2005年6月5日新宿連絡会チラシ
2005年6月12日新宿連絡会チラシ
2005年6月19日新宿連絡会チラシ
2005年6月26日新宿連絡会チラシ
2005年7月3日新宿連絡会チラシ
2005年7月10日新宿連絡会チラシ
2005年7月17日新宿連絡会チラシ
2005年7月24日新宿連絡会チラシ
2005年7月31日新宿連絡会チラシ
2005年8月7日新宿連絡会チラシ
2005年8月21日新宿連絡会チラシ
2005年8月28日新宿連絡会チラシ
2005年9月4日新宿連絡会チラシ
2005年9月11日新宿連絡会チラシ
2005年9月18日新宿連絡会チラシ
2005年9月25日新宿連絡会チラシ
2005年10月2日新宿連絡会チラシ
2005年10月9日新宿連絡会チラシ
2005年10月16日新宿連絡会チラシ
2005年10月23日新宿連絡会チラシ
2005年10月30日新宿連絡会チラシ
2005年11月6日新宿連絡会チラシ
2005年11月13日新宿連絡会チラシ
2005年11月20日新宿連絡会チラシ
2005年11月27日新宿連絡会チラシ
2005年12月4日新宿連絡会チラシ
2005年12月11日新宿連絡会チラシ
2005年12月18日新宿連絡会チラシ
2005年12月25日新宿連絡会チラシ
2005年12月29日新宿連絡会チラシ
2005年12月30日新宿連絡会チラシ
2005年12月31日新宿連絡会チラシ
仲間たち。
梅雨入り前の不安定な気候が続いている。蒸し暑くなったと思ったら肌寒くなったりと、体調管理には難敵な気候である。気温差のおかげで風邪もまた流行り出しているので尚更厄介でもある。どうにか体調を戻しながらしんどい梅雨時期を乗り越えて行きたいものである。
体調がすぐれない仲間は福祉事務所から病院に通う事を勧める。手続きはそんなに難しくないので、役所をどんどん使って行きたい。「一人じゃ不安」と云う仲間は毎週月曜日に俺たちの仲間が福祉事務所に詰めているので気軽に相談をしてもらいたい。
また、9日(木)は、緊急一時保護センター大田寮の受付日でもあるが、同時に新宿福祉の敷地内では無料結核検診会も実施される。施設に入るとかをしない限り健診のチャンスはあまりないので、今年まだレントゲン健診をしたことがない仲間は是非利用していこう。レントゲン健診の正式な結果は、番号で後日福祉事務所で張り出され確認できるし、また、当日医師も詰めていて、「要再検」「要入院」となれば、通院や入院の手続きもその場でやってくれる。結果オーライで無事ならそれに越した事がないので、調子の悪くない仲間も日程さえ合えば受診をしていこう。
来週の日曜日は、連絡会の医療相談会もある。午前中が戸山公園、昼から高田馬場の会場、夜は中央公園と、ボランティアのお医者さん達が、まる一日、俺たちの健康のために駆けずりまわってくれる。福祉で紹介された医者がどうも信用ならん、なんて仲間もいると思うが、ボランティアの医師なので気軽にそんな事も相談出来るし、福祉にかかるアドバイスなんかもついでにしてくれる。風邪薬や胃薬など簡単な薬も用意してあるので、こちらも気軽に利用してもらいたい。
じめじめしてくるといろいろな面で身体の異変やトラブルなどが多くなる時期でもある。路上から脱却する施策の方も、代々木公園での地域生活移行支援事業の受付が終了した事もあり、手詰まり感が強くなっている。当分は、通常の月一の大田寮受付から自立支援センターに行く道か、病気や高齢者の生活保護かの二つの選択肢で我慢をし続けなければならない。とは云え、自立の再利用問題も厳しく制限されたままだし、また抽選会での競争率も相変わらず高い。生活保護もまた国の締めつけなどがあり使い勝手がそう良いとも言えない。18年度以降の施策体系が確定しない段階で、難しい局面には入っているが、何とか仲間の力を発揮しながらこの難局を乗り切って行きたい。昨年、新宿地区で四百名近い仲間がアパートに移行し、今年も代々木地区で約三百名近い仲間の移行が控えているが、それにしてもまだまだ路上で呻吟している仲間、新たに野宿に至ってしまう仲間は増え続けている。もっと大胆、かつ大規模な施策を打たない限り、現状の根幹は打破できないであろう。その事を求め梅雨から夏への取組みも強化してきたい。
仲間たち。
いよいよ関東地方も梅雨に突入した。これから約一月あまり、じめじめしたうっとおしい季節が続く事になる。何かと大変ではあるが、心だけは晴れやかに保ちながら雨の季節を乗り越えていこう。
梅雨時期は雨ばかりが天敵ではない。湿気が多く、また気温差も落ち着かないこの時期は体調が変調する時期でもある。とりわけ無理を重ねている仲間などは、ひょんなきっかけで身体が重くなったり動けなくなったりもする。また、睡眠不足などから精神的な変調や、ストレスなどから皮膚関連の病気など、まあ、ありとあらゆる病気が発生する時期であったりもする。先日の新宿福祉の結核検診でも46名が受診し、要検査が4名もいたように、結核関連の病気なども時期的にこれから流行ったりもする。よほど身体が丈夫な仲間以外は、健康管理は徹底して行うようにしよう。
病院にかかるのは、新宿区の場合は簡単である。花園神社裏の分庁舎1階の福祉事務所へ行き、緑の受付カードに氏名と生年月日を書き、簡単な相談をすれば新宿区が指定する病院で無料で診察を受けられる。新宿区が紹介してくれる病院は比較的大きな病院(そして仲間の診療に慣れている病院)を紹介してくれるので安心だ。無料(生保)だからと云って臆することはない。医師ときちんとコミュニケーションをとって自分が可能な治療方法を見いだしていこう。病院を変えてもらいたい時もあるかも知れないが、これも「贅沢」ではない。変えてもらいたい理由を担当のケースワーカーにはっきりと伝えよう。「わがまま」でない限り、また法律(生活保護法)内の範疇であれば簡単にやってくれる。
毎週月曜日、俺たちの仲間が福祉事務所に詰めているので、役所の利用方法について分らない事があったらどんどん聞いてもらいたい。自分の身を守るのは自分自身である。自分の身を守るために役所の制度を利用していくことは決して恥ずかしい事ではない。 福祉ではシャワーの利用も可能である。午前中は病院に行く仲間が優先されるので、シャワーだけ浴びたいと云う仲間は午後から行った方が良いだろう。
さて、先日あった緊急一時保護センター大田寮の入寮は、六四名並び、二〇名が無事入寮を果たした。昨年同時期に比べれば入寮希望者の数は減ったものの、相変わらず3倍前後の抽選率である。それでいて大田寮などが一杯かと云えば、そうでもなく、いつも定員割れの状態が続いている。23区全体で考えるなら施設の無計画的利用としか言い様が無い現状である。新宿区はなんと今頃になって自立支援法に基づく「実施計画」(新宿区は推進計画と格下げしているようだが)を秋口までに策定する見通しであると云うが、こういう実際上の諸問題を変えることに集中してもらいたいものである。抽選倍率の問題もそうだが、たとえばカンパンひとつにしても、歯の悪い仲間はほとんど食べられない。「新宿区のカンパン齧って歯が折れた」と、笑い話しにもならない悲話はあちこちに転がっている。せめてもう少し柔らかいものに変えるなどの工夫くらいあって良いと思う。シャワーにしても一部屋しかなく、順番待ちが必要である。シャワーサービスが可能な施設を増やすとかの工夫もまた然るべきであろう。どうせ新宿区は「都区共同の揺りかご」の中から飛び出そうとはしないであろうから、御大層な文章を披瀝する暇があるなら、今すぐにでもできるこまかな事を改善してもらいたいものである。
「地域生活移行支援事業」を実施した後の新宿区は確かに全体の仲間の数は多少は減ったものの、残念ながらそう大きな変化があった訳でもない。駅周辺には数百名の仲間が寝、炊き出しにも数百名の仲間が常時集まる。新宿区の「管轄下」で野宿者数が減ったことが、さも新宿区全体の野宿者が減ったように勘違いし追い出しに拍車をかける土木部の連中のおつむの弱さに象徴される新宿区の事である。まったくトンチンカンな「実施計画」にならない事だけを祈っておこう。いずれにせよこれまでの新宿区の「経緯」をすべて見てきた連絡会である。いくら立派な言葉を並べてみても、実施しなければ我々は一つの評価も与えはしない。
新宿区を筆頭に全体の施策がまだ見えていない中、「夏」までに明らかにすると明言させた東京都との交渉継続を進め、7月までには決着をはかりたい。約束の文月まで、しばし堪え、この梅雨時期を乗り越えよう。
仲間たち。
べたべたと晴れたり、じとじとと曇ったり、はたまた雨模様であったりと梅雨独特の湿った気候が続いている。少しは爽快な気分も味わいたくもなるが、しばしそれもお預けのようである。
梅雨時期ともなると不快指数が一気にあがり、精神的にもかなりまいってしまう仲間も多いかも知れない。眠れない、一ヶ所に落ち着いていられない、などでイライラカッカとなりがちである。不要に落ち込んでしまう仲間もいるだろう。大変だとは思うが、これも俺らに課せられた季節の試練でもある。自分の力で乗り越えられる仲間はどうにか歯を食いしばって乗り切っていこう。 それでも、心身の体調の変化は自分の力だけでどうにもならない事もある。この季節はどうしても病気のデパート状態になってしまうので、それぞれの健康管理をしっかりとやっていきたいものである。病気も思わぬところからやってくるもので、虫に刺されて「ほっとけば大丈夫」なんて思っていたら全身湿疹だらけなんて事もよくある話だ。ストレスの多い環境にいると、身体も敏感になっていくのは不思議ではない。そんな場合は、あまり悩まずに思い切って福祉事務所を通して医者にいくようにしていこう。それでなくても若い頃から酷使してきた身体である。中高年の仲間は何かの拍子におかしくなることも良くある。自分の年齢に応じた生活と健康管理を心がけないとまずいであろう。
福祉から病院に行きたい仲間で、「福祉の事がよく判らん」と云う仲間は、毎週月曜日なら俺たちの仲間が福祉事務所に詰めているので、気軽にいろいろと話しかけてもらいたい。手続きひとつでも慣れている仲間は何でもないが、初めてだと何かと緊張するものである。病気の治療は俺たちの最優先課題である。その事への支援はできる限りの事はやっていくつもりである。 また、福祉事務所ではシャワーサービスや、着替え、仕事を探す時の電話や交通費の貸付などのサービスもやっている。これらはあまり知られていないようだが、せっかくやってもらっているのだから大いに利用していこう。
どうも役所と云うのは、サービスを宣伝する事が下手くそで、俺たちからすれば「何をやっているのだか判らない所」と云う印象が強いが、いろいろと調べると結構あれこれやっているものである。俺たちに広く知らせると「呼び寄せ効果」になるなんて馬鹿な事を考える事事態が、役所らしいと云うか、どうしようもない所であるが、サービスは多くの人々に利用されて始めてサービスである。恩着せがましく云う職員もたまにはいるが、そんな事は気にせず、使えるものは骨までしゃぶり使い尽くしていこう。
さて、「地域生活移行支援事業」の代々木分の受付も無事終了(三百名近い仲間が登録)し、7月始めには第1グループが借り上げアパートに移行すると云う段になり、残すは7月半ばからの上野公園分だけであるが、なかなか新宿から上野まではそうは行けない。実質西部圏での「支援事業」は終了したと考えるべきであろう。もちろん、登録した仲間は、こちらから連絡を絶やさない限り、登録した分のアパートは確保するとの事なので、最低限月に一度ぐらいは相談所に顔を出し「催促」をした方が良いだろう。代々木のテントの仲間も「利用しない」仲間は2割程度で、ほとんどの仲間は利用を希望しているようである。不安はいろいろとあるとは思うが、「誰かが何かをすべてやってくれる」なんて夢みたいな事は考えず、与えられた条件の中で、精一杯自分の力を発揮していくものである。新宿の仲間もそうやってアパート生活をかつかつながら維持している。それでうまくいかなかった仲間は今のところ3件のみである。
重箱の隅をつつくような批判はあるものの、全体としてこの事業は成功していると俺たちは評価している。「野宿者はアパート生活など出来ない」(だから施設収容だ生活指導だ)と云う間違った考え方は、仲間の実際の生活の力で完全に打ち破って来た。「屋根と仕事」につながる施策(キッカケ)さえあれば、自らの力で立ち上がれる。と云う俺たちの確信は仲間が立派に実現してくれた。そして、だからこそ、この事業を今年度で終らせてはならないと俺たちは考えている。
借り上げ住宅施策と就労支援事業をセットにした施策の来年度以降の継続を求め、俺たちは既に都庁との交渉に入っており、先の交渉では「夏」までに一定の方針を確定するとの回答であった。実際それがどうなっているのか?俺たちは7月に再び都庁行動を実施し、この間の行政内部の議論をしっかりと仲間に報告させていくつもりである。万が一事業継続がないと云う事になれば、俺たちは公園問題も含め重大な決意で臨まなければならないだろう。
明るい兆しを何とかつかんで行きたい。
仲間たち。
蒸し暑い雨の後は真夏を思わせる灼熱と、不快指数をたかめる梅雨ならではの気候が続いている。そして、そうこうしている内に、暦ももう7月と、梅雨明けの時期も迫って来た。爽快な夏ならば良いのであるが、昨年のような酷暑続きともなれば、都会の夏は過酷な夏でもある。身体の弱った仲間や体力のない仲間は、すぐにばてて、脱水症状とかになりやすくもなる。今の内に体力温存しながら、たまに稼いだ時ぐらいは栄養価の高いものでも食べてこれからの季節を乗り越えて行きたいものである。
とはいいながらも、体調の悪い仲間はこの間も増え続けている。夏場には夏場の体調管理はあるものの、どうしても自分一人の力だとうまくいかない場合も多い。食欲がなくなったり、下痢が止まらない、身体がだるいなどの異変があったりしたら、迷わずに医者に行く習慣を身につけておきたいものである。新宿から無料で医者に行くには、福祉事務所を通していく必要がある。とは云いながら手続きは意外と簡単である。花園神社の裏の福祉事務所1階の窓口にある緑のカードに名前と生年月日を書いて待っていれば、呼び出してくれる。呼ばれたら「どこそこの調子が悪いので病院を紹介してもらいたい」旨を云えば、手続きをしてくれ無料で診察できる書類を作ってくれる。通常どこの病院も外来初診は午前中が多いので、朝一番に手続きをしておいた方が良い。朝は8時半から窓口が空いているので、カードを先に出しておけば早い時間の診察が可能だ。中には意志疎通がうまくいかない相談員もいるかも知れないが、こちらが頭に来たらお終いである。冷静にこちらの要望を伝える努力をしてみよう。「一人じゃちょっと」と云う仲間は、毎週月曜日なら俺たちの仲間が福祉事務所に詰めているので、手続きの仕方など判らない事があったら相談をしてみてもらいたい。
また、夏場の衛生管理の面からシャワーを利用したいと云う仲間も多いと思う。但し、シャワールームが福祉事務所には一つしかないので、午前中はいつも混み合う。シャワーだけの仲間は午後から相談に行ってみよう。なかなか頻繁に使わさせてくれない面もあるが、「病院に行く」「面接に行く」など重要な理由をくっつけて利用するようにしよう。 今年2回目の新宿区の無料結核検診は7月15日に、今度は中央公園ナイヤガラの滝広場でテントを張って実施する。今年まだ一度も結核検診を受診したことない仲間は、最後のチャンスなので是非利用していこう。
また、緊急一時保護センター大田寮の次回受付は来月の8日である。抽選倍率が昨年比では落ちているものの、まだまだ高い抽選率だが、常雇仕事に就きたいなどの仲間はチャレンジしてみよう。
とは云いながらも、緊急一時保護センターから仕事を探す自立支援センターに移行する仲間の内、なかなか思ったように行かずに路上に戻っ来てしまう仲間も一定数いる。自立支援センターでの基本プログラムは評価できる点は多くあるものの、やはり「時間」の問題、「年齢」の問題、「雇用情勢のタイミング」などの問題、そして、ゆとりのないプログラムの中で職員が結果的に利用者を「追い込んでいく」問題など改善すべき点は多い。俺たちは「失敗は成功の元」と考えているが、運営している都区はそうは考えておらず、「失敗」するとなかなか次のチャンスがめぐって来づらい仕組みともなっている。
自立支援センター開設からちょうど5年目を迎えようとしている今日、俺たちはそろそろ抜本的な、更に誰でも利用しやすいような自立支援プログラムに改編する必要があるのではないかと、この間、東京都との交渉を続けている。現行の自立支援センタープログラムは誰もが通過しなければならないプログラムでは決してない。これまでの経験や技術から仕事の面で、それなりの高給が取れる自信がある仲間がチャレンジしていけるある意味かなりハードルが高いプログラムである。「仕事をしたい仲間」の仲間の中には常雇いではなく、パート仕事をしたり、日雇仕事、雜仕事をしたりしながら生計を維持しようとする仲間も多からずいる。そういう仲間のニーズには自立支援センターは残念ながら応えられていない。せっかく努力して仕事がみつかったのに「もっと高い給料の職場を見つけなければ自立できないでしょ!」と職員から指導されるケースは後を絶たない。仕事には貴賎がないと云いながら、収入を基準として線引きをしているのである。これではオールマイティなプログラムにはなり得ない。「就労自立」と云った場合、施策の設計者=行政に問われるのはこの点である。
現在、俺たちは7月の都庁交渉に向けて準備を進めている。春先に提出した要望に加えた追加要望も可能である。仲間の意見、仲間の要望も是非とも聞かせて欲しい。中途半端な施策のままにして、一部の仲間だけがどうにかなる仕組みではなく、路上の全ての仲間が生きていける施策に改造させよう。常雇いではなく、パート仕事をしたり、日雇仕事、雜仕事をしたりしながら生計を維持しようとする仲間も多からずいる。そういう仲間のニーズには自立支援センターは残念ながら応えられていない。せっかく努力して仕事がみつかったのに「もっと高い給料の職場を見つけなければ自立できないでしょ」と職員から指導されるケースは後を絶たない。仕事には貴賎がないと云いながら、収入を基準として線引きをしているのである。これではオールマイティなプログラムにはなり得ない。「就労自立」と云った場合、施策の設計者=行政に問われるのはこの点である。
現在、俺たちは7月の都庁交渉に向けて準備を進めている。春先に提出した要望に加えた追加要望も可能である。仲間の意見、仲間の要望も是非とも聞かせて欲しい。
仲間たち。
暦もいよいよ7月。カラ梅雨の向こうに夏の野郎がニタニタしながら手招きをしている。今年もまた熱き夏になりそうでやれあれであるが、これもひとつの試練、アスファルトの上で焦げ付かぬようどうにかこうにか乗り切っていこう。
早くも真夏日に至ってしまった東京であるが、それに伴い、熱中症のニュースなども聞こえ始めて来た。とりわけ病弱な仲間や、高齢の仲間は気をつけていこう。日向に長時間いない、眠れる時は充分睡眠を取る、水分、塩分をしっかりと摂るなどの予防策もしっかりとやっていこう。それでも、「身体がだるい」「食欲がない」「めまいがする」などの症状が顕著な場合は、医者に診てもらうのがてっとり早い方法である。
今度の日曜日には、戸山公園(午前10時から)、中央公園(炊き出しの時間帯)でボランティアの医師による医療相談会がある。もちろん無料で実施しているので、ちょっとしたことでも良いので、身体の変調に気付いた仲間は気軽に立ち寄って相談をしてもらいたい。簡単な薬なども用意してあるし、病状が重いと診断された仲間には福祉から病院にてっとり早く行ける「紹介状」を書いてくれる。これからの季節、無理は禁物。健康管理は最優先課題にしよう。
新宿区保健所でも、15日、中央公園ナイヤガラの滝広場で無料結核検診会を実施する。今年まだ一度もレントゲン健診を受けていない仲間はせっかくの機会なので、念のため受診をしていこう。名前と生年月日を書くだけで簡単に受診できるし、万が一通院や入院が必要な仲間には迅速な対応を取ってもらえる。結核も自覚症状がなかなか表に出ない危険な病気である。とは云え、早期に発見しさえすれば完治できる病気である。
また、しっかりとした仕事を探したいと云う仲間、とにかく身体を休めたいと云う仲間は、8日の日に緊急一時保護センター大田寮の抽選会が新宿福祉事務所である。定員20名の狭き門ではあるが、こちらは年齢や病気の有無など関係なく、当れば誰でも入れる施設である。2段ベットの雑居ではあるものの、必要最低限の設備は整っている。医療体制はあるし、仕事をしたい仲間への技能講習会、借金問題などを解決したい仲間への無料法律相談会なども実施されている。入った仲間すべてがうまく行く訳ではないが、一つのチャンスと考え上手に利用していこう。
さて、夏と云えば夏まつりのシーズンでもあるが、今年の新宿夏まつりは13日~14日と日程が決定した。場所は中央公園であるが、例年使っている「ちびっこ広場」が現在改修作業中なので、14日の本祭の場所はナイヤガラの滝広場で実施する予定である。企画等については、現在募集中なので、仲間の中からも良い企画があったら是非持ちよってもらいたい。詳細はまた決り次第、このチラシで発表していくので、楽しみに!
今年は夏まつりの前に、懸案課題である「18年度以降の路上生活者対策体系」についての交渉を、22日に都庁前を舞台に実施していく。出来るだけ仲間に有利な施策を実施してもらうためにも、夏場だろうが連続して交渉を続け、長い夏の中で一定の妥結にまで持ち込みたい。その最終局面の第一段である。「なんだ来年の話しか?」と思うなかれ、予算の関係上、夏場に決定をしなければ、来年あたふたした所で何も進まない。俺たちは常に一年後、二年後と前をみながら交渉を続けている。場当たり的なたたかいでは、これだけ多くいる仲間全体の対策は進まない。「屋根と仕事」、とりわけ、低家賃借り上げ住宅施策の継続を求め夏場の熱いたたかいを祭りをはさんで頑張っていこう。
仲間たち。
空梅雨と思ったら曇天続きと、夏の入口はとりあえずひと休止と云った所か。関東地方の梅雨明けは例年20日前後なので、あと一週間前後はこんな感じの雲行きになる事だろう。とは云いながら梅雨独特の湿り気のある蒸し暑さが続くので相も変わらず健康管理には気をつかわねばならない。とりわけ病弱な仲間や高齢の仲間は猛暑の備えをしっかりとしながら、日々の生活をやりくりしていこう。
健康面もそうであるが、衛生面もまた気をつけるようにしよう。テントにしてもダンボールにしても梅雨の湿り気をそのままにしておくと病原体の住み家に化してしまう。毛布や布団、衣類などは天気の良い日に干すなどの工夫もしていこう。ダンボールも取り換えられるのであれば頻繁に取り換えた方が良い。出来るだけ快適な環境を作る事も夏場を過ごす生活の知恵である。
それでも「身体がだるい」「食欲がない」「時折めまいがする」「風邪が長引く」などの症状があった場合は、早め早めに病院に行き診断を仰ぐのもこれからの季節、絶対に必要である(15日には無料結核検診が中央公園であるので利用していこう)。そうでなくとも過酷な生活を強いられているのであるから、重い病気になったらひとたまりもない。自棄にならず、治る病気は治し、治らない病気は悪化しないよう根気強く病気とつき合っていこう。
毎週月曜日なら俺たちの仲間が必ず福祉事務所にいるので、福祉の事、病気の事で判らない事があったら気軽に相談をしてもらいたい。福祉の制度は上手に使いながら、健康管理や衛生管理に活用していこう。
さて、前回の大田寮受け付けは、夏場とは云え20名定員の所を54名もの仲間が並んだ。相変わらずの高い人気である。が、しかし仲間の「どうにかして自立したい」「元の生活に戻りたい」との意欲に応えられるだけの器を残念ながら新宿区は持ち合わせていない。外れたら次の回=「一月先まで待て」と云う仕打ちである。一般の人の一ケ月と俺たちの一ケ月ではその質はまったく異なる。俺たちにとって「永遠の苦悩」を強いているようなものである。
「自立支援事業」の入口問題、そして出口問題も含めてほころびが既に見え隠れしていると云うのに、都区はこの「自立支援事業」の事業評価はおろか、改善の意志すら感じさせられない対応を続けている。一方の「地域生活移行支援事業」も今月半ばに上野公園での受付となるが、何とこれが2年計画の最後であると云う。当初二千戸のアパート確保を謳ったこの事業も、結果としては千戸弱の事業にいつの間にか縮小されようとしている。「いつになったら大田寮に入れるのか?」「いつになったら三千円のアパートが俺たちに回ってくるのか?」との期待と不安の声が既にあがっている。
一歩踏み込んだ行政は、だからこそ、二歩、三歩と踏み込み続けなければならない。これは誰が考えても当たり前の事である。ここで手を抜くのであれば、再び同じ情況が繰りかえされるだけである事を何故行政は学習しないのか?
春の都庁交渉の中では、来年度以降の「自立支援事業」の改編、そして「地域生活移行支援事業」の継続について、俺たちの要望書に沿った「回答」を夏までに出すと確約した。夏はもちろん始まったばかりであるが、そうおちおちと待ってもいられない。7ー9月の過程の中で確定しなければ、予算上も間に合わなくなってしまう。
今年の夏まつりを挟んだ過程は、俺たちの今後を考える上でも重要な局面である。そのため、22日(金)から都庁交渉、都庁行動を再開させ、仲間の力で「前向きな回答」そして交渉妥結を勝ち取りたい。夏場のたたかいはしんどいが、現状の役所の対応に満足していない仲間は、是非とも俺たちと共に声を出していこう!
仲間たち。
そろそろ梅雨明けである。週間天気予報も毎日30度前後が記されいやがおうなく灼熱地獄に晒されていく。せめてカラッとした普通の夏を期待していこう。
夏になると熱中症とか熱射病とかで倒れる仲間が例年必ずいる。お決まりの事であるが、水分と塩分のほどよい補給、そして日当たりの良い場所に長時間いないと云うのが予防策である。とは云いながら栄養があまり摂れない環境では体力的にもたない、なんて事もあり得る。なんとか食えている仲間は体力を極力温存し、あまり食えなくて身体がふらふら、めまいがするなどの症状がある時は、早めに福祉事務所を通して医者に行くようにしよう。無理は禁物。自分の身体は徹底して労るようにしよう。
不快指数が高まると、何かといらいらかっかしてしまうが、とにかくこんな時期だからこそ冷静に。先日も西口地下で仲間の荷物に火をつける不届きものが現われた。通行人に通報されてすぐに逮捕されてしまったが、火をつけられた方はたまったものじゃない。仕事道具や免許証など全て燃やされたその仲間は途方に暮れ、とりあえず大田寮に入ることになったが精神的な打撃も深い。仲間内でこんな事をしていたのでは世間から笑われるだけである。新しい仲間もここのところ増えているが、新宿の街で仲間と共に生きようとするのであれば、同じ立場の仲間に憂さ晴らしするようなマネだけはやめよう。
福祉の使い方も同様である。カウンターで怒鳴り散らしても何もならないどころか逆効果にしかならない。
まあ、それでも口下手な仲間もいるし、ちょっと役人は苦手と云う仲間もいるだろう。そんな時は毎週月曜日(月曜日が休みの時は火曜日)に、俺たちの仲間が福祉事務所に詰めているので、中に入ってもらおう。どんな相談でも対応できるので気軽に声をかけてもらいたい。
さて、先日中央公園で結核検診が行われたが、最終結果が8月1~2日にカンパン配布場所で番号が張り出されるので、一応最終結果も確認をしておいてもらいたい。番号が掲載された仲間は福祉事務所の窓口に行けば自動的に通院の手続きをしてもらえる。入院になった場合も、もちろん治療費などは全額福祉事務所がもってくれるので安心である。感染症の病気なので念には念を入れてもらいたい。
そして、今度の金曜日は春以来の都庁行動である。午前11時に都庁前(雨の時の炊き出しの場所)に集まり、俺たちが提出した要望書がどこまで内部議論が進み、どこまで確定しているのかをしっかりと聞き出して行こう。 俺たちの要求は、借り上げ住宅施策と就労支援施策の18年度以降の継続、そして、自立支援事業の抜本的な改編である。15日、上野公園での地域生活移行支援事業説明会が終了した。5公園最後の公園である上野では8月一杯まで受付をして、9月から来年2月にかけてアパートへの移行が行われる事となる。現在移行がスムーズに進んでいる代々木公園とあわせて、今年度は五百名前後のアパート入居者が予定されている。
これで予定されていた公園での事業は終了する。新宿の地で実施され、一定の成功を収めて来た地平に続き、どの公園でも大きな混乱や大量の脱落者も出さず、おおむねスムーズに進行しているのは、事業内容が仲間のニーズに合致したからに他ならない。自立支援センターでさえ成功率50%のところを、新宿では60%近い仲間が仕事をしながらアパートを支え続けられているのは、低家賃住宅施策と、就労支援策が効果を出しているからに他ならない。「屋根と仕事」をセットにした施策の重要性、必要性はこの事からも確認が出来る。駅周辺の仲間も「俺達の番はいつになるのだ」との声は日増しに強くなっている。今回、残念ながら事業の対象にならなかった仲間に対して東京都はしっかりと方針を持ち「いつからどのように開始する」「それまで待ってくれ」と言うべきである。万が一、「これで終り」なんて事になれば、またぞろ公園では同じ情況が繰りかえされるだけである。そして、自立支援センターも開設5年目を迎え、切り換えの時期(今年秋口には新宿寮は新設される中央寮に引き継がれる)、そして計画通りこの夏には5番目の緊急一時保護センター千代田寮が開設されると云う、自立支援事業もまさに円熟期を迎える中、「失敗」してしまった仲間でも何度でも利用できる施策、そして再び路上に戻らなくても良い柔軟な施策に改編されなければ、魅力もなくなってしまうであろう。
これら諸々の課題を東京都がどう方針化するのか?それは、この夏の交渉にかかっていると云っても過言でない。大きく踏み出した路上生活者対策を前進させるのか?それとも後退させるのか?この岐路に今、立たされている。だからこそ、仲間の力で更に前進させていく取組みを強化していこう。22日、今度の金曜日、多くの仲間が都庁前に集まり、声を出し、東京都との交渉を成功裏に妥結させていこう!
仲間たち。
やれテロだ、やれ郵政だ、やれ地震だと、騒がしい出来事が重なっている。台風も現在北上中との事で、ヒートアイランドの東京の夏の幕開けはあまり芳しいものではなさそうでもある。
とりあえず酷暑は一段落しているが、これから気温もぐんと上がる日も多いだろう。夏の暑さに身体が対応しないと、熱中症やら何やらと夏場の病気にかかったりもする。とりわけ高齢の仲間や病弱な仲間などは対応力が落ちてしまうので充分気をつけて行きたい。塩分と水分補給をしっかりと行い、かつ暑い日照りの中に一日いるなどは出来るだけ避けた方が良い。現場で働いている仲間なども同様である。とりわけ建設業では熱中症による死亡災害の発生率が高い。監督が配慮してくれるところはまだいいが、現場で吐き気とか、軽い失神、痙攣など自覚症状があったら、すぐに休むようにしていかないと身体がもたない以上に、大事故につながる恐れもある。休んでばかりもいられない仲間も多いと思うが、自分の身体はとにかく自分で守る習慣をつけていくようにしよう。
そうでなくとも病気とつきあっていくのに夏場はかなりしんどい。無理をせずにどこか「調子悪い」と思ったら念のために医者にいくようにしていこう。お金がなくとも、保険証がなくとも、福祉の制度を上手に利用すれば無料で通院は出来る。だから、あんまり我慢せずに、福祉事務所の門を叩いてみよう。初めての仲間や、一人で行くのが不安な仲間は、毎週月曜日に俺たちの仲間が福祉事務所に詰めているので相談をして欲しい。また、先日実施された中央公園での結核検診の最終結果が8月1日、2日にカンパン配布場所に貼り出されるので、受診した仲間は念のためチェックの方をお願いしたい。
さて、先日22日に、百三十名の仲間が都庁前に集結して、春以来の都庁交渉をやり抜いた。久しぶりの行動であったが、多くの仲間が参加してくれて本当に助かった。交渉事で頼りになるのは、やはり数である。都庁もこれだけの仲間が集まれば、俺たちの要求は無視できない。 「地域生活移行支援事業」(月三千円の低額借り上げ住宅施策)は、現在受付がされている上野公園を最後に計画上は終了する事となっていた。しかし、多くの仲間がこの事業を歓迎し、この事業を利用している現状からすれば、「これで終り」にしたら、今回対象地域にならなかった仲間は当然納得はいかない。失敗している事業ならともかく、成功している事業を継続するのは当然の事であると、俺たちはこの春から「事業継続」を求めて交渉に入った。今回の交渉では福祉保健局は「まだ計画立案段階だが、来年度以降の継続を目指している」「広域的な事業として都区共同事業の枠組みで調整をしている」との言質を勝ち取った。具体的にいつからとか、どのくらいの枠なのかとかの話しは残念ながら今回明示されなかったが、「5大公園対策」から「広域的な23区対策」へ広げて行く意向や意欲は強く感じられたので、この点は良しとしよう。来年度以降の事業継続はほぼ手中にしたと確認できよう。
他方で、大きな課題として残されたのは、現行自立支援事業(緊急一時保護センター→自立支援センター)の改善問題について未だ具体的な検討がなされていない点である。実施後5年経ち、制度疲労と云うべき状態であるにもかかわらず、その点についての認識が実施主体にあまりにない事がそら恐ろしいと云おうか、何とも情けない状態である。まだまだ詰めていかない事にはどうにも変らないだろうとの感触を持った。 そしてアパートに現在入居している仲間の更新問題等については、「一定基準以上の安定収入が見込まれない者については更新を考えている」「第三ステップから第四ステップへの移行の諸課題についてこれから具体的に整理をしていく」と入れっぱなしではなく、今後数年先の事も考えて支援策を続けて行く事を確認した。 まだまだ満足ではないものの、仲間の要求は着実に成果を結びつつある。継続こそ力である。今後も継続した交渉を続け、仲間の希望を確実に導き出して行きたい。
そして、来月は新宿夏まつりである。13日夜から、14日、二日間、新宿で亡くなった仲間を追悼しながら、過酷な夏場を超える生きている仲間のの英気を養い、次なるたたかいを準備していこう。
仲間たち。
蒸し蒸しする夏が続いている。せめてカラッとしてくれないかと思うものの、近年の東京の夏は年々蒸し暑さが増して来るようでもある。水分、塩分補給をしっかりとし、また体力温存で行かない事にはこんな夏は乗り切れそうにもない。お盆までは夏真っ盛り、お盆が過ぎればすぐに秋の気配も見え隠れしてくるだろう。
こんな季節はとにもかくにも健康第一。調子が悪いなと思ったら、身体を休ませ、可能ならば福祉を通して医者に通うようにしていこう。今度の日曜日は夏まつりの関係で一週繰り上げて戸山公園、中央公園で医療相談会もある。ボランティアの医師が来てくれるので気軽に身体の事を相談してもらいたい。通院が必要な仲間には「紹介状」を書いてくれるので何かと便利でもある。「紹介状」を持っていけば福祉で面倒な事を言わなくてもすぐに専門病院を紹介してもらえる。もちろん、福祉なので医療費は行政が持ってくれる。お金がなくても、保険証がなくても医者にかかる権利は誰にでもある。上手に行政のサービスを利用し、自分の身を守っていこう。
仕事を探している仲間は、8日(月)に緊急一時保護センター大田寮の入寮受付が新宿福祉事務所である。枠が少ないものの、こちらも利用価値があるのでひとつの「チャンス」だと思い、是非応募して行こう。緊急一時保護センターは9月に計画最後の千代田寮が開設される事となっているので全体枠が増加する予定である。大田寮を利用している新宿区にどのような影響があるのか不明だが、そんな事もあり現在大田寮は定員を大きく下回っている。身体を休める、常雇の仕事に就く、技能講習を受ける法律相談や医療相談を受けるなど、それぞれの使い道はあると思う。こちらもまた上手に利用していこう。
現在、地域生活移行支援事業の受付が上野公園で実施されているが、初日に60名近い仲間(流動組の仲間)が殺到して申し込む等、この事業の浸透度が強まった事もあり、かなりの人気を博している。この事は逆に云えば「テント対策」「地域対策」と云う狭い枠組みは必要なく、23区にこの事業を拡大してもらいたいと云う仲間の表現であるだろう。東京都や23区はこの事をしっかりと認識し、上野での事業が終了したらすぐにでも全都区対策としてこの事業を更に拡大すべきである。もちろんそのための交渉を続けながら、新宿での再実施を強く求めて行きたい。
さて、8月にもなると夏まつりの時期でもある。今年は13日(土)の夜に前夜祭(亡くなった仲間への追悼会、カラオケ大会など)を中央公園ポケットパーク(いつもの炊き出しの場所)を行い、翌14日(日)に会場を中央公園ナイヤガラの滝「水の広場」に移してお昼頃からゲーム大会やらスイカ割りなどで楽しみ、夜は炊き出し弁当を食いながら、コンサート(おなじみのメンバーが参加してくれます)で暑気払い、そして最後は盆踊りと、云う趣向で企画を進めている。と、云う事で14日(日)の炊き出しは場所が変るのでその点を了承してもらいたい。また、時間も午後5時半に整理券を夏祭り本部で配り、配食は6時半となるのでお間違いのないように。いつもよりボリュームのある特製お弁当をみんなで作るのでそちらも楽しみにしてもらいたい。
仲間の祭りで俺たちの存在を社会に発信しながら、酷暑をみんなで乗り切ろう!
仲間たち。
夏本番である。連日35度を越す猛暑続きであるが、調子の方はどうだろうか?昨年に比べればまだましとの声もあるが、それにしてもこう気温が上がるとちょっと動いただけで汗が吹き出し、頭もクラクラしてしまう。言わずもがなであるが、熱中症対策は充分にしていかないとかなり危険である。塩分、水分の補給はもちろんの事、日当たりの良い場所に長時間いない、日に当ったらタオルで頭を冷すなども必要である。夏場はどこでも寝られるとは云うものの、熱帯夜が続くと睡眠不足にもなりがちである。そんな事から体力を消耗したり、その隙を狙って病魔が襲ったりもする。熱中症に限らず、体調管理はしっかりとやっていきたいものである。それでも「身体の調子がおかしい」「食欲がない」「身体がだるい」などの症状になったら、迷わず福祉を通して医者にいくようにしよう。福祉を通せば無料で病院を紹介してもらえ、入院や通院も可能である。手続きは簡単なので、こういう制度は是非とも利用していこう。
一人で福祉にいくのは「ちょっと」と思っている仲間は、毎週月曜日は俺たちの仲間が福祉事務所に詰めているので、福祉の使い方などのアドバイスをしてもらおう。何なりと気軽に相談をしてもらいたい。病気の仲間、高齢の仲間を支えていくのはこんな季節にはとりわけて重要である。皆の力を借りながら仲間が路上で亡くなる事がないよういろいろな取組みを続けて行きたい。
けれど実際には多くの仲間が路上で亡くなっている。夏まつりでの追悼会はこの一年間で亡くなった仲間の新盆である。知っている仲間、知らない仲間もいるだろうが、同じ路上で呻吟してきた仲間である。路上で残った仲間が手を合わせ、線香でも手向ければ安心して冥土に行けることだろう。遅かれ早かれ次は誰かの番である。無縁仏になろうとも、年に一度は仲間の死を悼む集いがありさえすれば、せめてもの慰めになろう。どこまで生き抜けるかなど判りはしないが、路上で生きて来たと云う現実は、是非に関らずまごうことなき事実である。同じ世界で生きて来たものは、出自が違おうと同じ仲間である。俺らの悲しき夏は都会の片隅の蝉時雨の如きであるが、それでも片寄せ合って生きていくしかなかろう。
新宿の夏まつりはこのように変な祭りではあるものの、田舎に帰れないお父さん達が、それでもどっこい生きている事を証明する祭りでもある。歌あり、踊りあり、飯もあり、酒もありと、この二晩だけは腹の底から笑い合い、踊り合い、仲間と共に生きている事に感謝を捧げよう。
13日(土)は夕方5時から中央公園ポケットパーク(いつもの炊き出しの場所)で、追悼会、カラオケ大会、そうめん配食と前夜祭を楽しみ、14日(日)は場所をナイヤガラの滝のある「水の広場」に移して正午から、散髪やら、かき氷やら、ゲームやらをし、夕方5時半から特製弁当の整理券を配付、6時半から配食開始し、食事をしながらビンゴゲームやらコンサートを楽しみ、盆踊りで締めていこう。
蒸し暑い夏の日は独りでじめじめしているより、大勢の熱気で汗を流した方がよほど涼しい。路上の仲間、路上から脱した仲間、路上にゆかりのある仲間、全員集合といこうじゃないか!
仲間たち。
お盆前後は不安定な気候で時折涼しくもなったりしたが、盆が明けるやまたもや過酷な残暑が連日続いている。それでも高校野球も終り、葡萄の出荷も始まり、8月も残り一週間ちょっとである。残り少ない夏をどうにか乗り切り実りの秋を迎えたいものである。
それにしても夏場の体調管理はなかなかしんどいものがある。ちょっとした事でバランスを崩したりもするのでとりわけ血圧が高いとか、内蔵疾患等の持病を持っている仲間は気をつけていこう。もちろん熱中症、食中毒など夏場特有の病気の対策もまだまだ油断は出来ない。体力が奪われる事もあり「だるい」「気力がわかない」などの症状になる仲間も多いようだ。これらはどこか身体の調子が悪いと云うサインでもあるので、あまり自分の身体に過信をせずに、一度は病院に行った方が良いだろう。
毎週月曜日には俺たちの仲間が必ず花園神社の裏にある福祉事務所に詰めている。福祉を通して病院に行きたい仲間は気軽に相談をしてもらいたい。お金をたっぷり持っている訳でもなく、保険証がある訳でもない俺たちは、どうしても病院にかかるときは福祉を利用しない訳にはいかない。これは別に恥ずかしい事じゃなく、俺たちに認められている権利の範疇である。今の福祉は昔の福祉と違って対応もまあまあだし、紹介してくれる病院もそこそこの質の病院を紹介してもらえる。もちろん入院になった場合も対応してくれるし、通院も可能であるし、医者が「稼働能力なし」と証明してくれればドヤや宿泊所に病気が治るまで無料で泊めてくれる。身体を壊してしまえば就労自立も社会復帰もありゃしない。まずは今ある制度を利用し尽くし、病気の仲間は病気とつきあいながら体調を出来るだけ維持していくようにしよう。
さて、先日は新宿夏まつりへの参加、ご協力、どうもありがとう。お陰さまで六百名近い仲間が集まり、盛大な夏まつりを今年も開催する事が出来た。路上の仲間、生活保護を取った仲間、アパートへ移行した仲間、就労自立した仲間など、新宿の路上にゆかりのある仲間が集まった大きな同窓会のような祭りで、無念に亡くなった仲間もきっと喜んでくれた事であろう。「もっと頑張れよ」と口々に言っている姿が目に浮かぶ。これが俺たち新宿の仲間の団結だと胸を張って言い得る力になったことは間違いない。こうやって俺たちは成長してきたし、これからも無限に成長し続けて行くことだろう。
実は8月の第一週と云うのは東京都が毎年実施している概数調査の週でもある。2月の調査では新宿区内の仲間の数が減ったと、新宿区などは大はしゃぎをしていたが、確かに減ったのは戸山、中央のアパートへ移行した仲間のテントの数だけで、その他は減ったどころか、ここに来てまた増えているのも実情である。8月の調査結果がどのようにでるかは楽しみであるが、徹底した自立への階段を用意しないことには、一時的な減少はあくまで一時的でしかない事がきっと明らかになるであろう。 三千円のアパート借り上げ事業は新宿では第一グループが移行してそろそろ一年が経とうとしている。この事業、新宿での成功から隅田公園、そして今年の代々木公園、上野公園と現在まで順調に多くの仲間がアパートへの移行を済ませている。当初「すぐ出てきてしまうだろう」などと云う意見もあったが、意外と失敗者が少なく、「屋根と仕事」をセットにしたこの事業の仲間の評価はますます高まっている。とりわけ、現在、何らかの仕事に就いてカツカツの生活を営んでいる仲間からの需要はかなり高いものがある。そうでなくても一人の力でアパートを確保するのは大変な事である。お金の問題、保証人の問題など課題は沢山あり、諦めていた仲間も多いと思う。それを一気に解決できるのが、今回の事業である。もちろん自分に合う合わないと云う問題はあるだろうが、それでもこの事業の必要性は、現状においてかなり高いと俺たちは認識している。先の交渉で来年度以降も継続実施するとの言質を東京都から得たが、規模および条件が今後の課題となる。聞くところによれば「一年以上の野宿歴が必要」だとか「アセスメント」をして利用者を決定するとか、そんな案が特別区内では話し合われていると云う。こんな条件付けはまったくのナンセンスである。「事業利用を希望したい」とする主体性を重んぜずに、役所の恣意的な判断で選別するのであれば、これは違った事業になりかねない。事業規模を可能な限り大きくし、野宿歴や野宿形態がどうであろうが利用したい仲間が自己責任で利用できる仕組みの構築こそが、この事業の発展形態ではないのか?今後来年度からの事業継続をめぐってこの点をつめて行く必要があるだろう。
また、新宿区は現行の大田寮への毎月20名の入所の他に、9月中旬から実質開設される緊急一時保護センター千代田寮への利用開始も先日打ち出した。つまり、緊急一時保護センターとして、大田寮の他に千代田寮も同時に使うと云う事である。千代田寮には上限29の新宿枠が確保されるとの事である。利用の幅が広がるのは率直に歓迎したい。そして、これに伴い、大田寮は「抽選会」、千代田寮は「随時入所」(つまり福祉事務所で個別相談をして入所する)と云う方法に統一される。くじ運の悪い仲間も福祉で相談をすれば入れる可能性があると云う事で、選択肢もまた広まった。しかし、他方で緊急一時保護センターは誰でも入れる「シェルター」なのかそれとも「自立の第一ステップ施設」なのかと云う位置づけの議論が行政内部において未整理のままである。この点が整理されていかないと、来年度実施される予定の「巡回相談センター」構想も含めて混乱は必至である。
国の方も訳のわからん解散劇で、政治の世界が今後どうなるかわからなくもなって来ている。来年度予算の編成ももしかすると遅れるかも知れない。底辺の仲間に影響がないようこちらも注目をしていく必要があるだろう。 秋にかけて課題は山積みである。それでも、俺らはここで生きている力を武器に前に前に進んで行きたい。
仲間たち。
関東上陸にまで至った台風が過ぎ去った後はまたもや厳しい残暑と、今年の夏も相当粘っているようである。とは云いながらももうすぐ9月、熱帯夜が少なくなり日を追うごとに涼しい風も吹き抜けることだろう。何もしなくても体力を使う真夏が過ぎ、秋へと向かう季節の変わり目は、奪われた力を取り戻す時期でもある。体調を戻しながら普段の生活に転換していこう。
それでも体調が戻らない、だるさが抜けない、食欲がないなどの症状が続く仲間は、おそらく回復力が落ちているなどいろいろな問題が身体の中で発生していると思われる。そんな仲間は一人で悶々としているよりも、てっとり早く医者に診てもらった方が良いであろう。中高年にもなれば健康なままの人の方が珍しいくらいなのだから、それぞれどこかおかしくなっているものである。もうそんなに若くはないのである。思いきって身体の事を重点的に考える発想を身につけていこう。
毎週月曜日は花園神社裏の福祉事務所内に俺たちの仲間が詰めている。一人で福祉を通して医者に行くのは何だな、と思っている仲間は気軽に声をかけてもらいたい。そりゃ初めての時は緊張したり度胸がいったりする。近くに相談できる人がいるといないとでは精神的に違うので、俺らの福祉行動をいろいろな意味で是非とも利用してもらいたい。新宿福祉もそれなりの対応はしてもらえているので、そう難しく考えず、空いている時間があるならば福祉を通して医者に行く習慣をつけておこう。
世の中選挙一色にだんだんなりつつあるが、投票用紙が届かない俺たちは今のところ静観してる他がないようである。とは云え、生活保護を取ったとか、低家賃住宅に入居したとかの仲間は住民票を移しさえすれば投票用紙は届くようになるから他人事でもない。政治の話しは意外と俺たちの生活に直結する問題なだけに、いろいろと関心を持ってみていこう。これ以上失業者を無闇やたらに発生させる政治、地方と都市の格差を大きくするような政治が続くのであれば、俺たちのような仲間は次から次へと生まれ出される。「やり直しのできる社会」、そして「これ以上の失業者を生み出さない社会」が路上から考える理想の政治であるが、まあ、それは残念ながら争点にはなっていないようである。当面は路上生活者対策の諸問題をじっくりと考えながら先に進むしかなさそうである。
さて、その対策であるが、例の三千円のアパート提供事業を来年度にどのように継続させるのかの議論が現在、行政内部においてもさまざまな形で展開している。「ホームレス対策連絡協議会」は7月14日に、「拡充事業」の検討報告を特別区厚生部長会に提出し、来年度以降、5つのブロックに分けた各ブロック単位で地域生活移行支援事業を実施する事、入口部分の受け皿として「巡回相談センター」を各ブロック内緊急一時保護センターに併設させ、アウトリーチで相談を行う事などが報告されている。
基本的には連絡会要求の水準を下回るものではなく、ここまでは評価できるであろう。しかし、具体論になると地域生活移行支援事業利用対象者を「都市雜業等で一定の収入のある、若しくは今後一定の収入が見込まれる原則として年齢55歳以上、路上生活歴1年以上の者」とかなり狭く限定しており、昨年、今年の事業と比較しても「後退」の感が強い。ここでは、その根拠が何も示されておらずまったく唐突以外の何ものでもない。こんな制限的な発想では、今回の事業のようにダイナミックに仲間が動くと云う事は考えられないし、本人はその気で巡回相談員と相談し、緊急一時にまで入ったはいいが、結果として「利用対象外」と宣告され、やる気を失い、騙されたと思い再び路上へと云う絵図が簡単に想像できてしまう。
常々連絡会が云っているように、「それぞれの事業のメリットデメリットを明らかにした上での本人の選択(契約)」。この事に選別の基準を置かない事業、この事に時間をかけない事業は結果としてロクな事業にならない。その場合、年齢や路上歴の長短などはまったく関係ない。65歳以上は生保で、55歳以上は地域生活で、それ以下は自立支援センター、なんて云う安易な発想では、路上の仲間が一番困るのである。それぞれの困難性に応じた支援策がなければ、せっかく多様化しつつある施策の意味がなくなってしまう。
これらの事をどうこれから行政が考え修正していくのか?そしてどう要求行動を貫徹させるのか、秋が楽しみである。
仲間たち。
9月になったとは云え、まだまだ厳しい残暑が続いている。東京の暑さは「蒸し暑い」の一言で表現できる程なので、体力を消耗しやすい。夏から秋への移ろいは行ったり来たりの繰り返しとなるので、体調管理には十分に気をつけよう。
今度の日曜日は、戸山公園で午前10時より、中央公園では午後7時よりボランティアの医師による医療相談会が実施される。晩夏の健康管理のために是非とも利用してもらいたい。福祉を通して病院で検査、継続的な治療が必要だと思われる仲間には「紹介状」を発行してもらえるので、それを持って福祉事務所から専門の病院を紹介してもらえるシステムとなっている。住民票がなくても健康保険証がなくても大丈夫であるし、もちろん治療費は福祉から出してもらえる。身体の異変は自分が一番良く分っていると思う。あまり過信せず、「最近調子がいまいち」と思う仲間は一度医療相談会のお医者さんに診てもらうようにしよう。風邪薬とか胃薬とか市販の薬も無料で提供しているので、軽度な場合は薬を飲んで様子をみるようにしよう。
福祉事務所には毎週月曜日に俺たちの仲間が詰めている。病院に行くなり、高齢で生活保護を取りたいなり、福祉に関して分らない事があったら、こちらにも相談をしてもらいたい。
木曜日には恒例の大田寮入寮抽選会が新宿福祉事務所で実施される。枠は20名枠となり、応募が超えた時は抽選となる。身体を休めたい仲間、自立支援センターに行って仕事を探したい仲間などはチャレンジしていこう。
これに関連してだが、先日、都内5番目の緊急一時保護センター千代田寮の一般公開があったので、開設前の千代田寮の見学に行って来た。場所は四谷と市ケ谷の間にある外堀公園の中なので、千代田区と云いながら極めて新宿に近い立地条件である。受託団体は特人厚事業団で、初めて行政の外郭団体が担当する事となる。規模は60数名で、中規模施設となっている。もちろん居室は複数名の雑居であるが、二段ベットでカーテン仕切りと、最低限のプライバシーは守れる格好である。裏が野球グラウンドで見晴らしが良く、また緑も多く都心の中の住環境としては悪くはない。
特人厚事業団とは云え初めての緊急一時保護センター運営であり、どこまで親身に支援してくれるのかは未だ未知数であるが、概ね平均的な水準になるのではないかと予想される。新宿から云えば近いと云うのが最大のメリットであろう。
この千代田寮は今月半ばから新宿区からも入寮できる事となっている。大田寮と同時並行利用になるが、大田寮と違うのは、入寮方法で、抽選会と云う形を取らず、福祉事務所の窓口での申請となる所である。大田寮は抽選に当れば入れたが、千代田寮は窓口で自分をいかにアピールできるかにかかっていそうだ。福祉は自立支援センターに行き常雇い仕事を早期に探せられると判断すれば、枠が空いている限り入寮させてくれると思う。だから、千代田寮に入りたい仲間はその点を重点的にアピールしてもらいたい。最近野宿になってしまった仲間や、比較的若い仲間、専門的な資格や職歴を持っている仲間などがおそらく合格点が高いと思われる。駄目だと思わずこちらも是非ともチャレンジしてみよう。
三千円のアパート事業「地域生活移行支援事業」は来年度にならないと再実施されない。近々区長会レベルで来年度の事業継続が確認される予定だが、詳細が決まるにはまだ時間がかかりそうである。それまで、現行の自立支援事業、そして生活保護制度を上手に利用しながら何とかやりくりしていこう。施策が縮小される事は今のところ可能性としてはない。今が拡大局面である。希望を捨てずに前向きに秋へと突き進もう。
仲間たち。
まだまだ残暑の日はあるものの、9月も半ばともなれば秋の気配がそこかしこに見え隠れし始める。短い夏も終った。実りの秋へとこれからは一直線に移行する事だろう。朝晩、涼しい風が吹き抜けたりもする季節になる。いままでのように、どこでも眠れる季節ではなくなるので、そろそろ風が抜けない寝場所の確保もしておいた方が良いだろう。そして、季節の変わり目は何かと身体がおかしくなりがちである。調子の悪い仲間は早め早めに医者にかかる習慣をつけておこう。毎週月曜日は俺たちの仲間が福祉事務所に詰めているので、何かあったら気軽に相談に来てもらいたい。
さて、先日の大田寮抽選は20名募集のところ39名応募と、厳冬期を除けば初めて2倍を切ると云う低い抽選率になった。千代田寮開設の影響が多少は現われて来たのかも知れない。既に新宿区は数名単位だが千代田寮利用を開始しており、常雇仕事に就きたい仲間の選択肢として、あえて月一度の大田寮抽選に固執する必要も今後なくなるだろう。選択肢が増えると云う意味ではこれは良い傾向である。先週のチラシにも書いたが、今後、大田寮抽選に外れた仲間も、福祉事務所の窓口で相談していけば、千代田寮に入寮できる可能性はある。千代田寮の新宿区枠の上限は29名とのことなので月15名前後の入寮は充分可能となる。
新たに野宿になって安定した仕事をなんとか探したいと願っている仲間は、福祉事務所で早速相談をしてもらいたい。また、自立支援センターを一度利用しても、職場の都合でクビを切られたとかの仲間なら再利用は可能である。そんな仲間も諦めずに相談に行くようにしよう。他方、自立支援センターで上手く行かずに自分で出てしまった仲間や、仕事が見つからず期間満了で出されてしまった仲間は、残念ながら今の仕組みでは再利用は不可能となる。但し、大田寮だけなら退所後半年経っていれば利用できる。身体を休めるなり、簡単な技能を身に付けるなりの利用方法はあるので、そんな仲間は毎月の抽選会の方でチャレンジしてみよう。 施設の利用方法については今後多少複雑になるとは思うが、それぞれの経緯や希望などを考え、自分にあった施設利用方法を見いだしていこう。こちらも分らない事があったらパトロール隊などに聞いてもらいたい。
自立支援センターも開設後5年が経った事もあり、新宿寮が閉鎖され、10月からは新設の中央寮に引き継がれる事となる。詳細はまだ不明であるが、施設管理は特人厚事業団が行う事になっている。
曲がり角の自立支援システムであるが、予定されていた10施設が全て完成され、かつ5年後の引き継ぎも順当に回転し始めており、これからはこの限られたキャパの中でどのように有効な事業が実施できるかが最大のポイントとなる。就労支援を軸とする事業の充実は当然であるが、この事業からこぼれてしまった仲間も常に拾い上げて行くような仕組み作りが重要だと俺たちは考えている。誰もが野宿のままで満足などしていない。この路上から安心して脱却できる仕組みを仲間の力で広く、そして柔軟に作りあげていこう。
仲間たち。
ようやく都会に吹く風も爽やかにになり、大気も澄み渡って来た。まだまだ残暑が続くものの、気がつけば9月も半ば、秋が一気に深まる季節である。秋雨を経れば、すぐに寒さが身にしみるシーズンである。今の内に夏場に溜った疲れを癒しておこう。
最近になって新宿の街に流れ着いた仲間も多いと思う。そう云う仲間も含めて健康管理と寝場所の確保だけはしっかりとしていこう。公園などで小屋なしで過ごす仲間も多いが、何の装備もなく寝ていると、朝晩の風で喉をやられたり、風邪をもらったりする。季節の変わり目だからか、ここのところ風邪の仲間も目につくようになってきた。高齢の仲間や持病を持っている仲間などは特段の注意が必要だ。路上の仲間にとって重い病気になってからだと、それこそ薬もなく、身体も動かず、看病してくれる人もいないと大変な事になってしまう。是非とも病気や体調変化の兆候を見逃さず、早め早めに対応をしていくようにしよう。
簡単な市販薬なら、炊き出しの時やパトロールの時に俺たちが持っているので、気兼せず声をかけ貰って欲しい。また市販薬では治らない専門的な治療が必要な病気の場合や、「何だか分らないけれども調子が悪い」と云う仲間は、福祉事務所を通して病院に行くようにしていこう。福祉事務所は花園神社の裏の分庁舎の1階にあるので、いざと云う時に迷子にならないよう場所だけは確認しておいてもらいたい。窓口に緑色のカードがあるので、そこに「氏名」「生年月日」を書いて提出するだけで、面接が受けられる。面接の時に「どこそこが調子が悪いので病院を紹介してもらいたい」旨を云えば、簡単な受け答えだけで病院を紹介してくれる。さほど難しい手続きではないのでおおいに利用をしていこう。毎週月曜日(月曜日が旗日の場合は次の日)に、俺たちは必ず福祉事務所に詰めて、そこら辺の手助けをしているので、初めての仲間や、ちょっと「口下手」だとか、「前に福祉と喧嘩した」などいわく因縁がある仲間は一言相談をしてもらいたい。
その他、福祉では、カンパンの配給やら、シャワーの利用やら、衣類の提供やら、飯場等へ行く時の電話の利用や交通費の貸付やら、いろいろな面でのサービスも実施している。もちろん役所だから「出来ることと出来ないこと」があるので、分らない事があったら相談窓口の職員に聞くようにしていこう。
病気の仲間で「仕事が出来ない」程重症の仲間や「入院」が必要な仲間は、病院の証明をもらってくると、生活保護の手続きをして、簡易旅館(ドヤ)や宿泊所での宿泊、また入院の仲間は当然入院の手続きをしてくれる。高齢の仲間で65歳以上の仲間や女性の仲間は病気でなくとも泊るところを紹介してくれる。病気の重い軽いは素人では判断できないので、一度は病院に行く必要があるが、もしそう云うケースになったとたらせっかくのチャンスなので迷わず利用していこう。もちろん高齢の仲間以外は「病気が治るまで」「仕事に就くまで」との期限がつく。仕事探しの支援は福祉では限界があるので、一人でやらなくてならないのであるが、今月から新宿区では生活保護の新規事業「自立促進事業」が開始されたので、そんな事業を利用しながら「一人ぼっち」にならずに色々な人と相談しあいながら前向きに生きていこう。
さて、この間、このチラシで報告して来たが、千代田寮が開設された事により新宿区から緊急一時保護センターに入寮する方法が増えたので生活保護を取れない仲間で仕事を探したい仲間は、左の表を参考にそれぞれチャレンジして行ってもらいたい。こちらも法律相談とか技能講習とか色々な事業が組み合されている。比較的若い仲間なら上手に使って行く限り就労自立への可能性はそんなに低くはない。昔のように甘くはない御時世である。何ごともチャレンジ精神で「困難」を自分の力で打開していこう。
戸山公園では若干の整備工事がそろそろ始まるとの事で当該区域のテント移動要請が既にあったと思うが、これは「追い出し」ではなくあくまで公園内の移動なので協力できるところは協力してもらいたい。
深まる秋と同時に気持ちも深まってきたりもするが、ひたむきに、堅実に歩いていこう。
仲間たち。
彼岸の中日も過ぎ、いよいよ本格的な秋の暦となる。秋の夜長に物思いに更けるのも良いかも知れないが、日々の生活に追われている俺たちにはそんな余裕はないかも知れない。朝晩の風も日に日に冷たくなり、雨の日ともなれば睡眠時間は一気に減る。そうでなくとも安心して眠れる場所などない路上、うっかりしていれば身体を労る時間もあっと云う間になくなってしまう。中長期的な備えは流石に無理だとしても、目の前の直近の備えはしっかりとしていかなければ身体も心もボロボロになって行く。絶望と諦めが支配する路上では、それに抗う力は時としてとても小さなものに見えてしまう。路上に人が暮らすという惨禍を日常のものとして受け容れている歪んだ社会に迎合したり埋没したりせず、たとえそれが小さな努力でも個々の努力を集め路上から安心して脱却できる仕組みを模索していこう。俺たちの団結と云うものは路上と云う強いられた空間のみにある訳ではない。地獄からの一歩は、壮絶な第一歩であるが、堕ちているままでは何も楽しい事はない。人生最後の力を振り絞り一人ひとりの現状を己の力で、そして仲間の力で変えていこう。そのための環境作りに俺たちは邁進して行く。
福祉も、自立支援センターも、アパート借り上げ事業もそのための階段である。もちろん無理強いするものではないが、可能な仲間は、今あるチャンスを、自分のために、そして次に続く路上の仲間のために大胆に利用していこう。
調子が悪くなった仲間は福祉から病院を紹介してもらう事がなによりも健康回復への早道である。これまで実に多くの仲間が福祉の制度を使って病気を克服したり、アパート等での地域生活へ戻る足がかりにしている。こちらは生活保護制度と云う戰後から脈々と続く社会保障制度の一環なので、他の施策に比較すれば厳格に施策が構成されている。逆に云えば一度受給が開始されれば、個々の状況に合わせてではあるものの安定的に制度が利用できると云うメリットがある。とりわけ高齢の仲間や病気がちの仲間は、それぞれの病状に合わせたプログラムとなるので、安心感は高いだろう。欠点を云うならば一定の「指導」の元に置かれるので制限が多々あり、その意味での自由度は低いものとなる。
他方、自立支援センターを中心とする自立支援事業の方は、住民票を置いて、比較的安定した仕事に就きたい仲間のニーズに即した事業となっている。こちらは一定の期間内に就労支援と住宅支援を徹底して集中させるもので、卒業してアパートでも確保してしまえば後腐れがない。自分で働いた金で酒を飲もうが、何しようが、それこそ自由である。但し、その分だけ自分の意志や能力が最大限に問われる事業である。技能習得の講習などもあることはあるが、限られた時間内、期限内でやらなければならず相当の集中力が要求される。病弱な仲間や、再就職に時間がかかる高齢の仲間には不向きと云えよう。先日開設された千代田寮はまだまだ定員の半分しか満たない状況なので、チャレンジしたい仲間は積極的に福祉事務所で相談をして欲しい。大田寮の方も来月7日に受付があるのでこちらも多いに利用していこう。
こう列記してみると分ると思うが、生保と自立の中間的な施策が現在足りないのである。生保を受給したいが「病状がそれ程ではない」「年齢がそんなにいっていない」自立をしたいが「年だし技能もなく再就職には時間がかかりそうである」「住民票を移したいが借金問題などが片づかないし、片づけるには時間がかかる」等々。そのすき間を埋めるために実施されているアパート借り上げ事業=地域生活移行支援事業であるが、新宿の第一段は受付が終ってしまい、再び実施されるのは来年春以降である。
このように未だ施策は途上のままである。行政も施策が途上のままでは追い立ても出来ない(これは法律で明記されている)し、また俺たちも現状維持の袋小路である。ここに今の難問がある。いかに俺たちが路上から卒業できるだけの規模と内容の施策を引き寄せて行くのか?追い立てられる前にいかに仲間の力で、今の袋小路状態を打破できるのか? 難題の秋ではあるが、現状に満足する事なく、新たな俺たちの未来をひとつひとつ手繰り寄せていこう。
仲間たち。
夏もあっと云う間に過ぎ去り、秋たけなわの日々となった。朝晩の風は冷たくなり、移り気な秋雨は野宿の辛さを日々実感させる。食欲もスポーツも芸術もまるで過ぎ去った過去のような秋ではあるが、それでも透き通った秋の空を眺めていると心の中はいくらかは癒される。
急な夏の終りで風邪などを引き込んだ仲間も多いようだ。季節の変わり目はことのほか調子が悪くなる仲間を生み出して行く。体調管理には万全を来していきたい。今度の日曜日は恒例の医療相談会があるので、「風邪を引いた」「胃の具合が悪い」「血圧が心配だ」「身体が最近だるい」などなどの仲間は気軽に相談に来てもらいたい。市販の薬はもちろんのこと、専門的に治療が必要な仲間には「紹介状」をその場で発行してもらえる。「紹介状」を持って福祉事務所に行けば、面倒な事なく無料で行ける病院を紹介してもらえる。身体の異変は自分で訴えなければなかなか他人には分らないものである。臆することなく思い切って相談をしてもらいたい。
「福祉事務所に行くのはちょっと」と云う仲間も、毎週月曜日なら俺たちのスタッフが福祉に詰めているので、何かあった場合でも大丈夫である。一人で行くのが不安な仲間は俺たちのスタッフに声をかけてもらいたい。
さて、路上での国政調査の方は無事に何事もなく終了した。協力してくれた仲間どうもありがとう。俺たちの現状が何らかの形で国や地方行政の施策に生かされる事を望みたいものである。利用するだけ利用してとならないよう、俺たちも国の動き等を監視していきたい。先日も国会会期中の国会へ大阪の仲間と共にロビー活動をして来たが、まだまだ選挙後の体制が落ち着いていない事もあり目新しい動きは特に引き出せなかった。国の方も大胆な施策と云うよりも財政難の中、施策の現状維持が課題のようである。
そんな中、8月の東京都の概数調査結果(昼間の)が発表され、マスコミでは「減った減った」と云われているが、国の管理分を含めてではまだまだ約五千六百名と、地域生活移行支援事業分が減ったに過ぎない結果としかなっていない。要は事業実施で大都市公園部は減少傾向にあるが、それ以外は相も変わらずと云うだけである。この統計が現しているものは「だからこそ、屋根と仕事につながる事業を拡大していかなければならない」と云う事のみである。移動層の仲間も含めて23区対策として地域生活移行支援事業を大規模に実施させる事を本気で考えない限り、この数値は一時的なものにしかならないだろう。中でも新宿区は千人台から一気に四百名台と半減以上の数字となっているが、炊き出しの数は依然四百名前後、パトロールの夜間の数値も新宿駅周辺だけで五百名近くをカウントしている。馬場地域や他地域を含めれば区内で六百名から七百名前後が実数と考えられる。こちらも事業分だけ減っているに過ぎない。景気が「踊り場」とは云え、景気は一部の業種が良くなっているだけ、大企業のリストラもまだまだ続き、しかも労働者の収入ベースは減っていると云えば、「ホームレス問題」の「根」は社会の中で未だ渦巻き続けている。数字の独り歩きの中で行政が楽天的な勘違いをしないよう、俺たちの施策要求もまた正念場である。ここで手を抜いたら「元の木阿弥である事」をしっかりと学ばせて行こう。
仲間たち。
10月ももう半ば、街は運動会シーズン、秋風に乗って子供達の歓声が響き渡る。葡萄だ、栗だとデパ地下では実りの秋の即売会がここぞと催され、秋たけなわである。
風邪がこの間、流行っていたが乙女心の秋口の気候にはもう皆んな慣れただろうか?まだ風邪を引きずっている仲間はとりわけ注意をしていこう。熱など出ると大変である。風邪もあまりに長引くと、別の病気の可能性もあるのできちんと診てもらった方が良い。福祉行動は毎週月曜日(月曜日が旗日の場合は火曜日)に必ず実施しているので、福祉を通して医者に通いたい仲間は早め早めに相談をしてもらいたい。
大田寮の今月分の入寮受付は7日の日に行われたが、20名枠に27名と、確実に希望者の数が減って来た。大田寮は毎月一回の受付だけだが、千代田寮随時入寮枠と云うのを設けているので、福祉に相談に行くとたまたま空いていて入れるなんて事もあるようなので、仕事をしていきたいと云う仲間はおもいきって相談をしてみよう 雇用情勢で云えば10月は人の出入りが何故か昔から多い月。人数が落ち着いた新宿の路上であるが、ここに来て新しい仲間が増え初めているのはそんな影響か。秋の再就職戦線から敗れた仲間が路上に舞い降りてもまた不思議ではない。景気が良くなったと云われているが、俺たちの回りはそんな影響どこ吹く風。寄せ場は多少は仕事は出ているものの、これまたいつなくなるか分らないいつもの気まぐれとしか建築の仲間は見ていない。機械化や合理化がすさまじいい勢いで進んでいる産業界では、日々単純肉体労働や軽作業労働は少なくなり、他方で最新の情報や技能から立ち遅れた仲間を次から次へと排出して行く。また、人間の能力の限界を要求する産業界にあってかつての雇用環境はまったく破壊。自殺者やうつ病などが蔓延し、若者も働く喜びすら見いだせない「ニート」と呼ばれる層が形成されている。
「あと5年、10年、働きたいのだけれども…」と云う仲間が次に就ける仕事が限られてしまう中、少ないパイの取り合いが一方での現状である。ハローワークの有効求人倍率は改善されているものの、55歳を超えた求人はほとんどんなく、またあったとしても給与の安いパート労働くらいしかない。 東京都の自立支援センターは11月に中央寮と北寮が開設(代わりに新宿寮と台東寮が閉鎖)されいよいよ6年目に突入するが、就労支援策として中高年齢者に特化した支援策は今のところ見いだされていない。30代、40代の仲間と同じ土俵の上で競争させるのが悲しいかな今の就労支援策である。そしてたとえ自立支援センターで仕事を探せても低賃金、不安定の仕事でしかなく、「アパートを借りる金が貯まらなかったので期限切れ退寮」なんて云う仲間も多く生み出している。また、せっかっくアパートまで見つかったものの、低賃金故に生活が維持できずにアパートを引き払うなんて云う高齢の仲間も数多くいる。 自立支援センターにおける就労支援は欠陥品とまでは云えないものの、どちらかと云えば若年層向けの支援策でしかない。この事は俺たちが常々指摘して来た事なのであるが、東京都や特人厚はこれまで施策点検もまともにせずに放置して続けて来た。そして現在もなお、改善の意欲は示していない。
こう云う重要な問題に目をつぶりながら、今般東京都は新たな就労支援の枠組みである「東京ホームレス就業支援事業推進協議会」を発足させ、「ホームレスの就業開拓等のため」現在、民間派遣業者等を公募している。営利を目的とする民間業者が俺たちのための仕事を開拓できるのか?開拓できたとしても一体どんな仕事をもってくるのか?結果は想像に難くない。まさにピンボケと云うしかないであろう。
新たな取組みはまったく素晴らしいものである。しかし、現状を把握しておらず、かつ過去の施策を総括もしない新たな取組みは迷惑千万なものでしかない。 今、課題としあるのは50代以上の仲間の就労支援策がどのようにあるべきなのか?なのではないのか。三千円のアパート提供は確かに一つの解決法である。しかし、それは住宅確保に関してであり、「仕事を軸にした地域生活」と云う点においては不十分なものである。このまま量的拡大がなされたとしても「臨時就労=公的就労」を充分に手当出来ない現状では当初の生活を維持出来ない層が生み出されて行く。すなわち特別区が批判するよう、この事業は当初目的から大きく離れ、生活保護獲得の手段にしかないらない。だったら最初から生活保護をかけた方が安上がりであるとの声も大きくなろう。
自立支援センターにせよ同じ繰り替えしをするのであれば、多くの仲間からそっぽを向かれる施策にしかならないであろう。 「臨時就労=公的就労」の量的充実はもちろんの事、中高年齢層向けに職種や雇用環境等も改編し、地域生活移行支援事業のみならず、自立支援施策や生活保護受給者をも対象にし得るものにしていく等の大胆な雇用確保施策が現在求められていると云えよう。また、自立支援事業の入所期間延長、リピーター条件の撤廃など、個々の状態に即した支援もまた必要である。 役所の施策は絶対ではない。それを一つひとつ変えて行かなければ俺たちの未来はない。
仲間たち。
10月ももう半ば、秋風がちょっぴり肌に染み入る季節である。数えてみれば今年もあと2ヶ月ちょっと、落ち葉の季節からあっと云う間に灰色の冬に突き進んで行くことだろう。
気候が相も変わらず不安定なので、風邪を引いたり、調子が悪くなったりと云う仲間も増えている。これからどんどん身体にとっては環境が悪くなるので、異変を感じた仲間は早め早めに医者に行くなり、薬を飲むなりして、体調を整える習慣をつけていこう。年を取れば若い頃の反動でどこかしらがおかしくなるものである。勤めていれば成人病検査など定期健診があるが、そうでない俺たちは定期的に検査する習慣がどうしてもなくなる。その分だけでも体調管理を自覚的に進めていかないことには、気がついた時には手遅れなんて事にもなりかねない。「どうせ長生きしたって…」と云う声も聞かれるが、病気で苦しむ事を考えれば早めに手を打った方が良いに決っている。人間はなかなか自分の思う通りに人生を全うできないのであるから尚更である。
花園神社の裏にある新宿区福祉事務所には、保険証もなく、またあってもお金がないため治療代が払えない仲間のために、生活保護の制度を使って無料で医者にかかれるようにしてもらっている。手続きは極めて簡単である。事務所の窓口で緑のカードをもらい、名前と生年月日を書いて待っていると、一人ひとり呼び出しがあり、個別の相談をしてくれる。その場で「どこそかが調子わるいので病院を紹介してもらいたい」旨を告げると、無料で行ける病院を紹介してもらえる。新宿区は医療センターや東京医大など割りと大きめの病院を紹介してもらえるので、安心と云えば安心である。但し、たいがいの病院の外来は午前中なので、福祉に行く時は朝一番に行った方が時間の節約にもなる。昼から行くと翌日回しになったりもするのでその点だけは気をつけていこう。
その他にも福祉事務所には衣類提供や交通費貸し付け等いろいろなサービスをやってもらっているが、一人で行くのは気がひけると云う仲間は、毎週月曜日に俺たちの仲間が詰めているので、分らない事があったら気軽に聞いてもらいたい。仲間の健康の問題は本当に大事な問題である。高齢の仲間や病弱な仲間を支えていくのが俺たちの大きな課題でもある。分らないことを恥ずかしいと思わずにどんどん聞いてきてもらいたい。
病気に限らず、皆、いろいろな問題で頭を悩ましていると思う。なかなか思うようにいかない事にいらだっている仲間も多いと思う。それでも、他人に相談してみたら何てことがないなんて事も結構ある。それだけ「思い込み」と云う奴はやっかいだったりする。たとえば借金の問題にしたって、解決方法や整理方法はいろいろある。闇金融でない限り、住所を移したからと押しかけに来たりはしないものである。排除の問題にしたってこれまた同じで、昔のように一方的な追い出し(対策、対案のない追い出し)はこれまた出来ない事になっている。不安を煽る事をせず管理者とちゃんと話し合っていけばどうにかなるものである。 先の見えない不安が支配する路上だからこそ、「後ろ向きの噂」が瞬く間によくはびこる。自分の「引け目」や「絶望感」がそれを増幅させる。けれどもよく考えて欲しい。俺たちもこの社会の一員であると云う事を。国もまたそれを認めて、だからこそ自立のためのいろいろな施策を毎年行っている。今、俺たちが議論をしているのは、その自立のための施策が充分であるか不十分であるかの議論であり、その点での対立点はある。しかし、俺たちもこの社会の一員であると云うことについては、既に決着がついている事柄である。もちろん社会の中には俺たちに対する差別は残っている。その差別を解消させるためにも、俺たち自身が声をあげたり、頑張ってみたりしなければならない、行政もまたそのために努力しなければならない。そう云う関係にまで俺たちは社会を押し上げて来たのである。厳しく云うなれば、自覚ある行動が俺たち自身に求められていると云う事に他ならない。
路上で暮らさざるを得ない現実から、いかにそこから一歩前へと踏み出せるのか?昨年から地域生活移行支援事業で低家賃アパートで暮らし始めた新宿の仲間は、皆が云うよう楽な生活などはしていない。ギリギリの生活の中から、それでもそこから這い上がろう、二度と野宿になるまいと一人ひとりの力で頑張っている。自立支援センターから自力でアパートに入居した仲間も同じであり、また生活保護の仲間も同様である。 どんな環境の中でも前向きに生きる仲間の姿は素晴らしいものである。そこをこそ俺たちは支えたい。今更バラ色の人生など求めはしないが、貧しくとも、自尊心を持った生活が出来るか出来ないか、そういう仲間の関係が作れるか作れないか。問題は恐らくそんなところにあるのだろう。
成せば成る。少なくともそう思うようにしよう。路上の絶望と対峙できるのは、そう云う前向きな思いだけである。説教臭くなったが、秋の夜長、真面目に自分の人生とぶつかっていこうじゃないか。
仲間たち。
公園の木々もところどころで色づき始め、秋の深まりを感じさせる。空気も澄み渡り、どこか緊張感も漂う晩秋の路上の始まりである。秋晴れの日でも朝晩はもう冷え込みと云って良いくらい冷たくなって来ている。防寒対策もきちんとしていかない事には体調も崩しやすい。風邪もかなり流行っているようなので充分に気をつけていこう。
これから寒さが増していくと高齢の仲間や病弱な仲間はより一段と厳しくなってくる。寒さを凌ぐ目的で福祉にかかりたいと云う仲間も多いだろう。新宿区など東京の福祉では、65歳以上の仲間ならあまりうるさく云われずに生活保護はほぼ適用される。中には手続きさえすれば年金を生活保護費以上に多くもらえる仲間や、田舎に自分名義の資産が残っていたりする仲間もいるかも知れないが、そこら辺のこまかな点はゆっくりと相談を継続していけば良い。もっとも困ってしまうのが、保護を受けていたけれども、「自分で勝手に出てしまった」ような仲間である。生活保護は一回だけと云う決りはないので、建前上は何度でも受ける資格はあるのだが、流石に福祉の心証を悪くするとそうも云ってられない。とは言え命にかかわる問題なだけに解決方法はいくらでもあるので、そう云う仲間は是非じっくりと相談をして欲しい。
65歳以上の高齢者以外でも女性の場合は年齢や体調を問わず保護をすぐにしてくれる。ちょっと辛そうな女性の仲間を見かけたら、福祉に行くよう声をかけてもらいたい。
その他の仲間は一度病院に行ってから、病状を診断してもらった結果での判断となる。が、病気は外見では判らない所があるので、「とにかく調子が悪い」と云う仲間は一度福祉を通して医者にかかるようにしてみよう。とは云え病気の仲間はもちろん「病気が治るまで」の保護でしかない。
生活保護と云う制度は、そもそも厳しい制度で誰でも彼でも保護しますと云う制度ではない。働ける人は働いて食っていくのが人間としての基本であり、働けるのに働かず福祉の金で一生食っていけるなんて事はあり得ないし、そんなに世の中甘くはない。 とは云え、今年度から生活保護制度の中に「自立支援プログラム」が導入されている。これは今までの生活保護の欠陥=生活保護を受給したは良いが、そこから卒業していく、とりわけ仕事の面での支援が弱かった事の反省から導入された制度でもある。もちろん高齢のため働けなくなって保護された仲間は別であるが、病気のため生活保護を受給し、治療に専念し、ようやく体力が戻り、少しづつ働きながら元の生活を戻していこうと云う仲間などが主な対象者である。どこの福祉事務所でも職安との連係を強め、現在職業相談員が福祉事務所に配置されているところである。その関連で、新宿区は「自立促進事業」を23区に先駆けて実施している。これは、仕事と云ってもすぐに準備ができない人も多くいるのだから、仕事探しをする前に、基本的な生活習慣などを集団で確立しようと云う全国的に見ても先駆的な事業である。9月から実施され、現在、「食のセミナー」や「お金の勉強会」など各種セミナーが和気あいあいと実施されているところである。
確かに厳しい制度ではあるものの、このように生活保護制度も変わりつつある。「本当に困った時に気軽に利用でき、落ち着いたらすぐに自立しやすい制度」が俺たちにとっての理想なのかも知れない。まだまだそうはなってはいないものの、現在叫ばれている「福祉改革」を単に財政だけの問題ではなく、内実も利用者のニーズに即したものに変えていかせたい。
自立支援と云えば、俺たちがかつて要求をし、作らせた自立支援センターもついに5年目となり、今月で台東寮、新宿寮が満期終了となり、代わりに北寮、中央寮が来月初旬から開設される事となった。俺たちの切実な問題についてはもたもたしている東京都と特別区であるが、地域住民との5年前の約束だけはきっちり守った事になる。
新宿の仲間にとっては新宿寮はとりわけ思い入れが大きく、世話になったり、文句をいったりと、これまでにはいろいろな事があった。失敗した仲間も大勢いたが、それでも新宿寮のスタッフのおかげで自立にまで行き着いた仲間を俺たちは大勢知っている。これまで本当にお疲れ様と、感謝の意をこの場で表明しておこう。
そして、これから新宿区の仲間は、中央寮が担当となるが、新米の管理者(特人厚事業団)にしっかりやれよと要求もしておこう。
北新宿寮、さくら寮、新宿寮、とかつて区内にあった自立支援関連施設はすべて閉鎖され、区内にはひとつもなくなってしまったのが寂しい限りではあるが、シェルター的な施設も駅周辺に必要なのではないかとも思うので、新宿区にはもうひとふんばり頑張ってもらいものである。 区内から施設がなくなっても、もちろん、自立支援の仕組みは残っている。大田寮、千代田寮、中央寮と徹底的に利用しつくしていこう。 秋の長雨か 仕事を探しもう一度社会復帰したいと願う仲間にとっては、後腐れのないこう云う制度が必要だと思う。
人生のどん底の状態から、自分の立ち直りのためにこれらの制度をどのように利用して這い上がって行くのか?「野宿になったのは社会が悪い?」そんな議論は政治家にでもやらせておけ。今は自分のために精一杯頑張ろう。それが、仲間のために必ずなって行くのだから。
仲間たち。
今年も残すところあと二ヶ月となった。東京の紅葉も深まり、じょじょに落ち葉と北風の季節へと移り変っていくことだろう。朝晩の冷え込みも一段と進んでいる。昼間暖かい日もあるが油断をしているとすぐに風邪を引いてしまう。とりわけ夜中の身体を休む場所の確保はしっかりとやっていこう。体熱は地面から奪われるので、ダンボールや新聞紙を厚めに敷くなどの工夫もそろそろ本格的に考えていこう。
冬場の対策強化についてだが、これからの季節は人道的な観点が最も必要な時期である。まだ確定的ではないが12月から通常の大田寮、千代田寮宿泊とは別枠の2週間限定の厳冬期対応宿泊(宿泊場所は大田寮であるが)枠を例年通り五〇〇名分確保させ、12月から3月までの冬期、毎週一回ないしは隔週一回の受付を実施させて行きたい。またそれを利用しての生活保護の要件緩和を求め、高齢者や病弱者の積極的保護を実現させていきたい。俺たちは具体的な提言を掲げて常に計画的に要求行動を進めている。これからの季節は「高齢者、病弱者の命を守る仕組み」を最重要課題とし、いかに路上の冬を乗り越えられるかを最優先に考えていく。独自事業として12月からの毛布一〇〇〇枚配給も準備し、また年末年始の連日炊き出し等の取組みも準備を開始し、予定通り実施できる見込みだ。
アリとキリギリスの童話じゃないが、先を見据えて行動する事が何よりも生き残っていくためには必要だ。付和雷同、諦め、無気力、優柔不断、場当たり的生活意識、これら己の意識が、これからの季節すべて敵になる。己とたたかいながら、自立支援事業、生活保護制度、厳冬期対策等を上手に活用し(自分が活用しなくても正確な知識と情報を他の仲間に伝え)、どうにかこうにか一歩、一歩前へ歩んでいこう。
この間の福祉行動でも、65歳以上の高齢の仲間達が福祉事務所に来てくれ、それぞれ区内のドヤで、生活保護の受給を勝ち取ることができた。高齢の仲間や持病を持っている仲間は、これからは決して無理をする事はない。「一生役所の世話など受けたくない」と云う仲間もいるとは思うが、これからの季節の間だけでも構わないから制度を活用していこう。何度も失敗して窓口で「あんたはもう世話しない」と宣言された仲間でも、冬場は厳冬期の大田寮などに入ってしまえば「再開」の道は拓ける。「押して駄目なら引いてみな」で、正面突破以外の制度活用の道はいくらでもある。10数年来新宿福祉と対して来た連絡会には色んな知恵が蓄積されている。福祉の事で判らないことがあったら毎週月曜日の福祉行動で気軽に声をかけて貰いたい。
自立支援センター卒業後に路上に戻って来て、もう一度自立支援センターを利用したい仲間は「自己都合退職」と云わずに「リストラされた」と堂々と言おう。リピーター(再利用)要件が「非自発的退職」に不当に制限されているのだから、それを逆手に取れば良い。これらは「ずるさ」と云うよりは「生きるための知恵」である。事実、大田寮には新宿の仲間が他の区から何食わぬ顔で多く入所している。大阪、横浜、東京の自立支援センターをハシゴしている強者さえ中にはいる。そこにチャンスがあればとにかく食らいつく。正当か不当かはともかくとして、その意気込みこそが必要なのであると思う。そして、そう云う仲間の意気込みの姿勢が、施設不足を浮き彫りにさせ、施設増設に拍車がかかる。緊急一時保護センターは計画通り5個所設置されたが、これで十分であると検証された訳ではない。不足しているのならば、これからもどんどん増設させるのみである。
幸いにして、新宿区からの緊急一時保護センター大田寮、または千代田寮入寮は今、非常に入り易い状況である。大田寮抽選会も倍率2倍を切っている。千代田寮もようやく定員が埋まりつつあり、しかも自立支援センター中央寮が11月半ばからようやく回転する予定なので、一気に空きが出る事が予想される。いつまでこの状態が続くのかは判らないが、今の時期に入り、自立にまで行けるとするならば、この冬場はなんとか凌げる事となる。
俺たちのために作らせた緊急一時保護センター、自立支援センターの筈なのであるが、現状は路上生活をした事もない若者などを、とにかく「困っているから」と入所させている福祉事務所が多い。福祉が野宿の現場に出ず、相変わらず「机の上の商売」しかしないが故の体たらくである。路上の仲間を見捨てて、そうでない人々を救済する装置にこの施設がなるならば、これは見すごせない現状である。他方で、大公園のテントの仲間だけは地域生活移行支援事業の対象となっている。
施策はそれなりに増えているが、23区を見回せば、まったくいびつな形でしか進行していない。このまま行けば、施策を利用できる層と、施策からも排除された層と二分化してしまう恐れすらある。これこそ大問題である。「ホームレス問題」とは、大公園のテントの仲間だけの問題ではなく、小公園や駅周辺で寝ている仲間も含めた仲間全体の問題であることを、しっかりと行政に認識させる必要があるだろう。そして、そのためにも正確な情報を仲間内で広め、路上の仲間が本当に困った時に使える施策に俺たちの側からも変えていかなければならないのである。
仲間たち。
冬も間近に迫って来た。秋空の心地良さと裏腹に朝晩はしっかりと装備をしなければおちおち眠れなくなって来ている。秋雨は落ち着いてはいるものの、雨の日や曇りがちの日などは尚更である。それでも枯れ葉が舞い散るまではまだ少しの時間の猶予はありそうだ。しっかりと冬への備えを準備していこう。
今年の風邪は咳風邪が主流のようではあるが、割と長引く傾向にあるようだ。風邪も万病の元、そろそろ空気も乾燥し始める頃なので、うがいを良くするなりの予防策は取っておこう。既に引いてしまった仲間は、もし熱などが長引くようであれば早速医者にかかった方が良いだろう。高熱でぶっ倒れたりしたら栄養も取れず、静養する場所もなく、それこそ大事に至ってしまう。そうでなくとも肺炎や結核などに良くなったりもするので気をつけていこう。市販の風邪薬は炊き出しの時やパトロールの時には必ず持参しているので、気軽に声をかけてもらいたい。また、病院に行きたい仲間は、花園神社裏の福祉事務所にまず行って相談をしてから無料で行ける病院を紹介してもらおう。一人で不安な仲間は毎週月曜日午前中に俺たちの仲間が福祉事務所に詰めているので、こちらも一声かけてもらいたい。経験豊富なスタッフがいるので福祉に関しては色々とアドバイスが出来ると思う。また今度の日曜日には医療相談もあるのでそちらの方も利用してもらいたい。
12月から開始される厳冬期大田寮2週間無料宿泊事業は、例年通り新宿五百名枠は確保されそうである。トータル数と入寮日程は後日発表との事だが、明るいニュースである。冬場、少しの間でも休める場所があるのとないのとは大違いである。この事業は12月から3月の間まで、順番に入れる(抽選形式だが一人一回の利用なので倍率も回を重ねるごとに小さくなる)ので、自分なりの計画を作っておこう。新宿の公園のテントの数は減ったとは云え、まだまだ駅周辺などで寝ている仲間がこの地には多くいる。また、未だ続くリストラなどの影響で新たに野宿になってしまう仲間も増えたりする。そんな仲間への配慮を新宿区は引き続きしっかりと持ってもらいたいものだ。
緊急一時保護センター千代田寮の枠が空いていると前回のチラシに書いたが、なんと自立支援センター中央寮の開設が遅れている影響で新宿寮に残留していた仲間が、何故か千代田寮に移転されしまうと云うハプニングがあり、千代田寮新宿枠はあっと云う間に埋まってしまった。迷惑なのが場所を役所の都合で転々とさせられる仲間と、千代田寮の空きを楽しみにしてた路上の仲間である。こんな場合は不利益を与えないよう別枠で対応するとかの配慮が必要ではなかろうか。せっかくセンターに入り易くなった新宿区への仲間の期待を損なう行為であり、猛省を促したい。仕事を失った多くの仲間は路上よりも身体を休められるセンターへの入寮を希望している。それはこれまでの大田寮抽選会の歴史を見ても明らかである。他の区はともかくとして新宿には明らかにそのようなニーズが脈々と受け継がれている。行政のサイドはこれを歓迎しなればならないのではなかろうか?様々な努力をして路上から脱却しようというこういう意欲を後押ししなければならないのではなかろうか?後々の事はとりあえず置いておいて、今、路上にいる仲間がそのような希望を出しているのであるから、それに応える事から始めなければならないと俺たちは考える。大田寮、千代田寮併用路線を仲間たちは歓迎している。一つの寮にこだわる事なく可能な限りの枠の活用を新宿区に再度求めたい。大田寮、千代田寮に入った仲間は、新宿枠は一杯でも、寮としてはまだまだ空きがある。これは非常にもったいないと皆思っている。まったく活用しない他の区からも枠を分捕る位の迫力をもってもらいたいものである。新宿区への信頼はそういう所から始まるのである。 いずれにせよ、利用すべきは利用しながら、これからの季節を乗り越えよう。
仲間たち。
早いもので、もう11月も中旬。ぐんぐんと気温も下がりついに初冬の頃を迎えようとしている。肌身しみて感じるように、これからの季節が仲間にとって受難の季節となる。路上で暮らさざるを得ない切なさと辛さで押しつぶされそうになるかも知れないが、当たり前の事ながら人は生きなければならない。これからの季節を凌ぐ方法は数多くの先輩達が生き抜く知恵として編み出して来ているし、そう云う知識を背景に支援体制も長年の蓄積があり、行政施策もまた決して十分ではないものの強化されて来る。楽ではないものの、皆の力をふり絞ればどうにかなる。しんどいながらも、これからの季節を生き抜く覚悟を今のうちに整えていこう。
新しく野宿に至った仲間もここに来て増えている。株価も上がり、政府は景気は改善しつつあるとは云うものの、俺たちを取り巻く失業地獄は依然厳しいものには変りない。中高年齢者に対する有効な失業対策を打てない中、そして、ますます複雑化する社会構造の中、さまざまな原因で新たな人々が野宿に至ってしまう。これは不幸な事態であるものの、路上から見れば一つの時代の流れでもある。俺たちの力だけではこの流れを塞き止める事は出来ないものの、路上は社会の「終着駅」ではなく、不遇な人々が集う単なる現代の「停車駅」でしかない。列車はまだまだ動き出しそうもないが、しかし、そこから下車して一人で歩いて行く事は出来る。絶望が絶望のまま終わる事は滅多にない。良い時もあれば、悪い時もある。それが人生であると、俺たちは思っている。だから歩みを止める事なく果てしない路上で希望の一粒を探す旅を続けよう。要は諦めちゃあかんと云う事である。
新しい仲間も、古い仲間も路上に来れば同じ仲間である。共に生きるための知恵を分け合い、助け合う時は助け合い、競い合う時は競い合い、どうにかこうにか命を落とさぬよう、また大きな事故などを起こさぬよう、この新宿の街で生き抜いていこう。
これから空気が乾燥して来る。あまり思い出したくもないが、冬は火災がよく起こる。テントなどではロウソクの失火、カセットコンロのガス漏れ、煙草の不始末、路上でも通行人が捨てる煙草の火でダンボールハウスが全焼なんて事もあった。しかし、原因は何であれ火災事故と云うのはとにかく危険である。ブルーシートなんぞはあっと云う間に溶けてしまうし、乾燥したダンボールもすぐ火が上がる。そんな事故がないよう、火元の消火を確認してから横になる、各人ペットボトルや空き缶に水を入れて寝る時には枕元に置いておく、発見したら周辺の仲間が力を合わせて消火するなど注意をして行く必要がある。今年の冬は火災事故ゼロで乗り切りたいものである。
空気乾燥と云えば風邪のシーズンでもある。パトロールに回っていても、とにかく風邪の仲間が最近は特に増えている。密室ではないので集団感染はあまりないものの、風邪も感染病なので体力の弱い仲間などにはすぐに広まってしまうし、肺炎、結核など他の病気も誘発する。人込みの中を歩いたらウガイをするなどの予防は是非ともしておいた方が良いだろう。
もちろん、風邪の兆候が現われたら薬を飲むなり、医者に早めにかかるなりした方が良いだろう。市販薬はパトロールの時や炊出しの時に持って来ているので渡せるし、医者にかかりたい仲間は、毎週月曜日なら福祉事務所に連絡会のメンバーが詰めているので相談をして欲しい。新宿区は路上の仲間が医者に通院する事は健康管理のため推奨している。風邪以外の病気も早期発見、早期治療が必要だ。血圧が高めと云うだけでも厳しい季節の中、亡くなってしまう仲間もいるのでちょっとした身体の変化を見逃さず、福祉を通して医者にかかるようにしていこう。
他方、急に身体が痛み出した。区役所まで行く力すらない。夜間で対応できない。などの場合は、迷わずに救急車を呼ぼう。救急車は自分で呼んでも一向に構わないし、治療費は後で手続きをすれば福祉でもってもらえる(運ばれた病院で「自分は野宿していてて払える治療費がない」と云えば大丈夫)。
福祉事務所の紹介も、救急車の場合でも、新宿区には大きな病院が多いので、「町中のヤブ医者」に運ばれる事は滅多にない。看護婦の対応が悪い等々の事例はあるものの、それはそれで何を言われようと無視していれば良い(そう云う「したたかさ」を持とう)。
それと、65歳以上の仲間、女性の仲間は、福祉に相談に行けば、病気でなくとも施設などでの生活保護を受給できるので、「これからの季節はキツイ」と思っている仲間は、早々に相談に行くようにしよう。
前回の大田寮抽選は20名募集で40名応募と、丁度2倍の倍率だった。また、千代田寮は10日過ぎに大量移動があるので空きが出てきそうだ。行政の宿泊施策をどんどん利用していこう。12月の半ばからは例年の2週間無料宿泊事業も開始され、連絡会の毛布一斉配給も12月11日と決定された。連絡会では着々に冬越しの準備を進めている。あとは、仲間の相互扶助ネットワークがどこまで広げられるかだ。広い新宿区だがお互い連携しながら正確な情報を流しあい、「仲間の命を守る」時には一つにまとまろう。
仲間たち。冬型の気圧が日本列島を覆い、北風が舞い込んで来た。いよいよ本格的な冬の始まりである。体調管理、寝場所の確保は大丈夫だろうか?とりわけ最近野宿生活を始めるようになってしまった仲間は、準備が遅れがちである。ここ数年東京は暖冬傾向であるとは云え、寒さで人が死ぬのが路上の怖さであり、現実でもある。都会の中だから暖を取れる所は沢山あると思ったら大間違いで、油断をすると本当に生死の狭間に迷い込んでしまう。
嫌な話しだが、冬の間、寒さで亡くなる仲間の大半は持病を抱えている仲間、長期の野宿生活や高齢で体力が落ちている仲間である。割合健康で体力がある仲間でさえ路上の冬を越す事は一大事であるのであるから、病気の仲間や体力のない仲間が冬を越すとなるとこれは大変な事である。
一つの油断や判断ミス、そして正確な情報不足が大変な事態にならないよう、本格的な寒さが来る前に一つひとつ、出来る事は万全な準備をしておこう。
病気がちな仲間、高齢な仲間、障害者の仲間、女性の仲間で「こりゃ、ちっよっとヤバイ」「冬を越すのが不安だ」と思っている仲間は、とにかく今の内に福祉に駆け込んで相談をしておこう。もちろん、病気がちな仲間は福祉を通して病院に通う。自分に合った薬を貰うなりして、いざと云う時に役立つように通院の手続きまでしておこう。病状が重ければ入院なり、施設に入っての通院なりの処置が取られるが、そうでない仲間は通院のみとなってしまう。けれど、いざ体調が急変して救急車を呼ぶなりした時には、病院のカードを作って、肌身離さず持っていれば、すぐにかかりつけの医者に行く事ができる。薬が切れた時もまた同じ。「自分がどういう病気で、どういう病院に通っている」と云う事が即座に分れば、救急隊員も医師もすぐに動いてくれる。病院のカードを無くしてしまったら、すぐに再発行してもらう。血圧が高いなんてのも、油断していると心臓に来たりするので要注意。とりわけ内臓疾患系の病気は寒さの中で悪化する事がよくある。
冬の間だけでも福祉を取って凌ぎたいと云う仲間は、覚えていて欲しい。新宿福祉の内規では「65歳以上の高齢者」「通院している仲間で、医師が就労不可と認定した者」「女性の仲間」は、ドヤ(簡易旅館)や施設(更生施設等)での生活保護が優先的に受けられる。もちろん、その他の条件もあり、手続きもしなければならないので、数日かかる場合もあるが、冬場は当然ながら人道的な見地が働き、福祉の敷居も低くなる。病院から何度もトンコしたりと云う複雑な事情がある仲間も、別途方法がない訳でもないので、我慢をせずに相談をして欲しい。
福祉の窓口での対応が「けしからん」とか「ふざけるな」と思っている仲間もいるかも知れないが、彼、彼女等も人間であり、感情の行き違いなんてものはどこでもあるものである。役所の正しい使い方は「正直に言う」「自分の希望をはっきりと言う」、反論する時は「理路整然と言う」。これが肝心である。そして、なかなか上手く言えない場合とか、困った時は、連絡会。毎週月曜日に俺たちの仲間が福祉事務所に詰めているので、相談をしてもらいたい。 誰からも後ろ指指されないように、正しく福祉を利用する。そのための支援を連絡会はしている。だから、時には福祉の職員以上に厳しい事を言うかも知れない。そして出来る事と出来ない事はハッキリと言う。制度を利用すると云う事は、恩情だけでは通用しないからだ。 また、医者嫌いの仲間もいると思うけれども、新宿区は医療センターや東京医大など比較的大きめの病院を紹介してくれるので、他区に比べれば水準は高い方であり、治療等については問題になった例は少ない。ただし、自分に合う合わないと云うのはある事なので、そんな場合は正直に福祉の担当に言い、病院を変えてもらうようにしよう。理由がハッキリしていれば、簡単に変えてもらえる。「この病院どうなのかな?」など、紹介病院ランキングを聞きたい仲間も連絡会に相談してもらいたい。
冬場の健康管理はとにかくしつこくこれから言って行くし、情報も多く提供して行きたい。もちろん、越冬期間中、医療相談会の回数を増やしたり、毛布を配ったり、年末年始の取組みを例年通り行ったりと、「仲間の命は仲間で守る」冬の独自の取組みをやりながらである。 北風に負けず、とにかくこれからの季節、張りつめた気持ちを維持しながら頑張っていこう。
仲間たち。
いよいよ師走。木枯らしが心に沁みる季節になった。いまさらじたばたしても遅すぎる。もはや覚悟を決め一年で一番厳しいこれからの季節を乗り切ろう。
悪性の風邪やインフルエンザが猛威を振るっている。暖かくして寝れないが、うがいをするとか手洗いをするとか可能な限りの予防策を取ってみよう。市販の風邪薬なら炊き出しの時とかパトロールの時に配っているが、それでも効かないケースが増えている。そんな時は福祉を通して医者に通うようにしてみよう。長引いたり、熱が出たりすると肺炎、結核などの恐れもあるので検査をしてもらった方が良い。一人で福祉に行くのが「ちょっと」と云う仲間は毎週月曜日なら俺たちの仲間が必ずいるので声をかけてもらいたい。この冬場、パトロールと福祉行動は最大限に強化をしている。風邪以外でも「ちょっとおかしいな」と思ったら迷わず一回は医者に診てもらう習慣をつけていこう。
新宿区では厳冬期無料宿泊を今年も大規模に行う事になった(スケジュールは裏面)。うれしい事に昨年より枠が増え、15日から始まる抽選受付は毎週40名の枠で維持される事となる。厳冬期だけで総枠が480名枠。通常の大田寮が厳冬期定員10名枠で総枠40名。それに千代田寮の随時入所枠を合わせると600名近い枠を確保した事になる。昨年の地域生活移行支援事業実施後、新宿区内の仲間が減ったにもかかわらずこれだけの厳冬期枠を確保した事は新宿区の対策にかける意気込みが感じられる。冬場の人命尊重に重きを置くこの新宿区の英断を率直に評価して行きたい。
通常の大田寮、千代田寮など緊急一時保護センターは退所後半年を経たないと再入所できないが、厳冬期宿泊に限ってはこのルールは適用されない。たとえば今月大田寮やら自立支援センターから退所した仲間でも、12月からの厳冬期宿泊は利用できる。つまり、新宿区内に野宿している仲間なら、この冬一回は必ず利用できると云う事である。利用は一人一回までなので、自分の都合に合わせながら入寮時期をしっかりと決めていこう。
ただし、厳冬期宿泊は3週間なり2週間なりの期限がはっきりしている宿泊である。通常利用のようにそこから自立支援センターなど次のステップはない。その事を割り切って利用してもらいたい。医療相談等はもちろん受けられ必要があれば通院もできるなど通常の仲間の待遇と同じであるが、アセスメント相談(こんなの通常時もない方が良いのだけれども)、職業ガイダンス、技能講習は厳冬期で入った仲間は受けられないと云う制限もある。すなわち、とりあえずの短気避難場所として考えておいてもらいたい。短気と云えども身体をゆっくりと休め、栄養も採れるので冬場の避難先としては必要不可欠な施設である。おおいに利用していこう。
短気ではなく、再就職も含めて長期的に考えている仲間は、通常枠の大田寮、千代田寮に優先的に応募してみることを勧める。大田寮は毎月10名枠での受付。千代田寮は福祉事務所での随時受付である。千代田の方もようやく中央寮移転がスムーズに行き始め、比較的空きが出始めたのでこの冬はチャンスであろう。臆せず申し込むようにしよう。 冬場の対策も上手く利用していこう。
第12次越冬開始
今度の日曜日は戸山、中央公園で医療相談会があります。
また午後5時から中央公園で毛布200枚放出します。
仲間たち。
風も冷たく懐も寒くの師走がついにやって来た。新宿駅周辺で仲間が増えはじめ大きな社会問題になってから数えて12回目の冬である。過去11度もの冬を俺たちは押し付けられて来たが、それでも11度もの冬を新宿の仲間の大きな力で辛うじて乗りきって来た。幸いにして一時期に比較すれば仲間の数も少なくなっている。そんな中、連絡会の越冬体制も、新宿区の厳冬期対策も万全である。12度目の冬を俺たちは恐れない。また仲間のでっかくて大きな団結の力であっと云う間に乗りきって見せよう。そして、強いられた新宿の越冬に来年こそはピリオドが打てるよう、希望の春をこの手で紡ぎ取っていこう!
しかし、現実は過酷である。冬の訪れは路上の死者の訪れと悲しいかな連動する。先週の土曜日、池袋の炊き出しの場で新宿の仲間が急に倒れ帰らぬ人となった。中央公園に寝泊まりしていた70歳の仲間である。心臓疾患があったようで池袋の仲間が心臓マッサージを施したがその努力は空しくも実らなかった。無念追悼……。
急に体調を崩す仲間もこの間、増えている。何とか食えている仲間も冬場の体調管理には十二分に気をつけよう。今度の日曜日には定例の医療相談会が戸山公園(午前10時より)、中央公園(午後6時より)で実施される。ボランティアのお医者さんが多数参加してくれるので、「最近おかしいぞ」と云う仲間は相談に来てもらいたい。今月は越冬体制で医療相談会を第4日曜日や年末にも実施するが、早い方が良い。福祉の方も年末年始は休みとなるので、早い内に手続きを済ませ、重度の病気の仲間は病気治療に専念できる環境を勝ち取っていこう。
もちろん毎週月曜日の福祉行動も続けている。福祉から病院に行きたい仲間、高齢や女性の仲間で生活保護を取りたい仲間も早め早めに相談に行くようにしよう。
また、通常の大田寮宿泊が7日水曜日、3週間無料宿泊の厳冬期の宿泊事業も15日木曜日から開始される。そんなに重病ではないけれども、疲労が溜って身体を休めたいと云う仲間には丁度良いので、これまた大いに利用していこう。新宿で野宿している仲間なら手続きは簡単なので気軽に申し込みをしてもらいたい。
連絡会の方では、11日の日曜日の午後5時から毛布の無料配布を行う。今年もトータル千枚を予約している。今回は200枚、先着順に手渡せる。18日、25日にも配布をするので今回都合の悪い仲間は次の回でも間に合う。全国の市民からのカンパで購入したものなので、北風から身を守るために是非とも利用してもらいたい。
年末年始は29日より連絡会スタッフ総出で越年の体制に入る。29日より年明け3日まで連日夜の炊き出しを実施し、医療テントも設営して仲間の命を仲間で守る取り組みを徹底させる。辛い事も多くあるとは思うが、仲間のぬくもりだけが俺たちの冬の唯一の支えである。
春を目指して今からスタートしよう。
仲間たち。
枯れ葉舞い散る新宿の街もいつの間にやらクリスマスの飾り付け一色となり、年の瀬も数えられるくらいに迫って来た。一時寒気団が居座っていたが、ここの所、束の間の穏やかな冬晴れが続いている。それにしても身体をやられる季節である。とりわけ血圧関係など内臓疾患のある仲間、体力の弱っている高齢の仲間などは要注意である。
今週木曜日から厳冬期対策の大田寮無料宿泊事業が開始される。この事業は人命尊重の観点から緊急避難のため実施されている事業なので、冬場が辛い多くの仲間が是非利用してもらいたい。短期宿泊(年内は3週間、年明けからは2週間)でしかないものの、冬場に少しの間だけでも身体を休め、睡眠を取り、栄養をしっかりと摂らない事には本当にまいってしまう。大田寮は大田区の沿岸部にあり、都会の喧騒とはかけ離れ、回りの環境も良い方である。施設は大型施設であるが、二段ベットで当然ながらカーテンで仕切りも出来るし、個人用のロッカーも用意されている。食事、散髪、風呂、医療相談などのサービスはもちろん無料である。重病が発覚した仲間は大田寮から通院も出来る。集団生活になるので中には馴染めない仲間もいるかも知れないが、そこに居るのは同じ境遇の仲間達だけである。普通にしていればもちろん大丈夫である。
昨年度よりも枠を増やしてもらった事と、新宿の仲間の数もここの所減っているので、今年の冬は抽選がそんなに厳しいものになるとは考え難い。運の悪い仲間でも、2、3回並べば入れるのではないかと思う。ちなみに、7日の日の通常枠の大田寮抽選は10名枠のところ43名が並んだ。これは去年に比べても少ない数である。いずれにせよ、並ばない事にはチャンスもないので「駄目だ」「駄目だ」と思わず積極的に動いていこう。
また、当選した仲間は簡単な面接の後、その日の昼に大田寮へバスで移動する。近場の仲間なら荷物を持ってくる時間はあるが、遠いところの仲間はそんな時間がないので、抽選会の日は自分の荷物は必ず持って来るようにしよう。また、「冷やかし」で並ぶ仲間や、当選してもバスの移動時間に来ない仲間なども時たま見受けられるが、そういう行為は絶対に止めてもらいたい。辞退するのであれば最初から辞退してもらいたい。そのためにせっかく真剣に並んだ仲間がアブレてしまう事もある。
また、連絡会の方では、18日、25日と毎日曜日に毛布の無料配給も午後5時から中央公園(雨の時は都庁下)で実施している。各々200枚づつ配布するので、希望する仲間はその時間に待っていてもらいたい。こちらも全国の皆さんの暖かいカンパで購入したものである。汚れてしまったら仕方がないが、たとえば大田寮に当ったので当面必要がないなんて云う仲間は、他の必要な仲間に回してもらいたい。路上にはなんでもかんでも豊富にある訳ではない。少ない資源をどう有効に活用するのかが大きな問題である。その場凌ぎのキリギリスにならないよう、皆で知恵を出しあい、どうにかこうにか厳冬期を乗り越えて行きたい。
心のジングルベル
厳冬期大田寮無料宿泊事業次回は22日木曜日!9時30分まで福祉へ!
今度の日曜日は毛布配給と臨時医療相談会(中央公園)。
仲間たち。
北陸、東北地方では大雪に見舞われているとの事で、今年の冬はこれまでの暖冬基調とは違った厳しいものになることが予想される。東京の気温も平年をかなり下回っているようだし、いつ雪になってもおかしくないようだ。街は浮かれ気分であるが、俺たちには浮かれるゆとりはない。年末まであと約2週間。もし調子の悪い仲間がいるようなら、早め早めに医者にかかるようにしよう。役所が閉まるのが29日、もう日数も少ない。来週の日曜日は中央公園で臨時の医療相談会も行うので、「通院をしたい」「しっかりと検査をしてもらいたい」「専門の薬を貰いたい」と云う仲間は是非相談を受け、「紹介状」をもらって福祉を通して医者にかかるようにしよう。
厳冬期大田寮も15日から開始された。初回は96名の仲間が並び、初回だけに倍率はちと厳しくなった。それでも昨年とほぼ同様の数なのでじょじょに倍率も低くなることが予想される。年内はあと22日の1回のみなので、今回外れた仲間も諦めずにチャレンジしていこう。
先日、大田寮に見舞いに行って来たが、抽選に当り無事入寮できた仲間は、「助かったよ」「久しぶりに暖かいところで眠れた」「次に来る仲間にも宜しく」と笑顔で語ってくれた。大田寮は大田市場の近くの沿岸部にあるが、もちろん暖房設備もちゃんとしていて風呂にも入れるし、洗濯も出来る。人通りも少なく、また緑や運河が多く天気の良い日などは散歩するには格好の場所である。心と身体をリフレッシュするには丁度良い。これまで使った事がない仲間も是非、この機会に利用してみよう。厳冬期大田寮は年明けも春まで毎週木曜日に新宿福祉で受付をやっている(年明け後は原則2週間の無料宿泊)。他の区は厳冬期施策をほとんど実施していないようなので、おおいに活用していこう。
また、連絡会では毛布配給も実施している。次回は最終回、25日の日曜日に200枚を配布する。まだもらっていない仲間は最後のチャンスなので午後5時までに来てもらいたい。
さて、年末は29日から年明け4日の朝まで、恒例の第12次越年の取り組みが新宿中央公園を拠点に実施される。役所も閉まる年末年始、新宿に残らざるを得ない仲間は、炊き出し、医療相談、コンサートやカラオケ大会など娯楽活動など多岐に亘る活動が集中する越年の取り組みを是非とも活用し生活の糧にしてもらいたい。新宿の地は様々な施策の力で仲間の数は減ったとは云え、未だ500名近い仲間が厳しい冬と直面しなければならない現状が続いている。また潜在的に困窮している仲間も土地柄多いし、年末年始で仕事がなくなり路頭に迷う仲間も一定数いる。そんな仲間が年末年始の間だけでも集い、同じ境遇の者同士情報を交換しあい、冬の厳しさに打ち勝つ「つながり」を作り出すのが俺たちの越年闘争だ。新宿のでっかくて奥深い仲間の力を示していこう。また、連日の炊き出し作業や、パトロールなど手伝える仲間は是非とも手伝ってもらいたい。「仲間の命は仲間が守る」これが唯一の俺たちの財産なのだから。
仲間たち。
大寒波が日本列島を襲っている。気象庁も暖冬予想を覆し、「20年ぶりの厳しい冬」とマスコミ等では報じられている。東京も早くも初雪が観測され、いつ大雪になっても不思議ではない気候が続いている。こんな調子なので、05ー06年の越冬は極めて過酷な冬となることが予想される。備え有れば憂い無し。備えられる事は限られてはいると思うが、例年以上の防寒対策が必要であろう。寝場所、装備を点検し直すと共に、この冬を超えられる体力があるのかどうかも含めて真剣に考えていこう。
新宿区の厳冬期対策で既に計80名の仲間が大田寮に避難している。今年の寒さの影響で大田寮の抽選倍率も前回が2.2倍と比較的高くなっている。とは云え、次回は年明けである。年末年始は29日、30日の山谷越年宿泊(隅田リバーサイドで受付)しか残されておらず、凍りつく新宿の路上に残らざるを得ない仲間は四百名近くになると予想される。当面の目標は全員が無事に年を越すことである。
それでも調子の悪い仲間は、28日まで役所は開いている。とりわけ病気が重篤な仲間は最後の機会に新宿福祉(花園神社の裏)に行き病院を紹介してもらおう。年末年始に倒れたりした場合は救急対応しかなくなる。しかも救急受入病院が少なくなるため最悪の場合「たらい回し」なんて云う事もあるし、よほど重病でない限り入院はさせてもらえない。知らない土地の病院で放り出され、寒風吹きすさぶ中、とぼとぼ歩いて新宿になんて事になったら、それこそ大ダメージである。そんな事にならないよう、とにかく少ないチャンスを利用し、自分で動くようにしていこう。 本質的な意味では誰も俺たちを助けてなどくれない。当たり前の事ながら自らの身は自分で守らなければならない。野宿になった原因がどうであろうともである。この厳然たる現実は、寒さが身に沁みるごとに明らかになる。それは多少の手助けは行政や民間団体がやってはくれる。しかし、最後に決断し、それに責任を持つのは、まさに自分だけである。
けれど、幸いな事に俺たちには同じ境遇の仲間がいる。時には足を引っぱり合う事もあるが、しかし最後に頼るべきは仲間しかいない。独りになっちまったらお終いである。それが当座のつながりであろうが、心から許しあえる仲間をつくろう。それがこの冬を越す俺たちの最大の武器である。
新宿連絡会は第12回目となる新宿越年闘争を新宿中央公園ポケットパークで29日木曜日から実施する。これはこの冬を越す仲間自身の主体的な取り組みである。冬を生き抜く取り組みとして多くの先輩達が経て来た試練とも云える取り組みである。けれど、俺たちはただ辛い苦しい年越しにだけはしたくない。厳しい中にも暖かみを作り、共に担える作業を作り、「あの時、つらかったけれど、楽しかった」と思えるような協同の取り組みとして実施したい。来年こそ仲間にとて良き年になるよう俺たちも全力を尽くす。だから多くの仲間も自らの問題として主体的に参加してくれ!
仲間たち。
心も懐も寒いの一言の年末であるが、嘆いていても、他人を恨んでいても何も始まらない。目の前にある現実と云うやっかいなものと闘わない限り明日はやっては来ない。
新宿の路上に迷い込んでしまった多くの仲間達は一つひとつの冬を越しながら自らのチャンスを掴んで来た。昨年と違った顔ぶれはその証拠でもある。そうやって12回目の年越し。
せめて年越しくらいは皆で支えあって年を越そう。除夜の鐘は独りじゃなくみんなで聞こう。と94年に200名近い仲間で開始された新宿越年は、一時は800名近い仲間が参加した事もある。幸いにしてここ数年対策の前進もあり全盛期の半分近い仲間の数になっている。しかし、それでも始めた時より人数は多い。世に云う「ホームレス問題」は、我々の与り知らぬ所で再生産されている根っこの深い社会問題である事はこの事からも判る。景気が良くなったと言われているが、それでもこれだけの仲間が路上に残らざるを得ない事は景気動向とストレートに直結しない問題である事も示唆している。「下流社会」と云う本が今年流行ったが、この数年来の階層分化は「下流」も増やしたが、それより下の「下層」の人々も多く作り出し、かつ固定化させてしまっているようである。「ヒルズ族」の対局が「ホームレス」とするならば、まだまだ解決の道のりは遠いものになりそうでもある。せめて野宿をしなくても良いような社会にしていくのが社会の最低限の義務であると連絡会は主張し続け、行政との熾烈な攻防を経て来たが、まだまだこの深刻な問題の速度には追いつけないのが施策の現状である。 何故俺たちが差別、襲撃、排除されるのか?何故俺たちが路上で死ななければならないのか?何故俺たちが飢餓賃金でこき使われるのか?その原因は単純である。俺たちが野宿を余儀なくされているからである。その全てを解決するためにも野宿から脱却できるシステムこそが問われている。俺たちもその実現のため今年一年を費やし、また来年もそのために全力を尽くしていくつもりだ。だから、仲間もこの路上からの脱却、卒業を是非夢見、そして実現して欲しい。それは険しい道のりだが、険しい道のりこそ登りがいがあると云うものである。
今日から年明け3日まで、新宿中央公園ポケットパークは仲間の拠り所であり、緊急時の避難場所でもある。連日夜の炊き出しを、山谷と新宿を結びながら行い、またポケットパークに24時間稼動の医療テント、越年を手伝ってくれる仲間の大テントを設営し、そしてほぼ連日、新宿駅、高田馬場駅などのパトロールを夜間、深夜に行い、更にミュージシャンの方々を呼んでの音楽祭などの企画を連日打ち、仲間の命を仲間の自前の力で守って行く取り組みが開始された。
越年を手伝ってくれる仲間は毎日11時に中央公園に集まり来年の良き年を願いながら協同の力を発揮しよう!明日は医療相談もあるので、調子の悪い仲間はせめて薬くらいは安心のためもらっておこう。
仲間たち。
記録的な寒波の年末だが、幸いにして東京は未だ大雪とはなってはいない。けれど三ヶ日は天気が悪いとの予報もあり予断は許せないようだ。 そんな中、12回目となる新宿での仲間の年越しの取り組みが開始された。中央公園ポケットパークでは例年とおり3つの大テントが設営され、連日の炊き出し体制、24時間稼動の医療体制、連日のパトロール体制が確立し、多くの仲間がそれぞれの作業を分担し、担いきっている。
独りぼっちの年末ではなく、仲間と共の年末は多少は暖かみを感じさせてくれる。皆が力を合わせれば少しは大きな事もできる。新宿に残らざるを得ない路上の仲間の力を合わせどうにかこうにかこの不幸な一年を乗り越えよう。
昨年に比べても越年の取り組みに参加する仲間は減っては来ている。「地域生活移行支援事業」後の中央公園、戸山公園は見ての通りテントの数は激減し、生活が厳しいながらも年越しがアパートの中で出来るようになった。厳冬期の大田寮も今年は昨年より多めの80名の仲間が入寮している。今年一年で生活保護を獲得した仲間も多い。景気も一時期よりはちょっとは良くなっており、かつてのように失業者が一気に野宿化するような時代は通り過ぎたようである。越年の人数が減るのはちと寂しい気持ちもするが、仲間の状況にとっては良い傾向と云えるだろう。
それでも、新宿区内だけでも約500名近い仲間が残されている。公園拠点の形態から駅周辺型に野宿形態も変わり、かつてのようにすぐさま一つの情報が伝達されると云うより、情報がうまく行き届かないケースも増えている。孤立型になりつつあるので、その意味でも俺たちの立場からは、炊き出しの場での情報交換やパトロールでの情報伝達が重要になっている。また仲間にとっては。積極的に動いたり、仲間に聞いてみないと情報からも孤立してしまう恐れもあり、自分のチャンスを逃す事にもなりかねない。そういう意味では一人ひとりの意識と意欲が試される状況になったとも云えるだろう。
残念ながら幸せは突然やって来たりはしない。誰かがひっそりと持って来てもくれない。良い結果になろうが、悪い結果になろうが、七転八倒の苦しみの中からしか次のステップは訪れないものである。
恐れず前へ進もう。今年一年が不幸な年であるならばこれ以上悪い事は起こらない筈である。希望を持ち、期待を持ち、他人まかせにするのではなく、生きる力を振り絞って自分の人生を自分で頑張る新たな年を迎えよう。 明日は大晦日。寒さに強い仲間は炊き出しの後にも公園に残り、一緒に新たな年を迎えよう!
仲間たち。
長くて短いこの一年も今日で終わりだ。仲間一人ひとりにとっての二〇〇五年はどんな年だったろうか?ちょっとは希望が持てた仲間もいるだろうし、最悪の一年だった仲間もいるだろう。それぞれの色んな思いの中、暮れゆく年をしみじみと思いかえしていこう。
連絡会にとってのこの年は大きな飛躍をかけ行政への要望を続けて来た年だったが、残念ながらまだまだ新宿の地に多くの野宿の仲間を残してしまった一年でもあった。国が責任をもって仲間の自立のための施策を行うと謳った「ホームレス自立支援法」制定後3年を経て、東京都と特別区が全国に先駆けて実施した「地域生活移行支援事業」(三千円のアパート提供事業)が昨年から主要5公園を舞台に実施されて来たが、今までサボタージュしてきたツケを払うにはまだまだ規模が十分ではなかった。事業内容も臨時就労確保の面、そして第4ステップ(自立した地域生活の段階)への支援策の面で課題が大きく、内的な改善の道もようやく始まったばかりである。
他方で自立支援センターを中心とした「自立支援事業体系」も入所率を福祉事務所が押さえている関係もあり、現状の課題が浮き彫りにされず、こちらの改善の道も中途半端に終わったと云えるだろう。
そして、残された仲間への施策の拡大要求は、辛うじて来年度から「地域生活移行支援事業」と「自立支援事業」が合併した新たな対策内容になる事までは確認されたが具体性となるとまだまだ詰めなければならない課題を残したままである。
排除圧力に関しては中央公園、戸山公園での日頃の交渉の成果もあり公園に残った仲間に対しては一軒の排除も許さず仲間の生活を守り切って来た。「撤去反対」から始まった新宿の闘いはこの面では行政の横暴を許さない陣形は未だ崩していない。
連絡会が長年に亘って炊き出しをして来たのは現状を維持したいからではなく、現状を変えて行きたいからである。その意味では一歩一歩対策を前進させ、行政責任を取らせて来た自負と実績はある。しかし、少なくなったとは云え越年に集まる仲間の顔を見ると「まだまだ」との思いを募らさざるを得ない。路上から脱却できる仕組みをしっかりと作る事が俺たちの最終の目標だからである。
この中途半端なままの気持ちを胸に刻みつけ俺たちはこの一年を最後まで踏み固めたい。そして来年こそはと決意を燃やして行きたい。
この一年、連絡会活動に様々な形でかかわってくれた仲間達、本当にありがとう。「おれが」「おれが」ではなく、他者を思いやる気持ちを大事にしながら、それぞれの道を頑張っていこう。腐り切った世の中に染まらず、路上で培った力で俺たちだけの新春を!