新宿区長選にあたっての質問状
ー路上生活者と路上生活になるおそれのある人々への対応策についてー
私たちは1994年以来、新宿区内で路上生活を余儀なくされている人々の支援活動(炊出し、巡回パトロール、路上無料医療相談会、各種公的情報の提供、就労支援等)を行っています。私たちは、現在新宿区内、そして東京都内で路上生活を余儀なくされている人々が社会的な支援を受けながら地域の中に社会復帰する事を願っています。
しかし、現在東京都及び23区共同で実施している「自立支援事業」は新宿区内でも1400名を越える路上生活者数(新宿連絡会の本年5-6月調査数)に対応できておらず、施設入所日には多くの入所希望者が抽選会に殺到するという状況を改善されるに至っていません。
私たちの調査でも、区内の路上生活者の内6割近い人々が倒産など非自発的失職によって路上生活に至っています。また、8割近い人々が現在求職活動をしており、6割近い人々が自立支援事業施設への入所を希望し、7割近い人々が今後就労支援策が強化される事を期待しています。前区長小野田隆氏がこの問題発生の早い段階から「ホームレスとは経済難民の事である」と名言し、高齢者や病弱者、女性に限定した生活保護行政だけの対応ではなく、就労支援を軸とした支援策の重要性を訴え、都区共同体制の「路上生活者対策」に施策上反映させて来た根拠は、路上生活者のこのような実態、ニーズがあったからに他なりません。
本年、私たち全国の支援団体の要望によって制定された「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法」(平成14年法律第105号)においても「ホームレスの自立の支援等に関する施策については、ホームレスの自立のためには就業の機会が確保されることが最も重要である」と明記されている通り、今後の区内、および都内の路上生活者対策を推進していく上で、現在の施設不足を解消すると共に、公園道路清掃等軽作業の雇用創出、職業訓練、技能講習の実施、就業機会を確保していくための様々な支援策が重点的に行われなければならないと考えます。
新宿区は台東区と並び、都内で最も路上生活者が集中している区の一つです。また人口密集地故に地域住民との軋轢も集中している区です。路上生活者の方々も、また地域住民の方々も、一日も早くこの状態を改善できる日を待ち望んでいます。区政の大きな課題の一つである区内の路上生活者問題に対しどのようなお考えを持ち、どのような施策を打てるのかに多くの人々は関心を寄せています。
今次の不況下で誰が考えても今以上に路上生活者が増えるだろうと思われる状況を前に、私たちは、路上生活者と路上生活を余儀なくされそうな人々の発生防止について、区長候補者の見解を聞き、投票の際の参考にしたいと考えています。また結果については、報道機関等を通して、広く公表する予定です。
ご多忙とは存じますが、下記質問に回答と共にその内容を公表して多くの人々の判断材料に供されますよう、お願いします。
新宿野宿労働者の生活・就労保障を求める連絡会議(新宿連絡会)
(回答先)
160-0015
東京都新宿区大京町3新大京マンション304スペースかぼす気付新宿連絡会
電話 090-3818-3450(笠井) FAX03-5367-5667
メール shinjuku@tokyohomeless.com
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質問1
路上生活者問題にどのような見解をお持ちですか?
(見解を自由にお書き下さい)
質問2
区内の路上生活者問題を解決していくため、新宿区はどのような施策を講ずればよいと考えますか?
(見解を自由にお書き下さい)
質問3
路上生活に至りそうな人々を路上生活にさせないための予防策を、どのように講ずればよいと考えますか?
(見解を自由にお書き下さい)
質問4
緊急地域雇用創出基金など国等の制度を利用し、路上生活者および路上生活に至たりそうな人々への雇用創出策を実施しますか?
(1)実施する方向に努める。
(2)今後の検討課題とする。
(3)必要は認めない。下記の施策で対応できると考える。
( )
質問5
高齢者、病弱者、女性、障害者など生活保護を必要とする路上生活者に対し優先的に保護を適用している現在の区福祉事務所の対応をどのように評価しますか?
(1)評価している。
(2)基本的に評価するが、課題がある。
(3)評価しない。
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回答期限は11月15日とさせて頂きます。
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