や新宿区に就労対策の強化、とりわけ軽作業労働の創出を俺たちは重点的に求めて行きたい。

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31日国会院内集会へ!
ホームレス自立支援法案、全会一致で衆議院通過!
31日(水)朝9時30分、区役所前に集合し、全国の仲間と勝利の国会集会へ!

 仲間たち!
 この夏二度目の台風が通過したと思ったら、梅雨も明け30度以上の夏日の毎日だ。あと何週間はこんな真夏の気候が続くことだろう。直射日光の下に長時間居続けると脱水症や熱中症になったりと大変である。夏場の健康管理には一段と気をつけよう。「のどがかわく」「口の中や唇がかわく」「おしっこの色が濃く量が少ない」「おしっこが出ない」など脱水の初期症状を放置しておくと、頭が痛い、からだがだるい、目が見えにくくなるなどして、しまいには意識がもうろうとしてくる。脱水症状を起さないよう暑い日には水分補給は常にしておこう。水でもお茶でも塩水でも水分なら何でも良い。下痢をしたときも水分補給はしておかないと駄目だそうだ。また、食中毒なども恐いので、食べ物は必ず匂いをかぐ習慣をつけ、変な匂いがしたら絶対に食さないようにしよう。また、なにかあったら救急車をすぐに呼ぼう。脱水症や熱中症、食中毒などは命にかかわる病気だ。救急治療は俺たちの場合は治療費はかからないので遠慮する必要はない。また、急ではない場合は区役所2階の福祉事務所へ行って簡単な手続きをすれば医者を紹介してくれる。福祉の使い方が分からない仲間は、毎週月曜日には俺たちが必ず福祉事務所に詰めているので気軽に相談をしてもらいたい。
 夏は寝苦しく睡眠不足になる。できるだけ睡眠を取ることも忘れずに、何とか酷暑を乗りきっていこう。
 さて、新聞報道などで知っている仲間も多いと思うが、俺たちが求め続けて来た「ホームレス自立支援法」(国が責務として野宿の仲間の就労対策、住宅対策、福祉対策など自立支援を行なう事を義務づける法律)が、17日、衆議院厚生労働委員会で全会派一致で採択され、翌18日衆議院本会議の場で衆議院を無事通過した。法案は現在参議院に送られている。参議院の厚生労働委員会は「口ぎき」問題でまだもめているようだが、大難関であった衆議院をようやく通過した事で、制定まで時間の問題である。
 17日は緊急の国会傍聴行動を行い、雨まじりの天気だったが国会前で座り込みをしながら40名近い仲間が交代で傍聴を行なってきた。懸念されていた「適正化条項」も、委員会決議で「人権に配慮し、国際約束に配慮すること」と決議され、「強制追い立て」に対する歯止めがしっかりかかったものとなった。
 それでもこの法案は「排除法案」だ「差別法案」だとこの期に及んで騒ぎ立てる支援団体があるが、そんなにこの法案に反対ならば、今後法に基づき拡大するであろう行政施策をすべてボイコットすれば良い。俺たちはそういう「のうがき団体」とは一線を画し、仲間の「屋根と仕事」につながる諸施策を法を徹底して利用しながら一つひとつ獲得していくだけである。「法が制定されたら強制排除が横行する」なる悪質なデマに仲間が惑わされないようお願いしたい。今後、もちろん「立ち退き」が一切なくなる訳ではないだろう。が、そういう場合でも仲間の自立を支援する施策を前提に行なわなくてはならなくなるのが、今回の法律の趣旨である。つまり「ある日突然撤去」なんて昔の新宿のような事が出来なくなるのである。また、「お上が対策を勝手に決めて」なんて事も出来なくなる。法には俺たちのような民間団体と「緊密な連携の確保」を規定している。法に反対している団体はさて知らず、法を求め、仲間の自立のために努力している民間団体ともきちんと話しあう事が前提となっている。仲間の要望もこの法ができれば今以上に反映されるだろう。
 法が出来るということは、俺たちも今まで以上社会的に責任ある立場になるという事でもある。すなわち、野宿の仲間自身が政策や要望を建設的に提言し、社会と共に多様な自立支援策を作り、ないしは改善させ、自ら努力しながら、何とかもう一度やり直していく主体となっていかねければならないという事である。これが俺たちが社会に認められるという事でもあり、仲間に対する偏見や差別を克服していくという事でもある。
 自らの手で勝ち取りつつあるホームレス自立支援法の意味をもう一度とらえ、この地平を全国の仲間、そして法案成立に尽力を尽くしてもらった議員の方々と共に確認しあうため、31日(水)国会集会(議員会館内の集会場にて)を成功させよう!31日(水)朝9時30分、新宿区役所前に集合してから国会へ行こう(交通費、昼飯はこちらで負担します。午後1時過ぎに終了)!

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路上が国を動かした
今度の水曜日 31日 朝9時 30 分、区役所前に集合し、国会へ!
法制定を確実にした全国の仲間の力で勝利の院内集会を!

 仲間たち!
 猛暑が続いている。体調面はどうだろうか。先日も区役所前で救急車で病院に運ばれた68歳の仲間が手遅れな状態ですぐに亡くなった。そこまで至らぬとも重篤になって救急搬送で運ばれる仲間が多くなっている。夏場はどうしても体力が落ち、消耗気味しやすい。日頃から健康管理には人一倍に気をつかっていこう。
 脱水症状にならないよう水分の補給をしっかりとやり、熱中症にならないよう直射日光の元には長くはいないよう心がけ、食中毒や皮膚関連の病気にかからないよう食べ物の保管など衛生面にも気をつけてもらいたい。下痢や夏風邪などもちょっとした事でなりやすいので、おかしいなと思ったら、すぐに病院で診察してもらう事だ。新宿区役所の2階に行けば、簡単な面接をするだけで、無料で病院を紹介してもらえる。また、身体が汚れたり、虫に刺されたりした場合はシャワーも利用できるし、衣類も取り換えてもらえる。健康管理のために役所をうまく使っていこう。もちろん、俺たちは毎週月曜日には福祉事務所に詰めているので、分からない事などあったら気軽に相談をしてもらいたい。
 また、結核予防もしっかりとしていこう。結核は空気感染するので身体が弱っている仲間に、すぐに感染してしまう。しかも初期症状が風邪とほぼ同じなのでなかなか自覚しづらい。最大の予防は、最低年に一回レントゲン検診を受ける事だ。昔と違い、早期発見、早期治療をすれば結核はそんなに恐い病気ではない。新宿福祉と保健所では中央公園と戸山公園で出張レントゲン検診を行なう(裏面参照)ので、最近レントゲン検診をしていない仲間は是非とも利用していこう。もし治療や入院が必要な場合は、即座に福祉の方が対応してくれるから、治療の方も心配はいらない。「俺は大丈夫」という仲間も念のために受けておこう。
 さて、俺たちや全国の仲間が求めている「ホームレス自立支援法」だが、衆議院は通過したものの、参議院が「混乱」の渦中にあり「制定」はまだであるが、既に厚生労働省は成立を見込んで予算を作り始めているし、多少遅れたとしても大勢に変化はないだろう。今度の水曜日、31日は全国の仲間と共に、ここまで国会を動かして来た成果を勝利的にまとめる院内集会を行なう。朝9時30分に新宿区役所前に集まり、全国の仲間と国会で合流しよう!(屋内の集会がメインです。交通費、昼飯は支給します。午後1時過ぎに終了予定)
 「ホームレス自立支援法」はその名の通り、俺たち野宿の仲間の自立を国が責任をもって支援していくための法律だ。これまでそういう法律がなかったがために、仕事がしたいと言う仲間への就労支援や住宅支援策が圧倒的に遅れていた。俺たちは病気の重い仲間や高齢の仲間は生活保護でちゃんと保護してもらいたい、他方、仕事をしたい仲間には、仕事に就くまで、住宅を確保するまでの支援をちゃんとしてもらいたいと国や東京都に長年要求してきた。俺たちの要求によって、東京都は国に先がけ自立支援事業を開始したが、法的、財政的根拠がないだけにその事業は規模、内容とも十分なものとはなっていなかった。「ホームレス自立支援法」が通ることによって、もう一度仕事したいと願っている仲間に対する支援が拡大、充実する事を俺たちは望むし、そのための武器として有効に使って行きたいと考えている。仲間の自立にとってプラスになる法律である事は間違いがない。
 他方、「法律が通ると排除が強まる」と無責任に煽ってデマを流している輩もいる。これはまったくの根拠のないデマでしかない。中央公園や戸山公園のテントの仲間を「追い立て」をする計画は東京都も新宿区もまったく立ててはいない。法律が出来たとしても数百名分の移転先と一人ひとりに対する自立支援策(屋根と仕事の保障)が明示されなければ「追い立て」などは出来ない事となっているし、50名規模の自立支援センターを増設するだけで何年も有している都区行政にそこまでの計画をたてる余裕は現段階ではない。今のところ何ら心配はいらない。
 排除をさせないために必要な事は、おかしな噂に振り回される事ではなく、仲間がしっかりと周辺住民とトラブルにならないよう秩序だって生活をする事である。法が出来ても出来なくとも、だらしのない所は排除させられてしまうだろう。使ったダンボールは片づける、地域や通行人とのトラブルに気をつける、喧嘩や火事に注意し人様に迷惑をかけない、そういう日頃からの積み重ねの方がなによりも大事だ。役所の上の方との交渉は連絡会が責任をもってやっているので、おかしなデマに惑わされず、自立に向けて一人ひとり頑張ってもらいたい。
 自立支援法を実際に施行させていくたたかいを、新宿夏まつり(8月17ー18日)を経ながら、夏から秋への大きな方針としていこう!

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自立支援法成立!
全国の仲間120名で国会通過を見守る。
17日ー18日の新宿夏まつりから、国にまともな実態調査、基本方針を出させよう!

 仲間たち!
 ついに全国の野宿の仲間の力が国会を動かした。
 国の責任を明記した念願の「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法」(10年間の時限立法)が衆参両院とも超党派の全会一致で可決、31日、無事成立した。自立支援法は一ヶ月以内に公布され、そして施行される。
 31日は、炎天下の中、大阪釜ケ崎の仲間、北九州、横浜など全国の仲間、代表団など百二十名が集まり、自立支援法成立の瞬間を国会前に陣取り見守った。
 「ついにやった!」「これで希望がもてる!」成立の瞬間、全国の仲間は肩を抱きあい喜びあった。
 自立支援法の全文は裏面に記載した。また、衆議院厚生労働委員会では「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法の運用に関する件」の委員会決議も採択され、運用に関して「人権に配慮すること」など留意点も明確にされた。排除には歯止めがかけられ、様々な心配や課題も見事に克服された。
 路上に見捨てられた俺たち野宿の仲間の運動は、苦節10年にしてようやく国に自立支援の制度を作る事を義務づけるという大きな大きな勝利をもぎ取った。現状に満足しない仲間の強い意志とたたかいは、とうてい不可能と思えた事をも可能にさせた。自らの手で、自らの現状を変えて行こうとする俺たちの運動は、今後、国=中央省庁をも巻き込み大きく前進する事だろう。
 94年の連絡会結成以降、どんな事があろうとも諦めずに共に行動に参加し拳をあげ続けて来た全ての新宿の仲間に深く感謝する。この法律は仲間が自らの自立のために自らの手で勝ち取ったものだ。俺たちは今、堂々とそう言える。だからこそ、今後10年、仲間の手でこの法律を徹底して有効活用して行きたい。法制定を求め勝ち取った俺たちだからこそ、その権利がある。
 法が施行されると、国は全国の実態調査を行い、「基本方針」を策定する義務が生じる。また、それに基づき東京都は実施計画を俺たちの意見も聴き策定しなければならなくなる。今年後半、法に基づきこれら基本的な事を速やかに実施させ、また同時に概算要求で予算をしっかりと付けさせ、具体的には来年度以降、さまざまな施策を全国において実施させ、仲間の「屋根と仕事」につながる抜本的な施策を実施に移させて行かねばならない。東京都は既に自立支援センターでの就労後の居所確保策として都営住宅の確保(少ないながらも)を発表した。こういう事を具体的にそして、もっと大きくやらせる事が今後出来るのだ。
 「どうせ国や行政のやることだから…」などという根性の曲がった立場を俺たちは取らない。俺たちの意思とたたかいによって、国や行政にまともな施策を今後必ずややらせて行く。法制定運動はそれだけの確信を俺たちに植え付けた。
 成せば成る!
 17日ー18日の第9回新宿夏まつりを成功させ(17日「土」は午後5時より中央公園ポケットパーク、18日「日」は正午より中央公園ちびっこ広場)、秋の実態調査、「基本方針」「実施計画」策定に向けた新たな段階のたたかいにつき進もう!己に自信を持ち、集い、拳をあげ、当たり前の事を当たり前のように社会にやらせ、自らも努力しよう!

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17-18は仲間の夏まつり!

 仲間たち!
 酷暑が続いている。体調維持には十二分に気をつけてもらいたい。熱中症で倒れる仲間も増えている。直射日光にあまり長く当たらない。水分、塩分を十分に摂るなど倒れないよう備えもしておこう。
 先月末、中央公園でレントゲン検診があったが、12名もの仲間が要検査で病院に向った。結核でないまでも調子の悪い仲間が増えているようだ。次は15日(木)に戸山公園(大久保地区)の管理事務所裏の広場で朝9時から検診がある。まだ受けていない仲間は是非とも受けるようにしよう。新宿区内で野宿している仲間なら誰でも無料で受けられるし、福祉も医者も出張してくるので心配はいらない。
 また、毎週月曜日の福祉行動は夏休み返上で行なっているので、調子の悪い仲間で福祉から病院にかかりたい仲間は気軽に福祉事務所(区役所2階)に来てもらいたい。
 さて、俺たちがたたかい取ったホームレス自立支援法は、7日の日に官報に公布され、いよいよ施行される事となった。仲間の「屋根」と「仕事」を獲得していく武器として、俺たちは今後10年、この法律に肉をつけ、血を通わせ、徹底して利用しつくして行くつもりだ。
 既に概算要求が始まり、来年度予算にホームレス対策費がどのくらい乗せられるのかが当面の注目点だが、他方で、厚生労働省などは仲間の実態調査を行い国としての基本方針を早急に打ち立てなければならない。施設の増設や福祉的施策も必要であるが、もっとも重要なのは就労に結びつく対策であると俺たちは考えている。「仕事をしながら生き甲斐のもてる生活」これをどう実現させて行くのかが、問われてくるだろう。若年の仲間には職業訓練などを加味した自立支援の仕組みを作り、また中高年齢の仲間には軽作業労働を公的就労も含めて創出させて行く事、この事を今回の法律を活用し何とか新宿の地においても実現していきたい。そのためにも厚生労働省などとの交渉も今後設定しながら、「屋根と仕事」を具体化させていく要求の取組みを続けていこう。
 そして、その前に、今度の土日は新宿の夏まつりだ。今、生き抜いている仲間と、無念にも路上で散った仲間が共に踊り、交友しあう場が俺たちのまつりだ。十分楽しんでいってもらいたい。また、18日(日)の炊出しは、午後5時に「ちびっこ広場(じゃぶじゃぶ池の方)」会場受付で整理券を配り、午後6時に配食となります。いつもより勝手が違うのでくれぐれも間違えないように。その他、さまざまな企画が17日から18日にかけてあるので、暑さを忘れて盛り上がろうな仲間たち!

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真夏の夜の新宿に
あいつの声が聞こえる

 仲間たち!
 俺らの祭りがやって来た。
 この一年、新宿の路上で亡くなった仲間は45名。男性40名、女性5名。平均年齢55歳。名が分かった仲間もいるが、氏名不祥の仲間も多い。
 死者に法は適用されない。死者の名誉も回復されない。所詮世間では「路上でくたばった奴」なのかも知れない。
 が、俺らは忘れない。彼、彼女らが一時でも俺らと同じくこの新宿の地で生きていた事を。同じ炊出しの飯を食い。同じ辛い夜を過ごした事を。
 俺らは俺らの心の中に仲間の死を刻印する。その無念さを刻印する。襲撃でなくとも、事件でなくとも同じ路上の死を俺たちは平等に弔う。路上で死ななければならなかった運命を呪う。
 盆で帰って来た、累積された仲間の魂を俺たちは、俺たちだからこそ、暖かく迎えよう。「ようやく国を動かしたよ」「今も仲間のつながりを大事にしているよ」と。
 「俺たちはゴミじゃない」、そう全員で叫んだ連絡会のたたかいは、9年目の夏を迎えつつある。仲間のたたかいは、福祉すらまともに出さなかった新宿区を変え、排除ばかりで就労の支援すらしなかった東京都を変え、そして責任すら認めなかった国を変えて来た。貧しき民の連帯と団結は、新宿を中心に全国に波及し、世の中を、社会を変えて来た。この10年、俺たちは路上でのたうちまわりながらも、前へ、前へと進んで来た。仲間がこの呪われた路上から脱却できる日を夢み、そのために必要な事は何でもしてきた。そして、国の責任を明確にしたホームレス自立支援法をようやく手にする事が出来た。
 それが十分ではない事など指摘されなくとも自覚はしている。が、十分でないからと言って、俺たちに社会の支援が必要ないのか?十分でなくとも、それを活用し、それを仲間の力で変えて行く事こそが必要だと、俺たちは考え、そして実行してきた。路上にとどまらない仲間の広いつながりを俺たちは創り出して来た。「どうせロクなものではない」という敗北主義は俺たちには無用だった。「ロクでもないからたたかう」「だからこそ変えて行くんだ」、俺たちのたたかいはその連続だったし、また、これからもそうであろう。
 死者に対し、行き残ってしまって「すまん」という思いを感じながらも、決して後には続かない「死ぬ時は畳の上で死にたい」と俺たちは必死だった。生きる執念を俺たちは誰よりも持っている。新宿は生きる希望を紡ぎだす街だ。無念にも散った死者をしっかりと迎えいれる土壌が俺たちにはある。「あんたの声は聞こえているよ、だけど、俺らは後に続かない」という決意が。
 死者に見つめられながら、俺たちはあらゆる手段を使い、生き抜こう。

 10年後の8月はいかなる夏であるのか?

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気を引き締める晩夏
ホームレス自立支援法に基づき、国に基本方針を出させ、
都区に就労支援の強化を実現させる秋のたたかいへ!

 仲間たち!
 まずは、夏まつりへのご協力どうもありがとう。お陰様で延べ一〇〇〇名以上が集まる都内最大の仲間のお祭りができました。あいにく雨模様のすっきりしない天気で、残念ながら予定していたコンサートが出来ませんでしたが、全体として大きな混乱もなく、それなりに盛り上がりながら無事終了しました。
 祭りの頃から秋がもう来たかとばかりの気候が続き、夜半などは半袖では寒いくらいとなっている。猛暑続きだったので身体を休ませるには丁度良いが、気候の変化は風邪を引いたりと体調管理は大変である。だいぶ秋めいては来たものの、残暑はまだまだ続く。体調を維持しながら晩夏から初秋へと向って行きたい。
 毎週月曜日(月曜が旗日の場合は火曜)には、俺たちは毎週福祉行動を行なっている。調子が悪く医者に診てもらいたい仲間、高齢や重い病気のせいで生活保護を申請したい仲間などは、区役所2階の福祉事務所へ行けば相談に乗ってくれるのだが、一人だとなかなかうまく行かない場合もある。そんな仲間のために、俺たちが福祉の申請などについて後押しをしようとするのが、福祉行動だ。福祉は、何も新宿に住民票が置いてなくても構わない。身分を証明するものがなくても構わない。新宿区内で野宿している仲間は、すべて新宿区役所が管轄となる。病気の仲間は、簡単な面談をした後、区内の大きな病院を紹介してくる。病気が重い仲間や高齢の仲間、女性の仲間などは、野宿しなくても良いように、ドヤ(簡易宿泊所)や宿泊所、施設などを紹介してくれ、自立するまでの間、生活全般を面倒みてもらえる。申請した日に「施設が空いていない」と言われる場合もあるが、数日待てば空きが出てくるから、そう言われた仲間も毎日福祉に顔を出すようにしよう。福祉は途中で諦めたりしたら、何事も中途半端になってしまう。一度相談に行ったらとことん利用していくようにしよう。これらの事で分からない事があったら、毎週月曜日の午前中には必ず、連絡会の仲間が福祉事務所に詰めているので、何でも相談してもらいたい。年金の問題や、借金の問題、田舎に帰りたいなど、いろいろと複雑な問題を抱えている仲間もあると思うが、一人で悩んでいては前に進まない。行政の支援などを使いながら一つひとつ解決していこう。
 病気ではないのだけれども、とにかく仕事がしたいんだ。そういう仲間も多いと思う。「仕事さえあれば」というのは俺たち共通の課題だと思う。行政支援からすれば、東京ではこの点が大幅に遅れている。
 現在、緊急一時保護センター・大田寮から自立支援センターへと行き、就労支援を受ける方法があるが、まだまだ十分なものとはなっていない。大田寮の入寮は高い倍率の抽選を受けねばならないし、大田寮に入っても「待機待ち」という名目で、仕事探しも出来ず施設の中に長い間、留め置かれてしまう。それを耐えて自立支援センターへ行って、就労支援を受けたとしても約半数の仲間が「脱落」してしまう。そして、一度「脱落」したら自立支援センターへは二度と入れないという厳しいものでもある。
 俺たちは、俺たちの要望によって「ホームレス自立支援法」が出来たのだから、この法律を使って就労支援の強化を一番にやってもらいたいと考えている。既に新宿区には「路上生活者就労支援センター(相談所)」の設置を要求し、都区には大田寮内における「就労支援、就労準備プログラムの導入」、自立支援センターの「入所期間の柔軟化、リピーターの容認」を訴えているが、新宿区や東京都は、俺たちの要望にまるで耳を貸さず、大田寮や自立支援センターのずさんな運営を続けている。
 この秋は、国にまともに仕事をさせること(基本方針をしっかりと打ち立てさせる事)はもちろんだが、最も重要な事は、都区に就労支援強化策を打ちださせて行く事だ。就労支援を強化せず施設を増設したとしてもほとんど意味がない。都区は冬までの間、40名規模の「自立訓練ホーム」=「グループホーム」と来年2月には板橋で第2号となる緊急一時保護センターを開設すると発表しているが、就労支援という肝心な問題を強化せずに、このまま行ったところで、ろくなものにはならないだろう。路上から施設へ、施設から路上へと、このままでは大半の仲間は「自立」もできずに、行ったり来たりさせられるだけだ。法律には「ホームレスの自立の支援等に関する施策については、ホームレスの自立のためには就業の機会が確保されることが重要であることに留意しつつ、前項の目標に従って総合的に推進されなければならない。」と明記されていることの意味を都区に分からせて行く秋のたたかいを俺たちは進めて行きたい。
 現行の路上生活者対策や生活保護を上手に利用しながら、不備な点はどんどんと自立支援法を武器に要求し、獲得し続けていこう。

 生活保護を取らせてやるという
       手配師には注意を!

 

 最近、新宿中央公園などに、「千葉の施設で生活保護を取らせてやる」なる団体が大掛かりな手配をやっているようだ。先日も中央公園でその手配師を取り囲みとっちめてやったが、まだうろつくいているかも知れない。右翼系の団体がやっている生活保護費のピンはね団体のようで、まちがいなく泣き寝入りで騙されてしまう。こういうおかしな手配に乗らないよう注意を!うまい話には裏がある!

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実るか?秋
厚生労働省ホームレス対策費34億円を概算要求
官民の総合相談推進事業、試行雇用事業などを予定

 仲間たち!
 残暑厳しい日が続いている。まだまだ蒸し暑い日があると思うが、朝晩など日に日に涼しくもなってくる季節だ。そろそろダンボールなどで囲わないと風邪を引くので、寝場所の確保をじょじょに秋型へと変えていこう。
 調子の悪い仲間、薬が欲しい仲間、生活保護を取りたい仲間など、今度の日曜日は定例の医療相談会が、戸山公園、中央公園である。ボランティアの医師による無料健康相談なので、気軽に来てもらいたい。とりわけ血圧が高い、糖尿病の気があるなど内臓疾患を抱えている仲間は、定期的に問診をしてもらった方が良いので、毎回来るお医者さんと顔なじみになっておこう。野宿生活は本当に無理をするとすぐ身体にガタが来る。いざという時に、どうしたら良いのかも相談に乗ってくれる。
 高齢(おおむね65歳以上)の仲間、女性の仲間、病気の重い仲間は、区役所2階で相談に乗れば、生活保護を取れる可能性が高い。いい加減な団体が「生活保護を取らせてやる」と元仲間の手配師を使ってうろついているが、生活保護を取るためには、本人が福祉の窓口に申請するのが基本だ。生活保護は誰かに取ってもらうものでなく、自分で権利行使するものである。もちろん、俺たちは後ろで手助けは出来る。そして、生活保護を取った後でもいろいろな相談にも乗っている。生活保護は新宿区に住民票や本籍地がなくても、新宿区内で寝ていれば新宿区が受けなければならない事になっているので、どんどんとこういう制度は使っていこう。
 仕事を探しているという仲間には、区役所では、電話や交通費の貸付と、緊急一時保護センター・大田寮への入寮をやっている。但し、大田寮の受付は水曜日(9月4日)にあるものの、月に一度で、しかも大勢の仲間が抽選に並ぶ。運が良くなければ入れない施設だ。更に、大田寮に入っても仕事探しは出来ず、1と月前後待たされた後に、自立支援センター新宿寮に移ってやっと仕事を探せられるという、もどかしい仕組みになっている。まあ、それでも今の所はこういう仕組みしかないので、これで頑張ってみようという仲間は、新宿区だけじゃなく23区のどこの福祉事務所でも受付はやっているので、入るためにいろいろと知恵を絞っていこう。自立支援センター墨田寮に入った仲間から先日、寮内の諸問題についての苦情が殺到したため、すかさず、寮の仲間と一緒に東京都へ乗り込み、交渉を持ち、即刻の一部の改善を勝ち取った。このように、自立支援センターなどへ入っても山あり谷ありである。寮に入った仲間が互いに支えあいながら頑張っていかないと、役所や施設管理法人の食い物にされてしまう。大田寮、自立支援センター新宿寮ともども俺たちは継続して面会行動をしているので、様々な問題点が発生したらすぐさま相談をして来てもらいたい。
 さて、全国の仲間の要求によって制定された「ホームレス自立支援法」であるが、現在、厚生労働省などが来年度の予算確定のための「概算要求」を行っている。今のところ来年度予算要求は34億円との事で、今年度比で倍額以上の要求となった(今年度は12億)。内容は、行政や支援団体等で構成する「ホームレス総合相談推進協議会」の設置や、都市雑業的仕事の情報収集、提供を行う、「ホームレス能力活用推進事業」、また、民間企業に対し奨励金を出し、自立支援センターからの常雇就労を円滑にする「ホームレス等試行雇用事業」の他「技能講習事業」や「職業訓練の実施」などの事業として予算要求されている。これらの点は、今月10日に全国の団体の代表者が集まり第1回目の政府交渉をするので、より詳しく聞いてきたいし、まだまだ不足している点は俺たちサイドの要求を突き出していきたい。
 また、予算に関わる問題と同時に、10月前後から実態調査が入り、今年中か、来年初頭までには国の基本方針が出されるものと思われる。とりわけ、国の基本方針は重要であり、ここにどこまで就労支援策の強化が盛り込まれるのかが焦点ともなる。えてして福祉対策に切り縮められがちな俺らの対策だが、仕事の確保策は福祉という狭い領域だけの問題ではない。労働行政を本格的に動かさないことには法は効率的に作用しないだろう。東京都も「オール都庁」の、知事を先頭とした「連絡協議会」のようなものを立ち上げるとの事であるが、こういう動きを更に促進させ、働ける仲間の諸問題をより浮上させていきたい。
 とにもかくにも、国は着実に動き始めている。仲間にとってみれば今すぐ恩恵を受けられないのがもどかしいが、来年度以降は予算がついたこれらの対策が具体的に動き出す。それまでの間、なんとか路上で命をつなぎ、仲間同士支えあいながら、仲間の路上脱却のため、実のある対策を引き出していこう。

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対政府十年戦争開始
ホームレス自立支援法に魂を入れるのは俺らの仕事。決していいなりにゃなりません。
全国の仲間の対政府交渉開始。注目を!

 仲間たち!
 厳しい残暑もようやく一息。都会の秋らしさもちらほら見えはじめだした。早いもので今年もあと4ヶ月で終わる。秋から冬へは一直線である。季節は正直に巡ってくる。それに振り回されず、計画的に生き残る準備を進めていこう。
 夏場は身体を知らず知らずのうちに酷使してしまっている。その疲れが出るのは季節の変わり目だ。ちょっと身体の調子がおかしいなと思ったら、無理をせずにまずは病気を疑ってみよう。昔大病を患った仲間、慢性疾患がある仲間などは特にそうだ。福祉に行って病院を紹介してもらうシステムは初めての仲間にはちょっと煩わしいかも知れないが、病気が重くなってから救急車で見知らぬ病院に運ばれるよりはマシだ。新宿福祉は他の福祉よりも大きな病院を紹介してくれるので比較的安心である。救急車の場合などは、いわゆる「ケタオチ病院」(福祉の人を食い物にしている病院)に送られる事もあり、しかも応急処置しかしないので重大な病気を見過ごす場合などもある。「病気が重くなってから救急車を呼べばよい」と簡単に思わない方が良いと思う。早期発見と早期治療が大事である。ホームレス自立支援法が成立した事もあり、厚生労働省も先月全国の自治体に「要保護者に対して必要な保護を行うよう」にとの通知を出した。そこにも「ホームレスに対する生活保護の要件については、一般世帯に対する保護の要件と同様」である事が確認されている。「ホームレスだから」「住所不定だから」といって窓口で追い返されるなんて事は、これから全国の自治体でも出来なくなる。病気の仲間や、おおむね65歳以上の高齢者や女性などの場合は尚更である。
 必要な仲間は生活保護をこれからどんどんと利用していこう。もちろん、生活保護は一時的な保護でしかないので、自分の力で頑張れる仲間は、この制度を利用しながら自立を目指さなければならない。福祉に甘えていたら人間駄目になってしまう。自分の身は自分で守るのを基本にしながら、それでも守り切れない時に一時的に利用するのが、福祉の制度や、自立支援の制度である(生涯生活保護で面倒を見てもらえるのは、無年金者などの高齢者だけであるのだから)。
 病気の仲間などの生活保護の相談は、区役所2階でやっている。特別な事がない限り、相談は自分の足で行くのが基本である。「生活保護を取ってやる」と、千葉や埼玉、横浜などに都内の仲間を送り込んでいる右翼系の団体があるが、うまい話にのこのこついて行って馬鹿を見るのは自分である。そういう施設に入って騙され帰って来た仲間は数知れない。病気の場合や、高齢などで生活保護を取りたい時は、区役所へ行って窓口で相談をしよう。自分一人でうまくいかない場合などもあるので、俺たちは、毎週月曜日(月曜が旗日の場合は火曜日)の午前中は必ず福祉事務所に詰めて、仲間のサポートを行っている。
 身体を休めたい、常雇仕事に就きたい、という仲間には緊急一時保護センター・大田寮という施設がある。新宿区は冬場以外は月に一度、抽選会を開いて募集をかけている。抽選は先日行われたばかりであるが、18名の入所枠に61名が並んだ。冬場に比べればこれでも倍率はぐんと落ちている。来月は10月4日行われる予定だ。「新宿区から入るのは難しい」と判断した仲間は、他の区からどんどんと入っている。大田寮は23区、どこの区の福祉事務所からでも入れるし、豊島区以外はその区で野宿していた証明などはいらない。「どこで寝ていましたか」と聞かれて、「その区のどこそこに寝ていた」と答えれば入寮できる資格は発生する。野宿者の少ない区では枠を余らせている区もたくさんある。自立を望む者にとっては情報と知恵と行動力が必要である。「そこまでして…」と思う仲間もいるかも知れないが、「そこまでしなければ」なかなか、そういう施設にも入れないのが現実だ。そういう狭き門をくぐっても実際に自立できるのは40%前後である。野宿をしなくても済む生活に戻るには本当に茨の道である。仕事をめぐる問題はホームレス自立支援法下の中で一番重要な施策であり、それを要望し、期待していくものの、どんな立派な施策が出来ようとも、やはり、自分の身は自分で守るを基本にしなければうまくはいかない。
 さて、厚生労働省が総額34億円のホームレス対策費を概算要求したのは、先週のチラシに書いたが、その具体的な中味などを検証し、実際に何を目玉としてやるのかを確認し、また、全国の仲間の仕事や福祉などの要望を突きつけるため、今週10日に全国の支援団体が代表で厚生労働省など国の役人との第一回目の交渉を持つ。皆が参加できる交渉ではないのが残念だが、連絡会の代表団は一四〇〇名の新宿の仲間の視線を自覚しながら責任を持って参加してくる。この交渉はホームレス自立支援法下の国に対する全国の仲間の十年戦争の始まりである。東京都とは比べものにならないくらいな巨大な相手だが、法制定をつかみとった全国の仲間のスクラムがある限り大きな勝負が出来ると俺たちは確信している。
 国との関係では、「基本方針」をどのように作らせて行くのか、東京都、新宿区との関係では、現行の自立支援事業、生活保護行政をいかに拡大、拡充させていくのかが、秋の二大課題である。俺たちは、これらを一つひとつ俎上にあげ、仲間の力を唯一の武器にしながら具体的な成果を勝ち取っていくつもりだ。秋から冬を充実した季節にさせよう。

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暑さ寒さも彼岸まで
6自治体、全国8団体が厚生労働省、国土交通省などと初交渉。
就労支援強化を重点的に行えと要請。

 仲間たち。
 ここのところ急に気温が下がって来ている。気がつけば9月の中旬、季節は初秋である。パトロールでも風邪を引いている仲間に出会う事も多い。朝方などはもう寒いくらいで、早めに備えをしないことには体調もすぐに崩れてしまう。季節の変わり目は気候もころころと変わり、しかも雨が多い。これからの季節、十分に凌いでいきたい。
 先日の医療相談に来た仲間で、咳が続くから「風邪じゃないか」と翌日、福祉を通して医者にかかった仲間が肺炎で即日入院をするという事もあった。風邪は万病の元で結核や肺炎と症状が似てもいるので、くれぐれも気をつける必要がある。体調不良の場合は早め早めに医者に診てもらうようにしよう。16日、23日と月曜日の旗日が続くが、そんな場合、福祉行動は火曜日にやるようにしている。福祉行動の時は、連絡会が福祉事務所に詰めているので、分からない事があったら気軽に相談をしてもらいたい。また、炊出しの時やパトロールの時などは簡単な常備薬を持参しているので、ちょっとした薬が欲しい時にも声をかけてもらいたい。
 これからの季節は夜中の寝床の問題が大きな問題ともなる。区内の公園などはテントが過密状態なのでなかなか新規には張れないが、夜中、ビルの谷間にダンボールハウスを作るなどと、皆、工夫をしていると思う。そんな場合でも管理者や周辺の人とうまく協調していかないとロープを張られたりとすぐに寝られなくされてしまう。使ったダンボールなどは日々片づける、整理整頓を心がけ通行人などに迷惑をかけない、民間の敷地で寝ている仲間は特段に気をつける必要があるだろう。テントの仲間なども状況は似たりよったりだ。それぞれ路上は「終の住み家」でないことを自覚しながら周辺に気を配りながら、とりあえずの寝場所を確保していこう。
 先月公布されたホームレス自立支援法では、(工事をするとかで適正化のために立ち退きを要請する場合、公共用地の管理者は)「ホームレスの自立の支援等に関する施策との連携を図りつつ、法令の規定に基づき、当該施設の適正な利用を確保するために必要な措置をとるものとする」(第11条)とされている。この条項を逆手に先日、千葉県市川の河川敷で「施策に連携していない立ち退き工事」を中止させるなどの成果も各地であがっている。つまり、公共施設での立ち退きを要請する場合、十分な説明をし、立ち退き先の場所や自立のための施策を十分に用意する事が今まで以上に求められている。今までのような「一方的な追い出し」が逆に法律が出来たことでやりにくくなっているのである。もちろんそれでも、小さな嫌がらせのようなものはなくならないだろうが、新法が出来たことによって俺らがたたかえる武器が新に加わったのだから、こういうのも理解し、いざとなったら使えるようにしておく必要があるだろう。いずれにせよ「近々追い出しがある」などという悪質な噂にはひるまない事である。
 もっとも、俺たちの社会への要求は、追い出しをさせない事にとどまるものではない。路上で暮らさざるを得ない仲間への差別を解消し、その過酷な状況を改善し、働きながら屋根あるところで暮らせる環境を一日でも早く作り出す事にある。
 そのために、北九州、大阪、名古屋、横浜、東京、千葉の六自治体の支援団体など、8団体の代表が、10日、法制定後初めての政府(中央省庁)交渉を行って来た。厚生労働省などは総額34億の概算要求を行ったばかりであるが、その内容を説明させ、また全国の仲間の要望をつきつけるための場だ。中央省庁側は厚生労働省社会・援護局など16名の役人が席につき対応をした。中央省庁側は、自立支援センターの増設や総合相談推進事業などの新規事業を行うための概算要求であり、また、その他の予算に含まれているものも多数あるので決して少なくない概算要求であることを主張していたが、まだまだ不足しているとの批判の声が続出。中でも就労対策事業に新鮮味がない事、公的就労対策を導入するなど踏み込んだ就労対策を打ちだす必要性が具体的に語られた。また、実態調査は今年度末を目処に、数と実態の調査をマニュアルを作り全国で行う事、基本方針は実態調査が出来てから作成するとの回答を得た。俺たちの予想よりもかなり遅い展開を政府側は考えているようで、ならば、基本方針が出るまでの緊急措置を徹底するよう俺たちは強く要請してきた。
 厚生労働省などは法律が制定され、それなりに前向きに動いてはいるようだが、いかんせん、その動きは遅々たるもので、新規事業を発想する規模も度量も小さい。予算確定にまで、まだ多少の時間は残っているので、その点での批判を強め、15年度のホームレス対策費を基本方針が出るまでの緊急措置が十分に出来るような規模にさせていきたい。
 法律には「民間団体との連携」がうたわており、中央省庁は今後も俺たちの声や要望を聞かなければならない。10日の政府交渉は「顔合わせ」と多少のジャブのやりとりに過ぎず、突っ込んだ議論には至らなかったが、今後も全国陣形を整えながら、政府の尻をたたき、俺たちの力で勝ち取った法律をより豊かにさせていく行動を続けていきたい。
 他方、東京都や新宿区にも、基本方針が出るまでのんびりと構えられていたら堪らない。法制定後の都区方針がどのようなものなのか、糺していく交渉、行動も準備していこう。
 法律が無事制定されたはいいが、まだまだ「過渡期」である。法律という骸骨に心を入れ、肉を付け、血管を張り巡らせるのは俺らの仕事である。より目に見える対策を政府と都区から必ずや引き出そう!

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月を見上げ、明日を見上げ
越冬対策は今年の冬は廃止?法律に基づく新規事業も来年度から、
都区の施設増設計画も停滞。こんどの冬俺らはどうするの?

 仲間たち。
 秋の澄み渡った空が心地よい。穏やかな気候だ。朝晩の冷え込みさえ馴れてしまえば凌ぎやすい日々である。秋の夜長はいろいろな事に思いを巡らせ、これからの生き方でも考えてみようか。
 風邪の仲間が相変わらず増えている。パトロールや炊出しの時には市販薬をいつも持参しているので薬が欲しい仲間は一声かけてもらいたい。市販薬を飲んでいるけど効き目がない、咳や痰、だるさなどが長引いている仲間は福祉を通して医者に診てもらうようにしよう。夏場の疲れが出る時期でもあるので健康管理には特段の注意をしておこう。今の時期に身体を崩すと、これからの冬の季節に耐えられなくなってしまう。ひと月、ふた月先の事をも考えながら生活をしていこう。秋から冬にかけての衣類がすぐに欲しい仲間は、福祉事務所にも相談にいってみよう。冬物のはまだあまりないようだが、長そで系の衣類はあれば出してくれる。
 病気の仲間や、おおむね65歳以上の仲間は区役所2階の福祉事務所に相談に行けば、医者を紹介してくれたり、病気の重い仲間は入院手続きをとってくれたり、ドヤなどで保護してくれる事は皆知っていると思うが、これはあくまで男性単身者の場合である。最近、女性の仲間も多くなってきたが、女性の場合は65歳にならなくとも、また病気でなくとも入れる女性専用の施設がちゃんとある。福祉事務所の2階に行けば女性専門の相談員もいるので、いろいろな事情を是非とも相談して欲しい。解決の糸口が見つかるかも知れない。仕事を探したいという女性専用の厚生施設(女性版の自立支援センターのようなもの)もあるので先々の事はあまり心配しなくて良いと思う。
 福祉というとどうも悪いイメージばかりだが、うまく利用していけば仲間の自立のために使える制度でもある。ホームレス自立支援法が出来て、厚生労働省も「ホームレスだから、住所不定だからと保護をかけないのは違法だ」なる趣旨の通知も発布している。資産があるとか、貯金がぎょうさんあるとかは別だが、そうではない困窮した仲間には、住民票がなかろうが、保険証がなかろうが、借金があろうが、若かろうが、一度失敗していようが、無差別平等に保護は適用されてしかるべきである。
 新宿福祉では実際上(単身男性の場合)病気であるとか、高齢であるとかの「とっかかり」がなければ保護は開始されないものの、例えば、糖尿病だとか高血圧だとか重度の慢性疾患があり、まずは治療に専念し、病状が落ちついたら簡単な仕事を探したいという仲間などの場合は、「病気の治療」を「とっかかり」にしながら保護を受け、医者と相談しながらバイト仕事をじょじょに始めるなどで社会復帰していった仲間も大勢いる。福祉にかかる時は「何でもおまかせ」にしているのが一番悪い。自分がこれからどうしていきたいのか?の希望や計画をきちんと持って福祉を一時的に利用するという考えでないと失敗してしまう。福祉もそうだし、自立支援もそうだが、役所が何でもかんでもやってくれると思うのが間違いでり勘違いある。役所はいろいろと支えてくれるし、相談にも乗ってくれるが、結局は自分の人生を切り開くのは、やはり自分しかない。過剰な甘えは禁物である。
 ホームレス自立支援法が出来て、これから10年は仲間が路上脱却を目指す競争でもある。自分らしくこの社会の中で生きていく事とはどういう事なのか?路上にまで行き着いてしまった仲間がその経験を生かしこれからどう生きていけるのか?の壮大な「試み」でもある。自ら勝ち取ったこれからのチャンスを生かしていこう。
 さて、東京都と特別区は今年度の「越冬対策」を廃止するとの方向性を打ち出している。具体的に言えば「さくら寮」「なぎさ寮」がなくなるという事である。「越冬対策」を廃止し今の自立支援事業を強化していきたいとの事である。方向性については俺たちはまったく異論はない。が、同様の山谷対策は廃止されないのに、実質新宿対策として行われて来た「越冬対策」が今の時期、何故廃止されるのかについて明確な話はないし、納得がいかない点が多い。現行の自立支援事業が質量ともに豊かになったというのであれば話は判るが、新宿区の枠は相変わらず少なく、大田寮の現状も相変わらず、自立支援センターについても同様で、俺たちがこの一年自立支援事業改善のために要望して来た事柄は、ほんのちょっとの改善しか見られない。おまけに東京都、特別区は昨年度末までに自立支援センター・渋谷寮を開設すると約束しておきながら、今年度になってもまだ設置の動きなどさっぱりない。
 東京都の新たな対策も、またホームレス自立支援法もまだまだ完全実施されていない「過渡期」である。決して十分とは言えない自立支援対策しかないのに、これからの厳冬の季節、仲間の一時的な宿泊すら認めないようでは、仲間の様々な矛盾が都区に突きつけられるだろう。俺たちは今後、東京都と新宿区には「越冬対策」に代わる冬場の緊急措置対策を求めて行きたい。また、一度自立支援センターに入ったはいいが、様々な理由で「失敗」してしまった仲間は今の自立支援の対策に再び乗れないおかしな構造になっている。同時にリピーターを容認するような「敗者復活」システムが構築されるようこの秋、重点的に求めて行きたい。
 このように、今後、都区の対策はかなり変わって行く。逐一俺たちの要望をつきつけながら、仲間の自立に役立つ施策を一つひとつ獲得し、改善させていこう。

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都会にもコオロギ
対策の遅れを仲間に押し付けるな!越冬対策に代わる緊急措置を!
新宿区に冬期トータル500名分の2週間宿泊枠を確保させよう

 仲間たち。
 雨の度に気温も下がり、新宿もすっかりと都会の秋模様へと変わって来た。朝晩の冷え込みを除けば過ごしやすい日々が冬まで続くと思うが、いつまでも暖かくはなく俺たちの命を守るにはまずは季節への適応力が問われて来る。野宿から脱する事を目標としている多くの仲間も当座は野宿生活で凌がなくてはならないのだから、まずは健康管理から始めて一人ひとりの小さな命を守り抜いていこう。
 季節の変わり目の風邪もある程度は一段落したようだが、風邪の症状が長引いている仲間などは注意が必要だ。風邪薬や胃薬など簡単な常備薬は炊出しの時やパトロールの時に持参しているので、必要な仲間は気軽に声をかけてもらいたい。それでも治らない時とか、薬が身体にあわないなどの仲間は、やはりいち早く医者にかかった方が良いだろう。また高血圧や糖尿など慢性疾患のある仲間や、かつて大病を患い調子の悪い仲間なども、定期的に医者通いをしてチェックしてもらった方が良い。
 路上の仲間が医者にかかるには、新宿福祉で相談をして紹介してもらう方法が一番てっとり早いし、確実な方法だ。急な場合は救急車を呼んでも構わないが、どこの病院に連れていかれるかは定かではなく、応急処置しかしてくれない場合も多い。新宿福祉からなら医療センターなどの紹介病院を使えるし、継続的に治療が必要な場合も手続きはしっかりとやってくれている。役所嫌いな仲間も多いと思うが、今は昔ほどうるさくはなくなったし、当たり前の事は当たり前のようにやってはくれている。
 区役所を使うのに慣れていない仲間は、俺たちが毎週月曜日には必ず福祉事務所に詰めているので相談をして欲しい。また、一度「失敗」したとかいろいろと行きづらい仲間も間に入ることが出来るので心配はいらない。双方ゆっくりと腹を割って話しあえば解決策というものは見いだせる筈である。
 病院に行って、医者から入院が必要とか働くのは無理だから保護が必要とかになれば、入院の手続きとか、ドヤ(簡易旅館)などでの保護(病気療養の)とか言うケースももちろんある。ただし最近ドヤの空きが少ないようで「明日また来てくれ」などと翌日廻しになる場合もある。そんな場合も決して諦めないようにしてもらいたい。ドヤ保護が必要な仲間には必ず紹介をしてくれるので心配する必要はない。
 役所の世話にはあまりなりたくはない、自分でとにかく働いて社会復帰したいと願っている仲間も他方で多いと思う。高齢者や病気の仲間や女性や障害者などを率先して保護すると同時に、働きたい仲間へ、働けるまでの支援をすべきだと、俺たちは4年前から運動をして、今、都内に4ヶ所の自立支援センターと1ヶ所の緊急一時保護センターが設置されるに至っている。この事業(自立支援事業と言う)は支援を受ける期限をあらかじめ決めて、就労のための様々な支援を集中的に行い、就労が決まった仲間へは、アパートや公営住宅の確保支援をする事で、何とか自立した生活に戻れるようにする仕組みである。
 その第一関門の緊急一時保護センター・大田寮の入寮受付抽選が3日(木)、朝9時半から新宿区役所1階で行われるが、これまで籤に外れた仲間も抽選会に参加しなければ決して入れないのだから諦めずに並んでみよう。また、新宿以外の区では比較的希望者が少ないために入りやすくなっているので、他の区に行ってみるのも手である。
 最初に入る大田寮では、仕事探しは(何故か)出来ない。ここでおおむね一月、身体を休めることと、これからの事を相談していく施設である。そして、そこから自立支援センターへと転寮し、本格的な仕事探しに入れる。自立支援センターには住民票を移せ、職安を中心に就職相談員と相談をしながら自分で仕事を探す事となる(2ヶ月間)、もちろん就職活動のための交通費や衣類などの支給はある。仕事が決まったら自立支援センターから(約2ヶ月)通い、アパートなどへの転宅資金を自分で稼ぐ、また都営住宅の募集も10月から開始されるので、住宅確保についての選択肢はじょじょにではあるが広がっている。保証人がいない時は、低額で保証人を提供する「もやい」という団体があるので、それを使っても構わない。
 そんな風に、うまく行けば、およそ5ヶ月から6ヶ月の支援を受け、社会復帰ができるという仕組みである。この事業で住宅確保までいった仲間がこれまで418名、全体の27・6%、狭き門ながらもチャレンジしてみる価値がある事業ではないだろうか。
 もちろん、この自立支援事業に問題がない訳では決してないし、この事業だけですべてが解決するという訳でもない。自立支援事業をより柔軟に変えて行く事、そして、それ以外の方法で就労自立を達成するやり方も、今後作りだしていかねばならないと俺たちは考え、提起し続けている。
 他方、都区の方針として、今までの「越冬対策」は今年度から廃止となり、今年の冬は今の枠組みの多少の増員の中で冬を乗りきろうという算段のようだ。昨年度は新宿の越冬対策枠として俺たちは500名分の2週間宿泊枠を要求しそれを実現させて来た。もちろん今年も同様の宿泊枠を新宿区に要求していくつもりである。既存の自立支援事業の入寮方法を人命優先の立場から(冬場の間)一時凍結させてでも数を優先して確保させて行きたい。新宿区とは今年の越冬について10月中に交渉を持つ予定だが、都区の枠組みの中で解決しないのなら新宿区独自の対策を打ちだしてもらおう。都区対策の遅れ(渋谷寮設置問題の混迷、板橋寮がようやく来年2月か3月開設)の矛盾を路上の仲間に押し付けるなんてことのないよう、俺たちは強い決意で臨んでいきたい。
 おおらかな秋を!

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負けて、そして始まる
今月から大田寮受付が月2回に!次回は16日(水)
今度の日曜日は医療相談会もあります!

 仲間たち!
 台風一過以降、夏が戻ったかと思わせる晴天が続いている。天気なのは良いのであるが、そのため寒暖の差も激しくなって体調を崩しやすくなってもいる。3日には西口地下で70歳前後の仲間が亡くなった。年齢を考えると福祉にもかかれたのであるが、残念な事だ。高齢の仲間や病気がちの仲間は他人事には思えないと思う。無理をせずに、意地を張らずに自分の身体の事をまず第一に考えていこう。
 今度の日曜日には医療相談会が戸山公園(朝10時より)、中央公園(炊出しの後)に行われる。ボランティアのお医者さんによるものなのでもちろん無料で問診をしてくれる。血圧測定や、簡単な薬の配付も行っているので、健康の事で悩みを抱えている仲間など、気軽に相談をしに来てもらいたい。福祉を通して病院に通院した方が良いという仲間には紹介状を書いてもらえる。それを持って福祉へ行けば、わりとすんなりと病院にいける。役所での応対がちょっと苦手とか言う仲間はおおいに使ってもらいたい。
 福祉には毎週月曜日(月曜日が休みの日は火曜日)に欠かさず、俺たちのスタッフが詰めているので、一人じゃ相談しにくい、相談窓口でトラブった、福祉を切られそうになっている、など福祉に関する事で悩んでいる仲間は声をかえてもらいたい。一人じゃうまくいかない事もいろいろな人に相談すれば海路は開けるかも知れない。福祉に関しても、自分勝手に思い込まない事、一人で悩まない事が大事だ。
 仕事探しをしたい、身体を休めたいという仲間への緊急一時保護センター・大田寮の受付が先日3日あり、43名が並び18名が抽選の結果当選した(但し、一人が出発時に現われず、17名の入所となった)。入寮希望者も7月から一〇〇名を切り、倍率もここ3ヶ月平均で2倍台で推移している。あれほど入り難かった新宿区からの入寮も少しは入りやすくなったようである。
 大田寮の抽選回数を増やすようにと、俺たちはこの春先から新宿区へ要望をしていたが、ようやく新宿区は、今月から月2回の抽選を行う事となった。次回は10月16日(水)、朝9時半より区役所のカンパン受付の場所だ。但し、月の2回目の募集人員は調整分となるため5、6名になるとの事だ。だから、月の初めの抽選は20名前後、2回目の抽選は5名前後と考えてもらいたい。まだ倍率は他の区と比較しても高いので、希望者全員入れる訳ではないのだが、チャンスが増えるのは歓迎をしていきたい。けれど、今回の一人のように「冷やかし」などで抽選会に参加しない事だけはお願いしたい。入寮を辞退するのであれば、当選した段階で辞退をする事。クジに外れてがっかりしている仲間が大勢いる事を認識してもらいたい。皆必死に仕事を探そうとしているんだ。一人よがりの考えでいたら少ない枠ですら有効に使えなくなってしまう。大田寮の入寮資格は、一度も利用した事のない仲間、利用した仲間は退寮日から6ヶ月を経っていなければ二回目は利用できない。間違いのないようこのことを頭の中に入れておこう。
 また、冬場の新宿独自の「越冬対策」については、今、新宿区と調整中でありまだ何も決まっていない。新宿区の方針が決まり次第、交渉を入れるし、このチラシで説明する。もちろん、俺たちは冬場だけ仲間が無条件に順番に入れる2週間宿泊枠を五〇〇名分要求している。新宿区は人道的な見地からも冬場の大胆な対策を!。
 冬に備えながら、この秋、のんびりと、かつ力強くあらゆる困難を乗りきろう。

○自立支援センター墨田寮問題、 都から改善の文書回答を得る。
 新宿連絡会は去る8月、自立支援センター・墨田寮の仲間と寮内の改善の要望書を提出し代表団による交渉を行った。その回答が文書によって東京都から4日に得られた。要望書に多少の事実誤認があったものの、おおむね前向きな回答を得られた。
 今回の要望は、細かな要望ではあったものの、仲間が(今のところ)一度しか利用できない就労支援のためのセンターが、使い心地が良くないものでは利用価値は低下する。自立支援センターが開設され、もう2年を過ぎようとしており、だいぶこなれて来てはいるようだが、改善点がないと言えば嘘になる。肝心な事は、センターに実際に入った仲間が直接声をあげていく事だ。出た後、文句を言っても何も建設的な話にはならない。俺たちは自立支援センターへ入った仲間をとことん外部からも支援していく。これから入る仲間も是非とも何かあったら連絡会に一報を!

○1・24裁判終結。最高裁は上告を棄却。
 96年1月24日、東京都建設局による新宿駅西口地下通路の強制排除事件で逮捕、起訴された連絡会メンバーの上告審が9月30日、結審した。上告は棄却で2審の東京高裁の有罪判決(執行猶予付)が確定した。
 一審、無罪、二審、有罪と判断が真っ二つに別れた裁判となったが、最高裁は一度も法廷を開くことなく、書面審査だけで二審を支持したものである。争点は、東京都の強制排除行為が合法であったのかそれとも、違法であったのかであるが、裁判の結果、合法であると法的に決着したとしても、それで喜ぶ者はもはや東京都の中には一人もいまい。1・24事件で東京都の側も大打撃を受け、その後の路線転換を余儀なくされた。青島も知事のイスを放りなげた。自立支援事業を全国に先駆け実施せざるを得なくなった。そして、就労などの自立支援を国の責務とした法律まで出来上がった。
 「強制排除は間違いであった」、このことは今や誰の目にも明らかである。
 裁判には負けた。が、東京都には勝った。このことを俺たちは高らかに確認し6年半におよぶ裁判闘争を終結させよう。傍聴行動などに参加し、支援してくれた多くの仲間達ありがとう!

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路上に散るな
小野田さん、長い間お疲れさまでした!
次の区長に新宿区のホームレス対策姿勢を引き継がせよう!

 仲間たち。
 急に気温も下がり、めっきりと秋らしい陽気になって来た。冬への助走が始まったとも言えよう。そろそろ冬型の生活スタイルをじょじょに作り出していこう。
 中央公園の古くからの仲間、Sさん(五十歳)が3日、小屋の中で亡くなっているのを発見された。肝硬変などを患い退院したばかりだったので急に容態が悪くなったのだと思うが、その若さを思うと辛くいたたまれない。無念追悼…。
 これからの季節は以前にも増して路上の命の危機が強まる季節でもある。どういう死だろうが、仲間の死は俺たちにそのことのみを教えてくれる。生まれた時から路上で死ぬ運命を抱えた者など一人たりもいない。路上の死を跳ね返すには、もちろん路上から脱却できる制度などの問題もあるが、それと共に「自分のそして他人の命を大切にする」という強い気持ちが大事なのではなかろうか。授かった命を自分で粗末にすることはない。いずれ命は無くなるが、死ぬ時は畳の上で普通に死にたいと思いたいものである。
 医療や福祉の制度というのは、万全ではないにせよ、こと新宿区では恵まれている方だ。せめて病気の仲間や高齢の仲間を路上から脱却させたいという路上の仲間の切実な声を新宿区が真摯に受け止めてくれたその結果でもある。先日辞職した小野田元区長に対しても俺たちは一面的な批判はしない。「ホームレス対策」では区長筆頭に、管理職、職員が一体になって23区一の水準を作りあげて来た(もちろん完璧ではないものの)からだ。けれど、いくら制度が良くなったとしても、それを活用する立場の俺たちの意識が従来のままでは何にもならない。制度という「足がかり」を得たならば、それを踏み越えて行かなければ、俺たちに真の自立とか、真の路上脱却とかはあり得ないだろう。役所も病院も施設も(もちろんボランティア団体も支援団体も)「何から何までやってくれる」所ではない。肝心な事は自分が「これからどう生きていくのか?」という点であり、そのためのバイタリティだ。そのために利用すべき事は利用し、要求すべき事は要求し、自らでやれるところは自らの力でやり、という形が生かされるのだと思う。
 これから福祉にかかる仲間、病院に入る仲間、施設に入る仲間も多いと思う。失敗を恐れず、自分の力で前へ前へと進んでいこう。
 役所相手の喧嘩(建設的な交渉事)なら、俺たちがこれからもどんどんやって行く。現状に甘んじることなく、俺たちがただ生き抜くだけじゃなく、前向きに生きる事ができるための医療や福祉や自立支援事業をもっと獲得していこう。
 体調があまり芳しくない仲間もここに来て多くなっていると思う。福祉事務所の利用方法が判らないとか、前に「失敗」した事があるとか云う仲間は、毎週月曜(月曜が休みの時は火曜日)に俺たちの仲間が区役所2階の福祉事務所に詰めているので、いろいろなバックアップも出来る。気軽に相談してもらいたい。そして、病院に行ったら、医者の話を良く聞いて治療方法を見つけだそう。病院が合わなくっても他の病院に変えてもらえる事もできる。愚痴を言っていても仕方がない。次のステップに昇りあがることこそが重要だ。
 また、緊急一時保護センター・大田寮の今月2回目の入寮受付抽選会は16日(水)にある。今回は5名前後の少ない枠だが、いずれにせよ抽選をしなければ入寮できない。また、一度大田寮に入った事のある仲間は退寮した日から半年が経たねば、2回目以降の入寮は出来ない。他の区からごまかして申し込んでも、偽名を使っても「見事に発覚」するから「不正入寮」への努力はやめておいた方が良い。どうせ頭を使うなら他の分野で頭を使おう。
 仕事を探したいという仲間が大田寮に入り、そこで就職活動が出来ないのでガッカリしてしまうケースも増えているが、常雇仕事を探したい仲間は、大田寮で概ね1と月過ごした後、自立支援センターへ自動的に入寮できる仕組みになっている。大田寮は身体を休め、相談をする施設で、そこから仕事探しの施設へと移動するシステムなので、その点は勘違いをしないように。新宿区での16日以降の入寮受付は、来月の5日(火)となる。もちろん23区対策なので他の区(で一晩でも寝ていれば、その区)からも入る事ができる。
 また、今年の越冬対策(2週間無料宿泊)は未だ新宿区から具体的な発案はないものの、通常の対策とは別枠(つまり条件がない)での対策になる予定だ。冬場の間は、誰でも一回は利用できるような対策と言う訳だが、何せ新宿区の仲間の数は多い。どのくらいの枠を用意するのかが、攻防となってくる。俺たちは12月から来年3月の間で最低500名分の(2週間)宿泊枠を要望している。これは昨年度とほぼ同様の数である。この件に関しては今後、新宿区と交渉を重ね、その都度仲間に報告したいと思うので、注目をしておいてもらいたい。2週間宿泊した後に野宿に戻らなければならないが、冬場の過酷さの中では2週間の宿泊だけでも助かるし、その需要は流動層の仲間を中心に多くある。新宿区にはきちんと対応させていこう。
 他方、小野田区長が辞職した事により区長選がこの晩秋に行われる事となった。立候補者はまだ揃ってはいないが、「区内のホームレス対策」をどうするのかは大きな基本政策である。ホームレス自立支援法に基づく「施策」をどこまで本気かつ積極的にやるのかが、俺たちにとってみれば大きな争点だ。立候補者が出揃った段階で俺たちは公開質問状や公開討論会でその事を糺していく行動をとりたい。小野田区政時代のホームレス対策姿勢が後退するのか?それともきちんと継承されていくのか?これは俺たちにとっても重要な事柄だ。これもまた注目をしていこう。

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上を向いて歩こう
今月中に厚生労働省は概数調査、実態調査方法などを確定。
基本方針に向け法律がようやく動きだす。

 仲間たち。
 10月ももう半ば。都心の秋はなかなか深まらないようだが、そろそろ紅葉前線が登ってくる頃だと思う。朝晩の気温もめっきりと下がって来た。気温差で身体の調子が悪い仲間も多いようで、先日の医療相談会にも大勢の仲間が相談に訪れてくれた。くどいようだが、とにかく健康管理。調子が悪かったら、医者にかかり前向きに治療をしていこう。
 医療相談会で紹介状をもらった仲間で、まだ福祉を通して病院に行っていない仲間は、早速行ってもらいたい。せっかく紹介状をもらっておきながら、それを使わない手はない。福祉事務所の相談員に見せれば、病院の紹介はよほどの事がない限り迅速にやってもらえる。一人だと不安な仲間や、過去にいろいろな事があった仲間は、毎週月曜日なら俺たちが必ず福祉事務所に詰めているので、いろいろとアドバイスしたり、応援したりも出来る。気軽に声をかけてもらいたい。
 さて、先日東京都から今年8月の23区の仲間の概数調査の結果が発表された。新宿区が八六一名という事で、その他を合わせ全体で約五六〇〇名との事である。いったいどこをどう数えればこんなに少ない数が出てくるのか不思議でならないが、とにもかくにも東京都は「対策」をそれなりにやっている関係上、あまり仲間の数が増えたとは言えないようである。五月末に俺たちが独自で調査した結果は新宿区周辺で約一四〇〇名。まともに勘定しようとしないではこんなにも差が出る。果たしてこれで、ホームレス自立支援法に基づく概数調査や実態調査は大丈夫だろうかと不安になるが、そこは今後しっかりとやってもらおう。厚生労働省の方は、基本方針を作るために「ホームレスの実態に関する調査検討会」を現在開き、実態調査に向けての動きを着々と進めている。この「検討会」には東京都と大阪の支援団体も呼ばれており、勝手な事をやらないよう釘を刺しているところだ。概数調査の方法や実態調査の調査票などについては、今月中にまとめるとの事だが、実際にこれらの調査に入るのは、来年の1月、2月になるとの予定である。やけに遅いペースであると思うものの、全国初の統一した概数調査、実態調査なので、全国の自治体に下ろし説明するのに時間がかかるとの事である。気掛かりな点は冬場の調査となるので概数実態がどこまで反映されるかである。テントの数だけ数えてお終いという東京都のようなズサンな調査ではなく、国がやる調査だけにしっかりとやってもらいたいものだし、そのような意見を俺たちは厚生労働省には突きつけている。
 臨時国会が始まり、他方で新宿区長選が急きょ入りと政治の動向が再び気になる季節となっている。また、法律ができても、基本計画も立てられていない段階における今年の冬場の越冬対策(2週間無料宿泊)、緊急対策がどうなるのかも気がかりな季節でもある。株価急落などで景気の先行きは以前より増して悪くもなっているのに、雇用確保策などの具体策が出揃っておらず、今後、仲間が急増するのではないかと思えるとてつもなく不安な情勢でもある。緊急一時保護センター大田寮の10月2回目の募集には5名の枠に46名も並ぶなど、仲間の危機感も強まっている。また、自立支援センターからせっかく就職した仲間が職場が倒産などをして再び野宿に戻るという悪循環も目立って来た。
 こんなあまり芳しくない時代になっているが、俺たちは決して諦めない。現状維持ではなく、仲間のこれからの事を具体的に考えて行きたい。時代総体がこうだからバラ色の世の中がすぐには現われようがないが、貧しくとも働き、まともに暮らせる最低限の環境を作るために努力して行きたい。
 今、行われている自立支援事業をどのように強化して行くのか。就労支援のさまざまな事業をどのように創り出していくのか。福祉の事はもちろんの事、仲間の仕事の面がこれからどうなるのかに最大限注目し、俺たちがつかみ取ったホームレス自立支援法をそのために、とことん利用していきたい。
 冬場に向け、足下をしっかりとしながら仲間と共にこの街で生き抜き、そして羽ばたこう。

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そろりそろりと冬の足音
来週から中央公園での炊出し方式を改めます。
全員並んでもらい、配食の後にブルーシートに座ってゆっくり食べて下さい。

 仲間たち。
 秋も深まり、肌寒い日が続いている。天候も落ちついてくれず雨の日も多い。この間の冷え込みで風邪を引いている仲間も多いと思う。引きはじめなら風邪薬(パトロールの時などに配付しています)を飲みちょっと休んでいれば治ると思うが、熱が出た、咳が止まらないともなると医者にかかった方が良いかも知れない。安静にしてろと言われても、空気の悪い場所で、しかも路上や公園で寝なければならないのが俺たちの環境だ。風邪に限らず病気を放置しておくのが一番悪い。無理をせずに、体調が崩れたら医者にかかるようにしていこう。
 新宿福祉事務所には、俺たちが毎週月曜日には必ず詰めて、病気や高齢の仲間の保護申請を手伝っている。病院に行きたいという仲間も窓口で緑のカードに名前と生年月日を書いて相談し、保護申請をするのだが、新宿区の場合、病院に行く程度ならそんなにつべこべ聞かないし難しくはない。簡単にこれまでの生活歴(これまでどこそこで働いていたけれどクビになって新宿に来た等)などを話し、どこそこが痛い、どこそこが調子悪いので医者に行かせてもらいたいと訴えれば、病院を紹介してくれる。春山外科は嫌だとか、医療センターが良いとかの注文も、その場で言えば、よほどの事がなければ希望通りにそうしてくれる。たいがいの病院の外来は午前中なのと、シャワーを浴びてから行った方が良いと勧められる事もあるので、朝一番にカードを出しておこう。そうすれば間違いなく午前中に診療できる。ちょっと遠めの病院の場合は交通費も出してくれるので、そんなに心配する事もない。
 病院に行って入院が必要ともなれば、もちろん入院の手続きもしてくれるし、医者が「重病で、いかなる仕事も無理」と診断を下せば、療養のためのドヤ(簡易宿泊所)も無料で手配してくれる。
 新宿福祉は相談件数が多いという事もあってどちらかと云えば機械的な対応になってしまうので、その分、自分が福祉の制度とかを知っておいた方が良いだろう。福祉がどこまでやってくれるのか?自分ではどのような努力をしていくのか?判らない事があれば相談員に質問すれば教えてくれる。何でも「お任せ」では通用しないので、その点は「甘え」過ぎないようにしていこう。病院に行った時も医者との会話も大切だ。看護婦の対応が悪いところもままあるが、医者は職業倫理から言っても差別的対応はしてはいけない事となっている。自分の身体の事で判らない事があったら、担当医ときちんと話しあっていこう。
 これからの季節は、自分の身体とのたたかいでもある。福祉の制度をうまく利用していかないと生き残れない仲間も多くなる。自分が今大丈夫でも、他の仲間にきちんと伝えられるよう、福祉の事は頭にいれておこう。
 また、常雇いの安定した仕事を探したいという仲間には、緊急一時保護センター・大田寮の募集を新宿区は月に2回実施している。次回は11月5日となる。人数枠が限られているのでいつも抽選となるが、前向きな仲間はチャレンジしていこう。また大田寮には他の区からも入寮できるが、今の所大田寮は定員割れ状態なので意外と入り易くなっているようだ。冬場はどこでも抽選倍率があがるので、今がチャンスかも知れない。いろいろと知恵を絞っていこう。
 もう来週は11月。冬の足音がそろそろ聞えて来る。冬に備え体調だけは万全に!

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寂しかないぞ、秋
これからの季節、健康管理が生き残るために必須。
今度の日曜、戸山、中央各公園で医療相談会!

 仲間たち。
 早いものでもう11月。気温もぐんぐんと下がり、銀杏が色付き、木枯らしも吹いた。深まる秋と共に冬がもう目の前までやって来た。各人、冬の備えを今の内からしておこう。寒くなってからあたふたしても、もう遅い。
 冬の備えで一番肝心なのが、体調管理。こればかしは各人様々なので一概には言えないものの、それぞれの生活スタイルに合わせながら自分の身体は自分で守っていかないことには、これからの季節に負けてしまう。
 健康管理の仕方や、自分の病状がよく判らない仲間は、来週、医療相談会が戸山公園、中央公園であるので、ボランティアのお医者さんによくよく聞いておこう。もちろん簡単な薬などもあるのでこれまで来てくれた仲間の再相談も大歓迎だ。調子の悪い仲間は、まずは、自分が病気だと自覚する事。そして、ボランティアの医者から紹介状をもらい、福祉を通して病院に通い、治療方法などを病院の医者や福祉の職員とよくよく相談をしながら前向きに治しながら症状を安定させる事。大事な事は、自分の身体を粗末にしない事だ。治療を中断したり、病院からトンコばかりしていたら治る病気も治らない。結核やアルコール依存症の場合などは特にそうだ。この際、徹底して治して行こう。
 福祉で判らない事があれば、毎週月曜日(月曜日が休みの時は火曜日)に俺たちが必ず、福祉事務所に詰めているので、何でも相談してくれ。
 また、冬場になってあたふたしないよう、俺たちは夏頃から新宿区と交渉を重ね、冬期の特別対策を求めて来た。薄情な東京都などは「現行の対策が整って来たから旧来の越冬対策は中止」と「さくら寮」廃止などを早々と決定してしまった。俺たちは「東京都が何と言おうとも、新宿区の責任で2週間無料宿泊分を500名枠確保しろ」と要求し迫り、その成果もあり新宿区は「厳冬対応」として自立支援枠と合わせてトータル500名規模の厳冬期対策事業を開始する方向に至った。正式発表は今月の13日以降となるが、現段階では満足できる回答をもらっている。予定では12月半ばから2回、正月をはさむ宿泊(12月の2回は正月が挟むので何と3週間の宿泊)もあり、わざわざ山谷対策の年末年始1週間宿泊に行かなくても済みそうだ。詳しくはさ来週のチラシに日程、募集枠、募集方法などを書くので、注目をしていてもらいたい。
 確かに、2週間宿泊は、その後、また野宿に戻る対策でしかなく、抜本的なものでなくその場凌ぎの対策でもある。が、必要悪だと言われようとも、一年で一番厳しい冬場にちょっとでも身体を休める施設は人道上必要不可欠である。確かに自立支援、就労支援の拡大こそが本質的には必要だが、対策の進み具合を勘案しながら、俺達は冬期に一番しんどいテントのない仲間を基準に、人命尊重の立場でこの要求を貫き通した。その点を理解して欲しい。しかし、ホームレス自立支援法が出来たというのに、人道的な感性すら失い機械的に物事を進める東京都はまったくどうかしている。新宿区の英断の方にこそ俺たちは軍配をあげよう。
 現在、区長不在の新宿区であるが、ようやく区長選の候補予定者の名前が浮上して来た。選挙は今月17日に告示され24日に投票となる。候補予定者が名乗りを上げた段階で、俺たちは各陣営に対して公開質問状を提出し、新宿区内の路上生活者問題と対策にどういう見解をもっているのか聞いていきたい。その回答で判断しながら、俺たちは仲間に暖かみのある区長を選んで行きたい(野宿の仲間は選挙権がない仲間が多いだろうが、生活保護を取っている仲間や自立支援センター卒業生など俺たちの仲間で選挙権をもっている者も多いのでまったく影響力がないという訳ではない)。
 また、国の方も法律作ったは良いが、実際の動きが来年度からと、悠長に構えている。行政機関というのは上に行けば行く程、現実感覚を失って行く。経済失政が続けば失業率もこれからもどんどん上がって行く、そして失職して路上で暮らさざるを得ない仲間、その寸前に陥る仲間を増やし続けて行く。野宿になる前に失業者への対応をキチンとしていればこんな状態にならなくて済んだという認識が、まだまだないようだ。法律に基づく実態調査、概数調査も来年初め頃からであるが、これらをキチンとやるように監視、協力しながら、他方で今問題になっている失業者救済策とやらにも注目しながら、俺らの立場から政府に要望を出して行きたい。大阪釜ケ崎の仲間など全国の仲間と、12月末(予定)に再度厚生労働省などとの交渉を持つ予定なので、こちらの方も注目をしておいてもらいたい。
 11月の区長選が終われば、もう越冬準備の季節だ。しんどい仲間を支えながら、目をつむってでも冬に向けて突き進んで行こう。

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守れ命!紡げ希望!
冬間近、第9回新宿越年越冬闘争の準備スタート。
他方、新宿区長選立候補者に公開質問状も提出!

 仲間たち。
 日一日と寒くなり冬の到来も間近だ。冬への備えは大丈夫だろうか。急な冷え込みで風邪を引いている仲間もめっきり多くなった。風邪も悪化すると路上では治し難くなるので早めに薬を飲むなり対処をしていこう。市販の風邪薬はパトロールの時や炊出しの時に準備しているので入り用な仲間は声をかけてもらいたい。風邪に限らず、体調が思わしくない、持病の薬がない、病院で検査をしてもらいたいと言う仲間は、福祉事務所を通して病院にまずは通うようにしていこう。新宿福祉では、高齢の仲間、病気で仕事が出来ない仲間、女性、障害を持っている仲間に優先的に生活保護を適用しているが、若い仲間でも、軽い病気でも、最低限は病院に通う事は出来るようになっている。手続きは簡単で、新宿区内で野宿していて、お金や身寄りがなく病院に行けないという事を窓口で訴え、必要な手続きを取れば、指定の病院を紹介してもらえる。指定病院も医療センターなど大きな総合病院が多いのでまずは安心でもある。歩いて行くにはしんどい仲間には交通費も出してくれる。まあ、世の中、役所嫌い、病院嫌いの人は大勢いるが、身体が苦しい時には背に腹を代えられない。不安な仲間は毎週月曜日なら俺たちが福祉事務所に詰め、仲立ちもしているので不安なく来てもらいたい。
 また、冬場は野宿がキツイ、ドヤ(簡易宿泊所)や施設に保護してもらいたいという高齢や女性の仲間は、この季節自分から進んで相談に行ってみよう。65歳以上の仲間なら「働きなさい」とうるさく指導を受ける事もない。年金があるけどまだ貰っていない、もらえるけど額が少ないという仲間も相談に行こう。基準額より少なければ差額分を生活保護でおぎなってもらえる。
 女性の場合も、新宿区は女性相談員がいるので親身に相談をしてくれる。女性が働き自立するための厚生施設も区内にはある。色んな事情もあると思うがあせらず、ゆっくりと相談をしていこう。
 人に縛られるのは嫌だとか、自由が良いとか、役所の世話になりたくないと言うのは人の常だが、これからの季節はそんな事も言っていられない。東京の冬は暖かくなったと言えダンボール一枚の差で生死が決する過酷な季節だ。高齢の仲間や病気がちの仲間はやせ我慢をしない事が大事だし、そうでない仲間もあまり自分の身体を過信しない事だ。
 俺たちはこれからの季節、仲間が福祉を利用する事を徹底して支援していく。新宿区も人道上の見地から厳冬期対策をまとめており、2週間という短期ながらも緊急非難的な施設をこの冬トータルで500名分は用意するという。その分、自立支援枠(大田寮から自立支援センターへ行くコース)は毎月一回16名程度の募集と減ってしまうものの、路上で仲間が次々死ぬよりはよほど良い。新宿区の厳冬期対策については今週正式に決定するので、来週のチラシには詳しく書いておく。冬場は特に正確な情報を持っていないと自分が損をするのでその点も自覚しておこう。
 新宿連絡会での越年越冬の取組みも、例年通り年末年始を中心に仲間の命を守り抜く事を第一にして行う事も決定し、今、準備作業に取りかかっている。毛布の配付は12月15日から毎週200枚、計800枚を配れるよう準備しているところだ。また、年末年始の連日炊出しや医療テント常駐体制(越年闘争)は年末の29日(日)から、来年の5日(日)までまるまる一週間行う事も決定した。
 これからの取組みの重点課題は「守れ命!」である。そしてそのためには、多くの仲間の協力が必要だ。苦しんでいる仲間を見かけたら声を掛ける、救急車を呼んであげる、福祉の使い方を教えてあげる、炊出しの情報を教えてあげる、もちろん俺たちも組織的にそれをやっていくが、連絡会任せにするのではなく、それぞれの地域の仲間が自発的に自分が出来る範囲の事をやってくれたら百人力だ。こういうネットワークをひろげていかないと助かる命も助からない。新宿という街、とりわけ新宿の路上はそうやって仲間の人情味を体積して来た街だ。せち辛い世の中だが、せめて俺たちだけは困った同輩に快く手を差し伸べられる暖かみと助け合いを継承して行きたい。
 冬を恐れず、仲間の総力で立ち向かおう!
新宿区長選候補者に公開質問状を提出
 8日、新宿区長選に立候補を表明した中山弘子氏、本葉カツ子氏の両陣営に対し、区内の路上生活者問題に今後どのように関わって行くつもりなのかを問う公開質問状を提出した。報道によれば、もう一人、元助役の漆原順一氏が立候補の意向との事で、正式に表明したら同じく質問状を送るつもりだ。俺たちは小野田体制下の新宿区でのこれまでの福祉施策については一定評価しながら、今後の大きな課題としてはホームレス自立支援法にもうたっているよう「就業機会の確保策」、すなわち就労対策がどこまで行われるのかに注目している。もちろん新宿区単独で広く出来るような課題ではないものの、新しく区長となろうとする者が、そういう意識と意欲をどこまで持っているのかが問われている。就労支援をうたっている自立支援センターにしてもまだまだ十分な内容ではなく、東京都の施設増設計画も遅れがちだ。ある意味袋小路に迷いこもうとしている都区の現行路上生活者対策を新たな法律を使いながら、どう方向づけて行くのか?新しい区長に課せられる課題とリーダーシップは大きい。どの陣営も言っている「クリーンな新宿区」も大事だろうが、もっとこのような政策にかかわる点で議論をしてもらいたいものである。質問状にどのように回答するのか、それともしないのか、その点も含めて今後の選挙動向にも注目していこう。

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ビルの谷間の落葉
新宿区の厳冬期対応無料宿泊援護事業の概要が発表される。
冬期トータル 524 名枠を確保!

 仲間たち。
 銀杏の葉も枯れはじめ、秋も一段と深まっている。時折の冬の気配がやって来てと、冬の足音はもうそこまで聞えはじめている。こんな気候なのでとにかく風邪が流行っている。また、駅の地下道など少しでも暖かい場所に仲間が集まるので細かなトラブルも発生しはじめている。くどいようだが、病気の仲間は早期発見、早期治療を心がけよう。福祉行動は毎週月曜日にやっているので、役所の使い方が分からないという仲間は気軽に相談してもらいたい。また、寝場所の確保も近隣の営業妨害にならないよう寝る時間を遅めるなり、朝必ずダンボール等を片づけるよう徹底しよう。そろそろ凍死の恐れも出てくる季節なので、ダンボールを厚めに敷く等、地面の冷気に身体の熱を奪い取られないような工夫も必要だ。特に酒を飲んで寝る仲間は注意に超したことがない。
 その他、人さらい系のおかしな手配師もうろついているので気をつけよう。「千葉の福祉だ」なんて声をかけて来るのは間違いなく生活保護の金をピン跳ねする業者である。仲間を装って来るので十分注意をしてもらいたいものだ。
 冬場になって人が集まると、いろいろと身の危険も大きくなる。また、他人の事など構ってもいられなくもなる。けれど、仲間の命を守れるのは仲間自身だ。お互いかばい合える程度の暖かい気持くらいはせめて持ち続けよう。
 さて、新宿区は区長選に突入したが、俺たちが提出した公開質問状には3大陣営から回答を得られた。それぞれの候補も「ホームレス問題は区政の大きな課題」と認識して「ホームレス法」に基づき区の役割を進めて行くとの回答を寄せている。誰が勝つか分からないが、今後の区政運営に大きな期待をしていこう。そして、その最中、新宿区福祉課は、今年の厳冬期の無料宿泊事業の概要を発表した。入寮日等々については裏面に一覧表にしたが、大田寮(2段ベットのある宿泊施設)を二つに分けて、460名分の短期宿泊援護を集中させ、他方で自立支援センターにつなげる通常の施策64名分を同時並行で行い、トータル524名分のベットを用意するというものだ。大田寮には専門の相談員が配置されているので、それぞれ入寮した仲間が身体を壊した等々などがあれば生活保護に切り替える事が可能になっている。もちろん、3度の食事、衣類の交換、風呂、洗濯、散髪、下着やタバコ等の支給など、これまでの越冬対策と同様のサービスがついて来る。
 短期の無料宿泊援護は新宿区内に寝ている仲間なら無条件で入れる。たとえば最近、(一と月の)大田寮から退寮した仲間でも入る事が出来る。但し、短期の無料宿泊援護は一人一回の利用に限定されている。入寮は例によって抽選会で朝9時半から区役所1階のカンパン受付場所だ。自分が身体を休めたい時期を今の内決めておいて、その前後の抽選会に並ぶようにしていこう。
 とにもかくにも、昨年度以上の冬場の無料宿泊援護枠を確保出来た事となる。これも俺たちが一年間声を出し続けて来た成果だ(他区は残念ながら冬期の対策は実施しない)。仲間が勝ち取ったものを、仲間がおおいに利用していこう。

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振り返らず、冬へ
12月5日(木)法律制定後初の厚労省前全国行動へ!
小泉政権に失業野宿者救済策を要望するぞ!午前9時新宿区役所前集合!

 仲間たち。
 あっと言う間にビルの谷間の木々が色づき、木の葉が街路を埋め尽くし、そして、冬がやってくる。気象庁の長期予報では今年の冬は例年並かやや気温は高めと、暖冬予報になっているのがせめてもの救い。が、予報は予報でしかなく、これからどんな寒気団がやってくるかは誰にも分からない。試練を覚悟しながら、それに打ち克つ術を七転八倒しながらでも身につけていこう。
 何度でも言うが、冬の健康管理は絶対必要である。昨年度の新宿区内の路上死統計を見ても年間45名中冬場は17名と全体の約40%と高い確率で仲間の命を奪っている。とりわけ高齢者の死亡確率が高いのも特徴だ。暖冬と言いながらも冬の気候は弱い立場の仲間を真っ先に狙い撃ちする。そんな状況の中、「俺はまだ大丈夫」「役所はどうも苦手…」なんて言っていられない。65歳以上であるとか、重い慢性的な病気を抱えている仲間など、施設やドヤで保護される権利を持っている仲間はせめて冬場の間だけでも泊まる場所を紹介してもらおう。
 一度「失敗した」、役所で「もう面倒を見ない」と言われた等、福祉でトラブルを抱えている仲間は是非、月曜日の福祉行動の時にでも顔を出してもらいたい。厳冬期対応の大田寮に入ってから生活保護に切り替えてもらう等、これからの時期はいくらでも方法はある。決して「自分はもう駄目だ」と思わない事だ。失敗など人生にはつきものである。福祉の金を悪意でだまし取った等でなければ、ちょっとした失敗くらい、くよくよせず率直にかつ前向きに考えて行けば活路は必ず開ける筈だ。
 病気が重い仲間、高齢の仲間、女性、障害を持っている仲間は福祉を通してこの冬、堂々と生活保護を勝ち取って行こう。福祉はこんな季節の中で苦しんでいる仲間のためにこそあるんだ。冬場の生活保護の積極適用については区長が誰になろうとも俺たちは人道上の立場からも必ず堅持させて行く。
 ボランティアの医師による医療相談会も裏面の表にあるよう12月は集中して行うようにしていく。毛布の無料配布も例年通り行う。年末年始は中央公園で医療テントを常設し、そこを拠点に連日炊出しも行いながら仲間の命を守り抜く。毎週月曜日に必ず行っている福祉行動ともども利用していってもらいたい。
 病気や、高齢の仲間を支えると共に、俺たちはこの冬、仲間の就労保障を求めるたたかいも強化して行きたい。自立支援センターや大田寮、そして先週のチラシに書いた厳冬期対応短期宿泊事業など冬場の行政施策は用意させて来たが、いずれも課題は残っている。俺たちが勝ち取ったホームレス支援法に基づく施策は着々と進んでいるものの、まだまだ具体的なものとなるまで時間がかかりそうだ。小泉政権は景気低迷と失業地獄の深刻さにようやく補正予算を組んだが6兆円程度と中途半端なものでしかない。この程度の規模じゃ「セーフティネット」や「失業者対策」と言っても俺たちにまでは廻って来ないだろう。
 12月5日(木)、俺たちは厚生労働省など国のホームレス対策関係省庁を呼び、法律制定後二度目となる全国の仲間による交渉を行う。中央省庁のお役人はまだまだ俺たちの深刻さを理解していないようなので、この日、大阪の仲間など再び全国の仲間による大衆的な中央行動を行い、厚生労働省を包囲する座り込みを行い気勢を上げこの交渉を前進させて行きたい。俺たちの要求は、法に基づく施策の早期実施と、とにかく景気を活性化させ当座の仕事を出せの二点である。
 もちろん一度や二度のたたかいで国がおいそれとは動かないとは思うが、こんな状況なのでとにかく国に押しかけ続けねば、これからどんどん野宿の仲間が増え続けとんでもない事になってしまう。
 この冬、国の動向(もちろん都の動向もそうだが)を見据えながら、来年度予算をきっちりと確定させて行く政府への取組みを俺たちは同時に続けて行きたいと思う。冬場のたたかいで大変だが、心ある仲間は是非とも参加してもらいたい。
 仲間の命を仲間の力で守り、そして仕事に結びつく施策をたぐり寄せるための攻勢的な冬を!後ろを振り返らず吹雪の中を突っ走れ!

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失業は誰のせい?
02-03新宿越冬は霞が関への先制パンチでスタート
5日(木)朝9時新宿区役所から厚生労働省前へ!

 仲間たち。
 ついに12月に突入。これから3ー4ヶ月間は冬とのたたかいの日々である。新宿連絡会も冬期対応として年末年始を中心にした越年越冬体制に入る。「仲間の命は仲間の力で守る」これが俺たちが9年前の冬から掲げてきた越冬スローガンである。野宿の仲間にとって一年で一番困難な時期だからこそ、仲間の助け合いが最も重要だと云う意味でもある。たとえば苦しんでいる仲間や、見るからに危なそうな仲間と出会ったら、救急車を呼ぶ(自分で呼べそうもない仲間はガードマンや警官に呼んでもらう)。一分一刻を争う時には、そういった仲間の迅速な対応が仲間の命を助けられる。あるいは高齢の仲間や病気がちの仲間が寒さで震えていたら、福祉の場所や福祉の使い方を教えてあげる。そういった正しい情報を広める事も結果的に仲間の命を救う。もちろん連絡会の医療相談会(今度の日曜日に戸山、中央公園でやります)や福祉行動(毎週月曜日)、炊出しなどもどんどん口づてに広めてもらいたいし、大田寮受付(4日にあります)、新宿区の厳冬期対応の宿泊事業(今月は19日、26日が受付日)なども知っておいて損な事はない。
 これらは簡単な事だ。ちょっとした心遣いと、正しい情報すら持っていれば誰でも出来る事である。冬場の仲間の安全網はそうやって仲間の力で作って行く必要があるし、新宿の古くからの仲間はそうやって多くの仲間の命を救って来た。自分も寒くて辛いだろうが、他の仲間も同じく、寒くて辛い。同じ境遇の者同士、心通わせながら、これからの季節を乗り越えていこう。
 埼玉県熊谷で中学生が野宿の仲間を襲撃して殺してしまうという凄惨な事件も大きく報道されている。頻発する襲撃事件に心が痛む。他方、男性失業率がまたもや過去最悪を更新する等、景気はいつまで経っても回復しない。いくら俺たちが路上から這い上がろうと努力しても、社会の差別・偏見や、就職難が前途を阻んで行く。今年の冬も多くの失業者がまた路上へと舞い降りて来ることだろう。ホームレス自立支援法は全国の仲間の要望の末、ようやく制定されたものの、法に基づく施策はこの冬、多くは動かない。
 いったい、この国はどうなってしまったのだろうか?誰しもがそう思う。
 けれども、黙っているだけでは何も変わらない。
 俺たちは、この「奇妙な冬」の入口に当たり、全国の仲間と共に政府に物を申して行こうと思っている。国会を突き動かしたのだから、政府を突き動かす事も可能だと俺たちは信じよう。今度の木曜日5日、朝9時に新宿区役所前に集まり、国のホームレス対策の窓口である厚生労働省前(霞が関)へ大挙して押しかけたい。大阪の仲間や全国の仲間も忙しい中、駆けつけてくれる。代表団による中央省庁との交渉も予定されている。国にはもっと危機感をもってもらわなければ駄目だ。俺たちの切実な現状を少しでも知ってもらわなければ、せっかく作らせた法律もただのザル法にしかならない。法に基づく施策がまだならば、補正予算を使ってそれが出揃うまでの緊急措置をやらせていこう。緊急地域雇用創出特別交付等を使って失業野宿者への雇用対策を大胆に行うよう要望しよう。
 仕事がなければ飯も食えない。仕事につながる技能講習、中高年齢者が出来る軽作業労働の創出が今後必要である。自立支援センターという箱ものがあっても、就労支援の中味が充実していかなければ都区の構想も絵に書いた餅である。
 この冬をただ、辛いものだけにしないためにも俺たちは国に声を出して行く。そして自立支援法をまともに運用させていくたたかいと共に、仲間の命を守り切る越冬のたたかいを同時に進行させて行く。
 俺たちは、後ろを振り返らない。ただ、前のみを向いて突っ走る。共に新宿越年越冬を!

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旅人が体寄せ合う冬の宿
厚生労働省に全国120名の仲間が怒りの声を叩きつける!
国に補正予算で5億円の緊急対策費計上を交渉で確約させる

 仲間たち。
 低気圧の到来で急な冷え込みになっている。いよいよ本格的な冬である。とにもかくにも健康管理にだけは十分注意しよう。空気も乾燥してくるとインフルエンザなども流行るので、咳や熱が長引いている仲間は普通の風邪だと思わないで、福祉を通して医者にかかるようにしていこう。また、防寒対策の一助として、来週の日曜日から毛布を200枚づつ無料で配付する。毛布が欲しい仲間は夕方5時にいつもの炊出しの場所(中央公園・雨の時は都庁下)に集まってもらいたい。毛布は全国の心ある人のカンパ金で購入したものなので、保管などが大変だが、是非とも大事に使ってもらいたい。
 新宿区役所の厳冬期対策として、来週19日(木)から短期宿泊事業が開始される。今月は70名分でそれぞれ3週間の宿泊ができる。場所は大田寮だが、かつての「ざこ寝」ではなく、二段ベットのしっかりとした施設だ。もちろん、3食付くし、煙草などの支給、また相談員も配置されている。この事業は来年の3月まで毎週行われているので、抽選に外れても一人一回は必ず入れるようになっている。順番になってしまうが、少しの間でも身体を休めたい仲間は冬を超すために利用していこう。
 もちろん、概ね65歳以上の高齢者、病気が重い仲間、女性、障害をもっている仲間は、越冬施設を使わずとも区役所の窓口で生活保護が適用され、区内のドヤ(簡易宿泊所)などに保護される権利をもっている。俺たちは毎週月曜日に福祉事務所に詰めているので、初めての仲間や、かつて「失敗」した仲間など、気軽に相談をしてもらいたい。
 冬場は役所の対策などを徹底して利用していかないと、助かる命も助からない。情報を共有しながら、これからの厳しい季節に立ち向かおう。
 さて、先週5日には、全国(北九州、大阪、静岡、横浜、東京、千葉)の仲間や支援団体の仲間が一同に会し、120名の仲間による厚生労働省前の座り込み行動を行った。同時に代表団による交渉も行われ、遅々として進まぬ国のホームレス対策について厳しく追及を行った。ホームレス支援法による国の支援策は1月から始まる実態調査からスタートするとの事だが、基本方針が出るまでの間のつなぎの方針が何もない。代表団による交渉によって、厚生労働省は補正予算でシェルター事業の前倒し3億円、そして「ホームレス緊急援護事業」として2億円、計5億円を1月通常国会開会後すみやかに計上する事を約束した。また、緊急地域雇用創出交付金の上積みも検討中であると云う。けれども俺たちが要求している路上の仲間に特定した雇用対策、公的就労対策は「各自治体の判断」と逃げの一手であった。2時間半にわたる大交渉で、一定国の前向きな姿勢は勝ち取ったが、まだまだ十分なものではない。今後も全国の仲間と力を合わせながら国に俺たちの要望を継続して突きつけていく事を確認し、今年最後の大行動を終えて行った。国がある程度の方向性を出したことにより、東京都や新宿区に対するたたかいもやり易くはなって来た。自立支援センターなどを活用した就労支援対策や緊急援護対策について早急に要望をまとめ今後提出して行きたい。
 冬とのたたかい、そして、国、都区とのたたかいを同時に進め、一人でも多くの仲間の自立の道を仲間の力で勝ち取ろう!

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冬には冬の路上有り
19日(木)から厳冬期対策大田寮宿泊受付が
毎週木曜日実施!毛布も毎週日曜日配給中!

 仲間たち。
 例年よりも早い冷え込みが襲って来た。天気も冬らしくなくぐずついたりもしている。いつもの冬よりも警戒が必要だ。連絡会では、今週から毛布の無料配給を始めている。保管場所もなく持ち運びは大変だが、急な寒さにはやはり必要な物品だ。欲しい仲間は日曜日、午後5時にいつもの炊出しの場所に来てもらいたい。また、来週の日曜日には特別の医療相談会(中央公園)もある。年末までに福祉を取りたい仲間、ここに来て風邪が治らないなど調子が悪い仲間は夕方中央公園に来てもらいたい。血圧測定や、薬の配付もあるので年越しのためにも利用してもらいたい。
 寒くなると、地下などで仲間が多く寝る事となるので、寝場所をめぐるトラブルや、仲間同士の喧嘩などは避けたいものだ。新しく新宿に来た仲間は新宿のルールを知らない仲間も多いので、古い仲間は教えてあげよう。とりわけ、朝のダンボールやゴミの片づけなどは徹底してもらいたい。ゴミ箱がない場所では、一ヶ所にまとめて置くだけでも見た目は違うし、掃除屋さんも仕事がはかどる。同じ仲間同士、支えあいながら冬の寝場所だだけは最低限確保して行こう。
 また、駅周辺に「千葉の福祉から来た」と称する手配師がまたうろついているようだ。このFISという団体は、生活保護費をピンハネする業者なので注意が必要である。「暖かい部屋に暖かい飯」と冬場の俺たちの弱みにつけこむ連中は他にも一杯いるので気をつけていこう。福祉が紹介している公の施設は、生活保護施設以外は、今のところ大田寮だけである。いかさま民間「福祉団体」や人の弱みにつけ込む連中に騙されないように。旨い話しには裏がある。
 
その大田寮での、厳冬期対策が今週19日から開始される。今月入所の仲間は3週間、来月からは2週間の無料宿泊のサービスである。新宿区の対策なので渋谷や豊島に寝ている仲間は残念ながら入る事は出来ないが、新宿区内に寝ている仲間なら冬場は誰でも一回は入寮できる。大田寮は、昔のように雑魚寝ではなく、2段ベット(カーテン、ロッカー付き)の施設に改造されているので、宿泊場所としては申し分はない。煙草の支給、風呂、3度の飯、散髪、洗濯などは、役所の施設なのでこちらも問題はない。短期の宿泊しか出来ないが、冬場、ちょっと身体を休めるには丁度良い施設だ。今月は入寮抽選が混むだろうが、裏面に今後の入寮日の一覧表を載せておいたので、自分が入りたい時期を今の内に選んでおいた方が良いだろう。また、大田寮には専門の相談員も配置されているし、医療相談も行われる。ちょっと病気がちな仲間や、病気が発見された仲間などは、できるだけ大田寮から生活保護に切り替えるようにしてもらおう。そういう仲間は、その旨、相談員に相談するように。俺たちが要望して勝ち取った厳冬期対策も利用しながら、どうにかこうにか無事にこの冬を乗り越えて行きたい。
 もちろん、俺たちの越年越冬の取り組みも、例年より強化しながら進めて行きたい。越年期の取り組みについては、来週のチラシでスケジュール表を発表するのでそれを参照にしてもらいたい。また、越年突入の集会を23日に豊島区勤労福祉会館で行うので、作業を手伝いたい、よく知っておきたいという仲間は是非とも集会に参加しよう。
 とにもかくにも、健康管理を徹底しよう!

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心ポカポカに冬
明日23日(月)新宿&池袋合同の越年闘争突入集会
午後1時スバルビル「新宿の目」前集合、出発!

 仲間たち。
 いつもならカラカラに乾燥して来る季節なのに、今年の12月は天気の崩れる日が多く、それだけ気温差も厳しいものになっている。戸山公園では小雨が降って気温がぐんと下がった17日の朝、52歳の仲間が亡くなった。2、3日前に戸山公園に来た新しい仲間のようだ。ダンボールを敷いただけの無防備な姿だったと云う。無念だ。
 冬の犠牲者が早くも出ている。とりわけ今年初めて冬を路上で超すと云う仲間は格段の注意が必要だ。冬の睡眠不足は確実に身体を蝕む。比較的暖かい日に眠れなくとも、とにかく横になり身体を休め体力を温存しておかないと持たない。また、冷え込みは地面から体熱を奪って来るので、横になる時は、ダンボールや新聞紙でこれでもかと、とにかく厚くしてから寝るようにしよう。寒さに耐えるため、なけなしの金で酒を流し込み身体を暖める仲間もいるが、そんな場合も無防備で寝るなどの油断は絶対に禁物だ。
 そして、新しい仲間にはとにかく何かと気を配って行こう。例年、野宿の仕方を知らない仲間が年末にかけて新宿には続々やってくる。冬の野宿の仕方、炊出しなどの情報、病気になった時のノウハウ、役所の使い方、大田寮の入り方などを古い仲間が教えていかないと、新しい仲間は孤立してしまう。今年の冬はとにかく厳しい。皆の力と知恵をあわせ越冬のたたかいに挑んでいこう。
 厳冬期対応宿泊受付の初日19日は40名の枠に196名の仲間が並んだ。約5倍の狭き門だが、新宿区ではこの冬場、毎週木曜日に受付を続ける。また、この冬一人一回しか入れない事業なので倍率もじょじょに下がっていく事だろう。抽選に外れた仲間もくよくよせず、次のチャンスを待とう。年末は26日(木)が最後の受付になる。9時半までに区役所カンパン受付場所で並ぼう。
 また、福祉から病院にかかっている仲間や、新規でこれからかかりたい仲間、65歳以上の仲間で生活保護を取りたい仲間などは、役所は年末27日(金)までしかやっていない。また、今期はまるまる1週間以上役所が正月休みになるので、その間病気に苦しんでも応急処置の救急車対応しかなくなってしまう。調子の悪い仲間などはとにかく明日にでも相談に行くようにしよう。
 もちろん、役所が休みな間は、俺たちの新宿越年の取り組みが例年通りある。年末年始、新宿に残らざるを得ない仲間は利用してもらいたい。裏面に越年期の概略のスケジュールを印刷してある。29日から5日まで毎晩炊出しを配食し、24時間の医療体制を中央公園を拠点に常設しながら、新宿地域をパトロールで見回り仲間の安否を確認して行く。映画や音楽会などの娯楽もたくさん用意してある。役所の力に頼らずに独力でやりきる仲間の総力をかけた事業だ。そのため、仲間の力も多く必要だ。「ボロを着てても心は錦」、よし仲間のために一肌脱いで手伝ってやろうという仲間は28日(土)の準備から毎日朝11時中央公園ポケットパークに集合してくれ。それぞれ出来る役割を分担して行きたい。
 この冬を乗り越えるためには他人任せの姿勢では絶対に乗り越えられない。一人ひとりの仲間が強い意志を持ち、それぞれの力を発揮して始めて冬と真っ向に勝負できる。弱い仲間を支え、新しい仲間を包み込み、いざ、新宿越年船出へ!

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